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平成28年4月1日付け組織改正及び人事異動に関する記者発表の要旨
日時 平成28年3月22日(火曜日)11時00分~11時22分
場所 知事会議室
(知事)
それでは、平成28年度の組織改正及び人事異動等について、まずお知らせをさせていただきたいと思います。
平成28年度は、2期目の公約の着実な実現に向けまして、これまでに種まきを行っていた施策を加速させていく重要な年であり、引き続き、「防災・減災対策」、「人口減少対策」、「地域経済の活性化」に重点的に取り組むことにしているほか、いよいよ来年に迫りました「えひめ国体」の開催に向けた最終段階の準備などに、全力で取り組んでいきたいと思います。
このため、今回の組織改正では、行政改革の推進姿勢をしっかりと堅持しつつも、「えひめ国体・えひめ大会」の開催準備体制を整備するとともに、地域経済の活性化や防災・減災対策に不可欠な社会基盤の整備、そしてさらには、地域医療・福祉の充実など、当面する重要課題に的確に対応するための組織体制を整備することといたしました。
また、人事異動につきましては、部長級の退職者も多かったので、部長級の昇任者数が11名、次長級が33名と、これ実はいずれも過去5年間で最も多くなっております。経験豊富な職員や優秀な若手を積極的に登用し、昨年に続きまして、幹部職員の刷新を図りましたほか、各職位においても、能力主義と成果主義に基づきまして、思い切った若手、女性の登用や、より一層の適材適所の人事配置を行い、「愛顔あふれる愛媛県」の実現に向け、県庁職員が一丸となって、積極果敢にチャレンジする「攻めの体制づくり」に心掛けた人事を行わせていただきました。
これから主な内容を申し上げさせていただきたいと思います。
まず、組織改正についてですけれども、主なものとしては、まず、開催1年前となりました「えひめ国体・えひめ大会」の開催準備体制を整備するため、39名の増員、うち実行委員会の任期付職員は15人いますんでこれを含んでおります。39名を増員しまして、行幸啓、競技力向上も含めて、全部で126人体制といたしました。なお、国体先進県もだいたい前年はこれくらいの人数で対応しているようでございます。
改正の主なものは4点ありまして、まず一つ目は、新たに、施設や宿泊・輸送体制の整備、開会式等の式典及び各種競技の運営を統括をいたします「運営・式典担当次長」を設置いたします。3名の次長による責任執行体制を整備することで、開催準備を着実に進めることといたしました。
二つ目は、国体総務企画課に「行幸啓室」を設置しまして、平成5年の「全国豊かな海づくり大会」以来となる天皇皇后両陛下の御来県に向け、万全の準備をすることといたしました。
三つ目は、国体運営・施設課に「交通警備調整監」、これは課長級で警察官でございます。これを設置いたしまして、約3万人が来場する総合開・閉会式などの輸送交通業務や警備・消防防災業務の安全かつ円滑な運営に向けまして、県警本部等との連携協力体制を強化することといたしました。
四つ目は、国体競技式典課に、馬術、水泳飛込、クレー射撃、カヌー、これは県外開催の4種目でございます。これを実施するための専任グループを設置するとともに、現地責任者となる主幹を増員するなど、現地事務所の体制を強化することといたしました。
次に、地域経済の活性化及び防災・減災対策の強化に向けた社会基盤整備のため、まず、今治土木事務所に「上島架橋建設課」を設置いたしまして、平成33年度の岩城橋完成に向けて、本体橋等の工事契約や関係機関との調整を着実に進めることといたしました。
次に、八西地域の活性化の基盤となるほか、災害発生時には広域避難路としての機能を持つ大洲・八幡浜自動車道の整備を強力に推進するため、八幡浜土木事務所に「大洲・八幡浜自動車道建設課」を設置いたしました。
また、医療・福祉分野においても、平成30年度の市町村国保の都道府県移管に向けた準備体制を整備するとともに、がん医療・緩和ケアなどに関する事務を健康増進課へ移管・集約し、がん対策を一元化するなど、組織体制の充実に重点を置いているところであります。
なお、「県障がい者差別解消条例」の施行を踏まえまして、組織名称の「障害」を平仮名表記といたしました。
さらに、原子力安全対策の確実かつ円滑な推進を図るため、「環境技術専門監」を次長級に格上げをいたしまして、環境分野に加えて、原子力安全対策に係る技術的な見地からの専門的な指導・助言を行わせることといたしました。
このほか、文化財の保存及び活用や、四国遍路の世界遺産化に向けた調査研究等を進めるため、文化財保護課に「文化財専門監」を課長級で設置するほか、TPPの影響が予測される畜産分野の競争力強化に向けた体制を整備するなど、当面する重要課題に対応するための組織改正を行ったところでございます。
