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新型コロナウイルス検査の結果(11月11日公表分)、ワクチン接種、第5波の振り返りと今後の対応及び今後の対策パッケージに関する記者発表の要旨について
日時:令和3年11月11日(木曜日)15時00分~15時42分
場所:知事会議室
- 新型コロナウイルスの感染の確認(11月11日公表分)について[PDFファイル/140KB]
- 愛媛県内の状況(令和3年11月11日9時現在)[PDFファイル/5.24MB]
- 県内宿泊旅行代金割引の追加実施について[PDFファイル/343KB]
(テレビ愛媛(幹事社))
それでは記者発表を始めますが、会見終了後レクがありますので、個別事例等に関わる詳細の確認はそちらでお願いします。それでは知事お願いします。
(知事)
速報でお伝えしたとおり、昨日は1週間ぶりに新規陽性確認はゼロでございました。今月に入って県内の感染状況は散発的な陽性確認にとどまっておりまして、特に今週はゼロから2名の落ち着いた水準で推移をしております。
まずこちらのグラフですけども、10月以降の人口10万人当たりの(直近1週間の)新規陽性者数の推移でございます。10月の半ばごろまで、特に新居浜を中心に高止まりが続いておりました。しかし、それは15日以降、このあたりから減少に転じまして、それに伴って20日からこれ「感染縮小期」に移行しております。それ以降は県全体、松山市、東予3市いずれもほぼ5人を下回る低い水準を維持しているところでございます。特に新居浜市は県民の皆さん、要請を受け止めていただきまして、実施に移していただいたことの結果が出たと思います。11月6日以降は、ここから新居浜市はもう6日連続でゼロが続いています。10月以降は全国的に急激に感染が縮小しておりましたが、本県ではやや散発的な陽性もあって時間を要しましたが、第5波はほぼ収束したと言える状況でございます。ただし、これは第5波ということでございます。
本日は四つございます。まず昨日の検査結果、二つ目にワクチン接種の進捗、三つ目に第5波の分析および今後の対応、そして四つ目にこの冬を乗り越えるための県独自の対策パッケージの概要、これについて説明をさせていただきます。
まず検査結果ですが簡単に、陽性確認は昨日ゼロでございました。入退院の状況でございますが、現在医療機関に入られている方は11名。重症者はゼロのまま。宿泊療養施設も3名減少して10名。自宅療養されている方も3名減って2名にとどまっております。退院となった方は5名増えて、(累計で)5,303名の方がご回復でございます。なお、入院内訳の軽症欄につきましては、これまでも中等症の患者数を含めて数字を記載しておりますが、表記上、より正確にお伝えするため、「軽症・中等症」というふうに表示を変更させていただきます。
次に新たな封じ込め事例は四つ出ておりまして、松山市保健所が一つ、西条保健所が一つ、今治保健所が二つ、計4事例は濃厚接触者の健康観察期間も無事完了しましたので、それぞれの事例から感染拡大の心配はなくなりましたので封じ込めに入ります。囲い込み事例は松山市保健所2事例。現段階での必要な調査・検査は終了しておりまして、残すところは濃厚接触者の健康観察期間ということで、二つが新たに囲い込み事例に入ります。調査中事例も現在は2事例のみでございます。また、全国的にデルタ株への置き換わりが進みまして、国の通知が来まして、L452R変異株PCR検査は終了となったことから、それを受けまして、こちらのパネルでも変異株検査に関する記載は削除をさせていただきます。ただし、今後、新たな変異株が登場して検査が必要となった場合には、迅速に変異株検査が再開できる体制は引き続き整えておきたいと思います。
次にワクチン接種の状況でございます。先日お知らせしたとおり、11月8日時点の県全体の接種率は1回目が85%を超えて、2回目も県全体では82%に達しております。こちらは1回目、2回目、各市町ごとの状況を高い順から示しています。これを受けて、国が掲げていたのが11月早期の希望者への接種完了という目標はおおむね県内では達成できたのではないかというふうに思います。全国平均をいずれも上回っております。円滑な推進にご尽力いただいた各市町、そして、医療関係機関の皆さん、本当にありがとうございました。
