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令和2年度4月補正予算案等に係る記者発表の要旨について

ページID:0017170 更新日:2020年5月1日 印刷ページ表示

日時:令和2年4月28日(火曜日)15時00分~15時46分

場所:知事会議室

 

 

(知事)

 まず、昨日27日ですが、19件のPCR検査を実施いたしました。地域は東・中・南予にまたがっています。全て陰性でございました。さらに、本日午前中に行っていた検査が16件、合計で35件になります。先ほど結果が判明いたしまして、全て陰性でございました。また、今日時点での変更になりますが、随分と事例ごとの健康観察までの対応が完了いたしておりますので、昨日申し上げた3例はこちら(健康観察終了のグループ)の方に入ってきます。それから、11事例目のカード会社のオフィスの関係も関係者の特定が完了して、健康観察まで行えましたので、囲い込みができたということで、明日からこちら(健康観察終了のグループ)の方に移動ということになります。このことをまず全体像としてご報告をさせていただきたいと思います。

 ただ、昨日も申し上げましたけれども、本当にここ7日間、陽性確認ゼロが続いていますが、18事例中6事例は感染源が特定できていないという状況がございます。松山市と愛南町、そしてまた、東京を中心とした都市部においては、検査件数が低い中で陽性者数が多く、陽性判定率が高いということと、それからここ最近は、感染源の特定ができない例が6割以上ということになっていますから、あくまでも推測でありますけれども、無症状で陽性判定が出るかなりの大人数の方が、街中にたくさんいらっしゃるという状況に変わりはないということでありますので、あらためてこの二つの要因を考えて、皆さん気を抜かないように、再度、「うつらないよう自己防衛」、「うつさないよう周りに配慮」、そして、「県外や不要不急の外出自粛」、これをくれぐれも連休中お願い申し上げたいと思います。ということで、ゴールデン(ウィークの)連休中は県外の旅行を(自粛すること)、各県から連休中は県境をまたいで外に行かないようにというのが、国が一斉に出している全国統一の要請事項でございます。そして、県境をまたいでの帰省であるとか、こういったことも自粛というのが全国一律の要請事項でございます。それぞれの県でとどまるというふうなことになっていますので、連休中の行動くれぐれもよろしくお願い申し上げたいと思います。

 次に、休業要請とえひめ版協力金についてあらためてお話をさせていただきます。この点は非常に関心も高いと思いますので、繰り返しになりますが、お話をさせていただきます。できるだけ簡潔にいたします。

 まず、休業要請というものは、目的は人の動きを徹底的に止めるということにありますから、生活維持に必要なもの以外、もう本当に例外をできるだけなくして行わなければ効果が出ないという政策でございます。そのために今申し上げたように、例外を極力設けずに一気に行う、これを考えたときに、当然のことながらこれは国が全国一律の制度で行うことが合理的な政策ジャンルでありますから、これをずっと言い続けてきました。そしてまた、休業要請でありますから、本来だったら事業者への十分な支援なくして実施困難でありますけれども、金融財政の広範な権限を持つのは国のみ、いわば財源が自由になるのは国だけでございます。例えば、都道府県は制度上、限られた予算の中でありますけれども、国のように国債を発行して、どんどんどんどん(財源を)調達できるわけではありません。もしそれをやって破綻した場合には、今度は逆に何もできない。完全に国の監督下に置かれる夕張市のような実態が襲ってまいります。その中でやりくりせざるを得ないので、この要素を考えたら、休業要請というのは、本当に国が一律でやるべき政策だなというのはお分かりいただけるというふうに思います。ところがですね、国は大まかなことを全国的に要請をしました。例えば、接客を伴う飲食の自粛であるとか、県境をまたいだ移動の自粛であるとか、そんなことを決めており、この休業要請に関しては、先ほどの飲食も、実は相当早い段階で、接客を伴う飲食店へ行くことを自粛だと言ってるんですが、法律に基づいた休業要請は地方単位でやってくださいと、こういうふうになっているんですね。それはおかしいでしょうということを言い続けてきましたが、(これが)国の方針でございます。じゃあ地方レベルでそれをやった場合何が起こるかというと、地方の場合、当然業種の線引きを行わざるを得ません。大変なことになってしまいますから、極力限定をすべきということが地方レベルでこの政策を行うときの一つの悩みどころになります。線引きを行わざるを得ず効果が限定されてしまいます。そして、線引きによって新たな3密の発生リスク、例えば、この業種に休業要請を出せば、この業者は閉まってるから別のところへ行こうと、こんなことも発生します。飲食店に時間の短縮を要請すれば、この時間は開いてるからその時間に行こうっていうんで、その時間帯に密が発生してしまうとか、もういろんな問題がどんどん出てきます。そして、線引きによる地域の分断、不公平感、休業要請対象に入ったら協力金が出る場合があるが、入らなかったら出ない場合がある、あるいは(協力金の)支給がされた、されない、そういった不公平感がどんどん出てきます。

