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新型コロナウイルスの感染の確認(5月25日公表分)に関する記者発表の要旨について
日時:令和3年5月25日(火曜日)15時00分~15時24分
場所:知事会議室
(愛媛朝日テレビ(幹事社))
それでは記者発表を始めますが、会見終了後レクがありますので、個別事例などに関わる詳細の確認はそちらでお願いします。それでは知事お願いします。
(知事)
昨日は11名の陽性者が確認されています。内訳は既存が2事例で2名、そのうち再検査で陽性が確認された方1名が含まれます。新規事例は9名なんですが、事例としては5事例で9名でございます。陽性が確認された方に心からお見舞いを申し上げさせていただきます。また、残念ながら、昨日新たに1名、陽性者の方がお亡くなりになりました。心からご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆さんにお悔やみを申し上げさせていただきます。亡くなられたのは80代のご高齢の方でして、コロナの重症例の方ではございません。
昨日の公表は、日曜日の、多くの民間医療機関がお休みの翌日のものでありましたが、陽性確認がゼロでありました。その前の1(件の陽性確認)も含めますと土日の休診の影響があるとお伝えしたとおり、週明けの月曜日の検査では一転して11名の陽性確認となりました。新規事例も9名と多くなっておりまして、この中には感染力の強さから、後ほど説明しますけども、ご家庭内でほとんどの方が感染されたという、そういう事例も含まれておりますけども、5事例で9名、一度に複数の陽性が確認された事例でもあり、第4波で広く県内に拡散、浸透した感染の残り火がいまだに県内各地でくすぶっている可能性が十分あるということでございます。また、昨日も県外由来とみられる感染も確認されておりまして、繰り返し申し上げてまいりましたが、引き続き警戒が必要でございます。
本日説明するのは主に2点で、まず主な変異株と従来株について、そして二つ目に昨日の検査結果でございます。
まず第1点目でありますが、全国的に現在はイギリス型変異株が猛威を振るっておりまして、感染拡大は収まっておりません。昨日は近県の状況を説明させていただきましたが、緊急事態宣言下の広島県、岡山県だけでなく、各県で感染が広がっておりまして、それぞれの県から個別に注意喚起がなされているところであります。愛媛県でも3月下旬に発生した松山市の繁華街巨大クラスターが発端となり、全国に先行してイギリス型「N501Y」の感染の波に襲われてまいりました。本県の第4波の陽性者数のうち、イギリス株と見られる事例は1,232名でございます。このことではっきりしているのは、県内ではイギリス株による感染が約9割を占めているとみられまして、ほとんどが置き換わっている状況でございます。
また、かねてからインド型変異株もいずれ県内に入ってくる前提で向き合わなければならないとお話ししてまいりました。こちらに国内でインド株が確認された地域に色付けしたパネルを用意しましたのでご覧いただきたいと思います。これは国が発表しているものではなくて、県の方で情報を集めてパネルにしたものでございます。各自治体から公表された情報が基でございます。国内ではこれまでに東京都や大阪府をはじめとして、全国の、既に11の都府県でインド株が確認をされています。また、5月20日には広島県、それから21日は鹿児島県でインド株が確認されておりまして、都市部以外の地方でも、イギリス型の当初と同じでございます、徐々に徐々に確認が増えてきている状況にあります。さらに都市部では海外渡航歴のない方からもインド株が確認されておりまして、市中感染の疑いが、このあたり出てきているということにも注意が必要であります。昨日、東京都では、国内で初めてインド株によるクラスターが確認されたとの報道もございました。本日は引き続き警戒が必要なイギリス株、今後、置き換わりが強く懸念されるインド株、そして、今治市を中心に県内でも確認された「E484K」の特徴についてだけ説明させていただきたいと思います。
こちらは、厚生労働省や国立感染症研究所等の資料を基に、従来株と比較した変異株の特徴をまとめたパネルでございます。イギリス、インド、「E484K」でございます。まず、イギリス型変異株、俗に言う「N501Y」の型でありますが、第3波以前に中心となっていた従来株と比較して、感染性、こちらが従来株に比べて1.32倍程度高いと、そして重篤度についても1.4倍程度高い可能性があるというふうに専門家から指摘されております。県内でも第4波では短期間に多くの陽性者が確認され、重症者も多くなりました。それはこの数字が端的に表しているんではなかろうかと思います。ワクチンの効果は「影響がある証拠はない」というふうに現状ではされております。実際にイギリスではワクチン接種の効果により、数カ月で陽性確認が大幅に減少しているという報道もありますので、このあたりはそうなのかなというふうには思います。
