本文
愛媛県障がい者プラン(案)の概要
1 計画策定の趣旨
現行計画策定以降の国の制度改正や社会情勢の変化に対応し、障がい者の高齢化や障がいの重度化、介護人材の不足など、多岐にわたる諸課題に適切に対処し、本県における障がい者施策を総合的・計画的に推進していくため、国の「障害者基本計画(第5次)」や「障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針」、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」の趣旨、今後想定される障害福祉サービスのニーズ等を踏まえて策定する。
2 計画の位置付け
○障害者基本法に基づく愛媛県障がい者計画、障害者総合支援法に基づく愛媛県障がい福祉計画及び児童福祉法に基づく愛媛県障がい児福祉計画を一体的に統合した、本県の障がい者施策を総合的かつ計画的に推進するための基本指針
○「愛媛県総合計画~未来につなぐ えひめチャレンジプラン~」の分野別計画
○障害者文化芸術活動推進法に基づき策定する計画
○視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律に基づき策定する計画
○難聴児の早期発見・早期療育推進のための基本方針に基づく計画
3 計画の期間
・令和6年度から令和11年度までの6年間
※障がい福祉計画及び障がい児福祉計画に該当する部分については、国の基本指針により3年ごとに見直す必要があることから、令和8年度に中間見直し予定
4 障がい者の概念
身体障害、知的障害、発達障害を含む精神障害その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの(障害者基本法より)
5 基本理念及び基本方針
【基本理念】
本計画は、統合前の3計画の基本理念を継承し、全ての県民が、障がいのある人もない人も、互いに人格と個性を尊重し合いながら、地域で共に暮らし、共に支え合い、そして安心して暮らすことができる「共生社会」の実現を目指す。
【基本方針】
次の4つの基本方針を掲げ、「共生社会」の実現に向けた取組みを進める。
(1)障がいへの理解促進と権利擁護
(2)障がい者自身の決定と選択による地域生活の支援
(3)暮らしやすい生活環境の整備
(4)教育・就労・社会参加の促進
6 障がい保健福祉圏域
これまでの計画を継承するとともに、その他の計画との整合性を図るため、宇摩圏域、新居浜・西条圏域、今治圏域、松山圏域、八幡浜・大洲圏域及び宇和島圏域の6圏域とする。
7 施策体系
【基本方針】
1 障がいへの理解促進と権利擁護
2 障がい者自身の決定と選択による地域生活の支援
3 暮らしやすい生活環境の整備
4 教育・就労・社会参加の促進
【分野別施策の具体的方策】
第1節 障がいへの理解促進及び権利擁護の推進
1 心のバリアフリーの推進
2 障がいを理由とする差別の解消の推進
3 障がい者の権利擁護の推進、虐待の防止
第2節 地域生活の支援体制の充実
1 意思決定支援の推進
2 相談支援体制の強化
3 地域移行支援、在宅サービス等の充実
4 障がい児に対する支援の充実
5 福祉用具の普及促進と利用支援
6 障害福祉サービスの質の向上等
第3節 福祉を支えるひとづくり
1 専門職員の養成・確保
2 研修体制の充実
3 ボランティア情報の提供
第4節 保健・医療対策の充実
1 障がいの早期発見・治療と原因となる疾病の予防
2 適切な医療、リハビリテーション、保健サービスの提供
3 精神保健・医療施策の充実
4 難病等に関する施策の充実
5 高次脳機能障害に関する施策の充実
第5節 安全・安心な生活環境の整備
1 公共的施設と住宅の整備・改善
2 移動・交通対策の支援
3 人にやさしいまちづくりの意識啓発
第6節 防災・防犯対策の推進
1 防災対策の推進
2 防犯対策の推進
3 消費者トラブルの防止及び被害からの救済
第7節 情報アクセシビリティの向上
1 行政情報のアクセシビリティの向上
2 意思疎通支援の充実
3 読書バリアフリーの推進
第8節 特別支援教育の充実
1 インクルーシブ教育システムの推進に向けた特別支援教育の充実
2 教育環境の整備・充実
第9節 雇用・就業、経済的自立の支援
1 総合的な就労支援
2 経済的自立の支援
3 障がい者雇用の促進
4 障がい特性に応じた就労支援及び多様な就業の機会の確保
5 障害者就労施設等からの物品・サービス等の調達機会の確保
6 福祉的就労の底上げ
第10節 芸術文化活動・スポーツ等の振興
1 芸術文化活動の推進
2 スポーツ等の振興
3 生涯を通じた多様な学習活動の推進
第11節 国際交流の推進
1 障がい者の国際交流の推進
2 地域に住む外国人との交流の促進等
8 障害福祉サービス等の提供体制の確保に係る目標【成果目標】