 例えば、パチンコ店は全国多くの県で休業要請対象に入っています。(休業を)実施しているところはもうほとんどでしょう。そこにはほとんどの県で協力金を出しています。でも、休業要請対象外の(方は、休業要請対象の方)以上に多くの業態の方がたくさんいらっしゃいます。お客さんが来ない、また感染の防止のために、いろんな考え方の下に既に自主的に休業されてる方のほうがよっぽど多いわけですよね。でも休業要請対象になっていないから協力が出ない。こうなってくるとですね、当然のことながら不公平感、支給の有無による感情の軋轢(あつれき)が生じるのは当たり前です。例でいうと、パチンコ店に休業要請を出して協力金が出た。一方、銭湯は自主的に休業しても休業要請の対象外でありますから協力金が出ない。さてこれを皆さんがどう思うか。これが政策の難しさであります。地方でやるとこういう問題が出てくるということでございます。

 そこで、愛媛県の基本的な考え方は、線引きによる不公平感をできるだけ少なくするというふうなことで考えておりました。そこで、休業要請の対象施設は、他県が休業要請を行うことにより、うちの県は閉まってるから開いている県に行こうという、本県への流入が予想されるものであるかどうか。

 もう一つは、先ほど申し上げた、接待を伴う飲食店、これは国が早い段階から一律で利用自粛を求めていますから、何も愛媛県が休業要請を出してどうのという以前からの問題だと思います。そういったことを踏まえて、(休業要請の対象は)遊興施設と遊技施設の二つに限定をさせていただきました。線引きによる不公平感をできるだけなくすということで、極力県外から来るリスクを回避するという業種に限定したということでございます。

 それからもう一つ、今度はえひめ版協力金の創設と基本的な考え方であります。仮に緊急事態宣言が解除されても、昨日の記者会見で申し上げましたとおり、コロナ対策は長丁場になる可能性が高いと思いますので、最終的には、ワクチンの開発を待たなければならないだろうと思います。その中で物事を組み立てていかなければなりません。このため、えひめ版協力金は主なものとして、食料品や衛生用品など日常的な買い物をするために不可欠な業種かつお店の構造上3密が発生しやすい業種、つまり、スーパー、飲食店、食料品等の小売店というものを対象といたします。今申し上げた業種は生活上必要な業種ばかりであります。ここが全部閉まったら、自宅待機の生活すらままならなくなってしまう、そういう業種であります。そこで、この業種に限って、(休業ではなく)3密回避の取り組みを行うところに支援を行うというのがえひめ方式の考え方でございます。

 そして、対象期間は、法律上の緊急事態宣言が出されたのは4月16日でありますけれども、本県の場合、私が知事として早めに県民の皆さんに緊急事態回避行動を呼び掛けましたので、この適用はそれを出した4月13日を起点とし、5月6日までの取り組みを支援する協力金といたします。水際対策の強化の観点からは、ゴールデンウィーク期間中の県外からの人口の流入を抑制するため、宿泊施設が自主的に県外客の予約をキャンセルまたは延期する取り組みを支援する、これを対象といたします。

