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新型コロナウイルスの感染の確認等(9月8日公表分)に関する記者発表の要旨について
日時:令和4年9月8日(木曜日)15時00分~15時27分
場所:知事会議室
(NHK(幹事社))
それでは新型コロナウイルスの感染の確認に関する記者発表をお願いします。なお、会見終了後にレクがありますので、詳細の確認はそちらでお願いします。それでは知事お願いします。
(知事)
昨日の検査、県内では945名の方の陽性が確認されました。感染が確認された方に心からお見舞いを申し上げさせていただきます。
本日は、最近の感染状況と医療負荷の現状の評価およびBA.5医療危機宣言の今後の見通しについて説明をさせていただきます。
まず、県内の感染状況なのですけれども、こちらのパネル。上段は(人口)10万人当たりの7月以降の陽性者の推移のグラフになります。下段の地図は市町ごとの感染状況を色分けをしたもので直近2週間を比較したものでございます。
まず、陽性者の推移なのですけれども、7月に入ってから、BA.5への置き換わりが急速に進みました。それに伴って、感染力が強いという性質もあって、陽性者の人数も急速に拡大・増加しました。そして、8月の中旬以降、お盆を明けてしばらくたってからですね、1日の陽性者数は、このあたりがピークで、3,000人を、ご案内のとおり超える日もございました。かつてない規模での感染拡大となりまして、このピーク時には、人口(10万人)当たり1週間累計で1,500人を超える水準になっていたところでございます。こうした状況を受けまして、医療現場が逼迫(ひっぱく)、救急車も全てが出払うなど、危機的状況を迎えたことを受けて、医療の関係者とも相談しながら8月23日にBA.5医療危機宣言を発出させていただきました。その後、県内の感染状況は好転をしておりまして、現在は、ご覧のとおり減少傾向にございます。6日時点では、1,500人がピークだったものが709人、ピーク時の半分以下まで、今は595人まで落ちてきているところでありまして、都道府県で人口10万人当たり直近1週間の感染者数を比較しますと、愛媛県は今27番目ぐらいでございます。
下段の方ですけれども、県内の地域ごとの状況です。色分けをしておりますが多くの地域で、随分色が変わってきています。しかも、いい方向に変わってきていますので、感染状況の改善が見られております。県民の皆さんが、医療危機宣言を受け止めていただき、それぞれ自主的な行動制限や本当に注意深い生活、経済活動をしていただいた結果が、こちらの方にも、この色の違いにも表れてきているというふうに思います。
東予地域も濃い色の地域が少なくなりまして、今治、新居浜、西条市はオレンジに、四国中央市は黄色に改善をされております。中予地域は一つだけこれ松前町になります。紫から改善はしているのですが、いまだに高い水準でありまして、その他の地域は、オレンジ色または緑に改善しているところであります。県全体の数字は下がっているのですが、いまだにまだ今日も1,000人は切ったといえ、千人規模が続いております。まだまだ、決して気を緩める段階ではないということでございます。
次に、医療の状況なのですけれども、まず、病床使用率ですが、医療危機宣言を発出した後も、県庁職員が各病院を回って、医療機関もその危機的状況を受け止めていただきまして、かなり無理をして、コロナの専用病床を積み上げていただいております。かなり無理して積み上げたのが分母になっていますので、その点については要注意でございます。医療危機宣言発出前の8月22日、ここが71.5%まで病床使用率が上昇しました。その後8月はずっと60%を超える水準で推移しております。その後、陽性者の減少につれて、こちらの使用率も低下し始めまして、8月末以降に、ようやく50%を下回る水準に入っているところであります。ただし、ここは途中で病床をこれだけ底上げされてここに基づく50%以下ということでございます。
次に、青の稼働病床数の推移、今申し上げたところでありますが、これ、かなり増加しております。7月の時点では300床ぐらいだったのが現在459床まで、一般病床からの振り替えを行っていただいております。これが病床使用率の減少にも大きく寄与しているということはお分かりいただけると思います。
本日時点で、期間限定で運用中の21床も含めて459床稼働しております。短期間で70床以上が増床されたということで、ただ、これはもう言うまでもなく、振り替えですから、一般診療にそのしわ寄せがいっているということでございます。医療従事者にも、院内感染という影響もあって、感染が広がって、出勤できない従事者が非常にまだ多くいらっしゃいます。その中で、出勤されている方々によって運営していますので、マンパワーが不足する厳しい状況は、この段階でも医療現場で続いております。一般診療に相当の影響を生じつつも、容体が悪化した陽性者に医療を提供するため、緊急的に確保し続けていただいているところでございます。本日時点での入院者数は、154名でございまして、病床使用率は33.6%でありますけれども、例えばこれが医療危機宣言前の386床の体制を分母にいたしますと、依然として約40%を超える水準にありますので、まだまだ高いということはお分かりいただけると思います。
