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平成31年4月1日付け組織改正及び人事異動に関する記者発表の要旨

ページID:0004939 更新日:2019年3月25日 印刷ページ表示

日時:平成31年3月22日(金曜日)11時00分~11時24分
場所:知事会議室

 

 

(知事)

 まず、組織改正及び人事異動についてでありますが、平成31年度は、「愛顔(えがお)あふれる愛媛づくり」の第3ステージ、その実現に向けて、新たなスタートを切る重要な年でもあり、また西日本豪雨災害からの復旧・復興、これに最優先で取り組むとともに、公約の3本柱である「防災・減災対策」、「人口減少対策」、「地域経済の活性化」のさらなる深化に向けまして、職員一丸となって、全力で取り組めるように、組織・人事配置を行ったところであります。

 特に、今回の組織改正では、かんきつ王国愛媛の威信にかけて、西日本豪雨災害で甚大な被害を受けた南予地域の産地復活を一刻も早く実現するため、南予地方局の産業経済部長に農業職を配置するとともに、農業および林業基盤の復旧・復興を担当する課長級の「復興監」を新設するほか、肱川の治水対策の前倒し実施など、集中的に基盤整備の復旧等に取り組むための体制を整備するという考え方で行わせていただきました。

 また、本県では初めてのハイレベルで大規模な国際会議となる「G20愛媛・松山労働雇用大臣会合」やシニアの国体と呼ばれています「日本スポーツマスターズ2020愛媛大会」の開催準備のほか、県内企業の産業人材確保やくらしの安全・安心対策の強化など、さまざまな行政課題に的確に対応するための組織体制を整備することといたしました。

 なお、今回の人事異動につきましては、退職者の増加によりまして、比較的大規模なものとなっておりますが、能力主義、そして成果主義に基づきまして、若手・女性の登用に配意しつつ、適材適所の人事配置を行い、公約実現に向けて、しっかりと成果を出せる体制づくりができたのではないかと考えております。

 主な内容を申し上げさせていただきます。

 まず組織改正についてでありますが、一つ目に西日本豪雨災害からの復旧・復興に向けまして、南予地域の関係市町、農業団体などの関係機関、農家の皆さんとの連携の下、かんきつ王国愛媛の産地復活を早期に実現するため、「南予地域柑橘(かんきつ)農業復興対策チーム」のリーダーとなります南予地方局産業経済部長に、先ほど申し上げましたとおり農業職を配置するほか、同局の農業土木、そして林業、この部門に、課長級の「復興監」および復興業務に取り組む専任の「復興グループ」を設置いたしたところであります。

 また、西日本豪雨災害により甚大な被害を受けました南予地域の河川・砂防施設等の社会基盤の復旧・整備に集中的に取り組むため、南予地方局建設部及び土木事務所に「災害グループ」等を設置したところであります。

 二つ目に、地域経済の活性化に向けてであります。

 総合的な人材確保対策を迅速かつ強力に推進し、喫緊の課題である県内中小企業等の人手不足を解消するとともに、出入国管理法の改正による外国人材の受け入れ体制の整備にも対応するため、雇用対策室を「産業人材室」に名称を改称するとともに、部局横断的な組織として「産業人材対策班」を設置することといたします。

 また、外部機関との連携の下、地域の基幹産業を支える人材の確保、育成を図るため、県立高等技術専門校を名称を変更することにいたしまして、「産業技術専門校」に改称するとともに、今治校と松山校を統合しまして、「愛媛中央産業技術専門校」を設置することといたしました。

 また、AI・IoT関連施策を一体的かつ効果的に推進するため、産業創出課に「情報連携ビジネス係」を設置しまして、県内ものづくり企業等に対して、技術セミナーや交流会などを通じた新製品・新サービスの開発支援等を行うことといたしました。

 三つ目に、大規模イベントの開催に向けてでございます。

 地域スポーツ課に「オリパラ・マスターズ推進室」を設置しまして、東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿誘致や聖火リレーの実施等による機運醸成、「日本スポーツマスターズ2020愛媛大会」の開催準備を進めることといたしました。

 さらに、「えひめ愛・野球博」の開催を通じた野球王国愛媛の認知度向上を図るため、「えひめ愛・野球博プロジェクトマネージャー」を設置し、松山市からの派遣職員を配置することにより、同市との連携を強化することといたしました。

