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新型コロナウイルス感染症に係る19事例目進捗状況等に関する記者発表の要旨について
日時:令和2年6月5日(金曜日)15時00分~15時30分
場所:知事会議室
- 新型コロナウイルス検査(PCR検査)の結果について[PDFファイル/98KB]
- 愛媛県内の状況等(令和2年6月5日13時時点)[PDFファイル/488KB]
- 県内の「重点医療機関」等の確保病床数[PDFファイル/67KB]
- 新型コロナウイルス感染症に係る検査対象及び入院患者の退院基準等の見直し[PDFファイル/473KB]
(知事)
本日説明させていただきます事項は主に3点でございます。まず19事例目の進捗状況、そして二つ目が重点医療機関の指定について、三つ目がPCR検査基準の改定についてでございます。
まず、昨日の検査結果でありますが、19事例目関係の医療機関の大規模クラスターでありますが、こちらの関係で4件、また、この事例とは別に医師から要請のありましたものが12件、合計16件のPCR検査を実施し、全て陰性でございました。これで8日間連続で陽性確認がないという状況になっているところでございます。これまで牧病院の職員につきましては、健康観察が終了するタイミングで2度目のPCR検査を実施し、これで2度目の全員の陰性も確認されました。患者さんにつきましては、これまで2度のPCR検査を行い、院内での感染防御を行っているところでありますが、最後に陽性が確認されたのが5月24日になります。この時に確認された方は2階の患者さんでございましたが、あとは同じ区域の2階に入院していた患者15名の方の検査を残すのみです。ただし、この方々も、5月27日に2度目の検査をして全員陰性が確認されている方ばかりでございます。健康観察の終了に伴いまして、あとこの方々(の検査)を念のため実施するものでございます。これまで確認されたもの以外、院内に感染が広がっている状況ではないということを把握しているところでございます。
この19事例目の進捗状況でございますが、今回、検査の進捗状況でちょっと変更がございます。この(パネルの)濃厚接触者等にこのプラス4名を白枠(検査予定)で追加をさせていただきます。これはこの中(濃厚接触者等)に含まれている高齢者施設(関係者)の方の4名でございます。実はこの4名の方は、高齢者施設に別の施設から応援で入られていた職員さんでございまして、感染者との接触はございません。ということは、濃厚接触者にも当たらないんで、国の基準に照らし合わせれば、PCR検査が必要な方々ではありませんけれども、県民の皆さんの注目度も高いということで、念には念を入れて、追加でこの4名の方についても検査をすることといたしました。これにより、濃厚接触者等の検査予定4名が追加されましたので、合計がこれまでは151名でありましたが155名になります。同様に、こちらの高齢者施設の方々も4名追加いたしますので、この合計が85名から89名に。そして関係者全体で459名ということになります。これが変更点でございます。
なお、今後の予定ですけども、この4名の方については、もう既に今日、検査実施中でございますので、今日の夜には結果が出ると思います。それから残された方々の日程の関係がございますので、今後の日程だけお知らせさせていただきたいと思います。健康観察期間終了に合わせて実施するものを残すのみでありますが、まず高齢者施設関係者、もう既に全員陰性が出ている方ですけども、最後の検査を実施いたします。高齢者施設の37名の方々につきましては6月5日に実施いたします。そして、牧病院の2階の方々の患者さんでありますけれども、こちらの方々は6月6日に15名実施する予定でございます。そして、もうお一方だけ、濃厚接触者の方1名。この方は6月11日。ちょっと5日間とんで、あとお一人だけ11日に検査を実施する予定でございます。これによって、6月11日に全ての検査が終了することになります。仮に全員が陰性であるならば、この時点で事例の封じ込め完了ということになります。早い段階で関係者の努力によって囲い込みは完了しておりましたけれども、その後は、現在封じ込めの対策を取っているところでありますが、6月11日にもし陽性者が出ませんでしたら、この時点で封じ込めということになります。
今回、このような大規模クラスターに対処するに当たりましては、指揮系統の一本化、そしてまた関係機関の連携、さらには施設の協力、この三つが重要であるということを申し上げてまいりました。これによって、支援体制であるとか、また広範な調査であるとか、情報の一元化であるとか、こういったことが可能になりましたので、囲い込みの外にクラスターが広がることなく収束を迎えようとしていることは、本当に愛媛のチーム力のおかげでございます。また、マスコミの皆さんも情報を正確に県民の皆さんに届けていただきました。その結果、意図的なSNS上の情報もありましたけれども、大半の県民の皆さんは、しっかりと情報を受け止めて、冷静に行動をしていただきました。学校関係についても混乱なく、こうした正しい情報に基づく、正しく恐れる環境というものが、事態に向き合うためには極めて重要であるということをつくづく感じます。今後ともこの愛媛のチーム力を生かしまして、第2波、あるいは突発的な散発的に出てくるであろうクラスターが、仮に、仮に発生したとしても、しっかりとこの経験を生かして対応していきたいというふうに思います。
