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令和6年度6月知事定例記者会見(令和6年6月17日)の要旨について

ページID:0077623 更新日:2024年6月20日 印刷ページ表示

日程:令和6年6月17日(月曜日)

時間:11時23分~12時07分

場所:知事会議室

 

 

(NHK(幹事社))

それでは会見に移りたいと思います。記者クラブからの代表質問は1問です。本県の少子化対策について伺います。

今月、厚生労働省は令和5年の人口動態統計の概数を公表しました。愛媛県も全国の動向と同様、出生数が6950人と過去最低を更新し、少子化の流れに歯止めがかからない状況となっております。

県では昨年度、えひめ人口減少対策総合交付金を創設され、各市や町が地域の実情に応じて必要な事業を選択して実施できる体制が整えられておりますが、昨年度の各市や町の交付金の使用状況や今後の進め方についてお伺いいたします。

 

(知事)

はい。まず、愛媛県の現状というのを共有していただくというのがすごく大事なテーマではないかなというふうに思うのですけども、ピーク時153万人の人口が数えられていた愛媛県が、現在128万人ぐらいに減少していると。もう3年前に、これは大変なことになるということで、早い段階で具体的な数字を提示しようということから、市町ごとの減少予測、国は昨年出しましたけど、ご案内のとおり、愛媛県は早い段階で出していました。それはやっぱり危機感を共有していただくということなのですけども、その中でいろんな対策は打っているのだけれども、例えば、移住者が増えたというけれど、それでも減るのかという声もありますので、まずベースのところなのですが、人口の増減には社会増減と自然増減があって、社会増減というのは、移住者が入ってきた、あるいは就職で県外に若者が流出した、こういう増減になりますけども。現在、移住者が年間約7300人(転入者数が約1万6千人)。県外へ流出する転出者数約2万人ぐらいになろうかと思います。ここでまず、おおざっぱに言えばマイナス4000人。

問題はもう一つ。問題は自然増減でありますけども、愛媛県の場合、年間にお亡くなりになる方が約2万人いらっしゃる。先般発表されましたけれども、1年間に生まれるお子さん、赤ちゃんが約7000人と。ここで発生する自然増減が、差し引きマイナス1万3千人。先ほどのマイナス4000人を足すとマイナス1万7千人が、今の状態でいろんな手立てを打っていても減っていると。これがまずベースにあるっていうことをご理解いただけたらというふうに思います。

そういう意味で今、移住者数の確保(目標)8500人を置いているのは、社会増減をまず、バランスを取って抑えようということなのですけども、手立てとしては、出生率を高めていくためにどうすればいいのか。移住者等を含めた流入人口をどう増やしていけばいいのか。外へ出ていく流出人口をどう食い止めればいいのか。そしてもう一つは、今でも1万5千人いらっしゃる外国人の方にどう来てもらうか。この四つの組み立てから政策を作っていく必要があろうかと思っています。

何もしなければ、何もしなければというふうに何度も言わせていただきましたが、やがて愛媛県の人口は40年後に78万人になると。今手立てを打って、いろいろ移住者が増えたりしていますので、そうならないためにも、最低でも100万人を維持しようということで、目標を置いて動いているということをご理解いただけたら、政策の意味というのが、受け止めやすくなっていただけるのではないかなというふうに思っています。