次に1個飛ばして「E484K」、こちら今治市で多く確認されている変異株でございます。こちらは「N501Y」とはちょっと異なっていまして、感染性や重篤度、こちらは懸念される変異株とはされておりません、今の段階で。国主導でゲノム解析により、モニタリングはされております。感染性も従来株と比べて、特段強いという影響を与える可能性がある変異とは認められておりません。重篤度については明確な評価がなされていない状況でございます。ワクチン効果についても完全に無効化するものとは考えにくいということで、「効果はある」という現段階での評価になっているところでございます。以前から、関東や東日本を中心に国内で4,000例以上、最近では、西日本でも広く確認されておりまして、県内においては、今治市を中心に7事例、18名の感染がこの「E484K」確認されております。
そして、最後にこのインド型変異株「L452R」型であります。徐々に広がっている懸念がございます。感染性は従来株に比べて高い可能性があるとされています。専門家によりますと、イギリス株よりも、さらに1.5倍程度高い感染性を有するという指摘も出ております。重篤度については、まだそんなに多くの事例がありませんから、従来株と比較して影響がある証拠は今のところ得ておりません。また、こちらは海外の報道でワクチンの効果を弱める可能性が指摘されておりますが、イギリスの発表ではワクチン2回接種の効果があるという調査結果の報道もございます。まだ、よく分かっていないというのが実態ではなかろうかと思います。「N501Y」の猛威にさらされていたイギリスでは既にこのインド株に置き換わりつつあるというふうに言われておりまして、今後、日本の国内でも短期間にインド株に置き換わる可能性があることを専門家が指摘しておりますので要注意でございます。現に国内でも、先ほど申し上げましたように、インド株が確認されていることを踏まえますと、本県でも県外からの持ち込み・持ち帰りについて、このインド株については格段の警戒が必要でありまして、引き続き、県外との不要不急の出張や往来は控えていただきたいと思います。なお、インド株の検査は全国的なモニタリング体制が確立されておりまして、県衛生環境研究所から検体を国立感染症研究所に送付し、解析が行われております。各県の地方衛生研究所での統一的な検査手法が確立された場合は、愛媛県の衛生環境研究所でも速やかに体制を整えたいと思います。
続いて昨日の検査結果でございますが、23日に1名だけ感染確認されましたのでそれと合わせて昨日の11名、合計12名の概要でございます。年代、性別は20代から70代まで幅広く、40代がこれ5名となっているのは家庭内感染、職場感染、これが多いということがここに出ているんではなかろうかと思います。男性5名、女性7名でございます。
居住地は松山市が5名、このうち新規は3名でございます。西条市の2名は両方とも新規でございます。砥部町は4名でございますが、全て新規なんですけども、これは同一事例内、この4名全員が一つの事例での確認でございます。四国中央市は新規ではございません、既存事例で23日の公表分となります。
感染経路でありますが、家庭内で広がった事例も複数この中には含まれております。また家庭内で複数の方に症状があったんですが、これは聞き取り調査をいたしますと、今までも指摘してきた受診が遅れたケース、もう少し早く相談していただけたらというふうに思われるケースや、もう一つは症状があったんだけれども出勤を続けていたというケース、このことによってこれからの追い掛けが全然対応が変わってまいりますので、これからしっかりと追い掛けていきたいと思いますが、症状があったら休んでいただきたいということはこういうことでございます。特に変異株は感染力が強く、家族や職場に無理をして出たり、受診が遅れると一気に広がるというのが特色でございますので、もう一度、この変異株の特徴を一人一人の県民の皆さん思い起こしていただきたいと思います。そして引き続き県外由来も含まれております。
