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課長級昇任候補者選考試験に関する記者発表の要旨(H23.7.28)
日時 平成23年7月28日(木曜日) 11時から
場所 知事会議室
(知事)
かねてから申し上げてきた課長級への登用試験の内容が固まり、この秋から実施する運びとなったのでお知らせさせていただきたいと思います。
今回導入する試験は、既に松山市長時代に導入し、10年以上の実績が定着している松山市の試験制度を参考にしつつ、本県の実態に即した制度とさせていただき、一定の権限を持ち、組織の中核として重要なポジションを占める課長級に、意欲や能力の高い職員を積極的に登用することで、組織の活性化を図っていきたいと考えております。
全体の概要については、お手元にお配りした資料のとおりであり、何度でもチャレンジする機会を与えるとともに、若手職員にもチャンスを与える内容としています。なお、特に重きを置いている個別面接については、私以下、特別職全員と総務部長の6名で実施することとしており、重大な選択をするとの責任感、緊張感を持って、じっくりと、そしてしっかりと人物を見極めていきたいと考えております。
今回が初めての実施になりますので、対象となる課長補佐級職員には不安や戸惑いも少なからずあろうかと思いますが、私が常々申し上げてまいりましたが、「どうすればできるか」の心意気を持って、多くの職員に積極的にチャレンジしてもらうことを心から期待しているところであります。以上でございます。
(愛媛新聞)
対象となる補佐級の有資格者はどれくらいいるか。
(知事)
約400名です。
(愛媛新聞)
そんなにいるのか。
(知事)
技術職と事務職が半々ぐらいです。
(総務部長)
全体でですね、課長補佐級の職員が愛媛県で約500名在職しています。この中から、受験資格は在職年数を2年以上ということにさせていただいています。その人数が先ほど申し上げた約400人、その内訳は、先ほど知事が申し上げましたとおり、技術、事務が概ね半数です。
(愛媛新聞)
今年の春の人事異動で、最年少の課長は多分50歳くらいだと思うが、2年以上の在職を受験資格にすることで、若手を抜擢するという狙いか。
(知事)
はい、そのとおりです。そこが狙いです。
今、愛媛県の場合、最年少課長が51歳なんですよ。松山市もかつて就任時は50歳くらいだったと思います。今、46歳まで下がってきていますので、若手のチャンス、登用というのも含めてですね、ご指摘のとおり、3年を2年に、1年短縮をしております。
(愛媛新聞)
口述試験の配点割合が高いが。
(知事)
配点割合でいきますと、まず論文試験が20パーセント、日々の人事考課が30パーセント、それから、口頭面接が50パーセントという配分で評価をさせていただきたいと思っています。
(愛媛新聞)
中村知事になって、この前の人事異動で課長級の昇任があったが、今まではどういうやり方だったのか。
(知事)
わかりません。今回は、私自身が一人一人の方と面接をしたわけでもないですし、個々の方の考え、あるいはやる気、そういったものを把握できていませんでしたから、もう通常どおりのお任せをしました。私自身がまだそういったものを判定する資格があるとは自分自身も思っていませんでしたので、これから新しいこの方式で関わっていきたいと思っています。
(愛媛新聞)
今までは、考課が上がってきたのだろうと思うが、どう考えてきたのか。
(副知事)
これまで論文とか、面接とかを特にしていなかったので、業績評価とか、適性とか、それから人事考課と、今、言われましたが、それは業績評価を含んで、そういうことを勘案してやっていました。
(愛媛新聞)
特別職の個別面接は、例えば、公営企業管理局の受験者でも管理者が入るということか。
(知事)
そうですね、はい。
(愛媛新聞)
個別面接の配点は、知事も一緒か。
(知事)
はい、一緒です。
(愛媛新聞)
合計点で評価するのか。
(知事)