二つ目に、重点医療機関についてでございます。牧病院を本日、重点医療機関に指定をさせていただきましたのでご報告をさせていただきます。
感染症患者の大幅な増加に加えまして、病棟単位で受け入れる重点医療機関の確保を進めてまいりまして、これまでに七つの医療機関、東・中・南予地域のバランスも考えながら、160床をこれまで確保をしてきたということをお伝えしてまいりました。ここ(重点医療機関の病床数)が今まで160だったんですね。今回、牧病院での大規模クラスターの発生に際しまして、感染症のケアとは別の医療行為が必要となるなど、精神科医療が必要な感染者に対する医療提供体制の確保が大きな課題となりました。このような中、同病院と県との間で、病院外からの精神疾患を持つ感染者も受け入れることを前提にした、重点医療機関の指定について合意が整いまして、またこれにこぎつけるまでには、国のクラスター対策班の助言もいただきました。また、県内の専門家の皆さんも知恵を結集していただきました。そうしたことを集約しながら準備を進めてきたところでございます。
このたび、新型コロナウイルス感染症の専用病棟とするため、病院内のゾーニングや病棟施設の改修を行うとともに、看護職員16名の確保など、病棟管理体制が構築されました。また、感染者を受け入れる専用病棟、こちらが20床になります。この整備が完了したことを受けまして、本日6月5日付けで指定を行ったものでございます。同病院では一部職員が自宅待機となる中で、他の入院患者のケアを含めた病院運営を行いながらの体制整備でございましたので、大変なご苦労があったと思います。しかしながら、社会的使命を果たすいう気持ちを強く持っていただきまして、しっかりとした対応をしていただきましたことに感謝申し上げたいと思います。また、ゾーニング等の技術的な支援をいただいた専門家、この方々は感染制御の専門の医師の方や感染管理認定看護師の方などでございます。多大なご協力をいただいた皆さんのご尽力に対しまして、本当に心から感謝を申し上げたいと思います。
また、高齢者施設においても、第2のクラスターの発生を防ぐことができました。全国的に高齢者施設でのクラスターが問題となる中で、本県では、全面的に施設のご協力をいただきました。関係者の特定や囲い込みが早期にできましたことは、この施設の全面協力がなくしては不可能でありましたので、施設の皆さんに対しましても感謝を申し上げたいと思います。
この結果、病棟単位で患者を受け入れる重点医療機関は、今回の指定を加えまして8施設で180床。7施設の160床から8施設の180床に変更・増加となります。重症患者等を受け入れる43床と合わせ、223床ということになります。また、もう一つは、既に稼動しております宿泊療養施設もございますので、全体で340床に構えが増えるということになります。これは室ということも含めてでございますけども。こうしたような体制が整えられてまいりました。なお、牧病院については、クラスター発生の対処を行う中で、県や関係者とのさまざまな協議により、重点医療機関の指定に至ったという特殊な経緯がございます。しかしながら、他の七つの重点医療機関につきましては、当初これをお願いするに当たって病院名は出さないでほしいというのが絶対条件になっておりますので、ゾーニングであるとか別の一般病棟との隔離であるとか、しっかりとした体制は作っておりますけども、ご案内のとおりSNS等々の無責任な情報もあり、病院への風評被害、関係者への中傷、あるいは病院経営への影響、いろんな問題が出てきますので、引き続き、医療機関名の公表は差し控えさせていただきたいと思いますので、ぜひご理解をいただきたいと思います。
三つ目、次はPCR検査の基準変更についてであります。
5月20日に公開で行われました全国知事会のWEB会議上において、私の方から国の方針が変わったからには一定の基準をこの時点で示すことを要望に追加していただきたいということで取りまとめの中で盛り込んでいただきました。こうした背景もあって今回、5月29日付けの国の通知で、PCR検査基準の明確化・統一化が国から示されました。5月29日付けの通知であります。この検査基準のポイントについて二つございますので説明をさせていただきます。
一つはこちらの上の方(濃厚接触者のPCR検査)になります。国の基準ではこれまで症状がない濃厚接触者については検査対象とはしていませんでした。しかし今後は、症状の有無にかかわらず濃厚接触者は全員検査対象とされました。それまでは違っていたんですね。無症状の濃厚接触者は検査しなくてもよいというのが国の基準だったわけであります。本県では、濃厚接触者は全員(PCR検査を)やるということで、この基準を踏襲しますけれども、従来から本県においては症状の有無にかかわらず医療従事者や高齢者、福祉関係者、学校関係者等に対して幅広に検査を行ってまいりましたので、今回のこの上の国の変更に伴っての愛媛県自体の取り扱いに影響はございません。これまでとおりということになります。