 また、今年9月の「G20愛媛・松山労働雇用大臣会合」開催に向けまして、各国からの要人の受け入れに万全を期すとともに、サイドイベントの実施や広報活動を通じて、本県の魅力を世界に情報発信するため、G20労働雇用大臣会合推進室長を専任で配置しまして、同室に「事業運営グループ」を設置いたしました。

 4番目に、この他として、障がい者の民間企業等への就労に向けたステップアップを支援するため「えひめチャレンジオフィス」や、庁内の働き方改革を推進し、政策立案・現場調整機能のさらなる充実につなげる、行革分権課「働き方改革グループ」のほか、消費者被害の防止をはじめ県民のくらしの安全・安心に関する施策を一体的また効果的に推進する、県民生活課「くらし安全・安心グループ」を設置するなど、当面の諸課題に対応するための組織改正を行ったところでございます。

 次に、定員管理についてでございます。

 定員の適正化につきましては、平成27年度の一般行政部門の職員数3,700人を平成31年度までの4年間で2パーセント削減する、人数にして74人程度削減をいたします「第6次定員適正化計画」に取り組んでおり、計画の最終年となる31年4月1日時点の職員数は、西日本豪雨災害の復旧・復興対応のために、これはもう特殊事情でございますので、上乗せで途中で採用させていただきました17人、これを除きますと4年間で75人削減、3,625人となり、計画を達成する見込みとなっております。先ほど申し上げましたとおり、17人は復興対策のために採用しておりますので、その点はご了解いただきたいと思います。

 計画期間中には、えひめ国体・えひめ大会の開催や西日本豪雨災害への対応などもあり、大変厳しい取り組みとなりましたが、スクラップ・アンド・ビルドの徹底、業務量に応じた柔軟な業務執行体制の構築など、さまざまな対策を織り交ぜながら、目標を達成いたしました。

 なお、上乗せ採用の17人につきましては、復興業務のめどが立った段階で、退職者不補充等により速やかに削減をしていこうと思っております。

 次に、人事異動であります。

 まず、1番目に部長級職員の異動と登用であります。部長級の異動数は11名と、例年並みの異動となっています。本庁の部長につきましては、防災・減災対策および西日本豪雨災害からの復旧・復興に切れ目なく継続して取り組むため、その中核を担う防災安全統括部長、保健福祉部長、経済労働部長、農林水産部長、土木部長につきましては留任をさせるとともに、人口減少対策を所管する企画振興部長には、企画部門の経験が豊富な金子県民環境部長を配置するなど、公約実現に向けた取り組みの深化を図るための体制としています。

 また、昇任者数も7名と例年並みでありますが、今回は、地方局長が全員交替する中で、本庁のそれぞれのポストで実績を挙げた局長を昇任配置しておりまして、能力、実績主義を基本に、適材適所の配置を行ったつもりでございます。

 2番目に次長級職員の異動・登用でありますが、次長級につきましても、2年ぶりに54歳の若手職員を抜てきするなど、能力・実績を基に、厳選して登用を図っており、主要課長を経験した優秀な職員を積極的に登用し、本庁・地方局にバランスよく配置しているところであります。

 3番目に課長級職員の異動と登用であります。課長級昇任試験も導入してから8年目を迎えました。今回、287名が課長級昇任試験に挑戦し、合格者は75名でございます。競争率が3.8倍となる中で、年齢に関係なく意欲と能力のある職員の登用に努めました。合格者は、これまでと同様、現場第一主義を基本に、75名中71名、95パーセントを地方局等の出先機関に配置いたしました。

 また、合格者のほとんど、67名が前回不合格でありまして、およそ半数にあたる36名は、3回以上不合格でございます。何度でも挑戦できる試験の趣旨を理解し、研鑽(けんさん)を積んだ結果、面接試験では、前回と比べ見違えるほど成長した跡が感じられ、大変心強く受け止めたところであります。そういう意味で、今回残念な結果に終わった職員も、自己を磨いて再チャレンジをし、来年度は雪辱を期してもらいたいと切に願っています。

