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洗地川水系河川整備基本方針

ページID:0005021 更新日:2018年6月14日 印刷ページ表示

平成14年1月

  1. 河川の総合的な保全と利用に関する基本方針
    (1)流域及び河川の概要
    (2)河川の総合的な保全と利用に関する基本方針
  2. 河川の整備の基本となるべき事項
    (1)基本高水並びにその河道及び洪水調節施設への配分に関する事項
    (2)主要な地点における計画高水流量に関する事項
    (3)主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項
    (4)主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項

(参考図)

1.河川の総合的な保全と利用に関する基本方針

(1)流域及び河川の概要

洗地川は、その源を一級河川重信川水系石手川沿いに位置する松山市和泉北地区に発し、ほぼ直線的に西へ向かって流下し、松山空港敷地内を経て、さらに南西に向きを変え、瀬戸内海へ注ぐ、流域面積6.4k平方メートル、幹川流路延長3.7kmの二級河川である。

その流域は、県都松山市の南西部に位置しており、松山市における社会、経済、文化の基盤を成している。そのうえ、昭和40年代後半からの市街化及び都市化の進行に伴い、水質が悪化してきた。また、雨水貯留及び浸透機能の減少や洪水時の流出形態の変化に伴い、浸水被害が増加してきた。よって、本水系の治水・利水・環境についての意義は極めて大きい。

洗地川の流域は、すべて平地であり、土地利用としては、市街地が8割、水田が2割となっている。沿川には、履脱天満宮神社や三島大明神社などの文化財を有している。また、河口付近には松山空港があり、愛媛県における空の玄関口として“臨空都市づくり”が進められている。

洗地川は、隣接する一級河川重信川水系石手川及び小野川より導水された水が流れる農業用水路として、古くから利用されており、平地を流れる直線的な単断面水路となっている。河道内は、ほとんどの区間において、両岸がコンクリート護岸で改修済みであり、水の流れが単調となっているため、生物の生息・生育環境としては、非常に乏しいものとなっている。このような環境の中、魚類としては、メダカ、コイ、オイカワ等の生息が確認され、植生としては、河床に堆積した砂州上に、準絶滅危惧種に指定されているカワヂシャやスイバの生育が確認されている。河川空間については、全川にわたり、単断面水路となっており、高水敷及び水辺への進入路もないことから、河道内は積極的に利用されておらず、中流部の堤防天端が散策路として利用されている程度となっている。

河川の水質は、環境基準の類型指定は設定されてないが、平成8年度の水質調査結果によると、桃山橋地点でD類型程度となっている。今後は、流域内における下水道の整備が進められていることから、水質の改善が見込まれている。

本水系の治水事業は、昭和50年より天神橋地点において計画高水流量を55立方メートル/sと定め、河道拡幅、築堤・護岸、防潮水門等を行う改修に着手したが、昭和54年6月の梅雨前線豪雨により、浸水家屋2,050戸、浸水面積99haの水害が発生している。現在は、河口から上流端までの改修を進めており、道路橋の架け替えと河床掘削を残すのみとなっている。

河川水の利用については、流域の最上流部を流れる一級河川重信川水系石手川及び小野川から取水した水を、洗地川に流入させた後に、洗地川の取水施設から農業用水として取水し、流域内の農地に利用されている。

(2)河川の総合的な保全と利用に関する基本方針

本水系における河川の総合的な保全と利用に関する基本方針としては、河川改修の実施状況、水害の発生状況、河川の利用状況、流域の文化並びに河川環境の保全を考慮し、地域の社会経済情勢と調和を図りつつ、水源から河口まで一貫した計画のもとに、河川の総合的な保全と利用を図る。

災害の発生の防止または軽減に関しては、洪水被害を軽減するために、堤防及び護岸の整備を進め、計画規模の降雨で発生する洪水の安全な流下を図ると共に、情報伝達体制及び警戒避難体制を整備する。さらに、たとえ溢水した場合でも、被害を最小限にするため、総合的な被害軽減対策を関係機関や沿川住民等と連携して推進する。

河川水の適正な利用に関しては、利水者との連絡調整を図り、効率的な農業用水の利用がなされるよう努めるとともに、松山市と連携して、流域内において計画されている下水道整備の促進を図るなど流水の正常な機能の維持に努める。また、渇水時においては、渇水被害軽減のための情報を提供し、地域住民の協力を得られるように努める。

河川環境の整備と保全に関しては、自然環境及び河川利用の実態把握に努め、治水面・利水面との調和を図る。また、洗地川は、全川にわたってコンクリート護岸でほぼ改修済みであり、魚介類や植物に対して良好な生息・生育環境とはなっていないため、今後の河川整備にあたっては、メダカの生息空間となっている水際植生の保全や復元を図る等良好な動植物の生息・生育空間となるよう配慮する。

河川の維持管理に関しては、災害発生の防止、河川の適正な利用、流水の正常な機能の維持及び河川環境の整備と保全の観点から、河川管理施設の機能を常に最大限に発揮できるように河川管理施設の点検及び整備に努める。また、河川愛護の啓発に努め、地域と一体となって川づくりを行い、水質及び自然環境の保全等適正な維持管理に努めるものとする。

2.河川の整備の基本となるべき事項

(1)基本高水並びにその河道及び洪水調節施設への配分に関する事項

基本高水は、昭和54年6月の既往最大洪水等を踏まえ、ピーク流量を基準地点天神橋地点において65立方メートル/sとする。このうち、流域内の洪水調節施設により10立方メートル/sを調節することとし、河道への配分流量を55立方メートル/sとする。

基本高水のピーク流量一覧表(単位:立方メートル/s)

河川名

基準地点

基本高水のピーク流量

洪水調節施設による調節流量

河道への配分流量

洗地川

天神橋

65立方メートル/s

10立方メートル/s

55立方メートル/s

(2)主要な地点における計画高水流量に関する事項

計画高水流量は、基準地点天神橋地点において55立方メートル/sとする。

洗地川計画高水流量配分図

洗地川計画高水流量配分図の画像

(3)主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る川幅に関する事項

本水系の主要な地点における計画高水位及び計画横断形に係る概ねの川幅は、次表のとおりとする。

主要な地点における計画高水位及び川幅一覧表

河川名

地点名

河口からの距離(km)

計画高水位(T.P.m)

川幅(m)

洗地川

天神橋地点

2.7km

+4.86

15m

(注)T.P.:東京湾平均海面

(4)主要な地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量に関する事項

洗地川における既得水利は、農業用水として、慣行水利がある。

現河川の流況は、流域の最上流部を流れる一級河川重信川水系石手川及び小野川からの農業用水の導水等から、比較的良好な流況を呈している。

流水の正常な機能を維持するため必要な流量は、今後、流況等河川の状況把握を行い、動植物の生息または生育の状況に十分配慮し、調査及び検討を行ったうえで設定する。

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