次に接種状況を年代別に示したもの、このパネルはですね、接種済みに加えて、既に予約を終えられている方、今後打たれていることが確定している接種見込みの方も含めて、こちらの表に出しております。年代別になっております。年代によって差はありますが、若者も含めて49歳以下でだいたい約77%、それから、中でも心配していた10代、20代の若年層でも約73%の方が既に予約を入れて接種見込みとなっておりまして、啓発活動の結果が効果に結び付いたんではないかと受け止めております。なお、接種が進んだことにより、各市町の接種体制は大幅に縮小をされておりますが、引き続き接種は続けられておりますので、希望はあるもののまだの方は、それぞれのお住まいの市町にお問い合わせをいただいて、希望される方は接種を受けていただけたらというふうに思います。
最後に3回目の接種でございますが、国の方針におきまして、当面、医療従事者を対象に来月からの開始に向けて準備が進んでおります。これは2回目接種を終えて8カ月というふうなことが目安、それから送られてくるワクチンの量が限られているということ、順番からいって医療従事者、その後に高齢者、そして一般接種となっていくので、市町ごとに1回目、2回目の接種が終わったところから3回目の期間を置きますので、市町によって開始時期は差が出てまいります。現時点では、まだ全体像のワクチンの供給計画が示されておりませんので、全体像を県レベルでお示しすることができない状況にあります。ただ、県内では市町ごとに差がありますが、早いところでは今年5月ごろから開始されて、6月、7月に集中しておりました。大半が7月いっぱいを目指して頑張っておりますので、2回目接種から8カ月経過する来年1月以降に、早い市町では高齢者への3回目が開始されると思います。その後一定のペースで接種が進んでいくんではないかと思います。
次に第5波の振り返りと今後の対応でございます。これまでに従来株、最初の株ですね、それからアルファ株、そして直近のデルタ株と、コロナウイルスは変異をするごとに大きく特性を変えているということが分かってきております。そして、感染力の強さや特性に応じた対応を迫られてまいりました。ワクチンの接種は順調に進みつつありますが、今後は新たな変異株がまた出てくる可能性も念頭に置く必要があり、例えば感染力が非常に強い、さらに強い株、あるいは重症化の傾向が非常に高い株、こういったことがこれまでと違って出てくる可能性もあります。その特性に応じて、県民への要請内容の強化等々、さまざまな運用も臨機応変に変えていく必要があるということをあらかじめ申し上げさせていただきたいと思います。
本日は春の第4波と同様、さまざまな角度から過去最大の感染数となった第5波のデータ分析と対策の総点検を行いましたのでご報告させていただきます。私の方からは第5波の特徴、そして対処の評価、今後新たに取り組む対策等を中心に説明し、その他の詳細についてはさらにいろいろなデータをお配りいたしておりますので、参考にしていただけたらというふうに思います。
7月14日に、時系列的に言うとこちらで説明させていただきます。デルタ株、初めて県内で確認をされました。お盆期間の帰省等の影響もありまして、県内の感染は急拡大していきました。1日当たりの陽性者数は102名、療養・入院患者数は740名に上るなど、第4波を大幅に上回る規模で感染が拡大し、こうした収束に持ち込むまでおおむね4カ月の月日が掛かっております。第5波の特徴を整理したものが次の表でございます。左側はアルファ株、右側はデルタ株の、中身になりますが、第5波は感染力の強いデルタ株の影響で、第4波の1.6倍になる2,654名の事例が発生しました。クラスターはさらに25事例の第4波を大幅に上回る40事例のクラスターが確認されています。陽性率はやはり4%に上昇はしたんですが、必要十分な検査数であったんではないかと考えております。保健所や検査機関による調査・検査業務が大幅に増大する中でも、感染経路不明率はあまり変わっておりません、ご覧のとおり。非常にしっかりとした追い掛けが各保健所でできていたんではないかと評価できると思います。
