本文
愛媛県総合防除計画(案)の概要
1 趣旨
温暖化等の気候変動を背景として、病害虫の発生量の増加や分布域の拡大、発生時期の長期化など病害虫のまん延リスクの増加や化学農薬に過度に依存した防除により薬剤抵抗性が発達した事例が報告されているほか、国際的にも、化学農薬の使用に伴う環境負荷の低減への対応が課題となっており、化学農薬のみに依存しない総合的な病害虫管理体系の確立と普及が求められている。本計画は、「植物防疫法の一部を改正する法律」に基づき、化学合成農薬に偏重しない総合的な病害虫防除及び農薬の適正使用を推進し、本県の農業生産の安定及び農業の持続性の確保を図るものである。
2 内容
1)愛媛県における総合防除の基本的な考え方
・病害虫や雑草の発生しにくい環境づくりに努めるとともに、防除の要否やタイミング等を判断し、最適な防除方法を選択、組み合わせることで農薬の使用回数を削減しつつ効果的な防除を実施。
・農薬の適正使用に関することは「愛媛県農作物病害虫等防除指針」に基づき対応。
・有機農業等に取り組む農業者は、利用可能な防除技術を取り入れて実施。
2)病害虫の総合防除
(1)対象作物
・普通作物(水稲、麦類)、果樹(かんきつ、かき、キウイフルーツ、びわ)、野菜類(きゅうり、トマト、なす、いちご、たまねぎ、さといも、かんしょ)
(2)総合防除の対象病害虫
・指定病害虫75、指定外の病害虫15、合計90種
3)指定病害虫の防除に係る指導の実施体制等に関する事項
(1)病害虫防除の推進体制
・県(愛媛県病害虫防除対策班(農産園芸課、病害虫防除所、農業関係研究機関)、各地方局農業振興課(各支局地域農業育成室・産地戦略推進室を含む)、県関係部局)・市町及び農業団体(県農業共済組合、県農業協同組合中央会、全国農業協同組合連合会県本部)・関係団体(県農薬卸協同組合、県植物防疫生産資材協会)
(2)県・市町、農業団体・関係団体の役割
・県は関係機関と相互に情報を共有し、農業者等に適時・適切な防除指導等を実施
・市町は、総合防除の内容等を農業者等へ周知。
・農業団体・関係団体は県・市町と連携し、病害虫防除の推進に係る事業に協力。
4)異常発生時防除の内容及び実施体制に関する事項
(1)異常発生時防除について
・農林水産大臣による指定病害虫の異常発生時防除の指示
(2)異常発生時の防除で定める指定病害虫について
・本県では異常発生として判断される可能性が高い3種(いもち病、トビイロウンカ、果樹カメムシ類)
(3)異常発生時の防除実施体制
・実施方針及び県・市町、農業団体・関係団体の役割を記載
5)指定病害虫の種類ごとの発生の予防及び当該指定病害虫が発生した場合における駆除又はまん延の防止の方法に関し農業者が遵守すべき事項(遵守事項)
(1)遵守事項を定める指定病害虫について
・まん延することで愛媛農業の維持・発展に大きな影響を与えるミカンバエを対象
(2)遵守事項に係る罰則規定について
・県は勧告・命令を行うことができ、法第44条の規定により罰則として30万円以下の過料となる場合がある。
(3)遵守事項の実施体制に関する事項
・指導及び助言、勧告、命令、遵守事項に即した防除の実施状況等の確認について記載。
6)その他必要な事項
(1)愛媛県農作物病害虫等防除指針
・農作物病害虫等防除指針は県総合防除計画とは別に技術資料として作成。
お問い合わせ
愛媛県 農林水産部 農業振興局 農産園芸課 環境農業係
TEL:089-912-2555 FAX:089-912-2564