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「えひめ震災対策アクションプラン」及び「愛媛県広域防災活動要領」の策定に関する記者発表の要旨について
日時 平成27年4月9日(木曜日)11時09分~11時18分
場所 知事会議室
【報道発表資料】
えひめ震災対策アクションプラン[PDFファイル/290KB]
(知事)
東日本大震災以降、県民の防災に対する意識は大きく変わりました。そんな観点からも、大規模災害から県民の命と財産を守らねばという強い思いから、防災・減災対策を県政の第二ステージの3本柱の一つとして位置付けさせていただくとともに、一層の充実・強化を図るため、本年度から、先般発表させていただいたように、知事直属の防災安全統括部長を配置いたしまして、部局横断的に各種対策を推進することとしています。
その対策の基本として、発生が危惧されている南海トラフ巨大地震による被害を最小限度に抑えるため、県として取り組むべき施策を取りまとめた「えひめ震災対策アクションプラン」と、大規模災害発生時に全国から送られてくる支援の受け入れ体制等について取りまとめた「愛媛県広域防災活動要領」の策定が、このたび、完了いたしましたので、その内容について発表させていただきます。
まず、「えひめ震災対策アクションプラン」ですけれども、東日本大震災の教訓や国の地震対策、県の地震被害想定調査結果を基に、本県に最大の被害をもたらすとされます南海トラフ巨大地震から県民の命を守り、被害を最小限に抑えるため、県として取り組むべき施策を取りまとめた行動計画でございまして、計画期間は平成27年度から36年度までの10年間といたしました。
計画期間中に、想定されている死者数、これは県の方で16,032名という数字を公表させていただいていますが、これをですね、この10年間のプランを実施することによって、概ね8割減少させることを目指すこととしています。
そのために、「被害軽減対策の推進」と「災害応急体制の確立」と「復旧・復興体制の確立」を柱といたしまして、八つの基本政策、36の施策項目、171の実施項目を体系化しまして、各実施項目については、具体的な施策内容と年次計画を明示するとともに、達成度合いを明確にするため、可能な限り数値目標を設定いたしました。数値目標の数は118指標でございます。
今後は、アクションプランの進捗状況等を点検し、各種施策を総合的、そして計画的に実行していくとともに、全庁挙げて防災・減災対策を強力に推進していくために、新たに庁内関係部局長による防災・減災対策推進会議、主宰は新設した防災安全統括部長になります、この会議を立ち上げまして、当会議を通じてアクションプランを着実に推進していくことといたします。
また、中間年には取り組み状況の評価を行いまして、計画全体の見直しについても検討することとしております。
次に「愛媛県広域防災活動要領」でございますが、南海トラフ地震や台風等による大規模災害が発生し、本県のみでの対応が困難な場合に、県内17カ所の広域防災拠点を中心に、全国から派遣される自衛隊・消防・警察などの救助機関等や、食料や飲料水などの支援物資を円滑に受け入れるための基本的な体制や手順を定めたもので、特に、先般、新聞でも発表されましたが、国において決定した自衛隊や消防士等で最大で14万人を派遣するなどとした「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」とも、整合性のとれた内容としております。
今後は、当要領に基づきまして、市町や関係機関等との情報共有や訓練の実施に努めまして、市町等に対して受援計画の策定の働き掛けをしていくなど、広域防災のさらなる充実強化を図るとともに、県においては、要領の実効性を高めるため、今年度から、広域防災拠点で活動するために必要な資機材の整備にも着手することとしています。
県としては、防災・減災対策を推進する上で基本となるこれら二つの計画の策定を契機といたしまして、ハード・ソフトの両面から各種施策をより一層、迅速かつ強力に展開して、県民や市町、防災関係機関や企業・団体等と一体となって、「チーム愛媛」で災害に強い愛媛の実現を目指していきたいと思います。
なお、先ほどお話がありましたように、両計画の詳細につきましては、この後、記者クラブにおいて、担当課の方から説明をさせていただきますので、詳細については、そちらでご質問いただけたらというふうに思います。以上です。
(あいテレビ)
ハード面の整備であるとか、支援策もいろいろあると思うが、予算はどれくらいを想定しているのか。
(知事)
今、この時点で予算の規模をこの分野にいくらというのはちょっと言えません。その都度その都度、これから国の方も、防災対策の補助制度であるとか、あるいは交付税全体の問題がどうなっていくのかということが、大幅に変わってくることが想定されますから、当然のことながら、県のトータルな予算の状況を踏まえながら、毎年決めていきます。
ただ、公約にもありましたように、防災・減災対策は基本政策の三つの柱の一つでありますから、当然のことながら、最重点の分野ということだけは、各年度変わりない姿勢として受け止めていただいたらと思います。
(愛媛新聞)
耐震化率の向上、津波からの早期避難の徹底など、県民の意識に働き掛ける部分というのは、ある意味で予算以上に難しいところがあると思うが、このあたりどうしていこうと考えているのか。
(知事)
そうですね。特に津波警報が出てもなかなか実際に行動を起こしていただけないケースも多々これまでもありましたので、そこの地域の細かなところまで県が音頭を取ってメッセージとして発信できるかといったら、これはなかなか難しいです。
ですから、そこで大事になってくるのが、やっぱり市町との連携強化ということになりますので、やっぱり基礎自治体というのは住民により身近な役所として機能していますから、県と市町がバラバラではなく一体となることによって、スムーズな浸透というのが可能になるのではなかろうかと思っています。