次に定員管理でありますが、将来的な行財政環境が依然として不透明でございますので、昨年8月に「第6次定員適正化計画」を策定し、引き続き徹底した行政改革の取り組みを進めているところであります。
平成28年4月1日時点の職員数は、27年度、3,700人とほぼ同数の3,702名の見込みであり、平成29年に開催されるえひめ国体の体制整備に伴う増員分を捻出するため、非常に厳しい定員管理となりましたが、スクラップ・アンド・ビルドの徹底や再任用職員の活用によるマンパワーの補填など、さまざな対策を織り交ぜながら、限られた人員を効率的、効果的に配置をいたしたところでございます。
主な人事異動についてでございますが、まず、加藤参与には、来年度は本県営業活動の総合的な監督役として、「愛のくに えひめ営業本部」に新設をいたします「営業総括プロデューサー」という職に就任していただき、より大所高所の観点から、営業活動の推進に力を発揮していただくことといたしました。後進も育ってますし、育てていかなければなりませんので、営業本部長には新しい人材が就任することになります。
また、1年間、勤務延長している青野東京事務所長には、ラグビーワールドカップや東京オリンピックを見据えた観光客誘致、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づく移住促進業務など、首都圏における重要課題に、豊富な人脈を持たれていますので、これを生かして関わってもらうため、新たに一般職の「特命理事」として再任用することといたしました。同様に後進の成長著しい中で、東京事務所長はまた新しい人材が就任することとなります。
次に、部長級職員の異動・登用でありますが、部長級につきましては、能力、実績主義を基本に、56歳の若手を4名抜擢登用いたしました。先ほど申しましたとおり、そのうち、八十島氏(営業本部長)、田中氏(東京事務所長)の両名は、課長級昇任試験の合格者第一期生として初めての部長級への登用となっております。
また、防災安全統括部長に同じく56歳の高橋政策企画局長を、人口減少対策を所管する企画振興部長に西本総務管理局長を、それぞれ昇任させるとともに、地域経済活性化の要となる経済労働部長には、経験豊富な門田企画振興部長を配置し、公約の3本柱の推進に、強力に取り組んでいく体制を整えたところでございます。
次長級でございますが、こちらも、能力・実績をもとに、厳選して登用を図らせていただきました。本庁の局長については、経験豊富な職員や優秀な若手を登用するとともに、地方局には、地域の実情に精通した地元の職員も起用するなど、バランスのとれた配置に努めたところでございます。
また、少子化対策を所管する生きがい推進局長、関西・中部圏での本県PRの拠点となる大阪事務所長に3年ぶりに54歳の若手2名を抜擢いたしました。
次に課長級でございますが、課長昇任試験、課長級昇任試験も5年目を迎えました。これまでで、今回は最多の329名が挑戦をされ、合格者は60名でございます。競争率は5.5倍という大変高いハードルでありますが、その中で、年齢に関係なく意欲と能力ある職員の登用に努めました。
合格者は、現場において、地域活性化の推進に汗をかいていただくため、60名の合格者のうち、53名、率にすると88パーセントが、地方局等の出先機関に配置をしているところであります。
また、合格者のほとんど、60名のうち57名が前回不合格で、そのうち7割以上、45名は2回以上連続して不合格でありましたが、面接試験では、「何度でも挑戦できる」試験制度の趣旨を理解し、研さんを積んで成長を遂げております。その結果、前回と比べていずれも見違えるほどスキルアップしておりまして、大変心強く受け止めたところであります。
今回、残念な結果に終わった職員も、こうした活躍を見て、再チャレンジ目指して、来年度もより一層自己研さんに努めてもらいたいと切に願っているところであります。
女性の登用でございますが、昇任につきましては、課長級昇任試験で過去最多の7名が合格をしております。係長級以上の昇任数が44名、これも昨年より3名増でございます。係長級以上の役付職員全体に占める女性職員の割合も、これに伴って12.2パーセントで過去最高となってます。
また、将来の幹部職員への登用を見据え、県外事務所や事業部門等へ積極的に配置をいたしました。
特に、係長級では、本庁の主要な係長への配置や、38歳で2名、抜擢昇任をしております。そのことによって、早期のマネジメント能力を養成させることといたしておりまして、今後とも意欲と能力のある女性職員の育成、登用に積極的に取り組みたいと考えております。
次に、市町、他県との人事交流でありますが、県政の基本方針「基礎自治体重視」という方針を当初から打ち立てておりますが、28年度も全20市町と人事交流を実施する予定にしております。今後も県と市町の風通しの良い関係を引き続き構築していくため、この交流は継続していきたいと思います。
なお、地元市町との連携強化を図るため、「えひめいやしの南予博2016」では、南予全9市町から各1名の職員を、そしてまた「サイクリングしまなみ2016」についても、今治市から2名、上島町から1名を受け入れております。