なお、全員の検査は実施しますが、感染が確認された方と接触してすぐには実施はいたしません。これまで同様、潜伏期間を考慮しまして5日程度が経過してから検査を行う。これもすぐに検査に応じてくれないとSNS上で言われたことであります。そうではない。潜伏期間ということがあるが故に多少待っていただくということもあるということで、誤解のないようにお願いしたいと思いますが、こうした考え方に変更もございません。
また、PCR検査は、これまで衛生環境研究所において、ご案内のとおり2台の検査装置で対応しておりました。(先般の)記者会見で5月中には何とかもうあと2台追加したいというふうに申し上げてまいりましたが、ちょっとデリバリーの関係で遅れたところがありまして、1台追加で3台目になります。こちらについては6月2日に追加をされ、既に稼働をしております。現在既に3台体制で動いております。さらに、6月中旬にもう1台、4台目がちょっと遅れましたけど納入されることになっておりますので、この時点から4台体制となります。1日間で最大192件の検査が可能となります。県では、医師等からの要請に基づく検査を幅広く実施できる検査体制をこれまでもやってきましたけれども、機械そのもののキャパも上がりますので、県民の皆さんにおかれてはご安心をいただきたいというふうに思います。
二つ目はこの下段(退院(退所)基準)でございます。ここから下になります。これまで国は、PCR検査が2回連続で陰性が確認された後に、退院をさせるというふうなことで通知をしていました。しかし、宿泊療養や自宅療養の感染者は2週間経過すれば都道府県の判断によりPCR検査も不要であると、しなくても地域生活に戻ることも可能であるとの取り扱いを文書で示してきたところでございまして、この文章が現場に混乱を招くような不明確な基準として受け止められていました。このことについては知事会でも指摘をさせていただいたとおりでございます。
今回、国はこれを見直しました。入院患者、宿泊療養施設にかかわらず、症状がある患者は発症後14日経過かつ症状軽快を72時間経過した場合はPCR検査なしで退院とする。これは今回示した国の基準でございます。2回の検査はもういらないということでございます。入院患者が発症から10日経過する前に症状が軽快した場合は今までどおり2回の陰性確認で退院。無症状病原体保有者については、検査後14日間経過すれば検査をすることなく退院または退所ということが明確に国の方針として示されました。
おそらくこれは、発症から7日から10日程度経過した場合、増殖可能なウイルスは検出されず、感染性がある可能性が低いという新たな医学的知見に基づく取り扱いであろうと推察をいたします。日本の研究では7日、ちなみにアメリカでは9日になっていますが、7日経過し、PCR検査を実施して陽性が確認された場合は、ウイルスのかけらのような遺伝子が見つかったものであり、他人に感染性のある増殖可能な状態ではないということが国から示されました。これは国の方針でございます。未知のウイルスについて医学的に明らかになってきた知見であり、また感染症法に基づく全国一律の解釈が示されたものでございます。本県においても、今後は入院患者の退院等に当たっては新基準、これを全国的に適応することとなります。ただし、この新たな知見について社会的な理解と浸透には一定の時間が必要ではなかろうかと思います。そこで、本県では当面、入院患者や地域住民の方々の不安の解消のため、新基準の適用に当たっては県独自の経過措置を考えております。
まず、退院等の際には県負担においてPCR検査を受けていただくこととし、万が一、その検査の結果が陽性だった場合、宿泊療養施設において1週間程度滞在していただく、こうしたことができることといたします。これにより、感染者の家族や周りの方にうつってしまわないかという不安などの解消、当面こうしたことが全国的に始まっていきますので、そういったものが大丈夫なんだという不安の解消が確認できるまでは当面続けていきたいというふうに思います。その点どうぞよろしくお願いいたします。
最後に県民の皆さんにお願いでございます。6月18日まで縮小期に向けた移行期間と設定し、自粛要請等を緩和させていただきましたが、国内では北九州市の複数のクラスター発生や東京都の繁華街、県ではいち早く接待を伴う飲食というのは非常に誤解があるんじゃないかということで、キャバレーや風俗店という表現に変えさせていただいていますけども、国も昨日この名称を変えようというふうなことで、キャバレー、ナイトクラブ等というふうになりました。こうしたような場所での感染者割合は東京都で確かに増加しております。そこで、県民の皆さんや事業者の皆さんには感染が再燃するリスクは常に存在しているということを忘れないでいただければというふうに思います。営業形態等から3密対策が難しいキャバレーや風俗店、まあこれには東京の例で等で入っていますからホストクラブやガールズバー、こういったところも入ってまいります。過去にクラスターが発生した場所への外出は引き続き自粛をしていただきたいと思います。行かなければうつらないということであります。