はい。400人のうち、やってみないと分からないんですが、過去の経験則でいうと、これはあくまでも推測なんですけれども、松山市の場合、有資格者の大体6割くらいが受験をするというような感じでした。今回、愛媛県の場合は、課長補佐級がかなりの人数いるので、6割といったら二百数十名、となると全員面接というのは、時間的に難しいと思います。大体、松山市の場合、70人くらいを面接して20人くらいが受かる、こんな感じだったんですけれども、当然、補充人数がどうなるのかというのは、来年の人事次第でどうなるのか分かりませんけれども、大体70~80人、多くて100人までが限界かなと思っています。そこで、人数が多い場合には、論文と、それから人事考課である程度、線引きをさせていただきます。で、そのときに、やはり透明性が大事ですから、例えば仮に、その線引きで落ちた方がなぜ落ちたのか知りたい場合には、人事考課、それから論文の点数は公表します。
(愛媛新聞)
個別面接の点数も公開するのか。
(知事)
そうですね。
(愛媛新聞)
来年の課長級昇任予定の概数が分かったら教えてほしい。
(知事)
来年ですか。まだ分からないですけど、今年は53人でした。
(愛媛新聞)
大体同じくらいか。
(総務部長)
これは、定年退職される方と、あと組織体制によるポストの異動等がありますので、ちょっとまだ現時点では分かりませんが、今の状況だと、やや53人よりは増えると見込んでおります。
(愛媛新聞)
医療職医師、教員、警察官については、もう既に試験があるということでよいか。
(知事)
はい、そのとおりです。
(愛媛新聞)
オール県庁で、職種に関わらず試験制度が入るということか。
(知事)
そうですね。全部入りますね。ただ、教員とかそういったところ、僕もノータッチの世界ですから、試験制度が導入されているということなんですが、何の権限もないですけれども、どういう試験制度に基づいて行われているかというのは知りたいと思っています。
(愛媛新聞)
警察官と教員か。
(知事)
はい。何の権限もないですよ。
(愛媛新聞)
中核を占める課長職ということで、今後、局長や部長の権限の一部を移していくことは考えているか。
(知事)
組織的にはありだと思っていますね。課長級に権限を下ろしていくということは、今、この時点でどうするかというのは決まってないですけども、組織の運営上、可能性はあると思っています。
(愛媛新聞)
今回は試行ではなく、本格実施になるということか。
(知事)
はい、本格実施です。
(時事通信)
全国では、どのくらい行われているか。
(知事)
あまりないんじゃないでしょうかね。松山市で行ったときは、多分ああいう形でやったのは全国初めてのケースでした。
(時事通信)
全国で実施しているところの試験内容は、論文、口述というのは同じようなものか。
(知事)
分からないですね。
(総務部長)
今ですね、都道府県で課長級昇任試験を導入しているのは、東京都、それから神奈川県、長崎県であります。あと大阪府も今年度から導入する予定と聞いております。
(時事通信)
既に導入しているのは3都県か。
(総務部長)
はい、3都県です。
(知事)
ただ、比較的それは新しいと思いますので、むしろ、やはり10年の蓄積があるところを参考にした方が、より精度が高い制度になるんじゃないかと、こういうふうに思っています。
(愛媛新聞)
論文のテーマは、大枠でどういったものになるのか。
(総務部長)
課長に求められる識見ですとか、知識、そういったものを評価するために実施するということですので、それにふさわしいテーマを選定します。要は、基礎的な、ベースとなる識見、思考力、表現力、知識や能力等を見るためのテーマを選定したいと思います。
(日本経済新聞)
口述試験の内容について、大体何分ぐらい実施されるものか。また、これは、知事含め6人ということで、6対1で実施されるのか。
(知事)
そうです。
大体、おそらく過去の経験則で言うと、私も10年やってきましたので、一人20分くらいが目安だと思います。それぐらいあれば、当時、松山市の場合、5人の面接官だったんで5対1だったんですけれども、それぞれ全然、尺度が違うので、カバーし合いながら、いろいろなやり取りを交わしながら質問も変わってきますので、だから、決まった質問というのは、ほとんど総務部長が最初に口火を切るぐらいの質問で、あとはもう人によって全然変わってきます。20分ぐらいあれば、5人ぐらいでやっていると大体見えてくるなということは経験してきました。
(愛媛新聞)
一人20分なのか。
(知事)
厳密には言えないんですけどね。大体それぐらいで考えていますね。
(愛媛新聞)
