本文
「愛のくに えひめ営業推進本部」の24年12月末時点の成果及び今後の営業活動に関する記者発表の要旨について
日時 平成25年1月22日 11時00分~
場所 知事会議室
(知事)
昨年10月に、「愛のくに えひめ営業推進本部」の上半期ということで、成果を発表させていただきましたけれども、四半期に1度、民間企業が公表していますように、今回、12月末時点での活動実績や今後の営業活動について報告をさせていただきたいと思います。
まず、成果でありますけれども、商談会やフェア等、営業に係る事業につきましては、10月から12月末までの3カ月間、30件実施をいたしました。上半期6カ月間で32件でありました。そして、県内企業等延べ343社、上半期は372社、いずれも6カ月と3カ月の比較になりますけど、ほぼ同数ということであります。これに対して、商談やPRの機会を提供したところでございます。
なお、1月から3月にかけても、商談会等をさらに、10月から12月と同程度、31件を予定しているところであります。
その結果、12月末時点で把握できている今年度の4月から12月までの成約件数は115件、成約(販売)額は約4億2千万円に増加しております。9月末に比べまして、成約件数で50件、成約額で約3億7千万円の増と、大幅に増加している状況にございます。今回の成約増額となった主なものは、大手コンビニエンスとの提携によりまして販売されました愛育フィッシュのタイを使用したおにぎりの販売や、韓国向けのブリの新規取り扱い等もありまして、その他にも、上半期に商談等を行ったうち、大手メーカーと「すご技」企業の新たな成約、首都圏バイヤーとの愛育フィッシュ等の成約、首都圏プレカットメーカーと「媛すぎ・媛ひのき」の成約、台湾におけるかんきつの輸出などにおいて、追加取引があったところでございます。
なお、すご技データベースにつきましては、企業によっては、社外秘ということで、成約しているんだけれども、数字は勘弁していただきたいというところもございますので、これは、ものづくりメーカーの特徴だと思います。ですから、プラスアルファというところについては、あるんだけれども全ては県庁で把握はできていないということになることもご報告させていただきたいと思います。
今後も、新規案件はもとより、これまで実施した商談会やフェアのフォローアップとして、積極的な営業活動に取り組んでいくことで、引き続き成果を拡大していきたいと思います。
次に、1月から3月にかけての今後の営業活動でありますけれども、いよいよこの季節は、いよかんをはじめとした中晩柑の出荷が最盛期となりますことから、かんきつを中心とした本県産品を強力にPRするため、今後、私自身のトップセールスをする予定のものについて、その概要をお知らせさせていただきたいと思います。2枚目の資料をご覧いただけたらと思います。
大都市圏では、まず、今週末の1月26日土曜日、大阪において、イオン茨木店、大阪市中央卸売市場、西宮阪急百貨店でのトップセールスを予定しています。引き続き、2月1日金曜日には、東京におきまして、東京都中央卸売市場でトップセールスを行った後、その足で名古屋に移動しまして、名鉄観光への観光セールスや桜通りカフェ、名古屋駅前の地下街、名鉄百貨店でのかんきつ類等の販売促進イベントを実施いたします。さらに、その日のうちに東京に戻りまして、「えひめカフェ」事業の、表参道をベースにしたオープニングセレモニーをいよかん大使でもある友近さんをゲストとして招き、実施することとしています。このときには、「みきゃん」、それから「バリィさん」も登場する予定であります。
次に、海外においては、3月26日火曜日に、シンガポールでは、今年度3回目となる商談会を開催いたします。シンガポールは、前もお話ししたとおり、東南アジア諸国に本県産品を輸出する場合の重要な戦略拠点となりますことから、私も出向きまして、現地バイヤーに対してトップセールスを行うこととしております。
なお、シンガポールには、愛媛シンガポール協会の使節団も同行予定と聞いており、この機会を捉えて、オール愛媛の体制でのセールス、さらには、政府関係機関等への表敬訪問、シンガポール愛媛県人会との交流なども実施したいと考えております。
シンガポールにつきましては、昨年初めてお伺いした以降、しらす等々を中心として、4回にわたって、集中的なオーダーが入って松山港から貨物が輸出されているところでありますので、今後とも十分にマーケットとして成長が見込まれるのではなかろうかと捉えているところであります。
以上です。
(NHK)
成約額、成約件数とも増えているということだが、目標に対してどれくらいだったかという評価はできるか。
(知事)
正直言って、愛媛県が会社であれば、自分のところの製品でいくらという目標は立てやすいんですけれども、あくまでも営業の補助エンジンとして機会をつくっていくことが行政の役割なので、機会をつくってその後、通常だったら、ある意味では商談すら持ち込めないようなところがオール愛媛で組むことによって、商談が実施できるというところに目標がありますから、そういう意味では、金額的な目標というのは非常に立てにくいところがあります。一方で、件数は、ベースが全くありませんでしたから、今まで以上に増やすということでやっていますけれども、その商談件数というのは大幅に増加していますので、今回これが初年度ということで、初めて比較になるベースの数字が生まれますから、来年度以降は、具体的な件数目標というのを立てられるようになっていくと思っています。
(NHK)
この時点で、販路やセールスの方向などの課題は見えてきているか。
(知事)