他県との人事交流については、四国3県に加えまして、政策的に連携が必要な広島県及び大分県との相互交流の継続に加え、「サイクリングしまなみ2016」関連で、広島県から4名、尾道市から2名を新たに受け入れることといたしました。
次に、国や民間企業への職員派遣でありますが、アジア諸国との経済交流の拡大や県産品の販路開拓等に積極的に取り組むため、昨年度に引き続きまして、ジェトロ・香港事務所、クレア・ソウル事務所、交流協会・台北事務所及び伊予銀行シンガポール駐在員事務所に職員を派遣することといたしております。
次に、被災地復興支援の関係でありますが、これは長期派遣の関係でございます。
28年度も被災地復興を引き続き支援するため、職員延べ24名を被災地3県へ派遣しまして、道路や河川の災害復旧や被災者の住宅確保業務などに当たらせることといたしております。以上でございます。
(愛媛新聞)
参与と特命理事に関して、今年度との違いが分かりづらいところがあるが、どういうところが変わったのか。
(知事)
責任体制はやはり本部長それから所長にありますので、若手の抜擢ということもあるんですが、スキルとしては十分に養われてきていると思いますが、やっぱりこの営業と東京はですね、人脈の継承というのにちょっと時間がかかると思います。そういったことも含めて、より高いところからアドバイザー的に、また、そういった人脈の紹介であるとか、そういったことを中心にですね、リーダーシップを発揮していただきたいなというふうに思っています。
(愛媛新聞)
新しい本部長、所長をサポートしていくということか。
(知事)
そうですね。はい。次の世代を育てるということも含めてお願いしたいと思っています。
(愛媛新聞)
営業本部の総括プロデューサーと本部長との役割分担のイメージは。
(知事)
これは、人員的にもですね、限られていますから、その中で結果を追い求めていかなければならないんで、しかもフィールドが非常に今、広範に広がってますんで、ある意味では、そこでよく相談して、連絡体制を築けば、より一層マンパワーが発揮できるんじゃないかなというふうに思っています。基本的には先ほど申したとおりなんですが、具体的な業務について、私の方からこうしなきゃいけないという細かい指導・指示はするつもりはありません。原課でしっかりとミーティングを積み重ねて、スタート時点で、どういうふうな形でやるか、ということを決めたらいいんじゃないか、そこはもう、現場の自主性に委ねたいと思っています。
(愛媛新聞)
八十島副本部長が二代目の本部長になるが、どういった働きを期待しているのか。
(知事)
そうですね、加藤本部長が、4年間の間に非常に実績を積み上げてきてますんで、本当に最初は、営業とは何ぞや、というところからのスタートでありましたが、非常に早く、その趣旨を吸収していただき、非常に活発な動きを展開されましたんで、それをまた見て、次なる世代も育ってはきていると思います。次の世代が育った中で八十島氏も、1年間その下にいましたから、以前に企業立地で活躍をした実績も持っていますので、そういう意味では営業でも期待できるんじゃないかなというふうに思っています。
(あいテレビ)
異動規模がおよそ1,200人と比較的小規模と思うが。
(知事)
そうですね、まあ、あんまりそこは意識していないんですけども、今回一番腐心したのは、部長級が大量に退職の時期を迎えましたんで、その幹部人事と、それからまた次世代、女性等の成長を期待した人事ということが、自分の中では一番大きなポイントになっています。
(愛媛新聞)
今後、伊方の3号機が再稼働を控える中で防災安全統括部長に高橋政策企画局長を起用したが、危機管理という意味ではあまり経験がないと思われるが、起用の理由を教えてほしい。
(知事)
5年間やらせていただいて、県庁の職員は、繰り返し申し上げましたとおり非常にマンパワーのレベルが高いと思ってます。ですから、経験の濃い薄いよりも、高橋氏の場合は若手として、もうおそらく準備に入っていると思いますが、就任のときにはそれなりの準備、しっかりと過去のいきさつを深堀りして知識を得たうえで入っていけると期待をしています。そこから先はまた実績というのを見つめさせていただきたいと思いますが、十分に期待に応えてくれるのではなかろうかと思っています。
(南海放送)
年内にも再稼働という中で、新しい防災安全統括部長に期待するのはどういうところか。
(知事)
前にも申し上げましたとおり、自分の中にはスケジュール感というのはないんですよ。やっぱりスケジュールありきでやってもらっては困ると。しっかりと、安全という側面から、委員会の方でですね、最初に再稼働の日程ありきではなくて、しっかりとした検証を行って、それでクリアしたときに、初めて、再稼働ということになりますから、その辺はもう慎重に、しっかりとした経緯をたぐりながら進んでいってほしいというふうに思っています。