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愛媛県地球温暖化対策実行計画(改定素案)の概要

ページID:0051567 更新日:2024年2月28日 印刷ページ表示

1 計画の基本的事項

1-1 地球温暖化の現状と国内外の動向

○本県の年平均気温は、100年に約1.8℃の割合で上昇しています。
○世界各国では、世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃よりも十分低く保つため、2050年までのカーボンニュートラルを目標として掲げる動きが広がっています。
○本県では、2020年2月、2050年に温室効果ガス排出量実質ゼロの「脱炭素社会」を目指すことを表明するとともに、2030年度の温室効果ガス削減目標をマイナス27%(2013年度比)とする「愛媛県地球温暖化対策実行計画」を策定しました。
○日本では、2020年10月、2050年までに脱炭素社会の実現(温室効果ガス排出量実質ゼロ)、2030年度の温室効果ガス削減目標をマイナス46%(2013年度比)とすることを公表しました。

1-2 計画見直しの趣旨及び計画の位置付け

○本計画は、国の「地球温暖化対策計画」及び「気候変動適応計画」を踏まえ、次に示す基本的な考え方に基づき、「愛媛県地球温暖化対策実行計画」の見直し(改定)を行うものです。

「愛媛県地球温暖化対策実行計画」改定の基本的な考え方

○緩和策と適応策を両輪として、地球温暖化対策を推進
○省エネの加速化、地球資源を活用した再生可能エネルギーの最大限導入・利用を促進
○多様な主体との連携・協働により施策を推進
○環境・社会・経済の好循環の創出を推進

○本計画は、本県の環境分野の基本計画である「えひめ環境基本計画」における地球温暖化対策及び気候変動適応に関する個別計画であり、「地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」「地球温暖化対策実行計画(事務事業編)」「地域気候変動適応計画」の3計画を統合するものです。

1-3 計画の基本理念と基本方針

○本計画の基本理念及び基本方針は、気候変動対策や環境保全と県内の経済活動との好循環による持続可能な地域づくり、脱炭素による地域創生を目指します。
【基本理念】

環境・社会・経済の好循環による持続可能な脱炭素社会の実現

【基本方針】

緩和策(区域事業編、事務事業編)
1 脱炭素型ライフスタイルへの転換
2 脱炭素型ビジネススタイルの実現
3 エネルギーの脱炭素化の推進
4 環境負荷の少ない地域づくり
5 環境教育・学習の充実とパートナーシップの構築

適応策(気候変動適応計画)
6 気候変動への適応の推進

1-4 計画の対象範囲及び期間

対象範囲 愛媛県下全域
計画期間 2020(令和2)~2030(令和12)年度[基準年度:2013(平成25)年度]

1-5 対象とする温室効果ガス

区域施策編 二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロン等(HFCs・PFCs・SF6・NF3)
事務事業編 二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロン等(HFCs)

2 温室効果ガスの排出量等と再生可能エネルギーに関する状況

2-1 温室効果ガスの排出状況等

○2020(令和2)年度に県内で排出された温室効果ガスの総排出量は18,188千t-CO2、2013(平成25)年度比20.7%減(マイナス4,734千t-CO2)であり、近年は概ね減少傾向と推計されます。
○温室効果ガス排出量の約91.5%が二酸化炭素(CO2)であり、CO2排出量のうち、工場などの産業部門が57.4%と高いのが本県の特徴(全国34.0%)と言えます。

2-2 再生可能エネルギーに関する状況

○再生可能エネルギー設備導入量は、約1,164MW(2021(令和3)年現在)であり、このうち約80%が太陽光発電設備となっています。なお、地熱及び洋上風力発電設備は導入されていません。
○再生可能エネルギーの導入ポテンシャルについて、発電導入ポテンシャルは、年当たり113,874GWhであり、「風力(洋上)」が最も高く、次いで「太陽光(土地系)」「太陽光(建物系)」とされています。熱利用導入ポテンシャルは、年当たり90,619TJであり、「地中熱」が最も高く、次いで「太陽熱」「バイオマス」とされています。

3 温室効果ガス等の削減目標(区域施策編)

3-1 削減目標

○長期目標(本県が目指す姿)として、2050年に温室効果ガス排出量実質ゼロの「脱炭素社会」、中期目標(本計画)として、国目標と同様に2013年度比46%削減を掲げます。

