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長崎県での陽性確認を受けた対応状況等に関する記者発表の要旨について
日時:令和2年8月6日(木曜日)15時00分~15時27分
場所:知事会議室
(知事)
すみません。本日は昨日一部報道機関で取り上げられました本県の合同強化合宿、高校生の合宿ですね。参加をされていた長崎県の高校の教職員1名が陽性確認されたという連絡がこちらに入った事例について説明をさせていただきたいと思います。
その前に、本当に県民の皆さんに7月に入ってから、8事例の陽性確認が出ておりますけれども、正確な情報と正しく恐れて冷静に行動していただくために、いま一度全体像を整理させていただきたいというふうに思います。
7月の中旬以降、後半に入ってからですね、八つの事例がございました。ここには22から27までの6事例になっていますけども、その他に20事例目、21事例目(があり)、20事例目は宇和島市のケースでございます。若い方がこちらに帰って来られたというケースでした。21事例目は今治市のケースでございました。この20、21例目は既に関係者の調査も完了し、PCR検査も全員濃厚接触者は完了し、そして濃厚接触者全員の健康観察も終了しておりますので、この20、21事例目につきましては、すでに対処事例、いわば囲い込みおよび封じ込め。この封じ込めと言うのは、この事例から濃厚接触者を通じて感染が拡大しない状況になったということ。この囲い込み、封じ込めが完了しましたので、この上の方(対処事例)に入っております。そして22事例目。これは松山市のケースでありますけれども、百貨店とそれから同居の方が伊予市の高齢者施設に勤務されたケースでありましたが、こちらも関係者の調査とPCR検査は終了しておりまして、残るのは濃厚接触者の健康観察。こちらは8月10日に観察期間が終了する予定であります。すなわちここのケースは、以下同じですけどもこの関係者の囲い込みは完了しているということになります。23事例目、新居浜市のケース。会社員の方が大阪から帰って来られたケースですけども、こちらも同じように関係者の調査、PCR検査終了。残すところ濃厚接触者の健康観察のみということで囲い込み完了。そして24事例目。こちらは会社員の方で、連休中に大阪に滞在をされた方でございましたけども、同様に囲い込みが完了しております。そして25事例目は学生さん。大阪から来た友人の方と6名で過ごされていたケースでありましたが、こちらも濃厚接触者、調査を現場も頑張ってくれまして、全て調査を完了し検査も完了、囲い込みも終了して、残すところは健康観察期間。こちらは8月17日が最終の観察期間になります。もう一度言いますと、22事例目が8月10日。23事例目が8月9日。24事例目が8月13日。そして、この25事例目が、8月17日が健康観察期間の最終日ということになります。そして、26事例目。こちらは松山市の70代の方でございますが、こちらも健康観察が残っているのみでありますが、終了日時が8月15日になります。そして27事例目。こちらは松山市の50代の会社員の方のケースですけども、こちらも同様でありますが、健康観察期間の終了日は8月18日ということになっております。
このように7月の後半に入ってから確認された八つの事例は、一部は封じ込めが完了し、残す6事例も全て囲い込みは完了しておりますので、それぞれの個々の事例から濃厚接触者を通じて感染が拡大する恐れはないということで、この点は冷静に受け止めていただきたいと思います。ただ、いくつかは感染経路不明のものがございますので、人の移動が激しくなっていますから、それに対処するためには、個人個人の皆さんが回避行動を日々の日常生活の中で実践していただくこと。「うつらないよう自己防衛」、「うつさないよう周りに配慮」、「習慣化しよう3密回避」。これによって感染拡大を抑えることができますので、その点だけはくれぐれもよろしくお願い申し上げたいと思います。
それでは、各事例についてはそこまでにいたしまして、まず、長崎県の高校教職員の陽性確認の経過説明からいたします。詳細は後ほど説明しますが、愛媛県では直ちに必要な対応策は講じております。そして、保健所の調査も実施しました。その結果、県内に濃厚接触者はいないという報告が入っております。感染が広がる懸念、このケースからはないと考えておりまして、このケース、事例とは言えない、言えるどうか微妙なんですけども、この事例で誰も濃厚接触者はおりませんので、具体的な学校名への言及は行いません。濃厚接触者がいるとなると別なんですが、(いないので)言及を行いません。2校、県内の学校も関係しています。なぜかと言いますと、そういう状況であるにも関わらず、学校名等々が出ますと、コロナの不安に駆られて、子どもたちや保護者の皆さんへ、心ない声あるいは中傷が寄せられる心配もございます。そういった点に配慮しまして、マスコミの皆さんもぜひ取り扱いはくれぐれも注意していただけたらというふうに思います。