次に、棒グラフの入院患者数の推移でありますが、こちらの棒グラフですけれど、この緑の方が70歳以上の方の人数になっております。ここ数日、入院患者は8月以降200名を超える水準が続いていたのですけれども、ここ数日は150名ぐらいに減少しておりますが、ただこれ見てのとおり、緑が非常に比率が高くなっているのがお分かりいただけると思います。ということは、今現在入院されている方の9割近くが70歳以上の方でございまして、中には、入院中に介助が必要な方も多数いらっしゃいます。その分看護師さんを通常よりも多く、介助のために対応していただく必要が出ておりまして、これも医療現場の高い負荷の継続に結び付いているということでございます。
医師会長、それから専門医の先生とも直接意見交換をさせていただきました。そしてまた重点医療機関を中心に、東予・中予・南予それぞれのエリアで現場の声も昨日、おとといと聞き取っているところでございます。そしてその結果、感染者数は落ちてきているのだけれども、一般医療を含め、医療現場では今申し上げたような要素もあって、逼迫する状況はまだ改善されていないというふうな声でございました。
具体的には、危機的な状況こそ脱したものの、現在も昼夜を問わず、救急搬送や外来、入院対応が続いており、また、多くの医療従事者や家族が陽性となって、人員が不足する状況が継続しているという声、また、医療現場では、診療制限を行いながら、陽性患者の医療の確保に努め、何とか地域医療を維持している状況を分かってほしいという声、そして、陽性者数や病床使用率の数値ほどには、医療現場の負荷はこの段階ではまだ軽減していないという声、こうした意見が寄せられているところでございます。
また、救急現場の方もお話を聞きますと、先週も県内全域で救急出動の件数は、高止まりが続いておりまして、地域によっては、全救急車、全台が出動する時間帯も一部あるなど、厳しい状況が続いているということでございました。
以上から、現状をあらためて評価いたしますと、県内の感染状況や病床使用率は、数字上は改善しつつあります。が、施設でのクラスターも続いておりまして、依然、介助が必要な多くの高齢の患者が入院治療中で、医療スタッフの負担は大きい状況が存続。また、一般医療に大きな制約、これは病床を確保していただいたので、そういう中で病床を構えておりますが、それを長期間続けるのは、難しいという医療現場の声もございます。
ということで医療現場の負荷はいまだにまだこの段階で軽減されていないという評価となりました。
夏休み明け以降も、もうしばらく注視する必要があると判断しております。16日を当面の期限としております医療危機宣言を前倒しで解除することができるかどうかの検討をしましたが、この段階では今申し上げたような医療現場の状況ですので、解除はまだできないというふうに考えております。
このことを受けまして、昨日、県議会議長、各会派の代表、市長会長、町村会長、医師会長、県看護協会長など、それぞれ直接意見交換をさせていただきましたが、全員同じ意見ということで、賛同をいただいております。
ただ、このまま減少傾向が続けば、減少傾向が続けばですね、予定どおり16日をもって宣言を解除することができるのではないかという意見も出てきております。
今後とも医療現場の状況も声も丁寧に聞き取って、来週の前半に判断をしたいと思います。
また、宿泊代金を割引く新みきゃん割についても、医療危機宣言の終了まで、新規予約の受付を停止しているところでございます。現在、国では全国を対象とした観光需要喚起策、全国旅行支援の実施について検討中というニュースがありますが、本県では、これも医療危機宣言の終了後の開始ということといたしたいと思います。今後の状況を見極めた上で、併せて判断いたします。ということで医療現場のことをお伝えしましたので、県民の皆さん、もうしばらく気を緩めることなく、感染回避行動の継続を徹底をお願いしたいと思います。
次に、国はコロナ対応見直しの発表をされました。全国の届け出のうち、全国一律の見直しの実施時期、また、自宅療養者の療養期間短縮の方針が示されたところでございます。
これちょっと誤解があるのですが、僕の言葉が足らなかったかなと思うのですが、全数把握の見直しということではなくて、全数届け出の見直しが正確だと思います。なぜならば、国は、全数把握は継続する。ただ、届け出はHER-SYS(ハーシス)に入力するというようにですね、ああいう作業は、見直すということなので、正確に言うと全数届出、届出の見直しということになります。