論文で足切りしたとしても、最大100人くらいか。
(知事)
そうですね、100人。まあ70人やったとしても、大体1日せいぜい十数名しかできないんですよ。だから、1週間はかかると思いますね。1週間から10日は割かなければならないんですが、その割くだけの価値はあると思います。
(愛媛新聞)
受験者には、合格というのは、いつ分かるか。
(知事)
松山市の場合は、1月実施で人事異動は3月ですから、3月終わりぐらいに通知が行っていたと思うんですが、県の場合は一番忙しい時期ははずそうということで、11月に実施します。でも、通知はおそらく3月とか、そういうふうになると思います。
(愛媛新聞)
面接官が知っている受験者もいると思うが、口述試験の割合が50パーセントということで、恣意的にならないようにということか。
(知事)
そうですね。そここそが複数の面接官ということで、例えばですね、県でどうするのか分からないですけれども、確かにおっしゃるようにですね、例えば5人が採点しました、1人だけ突出して高くて、あとが低いというケースがあるんですよ。そういうときは、やはり、確認していました。なぜ、ここでこれだけの高い点数が出ているのか。例えば、仕事でこういう実績があるということが見えてくるときがあるんですね。そういうことだったのかということでそのままいったりですね、そういう微調整はありましたね。ですから、公平ということに関しては、かなり気を使ってやっていきたいなと思っています。
(愛媛新聞)
面接では、主に何を見るのか。
(知事)
人にもよるんですけどね。管理職ですから、例えば、一般の県民から見るとですね、どんな仕事をしていようとも、県庁職員であるからには、県庁が進めている主要な施策は知っているだろうという前提で接してきますので、いわば専門分野には深く、全体には浅くという知識を持っているのかどうか、鳥瞰図的に物事を見ているかどうかですね。それから、もう一つは、管理職は、やはりスタッフとは違いますので、人を育てたり、あるいは、その与えられたユニット、チームを管理・運営を図っていきますので、その辺りの管理運営の考え方であるとか、こういったことを僕なんかは中心に聞いてましたね。
(愛媛新聞)
合格者数は要補充者数となっているが、仮に優秀な人が多い場合に、要補充者数を超える合格というのはあるか。
(知事)
残念ながら無理ですね。
(愛媛新聞)
相対的評価で合格者を決めるということか。
(知事)
はい。そうです。
(愛媛新聞)
逆にレベルがそれほど高くなくても、補充しないといけないので、相対評価で合格ということになるのか。
(知事)
そうです。後者の場合が一番悩むところなんですね。でも実際、そういうことはありました。
(愛媛新聞)
今年合格しても、資格の持ち越しはしないということか。
(知事)
しないです。ですから、最初はすごい新しい制度ですから、職員の皆さんも構えられてしまうと思うんですが、伸び伸びと受けてほしいなというのが気持ちでありまして、それを担保するために、何度でもチャレンジができるという保証と、それから、例えば課長試験に後で受かったとしても、逆転人事もあると、その後の仕事ぶりでですね。これも保証したいと思っています。
(愛媛新聞)
今後、例えば、補佐級や局長級への拡大というのは考えているか。
(知事)
今のところ、まずここまでですね。試験でがんじがらめにするというのも、あまりいいことであるとは思わないです。ただ、管理職の場合は、やはり、ユニットの責任者として任命をし、その分、権限を付与しますので、それなりのハードルがあっていいんじゃないかなと思いますし、これも先ほど会議で調べてほしいと言ったんですが、松山市の場合はですね、同期の中で課長まで到達して退職される方が25パーセントぐらいだったんです。ですから、75パーセントの方々は課長に到達できずに退職されるという、狭き門なんですね。おそらく県の場合は10パーセント台。
(総務部長)
在職者数だけで見ると10パーセント弱なんですが、知事が言うように、愛媛県もずっと見ていくとですね、同期の方でおそらく同じような率じゃないかなと。
(知事)
20パーセントくらい。非常に狭き門であるということは間違いないですね。
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