次に入院、宿泊療養、自宅療養の関係ですが、いずれも第4波に比べて大きく上昇しております。中でも宿泊療養は第4波の2倍、自宅療養は1.5倍に上がっております。一方で、これはワクチンの効果がこの表からも読み取れると思いますが、死亡者数はご覧のように大幅に減少、それから重症者数も減少。感染が大きく拡大したんだけれども、お亡くなりになられた方、残念ですけども、ゼロにはできませんでした。医療機関のご奮闘に敬意を表させていただきます。重症者数も減少と、こういう傾向が第5波ではっきりと出てきております。
次に、このグラフは第5波の陽性者の年代別内訳を第4波と比較したものでございます。高齢者へのワクチンの先行接種の効果によりまして、第5波ではこの65歳以上、こちらの表とこちらの表を比較してください。65歳以上の陽性者の割合が、こちらの方で、5.8%程度にとどまって、第4波のときは17.3%いらっしゃったんですが、大幅に減少したことがグラフ上からも見て取れると思います。一方で、夏休みやお盆期間の帰省、旅行など県外由来の感染が家庭内で広がったことで、10代以下の陽性者の割合、ここに出てまいります、これが第5波では大幅に上昇していると。22.1%、第4波は9.1%でしたけども、ここが大幅に、逆に上昇したということでございます。
次にこのグラフは陽性者の職種の内訳でございます。会社員などで全体の4割以上を占めている状況は、これは第4波変わりません、第5波も変わりませんが、違いはですね、「未就学児」、「児童・生徒」、「学生」の割合でございます。第4波の時はここがだいたい9%程度でしたけども、第5波ではご覧のとおり23.4%、こちらが大幅に増加しております。何よりも子ども世代を守るためには家庭内に感染を持ち込まないことが重要でありまして、あらためて大人世代に日々の感染回避行動の基本的な徹底を求めさせていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。
次に、第5波では夏休みやお盆期間の人の移動や接触機会の増加にデルタ株の感染力の強さが相まって、県外、家庭内、生活上の接触、このあたりですね、ここが大幅に増加しました。一方で、ワクチン接種の効果等により医療・福祉施設、ここがもうご覧のとおり13.3%から2.5%と大幅に減少しております。さきほどのところはこことここの比較ですね。こちらはここの比較で減少ということでございます。
先ほどのスライドでは「児童・生徒」、「学生」の割合が増えたと申し上げましたが、その内訳を今のこの分析に入れていきますと、学校内での感染対策はそれぞれの学校ではしっかりできていたということが読み取れると思います。増えたんだけども、家庭内が非常に多かったということでございます。そういう意味で、保護者や児童生徒、そして教育現場、緊張感をもって当たっていただいた結果であると思います。引き続きよろしくお願い申し上げますとともに、そのご努力をねぎらいたいと思います。
次に先ほどお伝えしたとおりワクチン接種が大きく進展し、2回接種者はお話ししたとおり8割を超えております、全国平均を上回っている状況でございます。一方でこちらが注目すべき点なんですが、10月以降の陽性者259名いらっしゃいました、そのうち、ワクチンの未接種の方、1回のみの接種の方が209名でございますから8割を超えています。ワクチンは強制じゃありませんけれども、いろんな理由があってワクチン接種をされない方もいらっしゃると思いますが、これも一つのデータとして接種を考える参考にしていただく、あるいは接種しない、できない場合もこういうことでありますから、生活上の注意を一層持っていただくということに結び付けていただきたいというふうに思います。