経過ですが、一昨日の4日の夜のことでございました。実はこの段階、最初の一報は長崎県の保健所からではありません。参加をされた長崎の学校関係者、教育委員会ですね、ここから本県の教育委員会の方に、部活動の遠征のため、本県を訪問していた長崎県の高校の教職員で、バレーボール部の顧問の方が新型コロナウイルスに感染したことが判明しましたという連絡が、4日の夜に第一報として入ってきました。(この時点では長崎の)保健所からの正式な連絡がないので、(県内の)保健所が出る段階ではなかったので、すぐにですね、教育委員会対応で動きを始めました。その4日の夜、一報が入った直後のことでございます。同顧問が参加していた遠征とは、本県からA校およびB校の2校、県外勢では合宿に参加した長崎県の高校ほか2校の合計5校が参加しまして、8月1日から3日までの間、松山市内で実施された男子バレーボール部の合同強化合宿に参加をされたケースでございます。
本事案については、先ほど申し上げましたように、長崎県で感染が確認された方から、長崎県の担当保健所が行動歴等の調査や濃厚接触者の調査を行った上、もし濃厚接触者がいる場合、愛媛県の方に連絡が担当部署の方からあるというのが基本になります。われわれもこちらで確認して、他県で濃厚接触者が出た場合は、こちらから連絡してきたのと同じようなことが基本になってます。しかし、学校間の方が先行して第一報が入りましたので、子どもたちの安全を確保するために対応を急ぐ必要があると判断し、教育委員会として可能な限りの対応を取ることといたしました。
具体的には、県内のこの2校、関係校に対しまして、4日の夜に、直ちに活動状況の聞き取りを行っております。そして万一のことも考慮して、念のためA、B両校の合同強化練習参加者に対し、自宅待機の要請をこの段階でしております。そして翌日、5日の朝には練習会場となりましたA校体育館の使用停止と消毒を実施済みでございます。連絡を受けた4日の当日中に指示し、感染拡大を防ぐために必要な対策を4日の夜(から)実施したところでございます。そして日にちが明けて、長崎県からは翌8月5日に正式な連絡が入ってまいりました。長崎県による感染者の聞き取り状況について報告がありました。これを受けて、本県の保健所も5日そして6日、今日ですね、2日にわたりまして、現地調査や聞き取り調査を行った結果、本県には濃厚接触者に該当する方はいないということが確認されました。ただ唯一、濃厚接触者には至らないものの、感染者と短時間の会話などの接触のあった愛媛県のA校の顧問1名の方について、短時間とはいえ一番接触があった方でございますので、濃厚接触者ではありませんけれども念のため、もう既に先行して、昨日PCR検査を実施させていただきました。結果、陰性が確認されたところでございます。
さらに、本県側の生徒さんにつきましては、長崎県の高校の陽性が確認された顧問の方や、生徒の皆さんと宿泊は共にされていません。また、練習試合以外の交流は、今回ほとんどありませんでした。本県側の生徒は、感染が確認された相手校の顧問の先生との接触は、練習時間前に集団で行うわずか数秒の「よろしくお願いします」というあいさつのみでございまして、個人的な接触も一切ございません。また、顧問の先生は練習中の体育館でも常時マスクを着用されていたそうでございます。また、練習試合の間も体育館では換気や消毒を行うなど、十分な感染予防対策を取っていたことも確認できました。長崎県からのバス移動を含め、感染者の発症日を含めて3日間行動を共にした長崎県の高校の他の教職員と生徒さん、一番感染の可能性がある方々ですが、順次検査が進められています。まだ正式発表でありませんが、内々ですけども、全員陰性が確認されているそうでございます。こうしたことから、本県生徒への感染の可能性はないものと考えられます。長崎の関係者、バスもずっと一緒だった方々も全員陰性であるということ、そして保健所の調査でも愛媛県の高校関係者の中には濃厚接触者はいないということ、そして症状が出ている人もいないということ、こういったことが根拠でございます。
また、長崎県の高校が宿泊した施設につきましては、日頃から利用の都度、消毒実施をしておりますが、今回の感染判明を受けて、5日の朝、同校関係者が宿泊した宿泊室および共有部分について、再度消毒を実施したと聞いております。なお、学校関係以外の立ち寄り先についても、保健所が調査をまだ進めている段階でございます。何かありましたら、しっかりと対応をしていきたいと思います。