※設定に当たっては、令和3年度から5年度までの第6期障がい福祉計画及び第2期障がい児福祉計画の進捗状況を踏まえるとともに、国指針に即し、広域的見地から市町障がい福祉計画等の目標値等を基に設定
(1)施設入所者の地域生活への移行
令和4年度末の施設入所者数2,059人を基準値として、地域生活移行者数の目標値を基準値に対し5.1%の105人とする。なお、国の指針の目標値は6%以上となっている。
令和4年度末の施設入所者数2,059人を基準値として、施設入所者の減少数の目標値を基準値に対し4.6%削減の94人とする。なお、国の指針の目標値は5%以上削減となっている。
※市町において、第6期計画の進捗状況や入所者の状況、地域の実情等を勘案して、目標値を設定しており、県計画として積上げた結果、国指針を下回る数値となっている。
(2)精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの構築
1 精神障がい者の精神病床から退院後1年以内の地域における平均生活日数
○平均生活日数の目標値について、325.3日とする。なお、国の指針の目標値は325.3日以上となっている。
〔令和元年度実績〕
○平均生活日数は325.2日
2 精神病床における1年以上の長期入院患者数
○精神病床における1年以上の長期入院患者数の目標値について、65歳以上は1,159人、65歳未満は560人とする。国の指針における計算式により算定している。
〔令和4年6月30日現在実績〕
○1年以上の長期入院患者数について、65歳以上は1,457人、65歳未満は724人
3 精神病床における退院率
○入院後3ヶ月時点の退院率の目標値について、68.9%とする。なお、国の指針の目標値は68.9%以上となっている。
○入院後6ヶ月時点の退院率の目標値について、84.5%とする。なお、国の指針の目標値は84.5%以上となっている。
○入院後1年時点の退院率の目標値について、91.0%とする、なお、国の指針の目標値は91.0%以上となっている。
〔令和元年度実績〕
○入院後3ヶ月時点の退院率は62.6%
○入院後6ヶ月時点の退院率は80.4%
○入院後1年時点の退院率は88.5%
(3)福祉施設から一般就労への移行等
1 福祉施設から一般就労への移行者数
令和3年度の一般就労移行者数185人を基準値として、目標値を基準値に対し1.28倍の237人とする。なお、国の指針の目標値は1.28倍以上となっている。
令和3年度の就労移行支援事業所からの移行者数54人を基準値として、目標値を基準値に対し1.31倍の71人とする。なお、国の指針の目標値は1.31倍以上となっている。
令和3年度の就労継続支援A型事業所からの移行者数46人を基準値として、目標値を基準値に対し1.29倍の60人とする。なお、国の指針の目標値は1.29倍以上となっている。
令和3年度の就労継続支援B型事業所からの移行者数65人を基準値として、目標値を基準値に対し1.28倍の84人とする。なお、国の指針の目標値は1.28倍以上となっている。
2 就労移行支援事業利用終了者に占める一般就労へ移行した者の割合が5割以上の就労移行支援事業所の割合【新規目標】
令和8年度において、就労移行支援事業所のうち、就労移行支援事業利用終了者に占める一般就労へ移行した者の割合が5割以上の事業所を全体の5割以上とする。
3 就労定着支援事業の利用者数
令和3年度の就労定着支援事業利用者数102人を基準値として、目標値を基準値に対し1.41倍の144人とする。なお、国の指針の目標値は1.41倍以上となっている。
4 就労定着率7割以上の就労定着支援事業所の割合
令和8年度において、就労定着支援事業所のうち、就労定着率が7割以上の事業所を、全体の2割5分以上とする。
(4)地域生活支援の充実
1 地域生活支援拠点等の整備状況
地域生活支援拠点等を20市町(圏域設置含む)に設置することを目標値とする。なお、国の指針の目標値は各市町又は圏域に少なくとも1つ設置となっている。
〔令和5年4月1日現在の状況〕
○9市町設置
強度行動障害がいを有する障がい者の状況や支援ニーズの把握について、圏域含む20市町で行うことを目標値とする。なお、国の指針の目標値は圏域を含む全ての市町で行うこととなっている。
強度行動障がいを有する障がい者に係る支援体制の整備について、圏域含む20市町で行うことを目標値とする。なお、国の指針の目標値は圏域を含む全ての市町で行うこととなっている。
(5)障がい児支援の提供体制の整備等
1 児童発達支援センターの設置及び障がい児の地域社会への参加・包容の推進
20市町(圏域設置含む)において、児童発達支援センターを設置する。なお、国の指針の目標値は各市町に少なくとも1箇所以上、困難な場合は圏域での設置となっている。