これについて、今月26日から、国は全国一律で実施すると発表をいたしました。当初から申し上げたように、感染症対策でありますから、全数の把握につきましては全国で統一した基準でやらなければ意味をなさない。なぜならば、同じ基準に基づいた全体の数字が上がってきて、それを専門家が解析し、感染症対策を考えるというのが基本中の基本になりますから、そのベースとなる数字が都道府県ごとにばらばらになった場合、使えなくなってしまうということ。ということは基本的な感染対策の資料が失われるということになりますから、的確な対応ができなくなるというので、いかがなものかということがポイントでございました。
今回は全国一律でということになりますので、導入に向けた準備を愛媛県としても26日以降、進めたいというふうに思います。
ただし、懸念していた発生届の対象外となった方への対応については、全都道府県に陽性者の健康フォローアップセンターの設置をもって対応という方針が示されているのですけれども、自宅療養中に体調が急変した場合、早期に医療へつなぐための体制の構築、あるいは医療費の公費負担の対象者を現場で把握する基準など、まだまだ問題がありまして、この時点では明確な対応策は国から示されておりません。ひょっとしたら現場任せになるのではないかということも、危惧しております。
なお、本県では、国が示す健康フォローアップセンター、今のですね、このセンターについては、既にこの機能を持つ体制は整備済みでございます。
ただし、一律実施に対応するため、設置はもう既にしているのですが、医療機関や保健所等とのきめ細かな調整を行う作業があるということを申し上げさせていただきます。
全国知事会では先行して見直しを行った県がございます。ここでワーキングチームが設置されまして、各都道府県で情報共有する枠組みはスタートをしているところであります。
こうした情報も受けながら、26日から愛媛県でも、全数把握届出の全面的な変更について、医師会をはじめ関係機関との協議を行って、必要な準備を進めていきたいと思います。
なお、全数把握の届け出が変わりますと、それに伴って県では、市町ごとの感染者の発表はできなくなるということになります。
どうしてかというと、これまでは各医療機関で、一人一人、HER-SYSに入力、あるいは保健所で代行して入力して、居住地ごとに全部把握できていたのですが、今後、医療機関から全数は把握するという方針ですので、今日は何人の確認がありましたという人数の報告が上がってくるだけになります。ということは、どこに住んでいるかとか、そこは把握できなくなりますので、せいぜい保健所ごとに、これだけの届出がありましたという、県全体は何人という全数が出ても、そういった市町ごとの分析はこれもう全国一斉ということになりますので、公表の仕方も市町ごとということはできなくなるということはあらかじめ申し上げさせていただきたいと思います。
次に、療養期間の見直しについてでございます。症状があって、その後、軽快して24時間以上がたった方は、発症から8日目に解除が可能。無症状者は検査キットでの陰性確認で、陽性確認から6日目に解除が可能。それ以外は、8日目に解除というふうな方針が、国から発表されました。
7日に決定し、即日全国一律で適用されることになっています。県では、この見直しの対象となる方、順次、連絡をしておりまして、療養解除になった旨を伝えており、今日、一斉に人数が出てまいったので、本日時点はご覧のとおり昨日は、その影響もあって、療養解除者が非常に多かったんです。6,000人を超えております。
その結果、本日時点での自宅療養者は、約8,000人となりました。これまでずっと、一番高いときは2万6,000人までいったと思います。昨日も、まだ1万6,000人ぐらいでしたから、一気に今の国のルール変更によって減少したということでございます。
ただし、ウイルスを排出する可能性は、専門家によりますと、ゼロではないということが指摘されています。
その結果、これまでの療養期間は、今まで有症状者は10日、無症状者は7日でありましたけれども、この期間までの間は、たとえ解除になったとしても、早めに解除になったとしても、マスク着用の徹底、混雑した場所への出入り、換気の悪い狭い場所での打ち合わせ、人との会食など、対象者になる方は、リスクのある行動は必ず避けて、慎重に生活を送っていただきたいと思います。以上です。
(NHK(幹事社))
ただ今の発表事項等に質問のある社はお願いします。
(NHK)
NHKからいいでしょうか。先ほど医療危機宣言について、来週に判断したいというふうな発表がありました。まだ医療機関からは苦しい、現場から苦しいという声も上がっていると言っておられましたが、具体的にどういうふうな判断基準で解除するかしないかというのを今後決められるのか、伺ってもよろしいでしょうか。
(知事)