入退院の状況でありますが、医療機関に入院されている方は再び60人台になりました。4名増えて60名でございます。依然としてステージ3の指標を上回っております。重症者は医療現場の懸命な治療によって1名の方、回復されました。1人減少して4名となっております。そして宿泊療養施設の方は変わっておりません、15名。自宅療養、医師が丁寧に聞き取って入院がすぐに必要な症状ではない方、家庭やご自身の都合で自宅療養を強く希望された方、一部入院調整中の方を含めて、7名減って26名となりました。昨日は13名の方が退院されております。延べで2504名がご回復されているということになります。
昨日は、検査の陽性確認は衛生環境研究所の方で(検査)8件で陽性確認はゼロでございます。協力(医療)機関の方から全て(陽性の報告が)上がってきております。1週前の平均が1日320件程度でございますので、昨日はひょっとしたらもうちょっと多いかもしれません。320件で11件の陽性確認が上がってきております。昨日は330件ぐらいの検査が行われて11件の陽性確認ということでございます。
封じ込め事例の方は、かなり今日は多く出ております。15事例。松山市保健所が10事例、西条保健所が1事例、今治保健所が4事例、これらは全て15事例、濃厚接触者の健康観察期間も無事終了しましたので、それぞれの事例から感染が広がる懸念がなくなりましたので今日から封じ込め事例に15事例が入ります。そして囲い込み事例の方も1事例。中予保健所の1事例が現段階で必要な調査と検査全て完了しましたので、残すところは濃厚接触者の健康観察期間、丁寧な対応をしてまいります。ここ(738事例目)に1件陽性者が出ておりますが、(自宅)待機中でありますので(新たな)濃厚接触者はおられません。囲い込み事例の中での陽性確認でございます。そして、調査中事例の方もクラスター関係は動きがありません。こちらの方も、こちら(773事例目)の1件と新規が5事例で9人出ているということでございます。ここは速やかに調査が今日進んでいるところでございます。
次に、昨日から松山市繁華街の接待を伴う飲食店等の従業員に対して、無症状者の集中的検査を行うモニタリングキット配布ステーションが開設されています。初日となった昨日は、40店舗以上の代表者に来場をいただき、300個以上のキットを配布いたしました。キャバクラ、ホストクラブなど接待を伴う飲食店は、大まかです、全部がつかめているわけではないんですが200店舗程度かなと。それから深夜バーはちょっと店舗数はつかみきれていません。いろいろなところに確認しているんですけど、なかなかつかみきれないということでございます。各店舗の代表者の方は、これまで繰り返し松山市の繁華街の一部のお店の感染回避対策を十分に取っていない中での行動に起因する感染がクラスターとなって、その後大きな影響を与えたということ、そこに思いをはせていただきたいと思います。感染の芽を早期に探知することで従業員の方、そしてお客さんへの感染を回避できるということになりますから、もう繰り返していただきたくないという思いでこのステーションを設置していますので、積極的に検査を受けていただきたいというふうに思います。
最後に、高齢者へのワクチン接種についてでありますが、昨日も本県の現段階での高齢者への接種率は、全国的にも低いという報道がなされております。繰り返し申し上げているとおり、本県では人口の多い市で一般高齢者への接種が開始されたばかりでありまして、最大人口の松山市では、医療機関での個別接種はまだ始まっていない段階であります。5月31日に開始をするというふうな連絡が入っておりますが、そういう状況ですので、どうしても他県と比べるとこのスタート時点は、出遅れ感は否めないと思います。ただ、これは一気に動き始めると上昇していきますので、繰り返し述べているように、初期段階で一喜一憂する必要はないと思います。6月に入った後あたり、しばらくたってからの動向で、その時に大きな流れというのが見えてくるんではなかろうかと思います。一方で、医療従事者への接種は、昨日時点で、予定していた54,000人のうち、1回目の接種終了が5万人を超えておりまして、今月末には1回目の接種は完了するという見込みでございます。さらに、昨日時点で、2回目終了も43,000人に到達しておりまして、これは現在、全国でも2番目に高い接種スピードの状況になっておりますので、医療従事者の方は順調に進んでいるところでございます。繰り返し申し上げますが、希望する高齢者の方は必ず全員が接種を受けることができます。現在、各市町では高齢者への接種を全20市町が7月末完了を目指すというふうなことを正式に目標として掲げておりますので、それに向けての集団接種会場や医療従事者の確保に取り組んでいるところでございます。県もそれをしっかりとバックアップしてまいりますので、どうか県民の皆さん、落ち着いて対応していただきますようにお願い申し上げたいと思います。以上です。