またワクチンの高い効果は現在も継続しておりますが、例えばですね、これはあくまでも海外の数字だけを比較したものですけれども、先般の記者会見でも申し上げましたが、2回接種を7割に達成した国が全面的に経済再開に踏み切って拡大した国、例えばイギリス、韓国、シンガポールは現在の大幅に感染数が上昇しております。一方で、フランス等は同じ状況なんですがあまり拡大していない。これ一体何に違いがあるのか、あくまでもニュースから拾ったものですけれども、フランスの場合はマスク着用を引き続き呼び掛けております。いわば、基本的な感染回避行動を継続することが経済との両立に非常に大きな鍵を握るということを示してくれていると思いますので、2回接種しても決して油断しないで、うつらなくなるという訳ではありませんし、ぜひ感染防止に努めていただきたいと思います。
以上のように、第5波では感染力の強いデルタ株により、過去最大の感染拡大に直面をいたしました。第5波の拡大を受けまして、ご案内のとおり、一部の首都圏では医療提供体制あるいは保健所業務が逼迫(ひっぱく)して、不幸にも入院先が見つからないまま亡くなった事例もニュース報道でございました。入院先も何時間も掛かってようやく見つかるという事例も報道されました。保健所からの連絡がないままに亡くなった事例も報道されました。こうした全国ニュースを受けて、県民の皆さんも不安を感じられたとは思いますが、愛媛県では陽性者が急増する中でも、入院治療が医師の判断で必要であるとされた患者さんは全員一人も残さず陽性判明の当日または少なくとも翌日までに全員速やかに入院させることができております。第5波における陽性判明当日から入院完了までに要した愛媛県内の平均日数は0.77日というデータになっております。感染拡大が顕著であった東予地域において病床の積み増し、それから新たな宿泊療養施設の開設、関係者の協力をいただきまして追加できました。地域内での入院等の対応力が向上したことによって、東予地域の陽性者、第4波の時は東予だけの施設では間に合わない、そういう場合は他の、域外へ搬送いたしますが、これ第4波の時は58.4%、東予地域はございました。ただ、第5波では感染者数は増えたんだけども、34.2%でとどまっております。いわば、病床の確保と宿泊療養施設の開設がこれに寄与したということでございます。
自宅療養者のフォロー体制も強化してまいりました。医療へのアクセスができないまま死亡するという事例は県内では発生はしておりません。一方、県内で松山市保健所が一時的な疫学調査の重点化を余儀なくされました。しかし、初動対応については、市町や関係団体等からの保健師、速やかに応援派遣等を行いまして、陽性判明当日の保健所からの連絡率は県全体で95.5%、判明した場合はすぐに連絡がほとんど取れているということで、それぞれの保健所、迅速な対応ができたと評価できるんではないかと思います。
これまで同様、関係機関が一丸となった「チーム愛媛」による対処、そして何よりも、県民の皆さんや事業者の皆さんのご理解と注意深い行動によって、第5波を乗り越えることができたこと、あらためて感謝を申し上げたいと思います。ただ、今後気温が下がって空気が乾燥する冬を迎えます。そして、抵抗力の低下、ウイルスの活性化、さらには新たな変異株の出現、こういった懸念もございます。第5波を上回る第6波の襲来を想定した対策の強化、これが大きな課題でございます。このため、まず医療提供体制をさらに強化することで対応してまいりたいと思いますが、これまでに確保していたコロナ病床数は最大278床と発表してまいりました。これに加えまして、新たに公的医療機関、さらにご協力をいただき23床確保、そして感染急増時には臨時の医療施設として、既に抗体カクテル療法を実施している宿泊療養施設の10室、これも医療機関にカウントされます。ここで治療を行います。10室の活用も視野に入れて、今回の積み増しで、合計で県内311床、確保いたしました。国にもこの数字は提出済でございます。なお、繰り返し申し上げてきておりますが、本県におけるこの病床数は非常に関係機関と詰めの作業をしっかり行っております。医師や看護師等医療従事者、ベッド当たりの必要人員は全て確保できております。要は確実に運用できる病床、ベッドがあるから(のみでの)カウントは一切しておりません。いわゆる「幽霊病床」というのは存在はしてはおりませんので、その点はお含み置きいただきたいと思います。
