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既設昇降機への安全装置(戸開走行保護装置・地震時管制運転装置)の設置に関するお願い
平成18年6月の港区シティハイツ竹芝のシンドラー社製エレベーターの戸開走行事故や平成23年3月に発生した東日本大震災におけるエレベーター等の脱落事案等を受けて、建築基準法で定めている昇降機等の安全に係る技術基準が改正されました。
技術基準の改正概要
建築基準法施行令の一部を改正する政令(平成21年9月28日施行)
- 戸開走行保護装置の設置義務付け(令第129条の10第3項第1号関係)
エレベーターの駆動装置や制御器に故障が生じ、かご及び昇降路の全ての出入り口の戸が閉じる前にかごが昇降した時などに自動的にかごを静止する安全装置の設置を義務付ける。
戸開走行保護装置について(国土交通省HP内「参考資料2」を参照)<外部リンク> - 地震時管制運転装置の設置義務付け(令第129条の10第3項第2号関係)
エレベーターについて、地震等の加速度を検知して、自動的にかごを昇降路の出入口の戸の位置に停止させ、かつ、当該かごの出入口の戸、及び昇降路の出入口の戸を開くことなどができることとする安全装置の設置を義務付ける。
建築基準法施行令の一部を改正する政令(平成26年4月1日施行)
- エレベーターの脱落防止対策(令第129条の4第3項第5号及び第6号)
エレベーターの釣合おもりについて、地震その他の震動により脱落するおそれのないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとし、また、構造計算により地震その他の震動に対して構造耐力上安全であることを確かめること。 - エスカレーターの脱落防止措置(令第129条の12第1項第6号)
エスカレーターは、地震その他の震動により脱落するおそれがないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとすること。
それぞれの新しい技術基準の施行前に設置された昇降機については、新しい技術基準に適合していない項目・事項があっても、ただちに違法として扱われるものではありません(このような扱いを「既存不適格」と呼んでいます)が、安全を確保し、事故の発生を防止するため、所有者又は管理者におかれては、戸開走行保護装置や地震時管制運転装置の設置等について、積極的な対応をお願いします。
「エレベーターと既存不適格」について(一般財団法人日本建築設備・昇降機センター)<外部リンク>
また、エレベーターに戸開走行保護装置や地震時管制運転装置が設置されていることを当該エレベーターの利用者等が容易に把握できるよう、エレベーター内の見やすい場所に設置済みであることを示すマーク(下図参照)を表示できる任意の制度が創設されていますので(平成24年8月より運用開始)、所有者又は管理者におかれては、マーク表示制度の趣旨をご理解いただき、既設のエレベーターに戸開走行保護装置等を設置した場合は、このマークを表示していただくようお願いします。
エレベーター安全装置設置済マークについて(一般社団法人建築性能基準推進協会)<外部リンク>
戸開走行保護装置マーク
地震時管制運転装置マーク
県の取り組み事例
県営住宅では、技術基準の改正を受けて、使用者の安全性向上と重大事故の防止を図るため、平成26年度から防災対策改修工事として、既設のエレベータ―への戸開走行保護装置や地震時管制運転装置の設置等を計画的に進めています。
- 戸開走行保護装置の設置・・・概ね100~300万円程度/基
- 地震時管制運転装置の設置・・・概ね50~100万円程度/基
関連リンク
- エレベーターの安全に係る技術基準の見直しについて(国土交通省)<外部リンク>
- 建築物、昇降機等の事故の概要について(国土交通省)<外部リンク>
- 一般財団法人日本建築設備・昇降機センター<外部リンク>
- 一般社団法人日本エレベーター協会<外部リンク>
- 一般社団法人建築性能基準推進協会<外部リンク>