 この他、感染予防に対応した新しいスタイルでの営業継続を模索する工夫を行う事業者への支援を行います。こちらは4月1日からの取り組みを対象とさせていただきます。例えば、休業要請の対象となる事業者でもケースによってはこちらのケースで対象となる場合がございます。事例で言いますと、バーやパブが、元々食事等も作っていらっしゃる業種ですから、テイクアウト事業に特化した事業展開をされる場合、あるいはライブハウスが無観客でのネット事業展開による営業を行った場合、これは支給対象となり得ますので、これはご相談いただけたらというふうに思います。これらは、予算成立後直ちに5月1日から募集を開始させていただきます。3密を避ける取り組み支援、新たなビジネスへの取り組み支援、これが業種は非常に限られていますけれども、えひめ版の協力金の根本の中身でございます。単に緊急事態宣言の期間、(要請に基づいて)休業したところに出すのが他県の東京方式の協力金のスタイルでありますけれども、愛媛県はそれをしていません。そうではなくて、3密を回避して感染を防ぐ営業形態や、これまでにない工夫をして新型コロナのリスクを最小限としながらも経済活動を維持する姿へ転換していくことが求められていると考えます。先ほどの休業要請をしたところに協力金出すというのは、5月6日で、これで終わりだと政策効果は完全に終わってしまいますよね。そこで、愛媛県の場合は、各店舗での3密回避の取り組みの効果や、新たなスタイルでの事業活動(に対する支援)ですから、この政策効果は5月6日以降も継続が見込まれるというところに思いをはせています。すなわち、支援の効果は将来に向かって生きるものであって、県民に大きなメリットがあると思います。その点が東京方式とは全く異なるものでございます。

 なお、今全く情報が入ってきませんが、仮にですけれども、現時点で政府からの緊急事態宣言の期間は5月6日までとされていますが、延長される可能性も否定できません。こうした場合は支援の対象とする期間も延長させる考えでございます。5月6日まで(の緊急事態宣言の期間が)、もし、それ以降も(さらに延長するという判断が)出た場合、本当に国民がそれで持つのかという懸念があります。国がもしそういう決断をするならば、少なくとも連休まで頑張ればということで、2週間前に今が瀬戸際だとこうした政策判断をされたわけでありますから、もしそれが延期等々になるのであれば、なぜそうなってしまったのか、そしてどうして継続するのか、いつまでやるのか、しっかりと説明いただかなければ、国民はついてこれないと思います。そしてまた、休業に伴う損失、このパッケージでは極めて問題があるので、さらなる(延長を)する場合は、対策というのをセットにして出さないと国民は本当についていけないというふうに思いますので、くれぐれもその点は国に対して考慮いただきたいとお願い申し上げたいと思います。

 次に、東京方式の協力金とえひめ方式の協力金の違いをもう一度を説明させていただきます。東京方式は、休業補償と休業協力金はセットで行います。先ほど触れましたが、このときの問題点は、遊興施設や遊技業種に休業要請を出して協力金が払われます。でも、大半の業種は(休業)要請をされていませんから協力金は出ません。これは大変だということで自主的に休業していても(協力金は)出ません。ここに不公平感が生まれてしまうという弱点がありました。それを回避するために、本当に申し訳ないんですが、愛媛の場合は、休業要請と休業協力金は切り離しております。協力金は設けていません。ただし、ほったらかしじゃないです。別の企業支援、えひめ(方式)を実施する、そして休業要請対象の業種については、国や県の別メニューをアシストするということでカバーしていきます。ちなみに、まだ手続き中ですけど、これまで日本政策金融公庫の融資については、パチンコ店は適用除外とされていましたが、どうやらパチンコ店も対象にするというふうなことで調整が進んでいると聞いていますので、愛媛県内の業者の皆さん、本当に呼び掛けに速やかに全店応じていただいたことにあらためてお礼申し上げますとともに、この情報をいち早くお届けさせていただきます。