 次に4番目、女性の登用でございます。女性登用では、課長級昇任試験で今回6名が合格しております。係長級以上の昇任者数が69名となりまして、昨年が49名でございましたので、大幅に上回ることとなりました。この結果、役付職員全体、これは係長以上に占める女性職員の割合は、昨年の13.8パーセントから14.7パーセントと上昇しまして、過去最高となっています。

 また、幹部職員への登用を見据え、県外事務所や本庁の主要ポスト等へ積極的に配置しておりまして、今後とも意欲と能力のある女性職員の育成、登用に積極的に取り組んでまいりたいと思います。

 5番目に市町や他県との人事交流でございます。基礎自治体重視の県政運営は、就任当初から主要なテーマとして取り組んでまいりました。それを具現化するために、積極的に市町との人事交流を実施しており、(私の知事)就任当初は、県から市へ派遣された場合の(人件費等の)費用は市町が、市町から県に派遣されたときの費用も市町が負担するというような、ある意味、片務契約的なシステムになっておりましたので、今はそれぞれが受け入れたところで費用を負担するという公平な制度に当時からは変えております。その結果、31年度も全20市町と合計55名の人事交流を実施することとなりました。

 また、他県との人事交流につきましては、四国3県、また広島県および大分県との相互交流の継続に加えまして、再来年度に開催予定のサイクリング大会関連で、広島県から2名、尾道市から1名を受け入れることとしております。

 6番目は、国や民間企業等への職員の派遣でございます。アジア諸国との経済交流の拡大や県産品の販路開拓等に積極的に取り組むため、引き続き、自治体国際化協会のソウル事務所・北京事務所、そして日本台湾交流協会の台北事務所および伊予銀行シンガポール支店に職員を派遣することとしております。

 また、国の省庁等につきましては、G20愛媛・松山労働雇用大臣会合の円滑な実施のため、厚生労働省へ派遣するとともに、昨年度に引き続きまして、民間におけるプロモーション戦略のノウハウを習得するため、株式会社博報堂へ職員を派遣することとしております。

 7番目に被災地復興のための派遣職員の受け入れでございます。西日本豪雨災害からの復興に向けまして、大変ありがたいことに他の県からも力を貸していただけることとなっています。引き続き、全国知事会を通じまして、12の自治体から21名の職員を派遣していただけることとなっており、これらの派遣職員の方々には、特にグループ補助金のほか、道路や河川の災害復旧等に従事していただくことといたします。

 8番目に特別参与についてでありますが、既に公表しておりますとおり、上甲特別参与には、副知事退任後も、引き続き自転車新文化の普及や原子力防災・安全対策の推進などについて、これまでに培ってこられました関係各界との豊富な人脈等を生かしてサポートしていただいたところでありましたが、ご本人からの申し出により、今年度末で退任をされることとなりました。

 本県が自転車施策のフロントランナーとして走り続けておりますけれども、上甲特別参与が自転車新文化の推進に情熱を傾けて、精力的に取り組んでいただいたこと、これも大きな力となりました。公約の実現に多大なご貢献をいただいたことに、この場をお借りして感謝を申し上げたいと思います。

 以上で、人事関係の説明を終わらせていただきます。

 

(愛媛新聞)

 南予地方局の産業経済部長を事務職から農業職に変えるということだが、具体的にどういったことを期待しているのか。

 

(知事)

 他県からの応援職員も、かなりグループ補助金の関係や災害復旧で南予に行っていただいているのですが、今の、この復興の段階に入ってきますと、具体的な事業展開になってまいりますので、技術職の方が多いんですね。そういった専門的な知識が必要な事業が多くなってきている現場を束ねていくには、やはり技術職の専門知識が非常に重要ではないかというふうに思っていますので、その技術職としての知識が活かされるのではないかなと思っております。

 

(愛媛新聞)

 あらためて、かんきつの復興について、知事は今、どのような現状にあると認識しているか。

 

(知事)

 そうですね、昨年7月の発災当初は、本当に、これからどうすればいいのか途方に暮れるような空気が漂っていました。8月でもあまり変わらず、南予にちょくちょく行きまして、いろいろな対話をさせていただきました。11月ぐらいからですね、踏ん張るぞ、乗り越えるぞ、という空気が徐々に出てきたかなというふうに感じてはおりました。これは気持ちの問題です。