次に高齢者施設の面会モデルについてでございますが、施設の面会制限、高齢者の心身の機能維持や生活の質の確保、こういった課題に結び付いております。これを受け、新たに県内の施設の協力を得まして、ワクチン接種証明やPCR検査の陰性証明等の活用によりまして、感染拡大時にも安全・安心に面会を行うための方法等の検証を現在、県独自で進めております。国でも対面での面会を促す方針を固めたとの報道もありますが、県ではこの今実施している検証結果を踏まえまして、「高齢者施設面会モデル」を作成し、年内をめどに、県内施設に、こういうふうな条件があれば実施可能ですという、そういったモデルをですね、県内施設に周知する予定でございます。
次に県立学校の休業措置の対応変更等でございます。学校の休業措置については、これまで学校で陽性者が確認され、臨時休業を行う場合は、どういう感染力か分からない状況もありましたので、全校を対象とした念のための措置を愛媛県内では講じてまいりました。一方で、第5波の分析を行った結果、陽性者が確認された学校では、その8割のケースで陽性者1名のみでとどまっております。また、実際に臨時休業した学校の3割では、検査対象者が一つの学級内にとどまったこと、これは保健所が現地に行って聞き取りを調査したら濃厚接触者がいなかったということですね、その学級内にとどまったことが分析結果で明らかになってまいりました。これらのことを踏まえまして、このたび県立学校では、これは県の管轄ですから県立学校でございます、感染判明時における全校対象の臨時休業方針は、基本原則としては今後とも維持しますが、その後の保健所による調査結果に基づく検査対象範囲等の状況に応じて、学級閉鎖、そのクラスですね、あるいは学年、その学年のみ、こういった学年閉鎖や学級閉鎖による対応も可能とするよう方針を変更することといたします。
もとより対応決定の際は保健所と十分な協議を行った上で慎重に判断することとなりますが、これから受験や就職を控える最高学年の児童生徒にとっては特に重要な時期を迎える中で、子どもたちの安全確保を第一とする方針は堅持しながら、学びへの影響を最小限に抑えられるよう、こうした方針をもって体制を整えていきたいと思います。
なお、この方針変更は県立学校において適用しますが、小中学校を所管する市町教育委員会や私立学校にもお知らせすることとしておりますので、それぞれの事情に合わせて対応を検討していただけたらと思います。ただし、今後変異株が感染力が強いものであると判明した場合は、当面、全て全面休業により対応していきたいと、ここら辺は臨機応変に考えていきたいというふうに思います。
次に公表内容の追加でありますが、先ほど第5波の振り返りにおいてお示しした、陽性判明日から保健所が連絡するまでに要した日数および入院完了までに要した日数、これは感染拡大時の医療体制や保健所体制の逼迫具合を評価するための重要なデータになります。今後は毎週金曜日に1週間分を累計(集計)し、今申し上げた二つの点、報道機関や県民の皆さんに全面的にお示ししていきたいと思います。また、変異株の検査体制は先ほどお伝えしたとおりでございます。
最後に、命名としてはこの冬を乗り越える「愛顔(えがお)の応援パッケージ2021」。これは、今非常に長引くコロナ禍で厳しい状況にあるところを、県の立場でどこまでできるか限界がありますけれども、精いっぱいの応援をしたいということで考えているところでございます。概要だけ説明いたします。長引くコロナ禍で地域経済は大きなダメージを受けておりまして、特に年末にかけて無利子融資、いろんな融資制度を活用したところも多くあります。その返済など多くの中小企業、個人事業主にとっては厳しい状況であると思います。第3波の始まりは昨年の11月下旬。「飲食店クラスター」、「学校クラスター」、「高齢者施設クラスター」など、ほぼ連日のように確認されるとともに、年末年始にかけては「会食クラスター」や「飲食店クラスター」が確認されるなど、第1波や第2波とは比較にならない深刻な状況に直面いたしました。