 そして二つ目の東京(方式)とえひめ(方式)の違いですけれども、先ほど申し上げましたように、東京方式はパチンコ店等は休業要請対象ですから休業協力金を支給します。今申し上げたように愛媛は対象外でございます。大きな違いは店舗で、東京方式というのは1,000平方メートル以上が休業要請対象になります。そこに休業協力金を支給(します)。そして、全国チェーンも対象になっています。愛媛の場合は真逆で、1,000平方メートル以下をえひめ版協力金の対象といたします。1,000平方メートル以上の店舗は資本力があるということで対象外とさせていただきます。いわば、地場の事業者が補助対象で、かつ全国チェーンは本社のある業態ですから、本社等からの支援もありますので対象外とさせていただきます。東京方式は、飲食店について営業時間の短縮を要請します。この問題点は、やり方はそれぞれ違いますけれども、夜の8時とか9時までとかに時間を短縮したら、開いてる時間に密が発生するというリスクを考えなければいけないというふうに思います。そしてもう一つは、ランチだけやってるところはこういう場合に対象外になってしまう。そもそも、例えば8時で切ると言うのであれば、そもそも8時でやめていたところはどうなるのかという問題点も浮上する。これはどう考えても混乱を招くと考えました。そこで、えひめ方式では営業時間の短縮は要請しません。その代わり、えひめ版協力金、3密回避や前向きな工夫に対して、5月6日以降も効果が持続できるということも見込んで、そういうところに協力金を支給するという制度設計をさせていただくことといたしました。この点をぜひご理解いただきたいというふうに思います。

 次に、国や県の協力金以外のメニューは本当にまだまだこれだけではないと思いますが、日本政策金融公庫による無利子、無担保融資、これは皆さんが休業要請対象者ですけれども、問題があります。今日も国会でやり取りがありました。手続きが大変だとか、あるいはその融資が決定しても人手不足で、融資決定しても実際の融資が行われるのに数週間かかってしまうというような状況が現実化しています。そこで、愛媛県の場合は、伊予銀行、愛媛銀行、愛媛信用金庫の3行のトップにお願いしまして、融資決定をしたら融資が下りるまでつなぎ融資をしていただきたいと、借り換えができるようにしていただきたいという要請をして、快く引き受けていただきまして、それが実行できるようになっていますので、活用いただけたらというふうに思います。ここはもう本当に早く支給ができるように国に改善を求めたいというふうに思います。上限がありますけれども、持続化給付金はフリーランスを含む方々も対象になります。法人200万円、個人事業者100万円、前の月より50パーセント以上売り上げが落ちたら対象だそうであります。ただし、これは今国会審議中で、今まだ可決されていません。そして、どのようなかたちで支給されるのかも全然分かりません。願わくば、手続きが簡素で、速やかに対応できる制度として国は責任を持って立ち上げていただきたい。これも国に強く申し上げたいと思います。その他にも、細かい目的別のさまざまな補助金制度もありますので、各経営者の皆さんは、経営者としてこうした情報を積極的にキャッチをする行動を起こしていただきたい、そしてフォローは愛媛県の方でもしっかり行いますので、ご相談いただけたらというふうに思います。

 また、愛媛県では、政策投融資銀行の新型コロナウイルスの枠では足りないという場合に備えて、もう一段、無利子、保証料ゼロの融資制度を構えました。そして、これも使い勝手が悪いということで今すごく問題になってる雇用調整助成金、これも一応制度としてありますので、ここの補助率については県独自で上乗せをいたしますので、さらに補助率は高くなる仕組みは作っています。ただこれもこちらと同じようにですね、非常に申請が大変で、書類が多いとかいろんな問題が指摘されていますので、雇用調整助成金も国に大きな改善を求めたいというふうに思います。

 最後に、この分野で、一部報道でスナックの皆さんの声というのが出ていましたが、ぜひジャーナリストの皆さんにも、問題点をさらに深掘りしていただけたらと思うんです。というのは、あえてバー、スナック、パブのなどの皆さんへと書かせていただきました。そもそも、国は、全国一律に繁華街の接待を伴う飲食店等は年齢等を問わず自粛の呼びかけを行っているんです。だから、こういうお店には行かないようにというのは国が全国一律でしているという、これがまずスタートでございます。そして、この法律に基づいた具体的な自粛要請については都道府県でやってくれと丸投げできました。県は、この国の要請を受け、法に基づく休業要請を実施する立場にあります。このことがあって、各都道府県でやっていると、これがまず仕組みなんですね。一方で、何かお金がかかる場合は地方への交付金がありますよと(国が)言っているんですが、今この段階で1兆円の枠が示されていますけれども、人口比だけでなく感染者数等の要素をもって都道府県別の支給額を決めますということだけが分かっているところなんですね。いくら来るかも全然分かりません。先ほど(申し上げましたが)、制度上、愛媛県が自由になるお金ってのはそうはない、ましてや西日本豪雨災害の対応でかなりの(基金の)取り崩しも行ったばかりでございます。そういう中で実はもう一個あるんですね。あえてこれを言うんですが、この交付金はいくらか分かりませんけど出しましょう、ただし、休業補償には使えません(ということが)国の方針です。(国は、)協力金などだったら対象といたしますと、これだけ言っています。だから、協力金というのは、本当にお見舞金程度の金額。うちはこれは先ほどの差別感、不公平感が生じるんで(協力金を)出していませんけれども、各県(協力金を)出しているところも本当に金額がささやかになるのは、この国の方針があるからなんです。