ただ、意外なこともデータを分析していくと分かるのは、例えば、出生率なのですけども、実際に、結婚されている夫婦間における子どもの人数は、実は、第二次ベビーブームが起こった50年前とほとんど変わっていないということに驚きます。少子化、少子化、出生率1.3どんどん減っている、一人っ子が多いのじゃないか、ではなくて、結婚したところのご夫婦の子どもさんの人数は減ってないっていう、こういう現状がありました。そういうことは、出生数の減少の主たる要因は、夫婦間の子どもの人数ではなく、その前段である、婚姻件数の減少ということに尽きると。これが減ってきているから、そもそも分母の婚姻件数が減るっていうのもあるのですけども、結婚されない方、これは人々の人生観ですから立ち入れないのですけども、そういう方も増えているというところを考える必要があると。家族意識の問題の変化、家族意識の考え方の変化とか、今の物価高に所得向上が追いついてないとか、いろんな問題が他にも複合的にあるのですけども、こうしたことをトータルで考えて見つめていく必要があるというふうに思います。この20代の方々の転出超過っていうのがまたこれに拍車をかけていますので、この解消を図るとともに、出生数の増加につなげるため、県全体で取り組みを進める必要があると。そのためには、もう一つ考えたのは、各市町によって産業構造も違いますし、コミュニティも違いますので、県内統一の制度だけではなかなか効果が、効果の発揮度合いがどうなのかなということがあったので、交付金制度というのを立ち上げさせていただきました。いわば、各市町が地域の実情やニーズに応じて政策を作っていくということを後押しするというのが、県のやる方向性ではないかと考えたところであります。これが、「えひめ人口減少対策総合交付金」の創設ということでご理解いただけたらというふうに思います。

この交付金なのですけども、出会い、結婚から妊娠、出産、子育てに至る切れ目のない支援の抜本的な拡充を図るため、市町からの要望も踏まえまして、結婚を希望する独身者への出会いの場の提供、結婚して新たな生活を始めるカップルへの引っ越しや時短・省エネ家電購入への補助、妊娠を望む夫婦の事前の検査費用や不妊の悩みを持つ夫婦への不妊治療費への補助、妊産婦健診や子供の通院への交通費等の助成等、それぞれの市町が考えながら取り組みを推進しているところで、それを県が後押ししているという状況でございます。

このような中、初年度である令和5年度は全ての全20市町が活用をしていただいています。県内で、110事業がこの交付金制度を活用して実施されておりまして、まだまだスタートしたばっかりですけども、これからどんどん充実を、スクラップアンドビルドも繰り返しながらですね、効果的な政策を追求して、場合によっては、横展開というのが積み重なっていくのではなかろうかというふうに思います。

今年度は、要望の要件の緩和とか、移住支援メニュー等の追加も市町の要望に従ってやっています。その結果、138事業の申請が上がってきておりますので、110から138事業へと事業数が増えてきたと。ただ、市町間で、メニューの活用状況は相当ばらつきがあるのは事実であります。

担当部局長を中心に、先月から全市町を訪問して、幹部職員や子育て支援所管課から、市町が抱える課題についてさらに県の方で丁寧に聞き取りを行ったところでございます。今後とも、もしそういった中で、こんなメニューがあったらいいなっていうような要望で、これは応援するに値するようなものがあれば、臨機応変に対応していきたいというふうに思います。来月には、市町から要望のあった県・市町担当者会を開催して、子育て世帯のニーズの高いメニューや高い効果の見込めるメニューの横展開に向けて、情報交換を早速行うこととしておりまして、実効性を高めていきたいと思います。

ただ、この出生数の減少は、先般、国の方から発表がありましたが、これ、非常に全国、日本全国の問題になっております。ただ、地域ごとに見ると、東京への一極集中という課題もありますので、20代人口の転出超過解消、そして結婚や出産においては、個人の尊厳を尊重することを前提に、出会いの機会。アンケートを取ると、そもそも出会う機会がないので、結婚したいのだけどチャンスがないという声もたくさんありますので、そこは地方によっては、行政がやる婚活事業をやめたところもあるようですけど、県はやり続けるというふうに思っております。いずれにしましても、まず事態を共有して、皆さんが関心を持って、地域ごとに応じた効果的な事業を積み上げていくということに尽きるんではないかと思っています。以上です。

 

(NHK(幹事社))

ただいまの答弁に関して質問のある社をお願いいたします。

 

(愛媛新聞)