3-2 削減目標等の達成に向けた対策・施策

○本計画の基本方針を踏まえ、削減目標等の達成に向け、以下の対策・施策を推進します。

(基本方針1) 脱炭素型ライフスタイルへの転換

(1)消費者の意識改革・行動変容の促進

○県民の環境意識の向上や環境配慮行動の促進
○エシカル消費(人・社会・環境に配慮した消費活動)に関する普及啓発

(2)省エネ・創エネ・蓄エネによる住宅のゼロエネルギー化

○省エネ性能の高い設備・製品の導入促進
○省エネ住宅、県産材住宅の普及
○住宅への太陽光発電、蓄電池、燃料電池、V2H設置の推進(自家消費の促進)

(3)環境負荷の小さい交通の促進

○ガソリン車から電動車への転換
○公共交通機関や自転車等の利用拡大
○交通渋滞の緩和・交通の円滑化

(基本方針2) 脱炭素型ビジネススタイルの実現

(1)事業者等の意識向上・行動変容の促進

○脱炭素型の働き方への転換
○エコ通勤、エコドライブの普及
○事業者等の自主的な取組みの促進

(2)省エネ・創エネ・蓄エネによる建築物のゼロエネルギー化

○省エネ設備・機器の導入、BEMS運用によるエネルギー消費の抑制
○建築物のZEB化、再エネ発電設備、蓄電池設置の推進(自家消費の促進)

(3)脱炭素経営の推進(生産プロセスの改善・省エネの推進)

○脱炭素経営の促進
○生産プロセスの改善と省エネ設備の導入の促進
○化石燃料使用設備の転換
○J-クレジット制度の活用、再エネ電力の調達等
○物流、輸配送の効率化

(4)脱炭素の動きを捉えた環境・エネルギー関連産業の振興

○環境負荷低減に資する製品の開発、調査研究や技術開発の支援
○脱炭素に資する新たな産業の創出・育成、企業誘致
○相談窓口の設置、相談支援体制の構築
○金融機関と連携した中小企業支援体制の構築

(基本方針3) エネルギーの脱炭素化の推進

(1)再生可能エネルギーの導入拡大

○地域と共生する再エネ導入の促進
○県管理ダムや農業用施設等を利用した水力発電の設置の推進
○地産地消型エネルギーシステムの導入促進

(2)バイオマス発電・バイオガスの普及拡大

○木質バイオマス発電の普及拡大
○バイオディーゼル燃料の需要拡大・供給拡大
○廃棄物系バイオマスの利活用拡大

(3)水素エネルギーの導入拡大

○グリーン水素の地域循環体制の構築
○水素の利活用の推進と普及啓発

(4)次世代エネルギーの開発・転換促進

○エネルギー・燃料転換の促進
○次世代エネルギーの技術開発・実装の促進

(5)社会インフラの脱炭素化

○エネルギー部門における電力発電時の低炭素化の促進
○港湾・空港の脱炭素化の促進

(基本方針4) 環境負荷の少ない地域づくり

(1)自然環境整備の推進【吸収源対策】

○森林の保全
○緑地の保全
○海洋環境の保全
○森林・海洋由来のクレジット、農業分野でのオフセット・クレジットの促進

(2)循環型社会の構築

○廃棄物の発生抑制・適正処理

○食品ロス削減及び食品廃棄物の再生利用の推進
○未利用エネルギーの利用促進
○プラスチックの3R+Renewable
○太陽光発電の保守管理の強化
○再エネ設備のリユース・リサイクル及び適正処理の推進
○循環型ビジネスの振興

(3)低エネルギー社会システムの構築

○環境に配慮した地域づくり・まちづくりの推進
○地産地消の推進

(基本方針5) 環境教育・学習の充実とパートナーシップの構築

(1)学校における環境教育の充実

○小中学校におけるESD教育の徹底
○県立高校における環境体験学習や地球温暖化問題の調査・研究等
○環境教育を担う人材の育成

(2)地域における環境学習の展開

○自然体験活動を通じた環境配慮行動の普及促進
○環境学習を担う人材の育成・派遣
○地域をつなぐ人材の育成

(3)パートナーシップの構築

○地域における地球温暖化防止活動を県民運動として展開
○各界各層による重層的な推進体制

(4)普及啓発の強化

○多様な主体と連携した普及啓発
○環境関連情報の発信
○脱炭素は地域課題の解決、地域活性化、耐災害性の向上にも貢献

4 県の事務事業における削減目標(事務事業編)