 だから、このルールでさらに(緊急事態宣言が)延長されたら国民はついてこれないのではないかというのは、こういう仕組みが皆さんになかなか伝わってないんで、あえて申し上げさせていただきました。だから、バー、スナック、パブなどの皆さんにあえて今申し上げます。県に対しての不平はどんどんぶつけてください、私が全部受けます。ただし、今回の件について言えば、そもそもスタートはこの国の繁華街の接待を伴う飲食店等は年齢等を問わず自粛を呼び掛けますと、ここから始まっていますので、皆さんにはそのことについて国に対してものを申す権利はあると思います。それだけは申し上げておきたいと思います。

 次に、2年度の4月補正予算について説明させていただきます。現在、国会で審議されている国の補正予算案は今月中にも可決、成立される見込みでございます。本県でも感染拡大回避行動などへの協力をお願いする一方で、県民生活や地域経済にさまざまな影響が生じており、引き続き県民の皆さんの仕事や暮らしを守り、県内事業者の不安解消を図る各種施策が急務になってきています。先週、それらの全体像として愛媛県対新型コロナ防衛戦略を発表させていただきました。このため、国の補正予算に即応するとともに同戦略に掲げる三つの作戦、一に感染拡大を防ぐ、二に医療崩壊を防ぐ、三に地域経済の崩壊を防ぐ、これに基づきまして既に実施中の対策の拡充も含め、緊急に措置を必要とするものについて補正予算案として取りまとめ、4月30日木曜日の臨時県議会を召集し、審議いただきたいと思います。

 主な内容でございます。まず、一の感染拡大を防ぐについては、福祉施設や学校での感染防止と相談体制の充実として、障害福祉施設が実施する介護支援機器の導入を支援するとともに、県立学校等へのマスクなどの感染防止資材の整備を行います。また、介護事業者等がやむを得ず休業を余儀なくされた場合に備えまして、通所から訪問サービスへの切り替えに必要な経費を補助するほか、他の施設から応援職員を派遣する体制を整備する予定でございます。さらに、特別支援学校のスクールバスを増便するとともに、県職員採用試験での感染拡大防止を図るほか、感染者やその家族、児童生徒からの各種相談に応じる体制の構築、聴覚障がい者の通院時に遠隔手話サービスが受けられる環境の整備を行いたいと思います。

 学校の臨時休業に伴う課題への対応でございます。まず、特別支援学校等の休業に伴って生じた放課後等デイサービスの追加負担を支援いたします。市町と連携して経済的理由で就学が困難な児童生徒たちに対しまして、休業中の給食費相当額の補助を行いたいと思います。また、休業による児童生徒の学習活動等を支援するため、公立学校に教員を補助する支援員を配置いたします。

 次に、二番目の医療崩壊を防ぐでございます。感染者の発生状況や症状に応じて受け入れ体制を強化するため、軽症患者の療養を行う宿泊施設や中等症患者を病棟単位で受け入れる重点医療機関を確保するとともに、患者の受け入れ調整体制の強化を図ってまいります。また、県立病院を含む感染症患者入院医療機関での簡易陰圧装置や人工呼吸器等の追加整備を行うとともに、昨日申し上げました、最前線で検査や治療に当たる医療従事者等に対する県独自の応援手当金を創設いたします。さらに、県酒造組合の協力による高濃度アルコールなどの医療用衛生資材等の緊急調達を行うとともに、保健所の検査体制を強化するほか、入院患者の増加に備え入院医療費の公費負担を増額いたします。