最後に、会見のたびに繰り返し申し上げておりますが、県民の皆さんには気を緩めることなく三つの感染拡大回避行動として、一つ「うつらないよう自己防衛」、二つ「うつさないよう周りに配慮」、そして三つ「県外の外出注意と3密回避」。これからのことも含めてこの習慣化に徹底的に取り組んで、第2波への備えとしていただきたいと思います。チーム愛媛で第2波に備えて、一方では経済活動の再開を慎重に進めて、特に影響が大きかった観光については、3密回避などの基本的な感染防止対策等を徹底していただく中で、まずは県内観光の振興に積極的に取り組んでまいりたいと思います。以上です。
(愛媛朝日テレビ)
県独自の退院基準について聞きたいが、宿泊療養施設で1週間程度滞在した後は、何か検査等はあるのか。
(知事)
これは、このまま退院ということになります。本来そこはもうやらなくていいと国は言っているんですけども、不安感解消のために検査して、それからもし陽性が出た場合に、国の判断で、医学的見地から、その時点では感染力がないですよということが明確なため、もし陽性だとしても退院させていいですよというのが今回の国の判断なんですけども、やはり、うち(本県)は念のためということを、まだこの段階では追求すべきというふうに思っています。
(テレビ愛媛)
牧病院が重点医療機関になったという中で、クラスター対策班の助言をもらったということだが、もし可能であれば、どのような助言をいただいたかというのを教えてほしい。
(知事)
これはですね、私が直接受けたわけではないので、責任ある発言はできないんですけども、聞いている範囲では、例えば、病院のゾーニングであるとか、また、職員さんの勤務上の注意であるとか、そういったところが専門家としての経験からくるアドバイスではなかったかなというふうには思っています。
(愛媛新聞)
今回新たに20床確保したということだが、これでひとまず病床の確保は当面終わりなのか。まだ引き続きあるのか。
(知事)
そうですね。当面はこれで体制としては十分だと思っております。もちろん、十分というのは答えではないんですけども、現在のところ、クラスターが発生したこともございました。それも踏まえて、入院患者の最大人数が28名でございますので、それに対して340(床を確保した)ということでありますから、今の段階では、この体制の、逆に言えばフォローをしっかりするというふうなことではないかなと思っています。
(愛媛新聞)
この体制は、もう一年くらい続きそうかどうかとか、そのあたりは。
(知事)
そうですね。ともかくはワクチンがね、開発されるまでは、こうした状況が続いていくのかなという気はするんですけども。あとは発生状況等々ですね。ウイルスの正体がいまひとつよく分かっていないので。季節的な要因があるのか、あるいは、ある程度たったらもうなくなっていくのか。こういったものも、たってみないと分からない、未知のウイルスなので。そういった意味では、明確なものが出るまでは、気を緩めずにいきたいと思っています。
(あいテレビ)
北九州や東京で第2波が懸念されているということだが、現時点では県内では、18日までは方針に変更とかはないということか。
(知事)
ないです。はい。
(あいテレビ)
それと同時に、19日以降というのは、現段階、難しいかもしれないが、どのように考えているのか。
(知事)
そうですね、これは、分かりませんよね。その間にまた、クラスターが発生しない、絶対しないとは言い切れませんし、これから県境を越えた人の移動も徐々に始まっていくことになりますので。何といっても、緊急事態宣言が出ている都道府県は、今、ゼロなんですよね。ということは、われわれは、注意喚起はできるんだけれども、自粛ということにはつながらないので。例えば、東京の例を取ってみれば、愛媛県ではそこまでのことはないとは思いますけども、アラートと言うんですか、あれが出た翌日にさらに人出が増えているという状況もありますから。ではそういう人たちが、いろんな地域に旅行に行くということも、これは考えておかなきゃならないので。本当に月日が進んでいかないと、分からないですね。
(愛媛朝日テレビ)
もう1件。先ほど、退所基準の話にちょっと戻ってしまうが、国の退所基準に移行するまでは一定の理解が必要だというふうに言われたと思うのだが、だいたいどれぐらいの期間を見込んでいるのか。
(知事)
いや、これは他県での状況も見ながら、そしてまたそれがこういうので大丈夫なんだねという、医学的には大丈夫だと言い切っているんですけども、県民の皆さんの受け止めですよね。そこが広がっていかないと、要らぬ中傷やそういった差別につながる可能性があるので、もう少し様子を僕は見るべきだと思っています。
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