20市町において、障がい児の地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進する体制を構築する。国の指針の目標値は全ての市町となっている。
〔令和4年度末現在の状況〕
○児童発達支援センターは9市町が設置(確保)
○障がい児の地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進する体制(保育所等訪問支援を利用できる体制)については13市町が構築
2 難聴児支援のための中核的機能を有する体制の構築
令和8年度末までに難聴児支援のため、保健、医療、福祉及び教育に関する行政機関の部局や、医師会等医療関係団体等が連携し、新生児聴覚検査から療育につなげる体制の構築や中核的機能を果たす体制の構築に向けた取組みを進める。
3 主に重症心身障がい児を支援する児童発達支援事業所及び放課後等デイサービス事業所の確保
20市町(圏域設置含む)において、重症心身障がい児を支援する児童発達支援事業所を確保する。なお、国の指針の目標値は各市町に少なくとも1箇所以上、困難な場合は圏域での設置となっている。
20市町(圏域設置含む)において、重症心身障がい児を支援する放課後等デイサービス事業所を確保する。なお、国の指針の目標値は各市町に少なくとも1箇所以上、困難な場合は圏域での設置となっている。
〔令和4年度末現在の状況〕
○児童発達支援事業所は13市町が確保
○放課後等デイサービス事業所は13市町が確保
4 医療的ケア児等支援のための関係機関の協議の場の設置及びコーディネーターの配置
20市町(圏域設置含む)において、医療的ケア児等支援のための関係機関の協議の場を設置する。なお、国の指針の目標値は全ての市町となっている。
20市町(圏域設置含む)において、医療的ケア児等に関するコーディネーターを配置する。なお、国の指針の目標値は全ての市町となっている。
〔令和4年度末現在の状況〕
○医療的ケア児等支援のための関係機関の協議の場は19市町が設置
○医療的ケア児等に関するコーディネーターは12市町が設置
5 障害児入所施設に入所する児童が大人にふさわしい環境へ移行できるようにするための移行調整の協議の場の設置【新規目標】
障害児入所施設に入所している児童が18歳以降、大人にふさわしい環境へ円滑に移行できるように、令和8年度末までに移行調整に係る協議の場を設置する。
(6)相談支援体制の充実・強化等
20市町(複数市町による共同設置含む)において、基幹相談支援センターを設置する。なお、国の指針の目標値は全ての市町(複数市町による共同設置含む)となっている。
〔令和4年度末現在の状況〕
○基幹相談支援センターは8市町が設置
20市町において基幹相談支援センターによる地域の相談支援体制の強化を図る体制を確保する。なお、国の指針の目標値は全ての市町となっている。
20市町において個別事例の検討を通じた地域サービス基盤の開発・改善等の取組みを行うために必要な協議会の体制を確保する。なお、国の指針の目標値は全ての市町となっている。
(7)障害福祉サービス等の質を向上させるための取組みに係る体制の構築
令和8年度末までに、障害福祉サービス等の質を向上させるための取組みに係る体制を構築する。
9 障害福祉サービス等の必要見込量等
※人日(にんにち)は、月間の利用人数と1人1月当たりの平均利用日数を乗じて算出されるサービス量
障害福祉サービス等(県全域、1か月分)※市町積上げ
〔訪問系サービス〕
○居宅介護について、利用時間を令和5年度の40,703時間から令和8年度に43,225時間を見込む。利用者数を令和5年度の2,653人から令和8年度に2,855人を見込む。
○重度訪問介護について、利用時間を令和5年度の28,980時間から令和8年度に32,628時間を見込む。利用者数を令和5年度の85人から令和8年度に94人を見込む。
○同行援護について、利用時間を令和5年度の12,045時間から令和8年度に13,390時間を見込む。利用者数を令和5年度の522人から令和8年度に568人を見込む。
○行動援護について、利用時間を令和5年度の577時間から令和8年度に799時間を見込む。利用者数を令和5年度の73人から令和8年度に89人を見込む。
○重度障害者等包括支援について、利用時間を令和5年度の0時間から令和8年度に60時間を見込む。利用者数を令和5年度の0人から令和8年度に1人を見込む。
〔日中活動系サービス〕
○生活介護について、利用日数を令和5年度の78,085人日から令和8年度に81,689人日を見込む。利用者数を令和5年度の4,029人から令和8年度に4,191人を見込む。
○自立訓練(機能訓練)について、利用日数を令和5年度の348人日から令和8年度に430人日を見込む。利用者数を令和5年度の20人から令和8年度に23人を見込む。