以上、今回の合同強化練習関連については、学校関係者でこれ以上の感染の可能性は認められず、その安全が確認されたと判断したところであり、両校の男子バレーボール部については、明日から部活動を再開することとしています。
4月の内子高校での感染事例以外、学校活動での感染事例は愛媛県内では生じてはいない中、今回の報道に触れて、生徒の皆さんや保護者の方々、やはりこれはそうは言っても不安を感じているかもしれません。ただし、感染が確認された方と接触しただけで必ずしも感染するわけではございません。これも全国ニュースでも専門家の方が幾度となく言っているとおり、感染しても8割は他人に感染させていないという、こうした調査結果もございます。また、合宿では練習時以外のマスク着用、換気、手洗い等に気を付けて行われておりまして、3密状態は生じておりませんということが確認されています。また、濃厚接触者と思われる長崎側ですけども、その方々も全員陰性ということで、愛媛県でも濃厚接触者ではないけど一番可能性があった方の陰性も確認されていますので、濃厚接触者にも該当しない生徒さんに感染が広がる可能性は極めて低いというふうに判断できると思います。
こういったことを冷静にまずご理解いただきたいというふうに思います。ただ、なおそれでもですね、これまでのいろんなケースを見てみますと、不安に勝てない方、あるいは確信犯的にあおろうとする方、あるいは政治的な思惑で誤った情報を拡散しようとする方、そういったケースが多少いらっしゃることは、残念ながら否定できない現実でございます。そういったことを踏まえて、SNS等での誹謗(ひぼう)中傷に心配をされる高校生や保護者の方もおられるかもしれません。今回のケースでは感染リスクはないが、そうした方々については、やはり不安の気持ちにも寄り添うことも大切だと考えます。まずは、学校や保健所で丁寧な説明を行うことが基本でありますが、保健所の判断では今回のケースで検査するというふうな判断は出ないと思いますが、知事判断で、今回は(検査を)希望する場合は、PCR検査を実施することといたします。これは、説明した上でそれでも検査してもらいたい、検査をして不安を完全に払拭(ふっしょく)したいという方がいらっしゃる場合は、全部応じるということといたします。それはですね、やはり通常PCR検査はお医者さんの判断で行っていますが、今回のケースについては報道で大きく取り上げられたため、学校関係者の特定や中傷誹謗につながることもやはり懸念がございます。県としては、生徒や保護者の皆さんが安心できるようできる限りの支援をしたいと思っております。
5月25日の学校再開以降、県立学校の部活動につきましては、段階的に制限を緩和してきており、8月1日からは首都圏や関西圏など感染拡大地域との交流は禁止させていただきました。その上で感染リスク管理を徹底しながら、県外校との試合や合同練習も可能としているところでございます。今後の対応については、本事案をもって直ちに県外との交流を縮小すべきであるとは考えておりませんが、もちろん先ほど申し上げましたように、首都圏、関西圏、感染拡大地域は禁止ということになってますけども、その他の地域、さらに縮小すべきであるとは考えておりませんが、県教育委員会および県立学校においては、常に最新の感染状況を踏まえた上で、県外校との交流の必要性と安全性の両面を勘案し、より一層慎重に検討いただくとともに、実施する場合には万全の感染予防対策を講じていただくよう、念のため再度要請したいと思います。
また、報道の皆さんにおかれましても、感染が確認された方が愛媛県を訪れただけで、報道の皆さんからすればそうした情報を出すという使命があると思いますけども、その時に大きく不安をあおるような取り上げ方にだけはならないよう、ご留意をいただけたら幸いでございます。ぜひよろしくお願いいたします。
これまでも例えば、他県で感染が確認された方が、感染が確認される前に愛媛県の実家に戻る、あるいは愛媛県から仕事で県外に出かけた際に、感染者と接するなどの事例はあります。ありますが、これらは全て愛媛県の事例では陰性でありましたので、濃厚接触者にも当たらないケースでございましたので、(また)濃厚接触者として当たった場合も全員陰性で、健康観察期間も全て何にも起こることなく終了をしております。全国的な感染者の増加と社会経済活動の再開に伴い、日常生活において、感染が確認された方と結果的に接点を持つことは、今後もあり得ることだと思います。マスクや手洗い、換気そして3密回避など感染回避行動をしっかり実践していれば、拡大は防ぐことができるわけでございます。重ねて、県民の皆さん、ぜひ正しく恐れて冷静に行動できるよう、そしてまたそのためには、マスコミの皆さんにもご協力をお願いできたらと思います。
