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新型コロナウイルスの感染の確認等(3月10日公表分)に関する記者発表の要旨について
日時:令和4年3月10日(木曜日)15時00分~15時24分
場所:知事会議室
(南海放送(幹事社))
それでは記者発表を始めますが、会見終了後レクがありますので、個別事例等に係る詳細の確認はそちらでお願いします。それでは知事お願いします。
(知事)
昨日、県内で確認された陽性者の方、341名でございました。内訳は既存が179名、新規または調査中が162名でございます。感染が確認された方に、心からお見舞いを申し上げさせていただきます。また、昨日入院療養中の方が1名お亡くなりになられました。この方は80代の方で、コロナの重症例の方ではございません。心からご冥福をお祈りし、ご遺族にお悔やみを申し上げさせていただきます。これ以上の個別の情報については控えさせていただきます。
昨日は341名、前日295名から大きく増加しています。県内の感染は先週高止まりから増加に転じておりますが、今週はさらにこれを上回るペースで陽性確認が続いており、第6波の最初のピークであった2月上旬とほぼ同水準となっています。とりわけ松山市の増加が著しく出ております。昨日も189名と県全体の6割近く、人口が40%弱でありますから、その中で6割近く出ているという状況でございます。過去最多が1月29日公表の201名でございますから、それに迫る勢いで、依然、県内の感染の中心となっております。感染拡大が止まらない松山市の状況に、県としても強い危機感を感じております。そこで、この後、松山市に絞った感染状況、今後の対策について県の立場から説明させていただきます。一時は感染が減少していた今治市および西条市でも増加傾向が続いております。昨日は今治市が46名、西条市が33名となっています。また、クラスターも松山市、新居浜市、西条市で合計7件確認されています。松山市が3件で、全て3件とも「児童施設」でございます。そして新居浜市が2件、こちらは「医療機関」および「会食」であります。西条市が2件、こちらは「飲食店」および「高齢者施設」でございまして、幅広い場面でクラスターが確認されています。
本日の説明は二つ。昨日の検査結果と、先ほど申し上げた松山市に絞った感染状況とあらためての注意喚起でございます。
昨日の結果でありますが、10歳未満が80名と最多となっています。クラスターの関係も一部ありますが、この中でもやはり家庭内の感染が圧倒的に多い状況です。10代と合わせて129名でありますから、子ども世代での広がりが顕著に出ております。親世代に当たります30代・40代も合わせて96名と多くなっています。男性が158名、女性が183名でございました。
居住地は先ほど申し上げましたように、松山市が189名、今治市が46名、西条市が33名、この3市で全体の8割でございます。この他、新居浜市21名、四国中央市、松前町がそれぞれ9名と若干多めに出ております。一方で南予の方、一時は大洲市を中心に拡大しておりましたが、いずれも少数に転じております。職業は会社員と児童・生徒が同じ72名ずつでございます。この影響で、本日は6校が臨時休業しております。このうち全体の休校は2校のみで、残りの4校は、学級閉鎖・学年閉鎖で対応しております。地域別内訳は東予が2校、中予が3校、南予が1校でございます。また、未就学児も48名と多くなっております。感染経路はもう圧倒的に家庭内ということになっております。
次に入退院の状況でありますが、出入りがあった医療機関では、5名増えて92名、重症者は変わらず4名で治療が続けられております。宿泊療養(施設)の方も出入りがあって、6名増えて92名になりました。宿泊療養の方は263室構えておりますのでまだ余裕がありますが、さらにこの前お知らせしたとおり、場合によってはプラス100室構えられますので、この動向を見極めながら対応してまいります。自宅療養の方は感染者多かったので、昨日は65名増えて2,296名。一方で退院となった方も大勢いらっしゃいますが、264名の方が無事に療養解除、ご回復をされております。
それでは2点目なんですが、松山市の感染状況とあらためての注意喚起であります。これ本来であれば保健所を有する松山市が分析等は行うべきでありますが、ここ最近の松山市の感染状況を踏まえまして、県の方で松山市に焦点を絞って分析を行いましたので、それをもって注意喚起を行わせていただきます。