特に冬場はですね、本当に12月30日も1月1日も含めて、記者会見を行わざるを得ないような状況であったということはご記憶にあると思います。専門家からは、この冬はコロナとインフルエンザの同時流行の可能性も指摘されておりまして、今後、病床確保や感染対策を講じながら、この冬を乗り越えていくための各般の施策を力強く展開していくため、このたび四つの柱、一つ目、「県民の元気回復支援」、二つ目、「厳しい経営状況にある事業者へのさらなる支援」、三つ目、「医療提供体制の充実」、四つ目、「高齢者施設、学校の安全・安心の確保」、この四つを柱とした、この冬を乗り越える「愛顔の応援パッケージ2021」を取りまとめました。
まず一つ目の県民の元気回復支援についてですが、これは県内宿泊割引の追加をいたします。県内旅行の促進でございます。10月25日に販売開始をいたしました県内宿泊旅行代金割引は好評により、残りもわずかになってまいりました。このため11月20日に「みきゃん割」5,000円割引を4万人泊分追加、「こみきゃん割」2,500円割引を1万人泊分追加発行をいたします。割引の適用期間は今年末12月31日まで。土産物店等で利用可能な上限2,000円のクーポンも引き続き交付をいたします。ただし今までと同様、今後の感染状況によっては、急きょ発行を停止することもあり得るということだけはあらかじめ申し上げさせていただきます。
二つ目は文化芸術の鑑賞機会、読書の推進のための支援でございます。県民の皆さんの文化芸術活動に触れる機会の拡大や読書によるステイホーム時間の有効活用の支援、コロナ禍で影響を受けた文化芸術団体等の支援に向け、文化芸術鑑賞等クーポン券の申し込み受け付けを11月15日月曜日から開始をいたします。発行部数はコロナ感染対策を徹底して行われる、これが絶対条件となります、そうした県内での映画、演劇、音楽イベントなどのチケット代金を割り引く文化鑑賞券、1組1,000円掛ける2枚、これを2万組。そして、二つ目は県内書店での書籍購入の際に利用可能な読書券、1組1,000円掛ける2枚を2万組。先着順といたします。上限に達し次第終了します。クーポンの利用期間は19日金曜日から2月28日月曜日、年明けまで。年明けての2月28日、2月いっぱいまで。利用可能な対象施設や対象書籍、これについてはですね、詳細は特設ホームページで15日に公開することといたします。ただし、対象書籍については、これはお気を付けください、雑誌、コミック等は対象外といたします。
次に三つ目は、スポーツ・文化芸術活動の再開に向けた支援でございます。新型コロナの影響により、交流や体験の機会を失った県内の児童・生徒等を対象に、スポーツ大会やキャンプ体験等のアウトドアスポーツ、音楽演奏会等を企画する49の団体に対し、20万円を上限に活動費を支援いたします。募集期間は10月6日から10月29日に行いました。期間は終了しています。49団体が選定されました。
続いて、厳しい経営状況にある事業者へのさらなる支援策でございます。まず、中小企業への「第3弾えひめ版応援金」による支援を考えます。第3弾応援金は、第2弾と同様に、コロナ第5波での松山市の時短要請の対象とならなかった飲食店も対象とする方向で考えたいと思います。時短要請は協力金が出ておりますので、時短要請の対象店舗はこの「第3弾えひめ版応援金」では対象外となります。
次にこれは県全体の飲食店が対象となります。愛顔の安心飲食店の認証取得への支援をさらなる追加で行います。これまではですね、認証を取っていただくと5万円のリーダー育成費を提供させていただきましたが、これに加えて上乗せで支援を行います。金額は今、これから固めているところですが、ただ、では先に取ったところはどうなんだという話が出てくると思いますので、新たに認証を取る店舗だけでなく、既に取得した店舗もその差額分は対象といたします。そこは混乱しないように落ち着いて受け止めてください。