 具体的な状況で見ますと、吉田も含めて、7割、8割のハード面での復興というものが見えてきたこと。それから、本当にみんないろんな知恵を出して頑張ってですね、収穫も十分とは言えませんけれども、この状況の中でも、なんとか予想以上の収穫量になったということ。それから、「復興みかん」を代表するように、本当に全国の方々がしっかりと購買という観点で支えていただいたこと。また、各企業のフェアの展開も、豪雨災害(からの復旧)の後押しになればということで拡大し、こうしたいろんな力というものが、生産者の皆さんにも伝わってきたことが、大きな要因ではないかなというふうに思っています。

 まだまだ、全部がどういう方向でいくのか分かりませんけれども、当初用意したパッケージ、原形復旧、改良復旧、再編復旧、非常に分かりやすいメニューだったと思いますので、どれをチョイスしていけばいいのかというのを自らが考えて、今、大体方向性が見えてきた。再編復旧につきましては、地元の調整が要りますので、少し時間はかかりますけれども、その中でも、いくつかはもう決まったところも出てきましたので、いよいよ本当に復興に向けて前進が始まっているという実感は持っています。

 

(南海放送)

 先ほど、上甲特別参与の退任の話があったが、新たに特別職の参与に誰かを置く考えはあるのか。

 

(知事)

 今のところは考えていないです。はい。

 ただ、いろんなテーマが出てきた時には、また臨機応変に考えていきたいと思います。

 

(愛媛新聞)

 定員管理について、平成31年度は計画の最終年度ということで、目標を達成する見込みということだが、平成32年度以降、さらなる削減とか、そのあたりの考えはどうか。

 

(知事)

 これは現場から。

 

(神野副知事)

 復旧・復興に対する取り組みも大事になってまいりますので、今のところ、そのあたりも見極めて検討していきたいということで、今、直ちに方向性を見出してはいない状況です。

 

(愛媛新聞)

 先ほどの説明の中で、課長級昇任試験が開始から8年経ったということだったが、8年経って、どういった効果が見られるか。

 

(知事)

 そうですね。まあある意味では、知事就任当初から掲げてきた組織を政策立案型行政体に脱皮させていくには、やはり良い意味での緊張感と競い合いが必要だと考えておりまして、それを現実化するための制度として、松山市長時代にも導入していた課長級昇任試験制度を、知事就任1年目から導入した経緯があります。

 おそらく、当初は、今までとは違うことに戸惑いもあったと思います。優秀な方々は、全員が通るわけではないですから、挫折を経験して、それを前にして、非常に厳しく捉える方もいらっしゃったかも知れませんけれども、この制度は、ご本人次第だと、1度や2度の失敗なんてことで、くよくよしてもらって欲しくないし、そもそも県庁という組織全体で見ますと、課長級以上に到達して退職される方は、全職員で平均すると25パーセント程度であります。

 課長職というのは、ある意味では、ユニットの責任者であり、権限等を委譲する、こちらも、それなりに信じて委譲するということでありますから、そもそもハードルは高いはずなんですね。ですから、その任を担うという意欲無くして、いい仕事はできないというふうに考えておりましたので、そういう気持ちは、チャレンジしていただける方の人数を見ても、伝わり始めたのかなというふうにも思います。

 本当に100点はないかも知れませんけれども、人の運命を決めることですから、採点する時もですね、誰の意見に偏ることも一切しませんし、皆の意見をトータルで持ち寄って、公平に合否を決めてきた8年間だったと思いますので、その公平さというのも随分と伝わってきたのかなと。だから、一度失敗しても次またやるぞというチャレンジ精神というのも拡大してきているのではないかなというふうには感じています。

 

(共同通信)

 南予の災害復旧のために設置する「復興監」に期待することについて、もう一度。

 

(知事)

 そうですね、ようやくですね、全体とは言いませんけれども、乗り越えていこうという空気が広がり始めている重要な段階を迎えていると思います。それと、まだまだ仮設住宅に住まわれている方々を中心として、本当に大変ご苦労をされている方もいらっしゃると思います。

 そうしたの方々の気持ちを常に感じ取りながら、仕事を進めて欲しいということが一点と、それから復興というのは、丁寧さも大事なんですが、もう一つこだわらなければならないのは、スピード感だと思います。可能な限り早く手を打っていくというようなことを心がけて、地域に根を生やした仕事をしてもらいたいなと思っています。


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