こちらのパネルは、人口10万人当たりの1週間の陽性者数の推移を表したグラフであります。この赤が松山市で、青がその他の19の市町となります。松山市の感染動向、赤のグラフは県全体の感染状況に大きく影響を与えます。ということは最近の松山市の急増が、染み出しによりまして県全体の増加につながっていくことになります。一方、松山市以外の青のグラフはご覧のように横ばい、中身は例えば、最近今治市、西条市では増加傾向、ただ一方で大洲市では減少するなど、それらを合わせますとトータルでは大きな増減はなく、推移しているのがお分かりいただけると思います。松山市の場合は急増しているというのが顕著に表れております。人口で言いますと、県全体の先ほど申し上げましたように、松山市は4割弱、一方、陽性者数は6割近くを占めているという状況で、影響が人口規模以上に大きくなっています。県全体の感染を減少に向かわせるためには、県内の人の往来の中心である松山市の感染を抑えなければその目的は達成できません。経済の回復に、標準化に向けての対応もできないということになりますので、くれぐれもよろしくお願いいたします。
次に、松山市の2月上旬のピーク時と直近の陽性者を年代別に比較したものでございます。上段のグラフは2月の上旬のピーク時(の1週間)でございます。そして下段の方が直近の1週間でございます。随分変化してきているのがこれで一目瞭然でございます。特にここです。10代以下、前回のピーク時は10代以下が20%程度だったのが、10代以下がもう39%に大きくなっております。現在の感染の中心になっているということが一目瞭然で分かっていただけると思います。そして親世代、この親世代がこの30代・40代になりますが、こちらも26%から29%。微増でありますが、その他の年代は、実は減少をしておりますので、大人世代の感染の中心はこの30代・40代と、子どもさんの親世代ということがお分かりいただけると思います。そして、減少を顕著にしているのが70代以上でございます。この1カ月で減少したのは、松山市も他の市町に比べ遅れてはいるものの、ワクチン接種の3回目が徐々に進んでいることが効果にも表れていると考えられると思います。
以上の分析のとおり、現在の松山市内の感染状況は10代以下、そしてその親世代である30代から40代で、全体のこの二つのカテゴリーで7割を占めているということが明確になっています。特に中学生までの子どもさんは児童施設や学校での感染もありますけれども、先日3月8日に分析結果を示したとおり、感染経路でこの年代で最も多いのは家庭内ということでございます。ちなみに幼稚園・保育園児の場合は家庭内感染46%、小学生が58%、中学生が52%でございます。学校・施設でよりも家庭内が多いと。ただ一方で、昨日も松山市で「児童施設」のクラスターが発生したということを先ほどお示ししましたけれども、ちょっとした症状でも「まあ大丈夫だろう」と言って預けられる、あるいはそれを受け入れる、このことによって施設でクラスターになるというケースが、これは他の市でも確認されておりますので、これは事業者の協力も必要でございます。親世代がちょっとでも異変を感じた場合は休ませる、そしてそれを事業者も対応する。そして、保育所や幼稚園もちょっとこの症状は(預かることは)難しいということを言うということをやらないとですね、流れを止め、食い止めることができないということだろうと思います。その原点は親世代の、大人たちの感染回避行動にかかっておりますので、くれぐれもよろしくお願いいたします。また20代についても若干ちょっと気になるのが、割合自体は下がっているのですが、大人世代の中では最も多い20代。直近でも16%と高い水準でございますので注意が必要です。
次に、こちらのグラフの左側は年代別の人口構成、これはもうただ単に年代別の人口構成でございます。いわゆる人口ピラミッドです。右側はそれぞれの年代、これが人口ピラミッドですね。こちらは陽性者、それぞれの年代における陽性者数で、青が1月、そして赤が2月以降となっています。上段が県全体、そして、下段が松山市だけを抽出したグラフになっています。
20代について見ますと、ご覧のように県全体でも松山市単体で見ても陽性者数は一番多くなっています。特に1月の陽性者数が多かったのは見て取れます。これは成人式や1月の3連休、ここにおいて、県外往来や友人同士の集まりで感染回避行動が十分取れない集いも多くあったことが確認されますが、それによって多数の感染が発生したということでございます。