すいません、先ほどの交付金のお話なのですけれども、現在、県のメニューの数が、今、いくつメニューがあるのかということと、あと先ほどですね、令和6年度、138事業申請が上がってきたとありますが、具体的に、その県の示しているメニューの中で、どういったところが特にニーズが高いというふうに見られてらっしゃるのでしょうか。

 

(知事)

 それでは、現場の方から。

 

(少子化対策・女性活躍統括部長)

メニュー数は、5年度は17メニューだったのですけど、三つ拡充をして今は20メニューになっております。

それから、市町において令和6年度、特に人気が高いのは、若年世帯における時短・省エネ家電とか育児用品を購入する事業そういうものが18市町で活用されています。それから、奨学金返還を支援する事業が15市町。そして、妊娠前検査、不妊治療費に補助を行う事業が15市町というふうに、市町ちょっとバラバラですけども、そういうものの人気が高くなっています。

 

(NHK)

横展開されていくということですけども、やはり改めて、この各市町の交付金というかたち、いわゆる市町のアイディアを出していくっていうかたちっていうのは、こういう少子化だったり人口減というのに対しては、知事は効果的だというふうに改めて感じてますでしょうか。

 

(知事)

そうですね。本当に、人口規模もそれぞれ違いますし産業も違う。コミュニティの濃度も違うので、一律の制度で、この子育て支援とか少子化対策だけではないのですけども、一律にこうだっていう制度でやっていくのは無理があるのじゃないかなと。効果ということを考えたときには、やっぱり現場に応じた多彩なメニューっていう方を追求していった方が結果に結び付くのではないかなと。ただ問題はですね、この人口減少対策というのは人の生き方に関わるので、これをやれば確実だという保証はないんですよね。だからもう、効果があるんだ、であろうというふうなことをベースにして行っていきますから、トライアンドエラーあると思います。だから、やってみたら効果がなかったのでリニューアルしようとか、別のメニューにしようとか、それはもうしょうがないかなと思う。明確なものではないものを作ってなんぼとかそういう話じゃないですから、本当にきめ細かくフォローしていくのと同時に、県もそうですけども、前々から言っているように、国が用意したメニューをそのままやる3割自治、もうこれでは時代は乗り越えられないと。まさに、県もそうですし、市長、町長、我々のまちづくり全体における明確なビジョンというものがものすごく大事で、その役人さんだけにお任せすると、国と県が用意した、県でもそうですけど、上からそういったところが用意した政策を引っ張り込んで、やってやりましたっていうとこで終わってしまうんですね。これではもう成り立たないと。そうじゃなくて、政策立案というものをそれぞれが考えていかなければいけないんじゃないかなと。そういう意味で、交付金制度っていうのは、まさに、きっかけを生む制度にもなるのじゃないかと期待しています。

 

(NHK)

改めて、やっぱり待ったなしっていう状況ですね。

 

(知事)

そうですね。そう思います。

 

(愛媛朝日テレビ)

すいません、1問だけですね、先日、待機児童数がですね、おそらく県内で約10年ぶりぐらいですかね、ゼロになったという発表があったと思うんですが、今回の今の問題とか絡めて、知事としてはある程度効果が出てきたとお思いか、それともまだまだゼロを維持するために、対策が必要だと考え、このあたりどうでしょうか。

 

(知事)

待機児童の解消というのは、やっぱり、各市町の本当に現場対応に尽きるのですけども、かつて私も市長の仕事をしていたときに、毎年のように対応を繰り返してきました。すごいあのとき難しいなと思ったのは、例えば4月、新しい年度のスタートのときに、待機児童が100人いるという報告を受けて、じゃあ100増やそう、待機児童解消のために受け入れ体制整備しようって100を足しました。翌年度1年たって4月、さあどうだ・ゼロかといったら150待機児童が発生しています、ともうこの繰り返しだったんですね。