一番のポイントは、やはり、将来の人口減に伴う市場の縮小というものを考えて、東アジアを中心とした戦略を立てていくということに踏み出したわけなんですけれども、東アジアは、ここまでいろいろな国々にアプローチをしていくとなると、やはり拠点が必要だなということをつくづく感じています。そんなところから、こうしたようなことをアジアのどこかに、アジア全体を網羅するような人員の配置というものが必要なのではないかなと考えています。
(南海放送)
そのアジアの拠点として、現段階で、具体的にどの辺りにというイメージはあるか。
(知事)
昨年、第一ゾーンということを申し上げたんですけれども、その中のどこかということになりますが、可能であれば、県内の金融機関も拠点を持たれているというところもありますので、複数ありますから、その中でどこがいいかというのを絞り込んで、やはり愛媛県の金融機関も同じ目的を持っていますから、行政と金融機関がタイアップできるような、そういう形が望ましいのかなと思っています。
(南海放送)
この営業推進本部は愛媛の一つの顔となりつつあるが、組織の体制として、人員の見直しなのか、縦のラインの話なのか、今の段階で考えがあれば教えてほしい。
(知事)
今、加藤営業戦略監がトップでやっていますが、課長級がいないんですね。ですから、それを事務的に束ねていく課長級のポストというのがどうしても必要なんじゃないかなと思っています。これは今どうするかということではないんですけど、全体の管理職のポストの問題もありますから、その中でバランスを考えながら検討していきたいなと思っています。
(愛媛新聞)
現状は、営業戦略監を入れて3人になってるが、課長を入れて4人くらいに。
(知事)
結局、コーディネートしていくことになりますから、今までは1次産品は1次産品だけ、しかも営業というところについては、ブランド戦略課はあるわけだけれども、総合的に全てが、例えば木材にしても、「すご技」データベースにしろ、そこまでの体制というのはできていなかったので、それをうまくコーディネートして、営業という言葉で、外に打って出るというのを営業本部に期待しています。
(愛媛新聞)
他の課と統合し陣容を大きくして、さらに戦略面での強化というのは。
(知事)
今のところ大丈夫だと思っています。というのは、それぞれやはり業界が違いますから、それが入り乱れて営業ということになるよりは、今までの良さも生かしながら、それを束ねていく営業本部という形の方が、かえって行政組織としてはスムーズなのかなというのをこの1年間見て感じてますので、そこら辺りは、例えば全て営業に集約するとかという必要はないと思っています。
(愛媛新聞)
現状の部署がそれぞれ連携する今の形のままと。
(知事)
そうですね。さらに充実させていくという方向がいいかなと。
(愛媛新聞)
水産物がかなり伸びたということだが、主だったところで、韓国へのブリの輸出やローソンの鯛めしおにぎりなど、どれくらいの規模の成約になっているか
(知事)
正式な数字というのは頂いていないんですけどね。おそらく、推定ですけれども、おにぎりは100万個以上いっているのかなと。金額から割り出していくとですね。そんな感じだと思っています。それから、ブリなんですけれども、当初はタイで攻めていたんですが、タイよりもブリの方が、これはなぜかということは分析しきれてないんですけれども、非常に関心を示していただきまして、これが600万円くらいだったのが、1億円くらいまで伸びています。
(愛媛新聞)
1億円のオーダーなので、航空便ではなくて、船か。
(知事)
もちろん、そうです。
(日本経済新聞)
成約状況のところを見ると、水産物や地場産品、加工食品などに比べて、ものづくりなど、いわゆる2次産品の成約件数や金額が少ないと思うが、この現状と今後についてどう思うか。
(知事)
これは二つ難しい点がありまして、一つは、先ほど申し上げましたように、ものづくりの企業というのは数字をなかなか表に出していただけないところがあってですね、ぶっちゃっけた話、本当に公表を控えてくれというところもあります。それから、もう一つは、1次産品のようにたちまち成約というスピード感を考えたときにですね、当然のことながら、技術のチェック、どこにその技術を利用したら、どういう製品につながるのかという検討、そういう世界でありますから、商談から成約に至るまでの時間というのがかかるんですね。だから、今も商談継続中というものは、たくさんあるんですよ。ですから、今後、ある一定の時期から増えていくのではないのかなと思っています。
(日本経済新聞)
では、今の段階で特にこの分野が遅れているという意味ではないのか。
(知事)
ないです。むしろ、あの円高の厳しい状況の中で、大健闘しているんじゃいのかなと、各企業がですよ。われわれは、機会を提供していますけれども、例えば、台湾でも商談中のものが非常に多くありますので、そういうものが、実際の契約に本当につながっていってくれたらなと心から願っています。
(愛媛新聞)
今後、水産物や農産物への円安の効果をどのように見ているか。
(知事)
円安の効果というのは、もちろん、価格競争力に輸出の場合はつながっていきますから、その点では、優位に働いていくと思いますけども、とは言っても、中国産や韓国産と比べたら、相当な開きはありますが、ただ、やはり質の面においてですね、非常に関心が高く受け止められていますから、長い目で見て、前に申し上げたように、非常に大事な営業活動になっていくんじゃないかなと思っています。ただ、一方で円安というものは、今のトップセールスではない、逆の分野、輸入ということに関しては大変なコストアップにつながっていきますから、県の立場から言えば、そういったバランスというものを常にウォッチしながらですね、それぞれのポジションで、その影響というのを分析しながら対応を図っていくということも重要になってきていると思います。