こうしたことを受けまして、ぜひ夏休みお盆期間中の注意事項、しつこいようですがお願いしたいと思います。
一に、首都圏や関西圏、大都市圏からの帰省、ご家族で十分話し合って、今すべきなのかどうか、特に高齢者や基礎疾患をお持ちのご家族がいる場合は、今回は見合わせることも含めて相談をしていただきたいと思います。また、帰ってこられた方々の中にこうした地域からの方が大勢いらっしゃるような同窓会等々は、中止あるいは延期を考えていただきたいと思います。また旅行先として、首都圏、関西圏、感染拡大地域を計画の方々は、今年はどうかかなりの(感染)状況になってきてますので、近隣や県内の旅行に今からでも切り替えていただき、そこでも3密場所への立ち入りには注意をお願いしたいというふうに思います。
また、熱中症対策にも十分気を付けられてください。人と距離がある時にまでマスクをすることは必要ありませんし、また通勤通学の時のですね、自転車でのマスク着用は、縦に並んで会話しながらというような走り方したらこれは別ですけども、ルールを守って通学する場合は、マスク着用するまでは必要ないということでございます。
事業者の方々については個々の従業員さんの体調管理と業界ごとのガイドライン、これをしっかりと守って実施していただきたいというふうに思います。そして、無責任な情報発信、不安をあおるような情報拡散、こういったことがやられてしまうと、症状があるのに言い出せない、症状があっても仕事を休みにくい、感染が確認されても調査に協力できない、こういった雰囲気を作ることに加担をするということ、当事者になってしまうということも、ぜひ発信される方一人一人が、いま一度考えて、慎重に行動していただきたいと思います。以上です。
(愛媛新聞)
長崎の高校の方は全員陰性で、愛媛県内の方も濃厚接触もいなくて、教員も陰性であったと。愛媛県2校と長崎県1校の他に残る2校あるかと思うが、2校の方の検査結果とか特に情報は入っているのか。
(知事)
これはですね。どうするかというのは、ケースが県の場合じゃないですから、長崎県の保健所からそれぞれの所に通知が行って、それでそこの保健所がどうするかというのはちょっと分かりません。それぞれの判断になります。
(愛媛新聞)
県内で感染した可能性というところがちょっと気になるところかと思うが、そのあたりはどのように。感染した可能性があるかどうかといくと。
(知事)
極めて少ない、極めてないというふうに思っております。
(愛媛新聞)
もう1点。大分県と愛媛県をフェリーで移動されたということだが、どのような航路を使ったかどうか。
(知事)
航路については、長崎の方にお問合せいただけたら。(長崎の)学校の行動なので、学校の方にお問合せいただけたらと思います。
(テレビ愛媛)
今回、県外の学校との練習試合ということだが、長崎との練習試合そのものに関しては適切なものだったというふうな考えか。
(知事)
そうですね。こういった全国的な状況を踏まえて、何せ今は全国で感染がゼロの地域というのは7月以降ないんですね。ただしよく見ていくと、市中感染が拡大しているエリアと、それから散発的な確認で、それぞれこうしたように事例ごとにコントロールできているエリアと分かれてきていると思います。そういう意味では、コントロールできているエリアとの交流というのは、もちろん十分気を付けながらやっていけば、リスクは本当に低いと思いますので、そこがどうだということはないと思います。
(テレビ愛媛)
今後に関しても特に。
(知事)
もちろん、感染状況は前も申し上げましたとおり、刻一刻と変化していきますので、ここで決めたからそれでもう変えることはないということではありません。地域ごとの感染状況を見極めながら、当然、市中感染が他のエリアでも広がり始めたら、そことの交流はちょっと慎重にというような判断はあると思います。ただ難しいのは、感染確認の人数だけでも判断できないんですね。やっぱり中身をちゃんと見ていかないと。例えば、クラスターが中心であるならば、そのエリアの封じ込めによって拡大が止まりますけども、いろんな所で感染経路不明(の事例)がどんどんどんどん出てくるということになると、これはもう事情が変わってまいりますので、人数だけではなく、そういった分析も大事だと思っています。
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