なんですかね、ニーズはどんどん多様化していきますので、例えば、あそこの保育所に入りたかった、でもこっちだからまだうちは駄目だという意見もあれば、終わりがないんですよ。だから、あえて県の方から発表させていただいたときに申し上げたと思うんですけども、人数的な待機児童の状況はゼロになっているけども、例えば今言ったニーズ全部に沿った対応したということになれば、まだ解消できてないですよね。そこら辺をあえて発表のときには申し上げたと思いますけども、これからもわれわれもフォローはしますけども、これは市町独自で対応しながら進めていく課題なので、今回、砥部町がゼロになったということなので、本当に皆さん頑張っているんじゃないかな、というふうに思っております。

 

(朝日新聞)

エネルギー基本計画の改定が今議論が進められていると思うんですけれども、先日、経産省が原発の建て替え、増設を認める方向で検討に入ったという報道がありましたけれども、改めて知事として、伊方発電所で将来的に原子炉建て替えであったりとか新設・増設とかを容認されるお考えがあるかというのを改めてお聞かせください。

 

(知事)

将来どうするかっていうのはまだまだ全然先、仮定の話なので、お答えする状況ではないと思っていますけども、そもそもやっぱり日本の国のエネルギー、この記者会見の場でも、これまでも何度か取り上げさせていただいたのですが、まず日本という国の特異性というのを考える必要があると。それはエネルギー資源がない国であるということでありますよね。そのためにかつては石炭、今は石油等々を中心にまた今、新しい自然エネルギーであるとか多角化して対応しているんですけども、どのエネルギー資源も太陽光とかは別として、特に主力になっているエネルギーについては日本には資源がないと。こうした資源がまた厄介なことに、地政学的に非常に偏在して存在していると。そういった存在している国の政情というのが、極めて安定した状況が続いているわけでもないと。だから、何か一朝事あるとき、影響は直撃を受けるのが日本の縮図になっています。であるからこそ、日本のエネルギー政策というのは多様化というのが、一つのカントリーリスクを念頭に置きながら進める必要があるというのはベースにあると思うんですね。その中に原子力発電も位置付けられて、その時々の最新の知見に応じた安全対策を施して対応してきた経緯があると思うんですね。

ただ、東日本大震災が発生するまでは、なんですかね、絶対とまでは言えないのだけど、かなりそれに近い安全ですということをひたすら強調して進んできた経緯があるのじゃないかなと思います。ただ、東日本大震災も、これよく分析するとですね、そもそも設置した時期の問題があって、後に10メートルを超える津波が襲ってくる試算が示されたにもかかわらず、その場所に原発を立地していたという経緯と、それから、それでも電源さえ動いていれば最終的には、その電源でポンプを回して海水をかけて、冷却すれば、原子炉が使えなくなりますけども、暴走を止められるという概念がある。であるがゆえに、どこの原発も非常用発電機というのを備えていたと。そもそも東北(福島第一原子力発電所)の原子炉が初めて建ったとき、昭和40年代に、ターンキー契約という契約だったはずなんですね。それはアメリカの原発で、こういう設計ですと、この設計をいじると価格がボンと上がるんですよ。

そもそもアメリカの原子炉は河川沿いに建てられていますから、津波を想定してないんで、その設計図というのは非常用電源施設が地下にあったはずなんです。当時それは内部で検討されたはずなんですよね。これ大丈夫なのかなと。でも、大丈夫だろうという当時の経営判断があって、地下に非常用電源がある原発が作られたと。ここに津波が襲ってきたので、一発で動かなくなったというふうな経緯がありました。だから、それまでに安全安全というのは言い過ぎていて、僕らよく言うのは、原発は絶対安全なものではないと、これは明確に言うべきだと思います。

だからこそ、理想論としてはない方がいい。でも、今の日本の先ほどのエネルギー資源を持たない国、それからエネルギー資源の偏在性、カントリーリスク、いろんな要素を加味すると、多様化しながら、向き合っていくしか方法がない。だから、原発は理想論としてはない方が理想だけども、それに代わりうるエネルギー資源、それは単に太陽光がどうだとかそういう単純な話じゃなくて、出力と安定性と実現性、この要素を兼ね備えた、あとコストですね。こうした要素を兼ね備えた代替資源が見つかるまでは、その時々の知見で、絶対安全なものではないという前提のもとに、最善の知見を駆使して安全対策を徹底的に施しながら付き合っていくというのが選択肢ではないかなというふうに思っています。