(愛媛朝日テレビ(幹事社))
ただ今の発表事項等に質問のある社はお願いします。
(テレビ愛媛)
テレビ愛媛ですが、先ほどインド株についてこういう状況であるというふうな説明あったかと思いますが、県内でも新規も増えている中で、県内でそういう疑い事例が出ているというような状況ではないですか。
(知事)
まだないですね。実は一番最初懸念したのが今治のケースでございました。それは速やかに国立感染症研究所に(検体を)送って、そうではないというのが確認されて、あの時は胸を撫で下ろした記憶がございますけれども、疑わしい事例は速やかに対応していきたいと思っておりますが、人流がある以上、これは行政がいくら言っても防ぎ切れるものではなく、全国的に都道府県間の移動が制限されているわけでもありませんので、県民一人一人の注意深い行動にお願いしていくしかないという状況であります。そのためにも、連日呼び掛けていく、「またか、またか」と言われるぐらい呼び掛けていくことが重要だと思っておりますので、ぜひ皆さんインド株、イギリス株もあんな感じでポツポツ見られて一気にきましたので、ぜひ注意をしていただきたいというふうに思っています。
(南海放送)
すみません、南海放送です。今回の感染者の中でも、受診が遅れたケースだとか、症状があったのに会社に出勤を続けていたケースとかがあったという話でしたけれども、現段階でそれに関連して感染拡大が懸念されるような事例というのはありますか。
(知事)
そうですね、今日の新規、保健所もさまざまな経験を各保健所で積んでいますので、非常にスピーディーな対応が初期段階でできるようになっていると思います。そういう意味では、もうそういった追い掛けもしない県も出てくる中でですね、囲い込み、封じ込めに向けた作業というのは最速で行えているというふうに思っています。そういう中で昨日の段階では、結局人数が多くなってくる、例えば症状がある中で会社に行っていたとか、そしてまた家庭内、しばらくちょっと受診控えたら、家庭内に全部広がったと。もう両方とも、対象がどんどん広がってしまうんですね。会社行った人たち大丈夫だろうかという問題にもつながってくる。家庭内に広がったらそこにはお子さんがいる、では学校はどうなんだって、こういうことでどんどんどんどん感染拡大のリスクが広がってしまうというのが問題でございますので、もう本当にこれを回避するには、ちょっとでも具合が悪かったら、職場や学校は休むと。もう当たり前の基本中の基本。そしてまた、すぐにかかりつけ医の先生に連絡をして受診をすると。もうこれさえやっていただいたら、(陽性確認を)ゼロにはできないものでありますから、早く(ウイルスを)捕まえるというふうなことで感染拡大は確実に抑えられますので、これだけは徹底していただきますようにお願いしたいと思っています。
(南海放送)
特にその大規模な検査を予定されているといったような。
(知事)
今調整中です。場合によっては一気にやるということもあります。
(南海放送)
あと、砥部町で4人という、少し気になるんですけれども、言える範囲でどのような。
(知事)
これは一つのご家庭で、ということです。
(テレビ愛媛)
入院患者数が再び60人台になりました。感染対策期、判断する目安にもなるかと思うんですが、判断のタイミングについてはあらためていかがでしょうか。
(知事)
そうですね、先週も申し上げましたとおり、まず何よりも今日、明日で、今日新規も出ていますから、その状況も見極めて全体的な傾向、個人的な今の段階での判断ですけれども、だいたい先週あたりから1桁になりました。今日は11人超えていますけども、ご家庭1カ所というのも複数ありますので、だいたい数名、1桁台ぐらいの状況でくすぶっているという感じかなと。ですからここで、しっかりと我慢していけば、そして早めの対応をすればそこは抑えられると。でもここが緩むとまた10人、20人と増えていくと。そういうところに今位置しているのかなというふうな感覚ですね。これを明日、もう一つ言えば今日出ていますのであさってぐらいの感染者数を見極めて医療現場の状況も、現場の人たちとも意見交換しながらですね、最終的に今週中には方向性を見出していきたいなというふうに思っています。
(愛媛朝日テレビ(幹事社))
各社さん、他に質問等よろしいでしょうか。ではこれで終わります。
(知事)
はい、どうもありがとうございました。
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