○令和7年10月創設予定の就労選択支援について、令和8年度に56人を見込む。
○自立訓練(生活訓練)について、利用日数を令和5年度の1,546人日から令和8年度に2,057人日を見込む。利用者数を令和5年度の115人から令和8年度に144人を見込む。
○就労移行支援について、利用日数を令和5年度の4,193人日から令和8年度に5,313人日を見込む。利用者数を令和5年度の246人から令和8年度に309人を見込む。
○就労継続支援(A型)について、利用日数を令和5年度の33,279人日から令和8年度に37,403人日を見込む。利用者数を令和5年度の1,669人から令和8年度に1,875人を見込む。
○就労継続支援(B型)について、利用日数を令和5年度の80,916人日から令和8年度に92,201人日を見込む。利用者数を令和5年度の4,779人から令和8年度に5,463人を見込む。
○就労定着支援について、利用者数を令和5年度の107人から令和8年度に193人を見込む。
○療養介護について、利用者数を令和5年度の255人から令和8年度に253人を見込む。
○短期入所(福祉型)について、利用日数を令和5年度の3,598人日から令和8年度に3,958人日を見込む。利用者数を令和5年度の504人から令和8年度に599人を見込む。
○短期入所(医療型)について、利用日数を令和5年度の359人日から令和8年度に439人日を見込む。利用者数を令和5年度の68人から令和8年度に88人を見込む。
〔居住系サービス〕
○自立生活援助について、利用者数を令和5年度の5人から令和8年度に18人を見込む。
○共同生活援助について、利用者数を令和5年度の1,858人から令和8年度に2,174人を見込む。
○施設入所支援について、利用者数を令和5年度2,058人から令和8年度に1,984人を見込む。
〔相談支援〕
○計画相談支援について、利用者数を令和5年度の3,131人から令和8年度に3,428人を見込む。
○地域移行支援について、利用者数を令和5年度の20人から令和8年度に49人を見込む。
○地域定着支援について、利用者数を令和5年度の58人から令和8年度に104人を見込む。
障害児通所支援等(県全域、1か月分)※市町積上げ
〔障害児通所支援〕
○児童発達支援について、利用日数を令和5年度の13,912人日から令和8年度に16,268人日を見込む。利用者数を令和5年度の1,804人から令和8年度に2,070人を見込む。
○放課後等デイサービスについて、利用日数を令和5年度の46,915人日から令和8年度に57,063人日を見込む。利用者数を令和5年度の4,396人から令和8年度に5,187人を見込む。
○保育所等訪問支援について、利用日数を令和5年度の127人日から令和8年度に205人日を見込む。利用者数を令和5年度の94人から令和8年度に136人を見込む。
○居宅訪問型児童発達支援について、利用日数を令和5年度の6人日から令和8年度に36人日を見込む。利用者数を令和5年度の2人から令和8年度に9人を見込む。
〔障害児入所支援〕
○福祉型障害児入所施設について、利用者数を令和5年度の47人から令和8年度に50人を見込む。
○医療型障害児入所施設・指定発達支援医療機関について、利用者数を令和5年度の38人から令和8年度に40人を見込む。
〔障害児相談支援〕
○障害児相談支援について、利用者数を令和5年度の1,013人から令和8年度に1,274人を見込む。
〔医療的ケア児支援センターにおいて、医療的ケア児等の支援を総合調整するコーディネーターの配置人数〕
○コーディネーター配置人数について、令和5年度の2人から令和8年度に2人(横ばい)を見込む。
〔医療的ケア児に対する関連分野の支援を調整するコーディネーターの配置人数〕
○コーディネーターの配置人数について、令和5年度の81人から令和8年度に106人を見込む。
発達障がい者等に対する支援
〔県発達障がい者支援センター(あいゆう)の活動等〕
○発達障がい者支援協議会の開催回数について、令和4年度の1回から令和8年度に1回(横ばい)を見込む。
○発達障がい者支援センターによる相談指導件数について、令和4年度の1,869件から令和8年度に2,000件を見込む。
○発達障がい者支援センターの関係機関への助言件数について、令和4年度の103件から令和8年度に120件を見込む。
○発達がい者地域支援マネジャーの関係機関への助言件数について、令和4年度の59件から令和8年度に60件を見込む。
○発達障がい者支援センター及び発達障がい者地域支援マネジャーの外部機関や地域住民への研修、啓発件数について、令和4年度の81件から令和8年度に50件を見込む。
お問い合わせ
愛媛県 保健福祉部 生きがい推進局 障がい福祉課 障がい政策係
TEL:089-912-2422 FAX:089-931-8187