そういう中で、国が全体像を議論するっていうのは絶対必要なことではないかなというふうに思っています。以上です。

 

(愛媛朝日テレビ)

坊っちゃん列車のですね、クラウドファンディングがですね、今、松山市がやっていますけどちょうど今日の夜で期限になります。目標が2500万円に対して今、11%の260万円、270万しか集まってなくて、やはりいろいろやっぱり市のお金を投入すべきじゃないかとかですね、恒常的に続けるには、そんな意見も出たりしているんですが、元市長の立場からしてもですね、どういうふうに思われているかお聞きできればと。

 

(知事)

そうですね。これはもう本当に私が口を出すべき話ではないのですけども、ただ前々もその立ち上げのときに申し上げたのは、例えば、車両を切り替えるとか、1回こっきりの明確な対応についてはクラウドファンディングってのは非常に呼び掛けやすいと思うのだけども、もう今回、運営ということになると、なかなかクラウドファンディングというのがフィットするのかどうかっていうのは、議論の余地があるのかなと。というのは2年目はどうするのかっていう当然そういう話になってくると、クラウドファンディングっていうのは費用をかけないで、多くの方の賛同者から気持ちを寄せていただくという趣旨なので、そもそも費用をかかるんだったらやめた方がいいなというふうに思うんですけども、ただ心配なのはクラウドファンディングを立ち上げるのにかなり予算が使われて、今回それがどうなるか知らないですけど、またさらに調査とかになるとお金がかかってくるんで。

だとするならば、それをその金額をバックアップするっていう方法もあるのかなと。これは議論されていくのだろうなというふうには思いますね。

 

(愛媛新聞)

今月上旬から、四国4県の官民でつくる、新幹線の期成会が機運醸成のための署名活動を始めています。知事は、県の期成同盟会会長の立場で、新幹線が必要だというお立場だと思うのですが、新幹線を誘致していくに当たってですね、地元の機運醸成というのはやはり大事になると思いますが、どのようにして一層の機運醸成を高めていくべきか。もし、まだ十分でないとすれば、何が足りないというふうに知事はお考えか、教えてください。

 

(知事)

そうですね、本当に可能なのかどうかという実現性に、なんていうかな、時間かかる話ですから、実感がないというところから関心が向かないっていう人もたくさんいらっしゃると思うのですけども、だからやっぱり、地道になぜ新幹線を四国にということに関係者が動いてるのかという、その根本の理由のところというのは、丁寧に議論、情報発信を積み重ねていくというのが大事ではないかなというふうに思っています。

例えば、署名もそういうことを伝えるきっかけにもなるのじゃないかなというふうに思うんですけれども、そもそも、これも繰り返しになりますが、JRが国鉄から民営化・分割化されたときに、収益事業である新幹線を持たないJR四国、JR九州、JR北海道は、そもそも分割民営化したらやれるのかという議論があったことがまず原点だと思うんですね。そのときの前提条件は、経済は発展する、人口は増えていく、金利は預ければ5、6%の金利リターンがあるという前提で基金が作られて、その運用益をその3社にバックアップすることで何とかフォローしようっていうのがスキームだったんですよね。