4-1 削減目標

○県自らも、一事業者として率先し、これまで実施してきた省エネの推進に加え、ハード面での対策を大幅に強化及び再生可能エネルギーの活用を拡大することで、県の事務事業に伴う温室効果ガス排出量を2030年度までに2013年度比50%削減を掲げます。

4-2 削減目標達成に向けた対策・施策

○削減目標の達成に向け、以下の対策・施策を推進します。

【重点的な取組み】

(1)建築物の大幅な省エネルギー化整備
(2)太陽光発電設備の積極的導入
(3)環境性能が高い公用車の導入
(4)LED照明の整備
(5)再生可能エネルギー電力の調達検討
(6)『とべもり+(プラス)』エリアにおける脱炭素モデル地域の確立

【脱炭素や環境保全につながる庁内でのその他の取組み】

○職員研修の実施による意識徹底・行動変容の促進
○クールビズ・ウォームビズの推進
○自転車ツーキニストの拡大・ノーマイカー通勤の促進
○省エネ型機器の導入
○スマート県庁の推進
○3Rの推進
○県産木材の利用促進
○グリーン購入の推進
○公共工事実施時の環境配慮の推進

5 気候変動の影響への適応(気候変動適応計画)

○地球温暖化の進行に伴い、温室効果ガスの排出抑制(緩和)に加え、中長期的に避けられない影響への対応(適応)を進めるため、以下の適応策を推進します。

(分野)

農業・林業・水産業(水稲・果樹、病害虫・雑草等、農業生産基盤)

(主な影響)

○品質低下、生育障害、減収
○害虫被害の増大
○洪水リスクの増加

(主な適応策)

○高温・気温上昇に強い品種の導入
○施設栽培での高温抑制技術の導入
○適切な防除対策

(分野)

水環境・水資源(水供給)

(主な影響)

無降水日の増加等による渇水の深刻化、取水への支障

(主な適応策)

○危機管理体制の整備
○ため池改修等のハード対策

(分野)

自然災害・沿岸域(洪水、内水、高潮・高波、土石流・地すべり等)

(主な影響)

○洪水氾濫などの複合的な要因による大規模災害の発生
○内水浸水の範囲拡大、浸水深増加
○森林・林地の崩壊、土砂災害の激甚化

(主な適応策)

○流域治水の推進
○ハード対策の計画的な実施
○観測体制強化・予測精度向上といったソフト対策

(分野)

健康(暑熱による死亡リスク等、熱中症等)

(主な影響)

○暑熱による死亡者数の増加
○熱中症発生率の増加
○屋外活動への警戒

(主な適応策)

○注意喚起のための情報提供
○熱中症対策の普及啓発
○県立高等学校への空調設備完備

(分野)

国民生活・都市生活(水道、交通等、暑熱による生活への影響等)

(主な影響)

○各種インフラ・ライフラインへの影響
○労働生産性の低下

(主な適応策)

○施設やシステムの強靭化
○緑地の保全や緑化、人工排熱の削減
○クールビズ等の即効性のあるソフト対策

6 計画の進行管理

○県民・事業者・民間団体等及び行政の各主体が互いに連携・協力し、それぞれの役割を果たしていくことで、本計画を推進していきます。

(庁内推進体制)

○愛媛県地球温暖化対策推進本部(本部長:副知事、副本部長:県民環境部長)
○幹事会
○愛媛県環境創造センター
○愛媛県気候変動適応センター

(庁外推進体制)

○愛媛県地球温暖化防止県民運動推進会議(会長:知事、会員:事業者、団体、市町)
○大学等の教育・研究機関
○愛媛県地球温暖化防止活動センター
○愛媛県地球温暖化防止活動推進委員

(連携・協力)

○愛媛県環境審議会(温暖化部会)
○県内市町
○ローカルSDGs四国

お問い合わせ

愛媛県 県民環境部 環境局 環境・ゼロカーボン推進課 ゼロカーボン推進グループ
TEL:089-912-2349 FAX:089-912-2344 


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