これから、春休みや年度替わりを迎えまして、転勤、転居、歓送迎会、卒業、入学のお祝い会等、人の往来と会食の機会が増えることが予想されます。こういったイベントを心待ちにして、場合によっては羽目を外したいという気持ちは理解できるのですが、今は何せこういう状況ですから、4月からの新生活を順調にスタートさせるためにも慎重な対応をお願いしたいと思います。特に、春休みを迎える学生に注意を呼び掛けていただくよう、県からも大学および専門学校に再度重ねて、文書で春休み等の注意をお願いしたいということを依頼することとしています。
次にこの赤枠のところでございます。こちらはですね、各年代における出現率でございます。陽性者数を人口で割ったもののパーセンテージでございます。松山市の出現率は全ての年代で県全体を、こちらは県、松山市、全部上回っております。年代別では県全体と同様にこの20代が非常に多くなっております。1月以降、松山市ではざっとこれ考えますと、20代では100人のうち3人以上、すなわち30人いれば1人は陽性、そして10代未満では100人のうち2人ですから、50人いれば1人は陽性になっているという極めて高い出現率になっているというふうなことでございます。このままの状況が続けば、県内は前回のピーク時を超えて、感染が拡大する可能性がこうした分析から読み取れると思います。医療現場では長期間にわたって負荷が掛かっておりまして、高齢者に感染すると重症者の増加も避けられません。ワクチン接種の状況も昨日知らせしたとおりでありますから、特に松山市は注意が必要であります。人の往来が盛んになる年度末に向けて、これ以上の感染拡大を県全体で食い止めるためには、全県民にもお願いですが、特に松山市の皆さんには一層の感染回避行動、もう本当にこれマスク、手指消毒、保健所からの依頼事項を何度もお知らせしてますが、そこを守っていただくことによって通常の行動もできますので、そこをしっかりとお願いしたいというふうに思います。
このため、今回あらためて注意を呼び掛けさせていただきます。感染を抑え込むためには、一人一人の警戒レベルを上げて注意深い行動をすること。そのため守ってほしいポイントでございますが、松山市民の皆さん、1点目、少しでも体調不良の時には出勤、通学、控えてください。速やかに医療機関へ連絡の上、受診してください。特に先ほど申し上げましたように、幼稚園・保育所ではクラスターの発生。「ちょっと体調不良なんだけど大丈夫だろう、お願いします」「しょうがないですね」、これがクラスターに結び付いていますので、徹底をお願いしたいと思います。
2点目、不特定多数が集まり混雑が予想される感染リスクの高い場所は避けていただきたいと思います。特に進学、就職を控えた卒業生をはじめ、若い皆さんには、「集団で」「マスクを外し」「大声を出す」というような行動はぜひ控えていただきますようお願いいたします。
3点目、会食ルールの徹底でございます。飲食店の皆さん、認証店を中心にしっかりと対策を行って準備をしております。これまでお願いしているとおり、そのルールの中では感染リスクはほとんどありませんから、そこを守っていただきたいということ。認証店では大人数、長時間を避けて、1テーブル4人までとし、テーブル間隔を十分確保。テーブル間の移動はしないようにお願いします。そして、認証店以外は十分な対応の確認が取れておりませんので、4人以下おおむね2時間以内でお願いします。
次に市内の事業者の皆さんへのお願いでございます。家庭内での感染を抑え込むためには、働き盛りの親世代が職場等から家庭内に感染を持ち込まないことが重要でございます。
1点目は職場内のルールがしっかり実践されているかどうか、今一度再点検をしてください。
2点目、従業員さんの体調管理を徹底して、少しでも症状がある場合は事業者側からも「休んだ方がいい」と、出勤させないようにお願いします。特に出張等で県外往来した後、あるいは感染リスクの高い行動が確認された時、この時には念入りの健康観察をするなど、特に注意をお願いしたいと思います。
3点目、従業員のお子さんが体調不良の際は、看護のために休みを取りやすい環境づくりをお願いしたいと思います。先ほど申し上げたような保育所・幼稚園、これは事業者の理解がないとなかなか従業員の方はお休みができません。それが感染拡大につながっているという状況にありますので、事業者の特段の配慮をお願いしたいと思います。