でも、それが全て崩れて、経済は高度成長から低成長に入って、人口は減少して、金利はゼロかマイナス金利になった。そこから果実は生まれない。前提条件全部壊れましたよね。そんな中、九州は新幹線が通ったことによって、収益事業を持ったことによって脱出をしたと。それを持たないJR四国とJR北海道は、同じような構造から脱出できないということがまず前提にあるということ。そのために、収益事業たる新幹線というのは、JR四国っていうよりも、四国全体の鉄道網の維持にとって必要であるというふうなことがベースにあるということを、まず共有していただく人を増やしていくのが大事だと思っています。よく、例えば、利用者が(少ないのでは)という議論もあるんだけども、これも専門家が分析しているんですが、意外なことにですね、北陸新幹線の駅の周辺人口よりも、四国新幹線の駅の周辺人口、予定される駅の周辺人口の方が全然多いんですよ。これもあんまり知られてないんですよね。だから、そういったことを含めて新幹線の実現性、現実性っていうのを、地道に署名活動も含めてやっていく、関係者がやっていくというのは大事ではないかなというふうに思います。それとまた、あのドラマなんかも、そういったことに大きな役割を果たしてくれる可能性があるので、実現できたらいいなと期待をしています。

 

(愛媛新聞)

関連してなんですけれども、例えば、今、四国と北海道は新幹線がないというお話もあったと思うんですけど、その、ないことによって、いわゆる地域の経済の活性化であるだとか、活力の低下であるだとか、そのあたりですね、どのように知事は見ていらっしゃるのか、お聞かせ願えますか。

 

(知事)

そうですね、やっぱり通ったところの、これは数字、僕は専門的な数字を積算する立場ではないんですけども、やっぱり九州の状況であるとか、北陸の活況であるとか、今ちょっと震災の問題は別にしてですね、そう見ていると、活性化には大きな力になるというのは、もう、その存在そのものが示しているんじゃないかなというふうには思いますね。

そもそも瀬戸大橋、これもまたあまり知られてないですけども、そもそも、香川県と岡山県に通った瀬戸大橋は、将来、新幹線を通すというふうなことも含めて、新幹線仕様の設計になっているっていうことも、あまり知られてないことだと思います。

 

(時事通信)

 航空機の燃料不足についてお尋ねいたします。昨今、全国の空港で国際線の燃料が不足しているという問題があるそうです。愛媛県、先ほども申し上げられたとおりソウル線を増便したり、今後、ソウル線の増便の継続を検討したいと仰っていますけども、現段階で航空機の燃料不足が愛媛県の既存便に与えている影響であったり、今後の新規路線の就航に与える影響等々ありましたら、教えてください。

 

(知事)

はい。まずですね、現時点で石油の元売り各社から燃料不足、航空機燃料ですね。松山空港に関しては、何か支障が出ているというようなことはないというふうに聞いています。今の増便の範囲でも。実は3日前に、石油業組合の全国大会が愛媛県で行われまして、その総会と懇親会にも出席して、県内の航空燃料とか卸している会社の社長さんともいろいろと意見交換したんですけど、松山空港は今のところ大丈夫ですという話をいただいています。ただ、どんどん増えて、周りがひっ迫していったら別ですけども。

これは記者会見でも海外航空路線を開設する話の中で触れたことがあるんですが、今、円安ですから、海外の方から見れば、日本は有力な旅行先になっている。これ、良い面と悪い面の両方あると思いますけれども。となると、今までチャーター便も含めて、国際線に縁のなかったところもですね、補助金次第では飛ばせると。場合によっては増やせるという状況があることは間違いないんですね。だから県でも増やそうと思ったらもっと増やせる可能性はあると思います。ただ本当にそれだけでやっていいのかなと。宿泊キャパの問題であるとか、あるいは空港そのもののキャパの問題であるとか、この前スポットとか増設していますけども。それからグランドハンドリングの人員確保の問題、これ、安全性に直結しますよね。そのために、他の県がどうだからうちも増やそうとかいう発想ではなくて、身の丈に合った、体力をしっかりこう見極めて、問題点も目配りしながら、路線の増便を図るという視点を持つというのはすごく大事ではないかなというふうに思っていますので、航空機燃料の問題も当然その要素の一つとして、常に考える必要があるとは思っています。

 

(NHK)