そして三つ目が、輸送収入が減少した公共交通事業者の支援、ここもテコ入れを図りたいと思います。これら全て、この3点について、制度設計を現在行っておりますので、ただこれまでは県の応援金はですね、支給事務について、各市町の方が身近でやりやすいだろうということで、財源は県の方で用意して、支給事務は市町単位で行っていただきましたが、市町はこれから3回目のワクチン接種の事務が入ってまいりますので、今回の支給事務はちょっと今までと違うかたちになると思いますが、県の方で行いたいというふうに思います。
次に医療提供体制の充実でありますが、先ほど説明した最大311床の病床確保、そして、自宅療養者のフォローアップ体制のさらなる強化を図るため、医療機関による電話等のオンライン診療体制の拡充を進めてまいります。
次に高齢者施設、学校の安全・安心の確保でございますが、先ほど説明した高齢者施設における面会モデルの構築を行います。
そしてもう一つが、ここもなかなか手が入ってなかったところ、私立学校が行う感染防止対策への財政支援の強化を考えていきたいと思います。以上がパッケージの基本的な方針でございます。施策に応じて、既に例えば「みきゃん割」みたいな、9月補正までで措置して実施段階に至ったものもあります。そしてまた今後、予算化の検討も含め、制度設計をし、具体化を進めるものもございます。しかし、このパッケージの着実な実施を通じて、感染対策の徹底と社会経済活動の再開を両立させながら、まさに冬を乗り越えるための愛顔の応援パッケージ、皆さんと力を合わせて乗り越えて、明るい年につなげていきたいというふうに思います。以上です。
(テレビ愛媛(幹事社))
ただ今の発表事項等に質問のある社はお願いします。
(愛媛新聞)
愛媛新聞です。今おっしゃった厳しい経営状況にある事業者へのさらなる支援、この三つ、制度設計されている段階ということなんですけれども、だいたいそれぞれ詳細を示される時期のめどというのはどのぐらいになるんでしょうか。
(知事)
今、急ピッチで行っています。財源の確保から全てやらなきゃいけないので、国の方もですね、例えば個人への給付等はやられると思うんですが、それはもう財源が自由に捻出できる国の仕事だと思うので、県としてそこをカバーできるものが何かというのを絞り込んだつもりでございます。県独自の財源というのは限られていますけども、その中で精いっぱいの応援体制は組んでいきたいというふうに思っていますので、ちょっと今この段階でいつというのを明確にお示しすることはできませんが、できるだけ早く、皆さんの準備もあると思いますので、この時点で方向性だけは早くお知らせしておいた方がいいのかなと思いましたので、あえて説明させていただきました。
(朝日新聞)
どうも朝日新聞でございます。今の話に少し関連するんですけれども、国なんかも一応補正なんかも組む、これまでに残っている補正もあるといういろいろ議論もございますけれども、そういう国の財源というのを場合によっては当てにするというお考え方なんでしょうか。
(知事)
いろんな財源をかき集める必要があると思うんですね。そういうところも入ってくるし、それから全体のトータルでいうと紐付きではないですけども、人事委(員会)勧告での県職員の給与削減等でも捻出できる部分もありますので、いろんなことを考えながらトータルのパッケージを組み込んでいきたいと思っています。
(朝日新聞)
あとやっぱり可及的に速やかな対応ということですと、時期的にはまだはっきりしないということですけれども、ざくっとしたスケジュール感としてはやっぱり年内あたりとか、もしくは年明けとか、その辺はいかがですか。
(知事)
実施はですね、これは予算措置が伴いますので、議会の議決をいただかないと実施に移せませんから、実施については県議会の議決をいただいた終了後ということになりますので、12月に入って以降になると思います。ただ、方向性についてはできるだけ早く打ち出せるように全力で作業を進めていきたいというふうに思います。どのタイミングで打ち出したとしても、実施、例えば申請受け付け等というのは予算が通らなければできませんから、議会の後ということになります。
(テレビ愛媛(幹事社))
その他よろしいでしょうか。ではこれで終わります。
(知事)
はい、どうもありがとうございました。
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