はい。一つはこれまで申し上げてきたように、厳しいとされる病床使用率が、50%以下が常態化するということ。これは実は既になりつつあるということでございます。ただ、さっき申し上げたように、今日33%なのですが、これはかなり無理して、病床数を増やしていますので、できれば医療危機宣言前の386人をもって判断しておいたほうが、無難ではないかなというふうに思っています。それでも、ようやく今日約40%台に入っておりますので、これが常態化するということが1点。
もう1点は、地域ごと、病院ごとに状況が全く異なっています。で、今日の療養解除基準の変更の影響も、病院スタッフの出勤にも直接結び付いてきますので、こうしたようなことから、医療現場での負荷がどの程度改善されていくのか、数字と現場の皮膚感覚が違うというのも、今日お知らせしたとおりでありますから、毎日、療養・医療、重点医療機関等々には、どんな状況かという確認作業を行っていきますので、一番大事なのはやっぱり現場の声だと思いますのでそのあたりを踏まえて、判断していきたいと思っています。
(読売新聞)
読売新聞です。先ほどお話のあった療養期間の見直しについてで、お伺いしたいのですけれども、昨日から、もうすぐに始まったということに対して、知事の受け止めとして、こういう先ほど、ウイルスを出す可能性もあるという話もありましたけれども、これの評価をお願いします。
(知事)
はい。まずですね、最初発表されたときは、都道府県ごとで判断ということでありましたので、これには疑問を感じておりました。理由は先ほど説明したとおり、そもそも、感染症に指定されているもの。それに対峙していくためには、全体像の把握が必要。その分析をもって対策が出てくると。こういう順番だと思うのですね。ところが都道府県ごとにルールがばらばらであったら、その全体の傾向の判断が、根拠となる数字はもうなくなるということでありますから、どうなっているんだというのが、個人的な感想でした。ですからこの感染(者)数の把握については、感染症に対応するという観点に立てば、全国一律のルールで積み上げるというのは当然のことだと思いますので、今回、これが26日から全国一律でということになったのでこれは評価しているところでございます。
あとはですね、それに向けてやった場合のマイナス点がありますので、先ほど言った、漏れた方々への対応であるとか、ここについては、今のところ、詳細が発表されていません。フォローアップセンターというものを通じてということだけが発表されているので、これの体制は既に県はでき上がっていますので、あとは現場との調整と、それから先ほど申し上げたような懸念事項に対して国がどこまで、考えているのかということはこれから出てくると思います。ただ、出てこない場合も想定してその場合、そうなったらもう県でやるしかないですから、県で何ができるかというのは今からいろんなケーススタディを積み上げていきたいなというふうに思っています。
(読売新聞)
自宅療養者の療養期間についてはいかがでしょうか。
(知事)
そうですね、これは、専門家会議で判断されたことですから、もうそれを信じて、実行に移していくということになりますが、たださっき最後に申し上げた、今までの、早くなった場合でも感染する確率がゼロではないというのも併せて発表されていますので、やはり、今までの日にちに至るまで、解除になっても十分に気を付けていただきたいということを丁寧に情報発信していく必要があるというふうに思っています。
(読売新聞)
医療負荷の話も先ほど出ましたけど、実際、今日、約6,000人が減ったということは、やはりこれ保健所であったり、医療機関にとってはすごく重点化に向けてすごくいい効果が出ていると言えるのでしょうか。
(知事)
そうですね、負荷の軽減には確実につながっています。
(読売新聞)
分かりました。あとすいません。もう1点、昨日の政府の発表の中で、今後、無症状者については、外出の規制も緩和するというような話を、買い物行けるというような話もありましたけど、その案に対してはどのような見解を持っていますか。
(知事)
いや、これは分かりませんね。まさに、全数把握の数字をベースにして専門家会議が分析をし、これはわれわれ素人ができる話ではないですから、そこで出てきた方針が国として採用されて一律で発出された場合は、もうそれを信じてやっていくしかないというふうに思っています。
(読売新聞)
きちんとただ出てきた場合には、その説明というかメリット、デメリットがそれぞれあると思うのですけども、緩和した場合にも。それは実際にやってみてということなのでしょうか。
(知事)
これはもう専門家のフィルターにかかっているという前提で実施に移していくということです。
(読売新聞)
分かりました。ありがとうございます。
(NHK)
各社さん他に質問等よろしいでしょうか。ではこれで終わります。
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