話題変わりまして、県民文化会館の件で質問であります。県が改めて、民間事業者の提案意向確認を締め切られましたが、二つの事業者から参加の意向があったと聞きました。二つの事業者、県内か、県外か、詳細はたぶん公表できないと思うのですが、もしできる部分があれば公表していただきたいのと、あと改めて、今後、2事業者との、選定に向けて対話を進めていくと思いますが、国際的なMice誘致の重要性、知事のお考えを伺います。

 

(知事)

非常に、まず今回二つの事業者が名乗りを上げていただいたのは、本当に感謝を申し上げたいと思います。でもこれは、これでイコール確実にという話じゃなくて、今いろんな不確定要素があると思うんですね。例えば、建築費が高騰しているから、先ほどの空港と同じように人材確保、万博やいろんな能登震災の対応もありますから、人材の確保もままならないというような状況の中で、いろんな問題を片付けていかなきゃいけないので、そう簡単な問題ではないと思っています。

ただ、そういう中で魅力を感じていただいて名乗りを上げていただいたこと、これはもう本当にうれしく思っていますので、ただ、今、これから話し合いを進めていきますから、場合によってはトントン拍子で行くかもしれないし、いやここの条件はちょっと厳しいかなというので、もう一回、ご破算になるかもしれないし、これは分からないんですよ、やってみないと。まだスタートラインに立ったところですから、今、会社がどこだとかいうようなお話ができる段階ではないというふうに思っています。

いずれにしましても、これから、個別に話を進めて、議論を積み重ねていきたいと思っていますので、丁寧にやっていきたいなと。前で懲りましたから、急ぐということはあまり優先せずに、本当に丁寧にやっていく。その場所のメリット、それから県文との連携というちょっとした特異性、道後温泉との距離感、いろんな魅力が場所にはあると思っていますので、何とか良いものが後世に残せたら良いんじゃないかなというふうに思っています。

そのためにも、本当に、これから進む可能性はあると思っているので、一番町とか、いろんな展開があると思うので、本当に理想を言えば、松山のまちづくりを早く出してほしいんですよ。そうすれば、その中でホテルが廃止されて、じゃあ県の施設はどうしようかって議論ができたのだけれども、ここが、なかなかお答えがいただけないので、ちょっと苦慮をしています。

 

(愛媛新聞)

愛媛新聞の河野と申します。よろしくお願いします。カメムシの被害について伺います。県内でも例年にないぐらいカメムシが大量発生していて、今後もさまざまな作物で影響が出ることが予想されますが、知事の受け止めをお聞かせください。あとは、県内での被害状況がもしまとまっているようでしたら、それも教えてください。

 

(知事)

まず、ちょっと調査しているのですが、果樹のカメムシ類については、過去10年間で最も越冬量が多くなっています。平年比でいうと4倍、前年比、前年少なかったんですけど、前年比で比較すると78倍の発生が確認されています。4月下旬ぐらいから多く確認されまして、天候等に応じて園地への飛来も確認されています。

ただ、もうだいぶ前なんですけども、今回が平年比の4倍が確認されているんですが、過去に一番多かった平成8年は、平年比で12倍確認されたことがあります。だから、今回以上に大量発生したときは過去にはあったということは記録されていました。

現在、被害なんですけども、うめ、もも、びわで被害が確認されておりまして、果実が吸われることで奇形果等の被害を受けるという園地が報告されておりまして、ちょっと収量、品質への影響は懸念しております。

また、かんきつについては、まだ現在、生理落果の時期でありますから、カメムシの影響かどうかの判断できる時期ではないので、果樹については、ちょっと今のこの時期時点では、被害どうだっていうことは分からないという状況です。

なお、被害状況については、来年度初めに、前年度の発生面積を国に報告することになっておりますので、その時に面積が確定をされるということになります。被害金額の算定は、もういろんな要素があるので、これカメムシの被害でいくらっていうのはなかなか出すのは困難です。

 

(愛媛新聞)