4点目、従業員さんのプライベートも含めて、会食ルールの順守、感染リスクの高い行動を回避するよう事業所ごとに、その中で十分な周知をお願いしたいと思います。
最後に5点目、飲食店は不特定多数を集め混雑が想定される催しは、この期間は遠慮願いたいと思います。何周年記念パーティーとか、今回の第6波でもそれによって感染がクラスターになったケースがございました。一番クラスターが発生しやすい集いになろうかと思いますので、くれぐれもお願いいたします。第6波では、現時点で飲食店を起点とした大きな感染拡大は本当に単発で止まっておりますので、引き続きご協力をお願いいたします。ここを抑えないと日常が戻ってきませんので、くれぐれもよろしくお願いいたします。
以上の点を、当面、松山市内の感染状況が落ち着くまでは、県としてもお願いしたいと思います。ただ、これはあくまでも県の持っているデータによる分析であります。松山市はこれも活用していただき、さらに保健所を有しておりますので、細かいデータがあろうかと思います。一つお願いしたいのは、やはり地域ごとの分析をより細かくやっていただきたい。地域や場所の分析を行うことによって、新居浜市等が行っていたように地域ごとの濃淡の対応策ができると。(感染が)拡大しているエリアが分かればそこに焦点を当てた対応策もできますので、こうしたデータを分析・活用した対応策を行っていただきますようお願いしたいと思います。以上です。
(南海放送(幹事社))
ただ今の発表事項等に質問のある社はお願いします。
(愛媛朝日テレビ)
愛媛朝日テレビです。先ほど、松山市を中心に注意事項を呼び掛けられたと思いますけれども、例えばこれからですね、花見シーズンなんかもあるかと思うんですが、現時点で以前取られたような要請とかっていかがでしょうか。
(知事)
花見については近々、県全体へのお願いを出したいと思っております。特に県有施設においてはこういうかたちで行うということ方針として決めますので、それを近々お話しさせていただきたいと思っています。今週か来週になろうかと思います。
(あいテレビ)
あいテレビです。松山市に対して、エリアごとの状況なども分析してほしいということですけれども、現時点で家庭内がすごく感染経路で最も多くなってますけれども、そのエリアを分析した上で、家庭内での感染を抑えるためにどういったことが必要だというふうに考えられますでしょうか。
(知事)
家庭内についてはやはり職場等々の協力が必要ですので、職場に対して、特に体調管理や換気というものに重点を置いた呼び掛けが必要だと思います。ただエリアの場合は、そこでいったん拡大するともう関係なく広がっていきますから、これ非常に重要な分析になると思います。実は昨日、おとといの確認の時点では、松山市はそこまでの細かい地域ごとの分析はされていなかったという状況でしたので、もうぜひしていただきたいと。それに伴って、拡大のところには重点的にこういう場面をというふうな対応も含めてできると思いますので、そういったきめ細かい対応が必要だというふうに思います。
(テレビ愛媛)
すいません、テレビ愛媛ですが、その地域ごとのエリアごとの分析というのは、例えばオフィス街だとかそういう業種などにも絞って。
(知事)
一番大きいのはやっぱり校区であるとか方面であるとか、そういった例えばもう本当に細かく分かるんだったら町単位とかですね、そこはちょっと(松山市)保健所の管轄は(県が)直接ではないので、どこまでできるのかが分からないので、それは松山市にお聞きいただきたいと思います。
(テレビ愛媛)
あと松山市だけではなくて、今治や西条も人口比にしては多いのかなと思いますが、このあたりへの呼び掛けというのはいかがでしょうか。
(知事)
はい。これ実は、既に県の保健所ではこうした細かいデータを市にフィードバックしております。で、それぞれの町単位ぐらいの呼び掛けの濃淡もつけて、そして場面によっては、例えば西条市の場合はですね、「このエリアの保育所に集中的に対応しました」とか、そういうやり方をやっているというに聞いていますので、徐々に効果は出てくるんではないかなというふうに思っています。
(南海放送(幹事社))
他いかがでしょうか。ではこれで終わります。ありがとうございました。
(知事)
はい、ありがとうございました。
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