来月で西日本豪雨の発生から6年になるかと思うんですけれども、今年の5月までに県の方でも激特の肱川の堤防整備完了したかと思うんですが同規模程度の雨でも越水しない体制が整ったということで、ここの体制が整ったことに対する知事のご所見と、今後の気候変動に伴う激甚化も恐れもありますけれども改めて水災害にどう備えていくか、その2点をお聞かせいただけたらと思います。

 

(知事)

そうですね。発生したときには本当に特に被害の大きかった大洲肱川エリア、それから優良園地が本当に失われてしまった吉田を中心とする宇和島エリア、それから町の大半が水没した野村町を中心とする西予エリア、ここらあたりとまた島嶼部とか、今治も含めて広大な範囲で被害があったんですけども、特にその南予の被害は大きかったので、その年はもうずっと現地によく通っていたんですが、本当に大洲の特に肱川流域の皆さんとの対話では、もう絶望感というかですね、「引っ越す。」「県外に出る。」「もう住めない。」というような声が数多く聞かれていました。それを一つ一つ説得してできるだけ早く対処するからということで、それはもう皆さんそこまでやるならばっていうことを信じて、国や県市の対応を見つめていたと思うんですね。連携しながらですね。それぞれの役割分担で事業を進めてきたんですが、一番大きかったのは早い段階で国の激甚指定を受けて、一気にやると、計画を10年前倒しして5年で済ますというふうに期間短縮で対応ができるということになったのは非常に大きかったと思います。

激特事業には、県と国の両方の事業ありますけども、とりあえず先般、県の分の激特が完了し、国の激特も3月に終わって、上流から下流と役割分担でしたから、両方で激特事業の分は終わったということなのですがこれに伴って、お話があったように同じだけの雨量が来たとしても、越水はしないという体制はできたので、それはお約束を果たせたということで流域の皆さんには安心感というのは生まれたんではないかなというふうに思います。目に見える形でも県道の橋が掛け終わるとかですねそういうとこも進んでいますので。ただ、天然災害の絶対はこれまたないですから、さらなる雨量とかもあり得るわけですから、そのために肱川は本当にコントロールの難しい、恵みの川であると同時に、本当に治水面でいうとコントロールが難しい複合的な対応をしなければ抑えられない川であります。堤防の建築、河床掘削、ダムによるコントロール、いろんなことを複合的にやって初めて人の力で何とか治められるという川なので、まだまだ、あの激特分は終わったとはいえ、他の事業が終わっているわけではないので、引き続きさらなる安全度の向上のために治水事業をしっかりと行っていきたいというふうに思っています。

 

(愛媛新聞)

 先ほどのカメムシの話、もう少しいいでしょうか。被害の軽減に向けて生産者への呼び掛けだったり、今後被害が拡大したときに、県としての支援だったり、被害拡大を防ぐための県の支援だったり、その辺の考えってありますでしょうか。

 

(知事)

対策についてはですね、3月と6月に病害虫発生予報注意報を発出しております。これは、農業者、関係者に注意喚起だけでなく、職員の現地指導も行っておりまして、現地指導については、各地域の防除暦に従った速やかな薬剤の防除、それから、ももとなしについては、いつもよりも早めに袋がけをした方がいいというような指導、こういったことを細かくやっているところでございます。

それから、今後の発生見込みなんですけども、気温が上昇するにつれて、7月までは飛来が続く可能性があるというふうに思っておりますんで、この点についても情報共有ということでございます。

なお、今年のスギやヒノキの果実数が少なめに見込まれますことから、この夏の産卵以降に誕生する幼虫の数は少なくなってくるんじゃないかという、現時点での予想でございます。それから、水稲への影響は、こちらもまた別の種類があるらしいんですけど、こちらの水稲への影響は出ていないということなのですけれども、時期としては7月ぐらいに水稲の方も可能性がありますので、こちらも注意深く現状を把握しながら、的確に、注意報であるとか指導を行っていきたいというふうに思っています。以上です。

 

 

※議事録については、読みやすさや分かりやすさを考慮し、発言の趣旨等を損なわない程度に整理しております。


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