 三番目、地域経済の崩壊を防ぐでございます。まず、えひめ版協力金パッケージでございます。先ほど説明させていただきましたとおり、感染拡大防止に率先して取り組む事業者を支援するため、密閉・密集・密接の3密を回避する新たな取り組みを進める地元スーパーや飲食店、ゴールデンウィーク期間中に県外からの宿泊予約の延期等に協力した宿泊事業者、入店制限を行うなど混雑緩和に取り組んだ商店街などに対して、それぞれ協力金を支給いたします。また、前向きに頑張る事業者を支援するため、移動販売やドライブスルーなどの新たなビジネス展開に取り組む中小企業やテレワークオフィスとして県民向けにデイユース貸出しを行う宿泊業者等、さらにはマスクなど医療関連物資の製造に向け新たな開発に取り組む中小企業に対して、それぞれ協力金を支給することといたします。さらに、医療や物流、小売など県民生活を支える事業者向けに応援メッセージを配信するほか、本県独自の協力金制度や融資制度、国の支援策などについて、事業者からの相談にきめ細かく対応するためコールセンターを4月30日に立ち上げたいと思います。なお、予算成立後、コールセンターの電話番号は記者クラブを通じて速やかにお知らせをさせていただきたいと思いますので、ぜひ県民の皆さんへお伝えいただきますようよろしくお願い申し上げます。

 次に、経営・生活維持のための緊急支援でございます。当面は、企業の資金繰り支援が鍵を握るとの考えの下、政府系金融機関による特別貸付制度に加え、県単独で新型コロナウイルス感染症対策資金を3月に創設しておりますが、この時点では保証料を県が負担する制度になっておりましたが、新たに市町と連携して、利子につきましても無利子措置を行います。これを通じて全力で資金繰りを支援させていただきます。また、雇用調整助成金の支給要件の拡大を受けて、上乗せ助成を追加するほか、離職や休業を余儀なくされた労働者の方々の生活資金借り入れに係る保証料を全額補助いたします。また、経営が悪化した漁業者を支援するため、過去に融資を受けた制度資金の償還条件の緩和や、追加融資枠を確保した上で必要な利子補給を行います。さらに、生活福祉資金貸付金の原資を県社会福祉協議会に追加補助するほか、就職合同説明会が中止されている状況を踏まえまして、インターネットを活用したWEB合同会社説明会を開催し、学生の就職活動と県内企業の人材確保を支援したいと思います。加えて、養殖魚を中心に県産水産物の需要が減少し、流通が停滞している現状を踏まえまして、県漁業協同組合が実施する養殖魚を冷凍保管するための施設の改修を支援するとともに、県産水産物の学校給食への提供を進めるほか、卒業式や入学式などの中止により、花の需要が減退し、苦境に立つ花き業界を支援するため、小中学校の再開に合わせて各教室にフラワーアレンジメントを設置するなど、花きの活用拡大を図ることといたしました。

 次に、この他でございます。ふるさと納税制度も活用して、県民や企業団体からの善意の寄附を積み立てる新型コロナウイルス感染症対策応援基金を創設し、感染症対策の充実に充てますほか、感染者の急増や事態の長期化など、緊急を要する事案が発生した場合に、臨機に対応できるよう予備費を増額することといたしました。国の方針もどんどん変わっているような状況ですから、これは本当に何が起こるか(分からないため)、予備費を構えさせていただきたいと思います。また、この寄附ですけれども、例えばふるさと納税を個人が活用する場合は、寄附金控除の対象となります。また、法人の場合は全額損金算入の対象となりますので、あらかじめお知らせさせていただきたいと思います。

 この結果、4月補正予算総額は一般会計で59億6,427万円、企業会計で7,126万円、合計で60億3,553万円となりました。また、今回の補正予算と3月24日に専決処分した補正予算を含めた新型コロナウイルス感染症対策に係る予算総額、これは専決処分も議会に提出しますので、合計で157億9,700万円となります。

 この他、条例等の議案については、県民や事業者の皆さんに活動の自粛等を私の立場でお願いするに当たり、そのことを踏まえて、知事の1カ月分の給料を全額減額するということを申し上げましたので、知事の給料の減額に関する条例の制定も提案させていただきます。なお、先ほど説明した新型コロナウイルス感染症対策応援基金に、私は政治の分野(に携わる者)でありますから寄附ができないんですけれども、これ(給料)は減額でありますから問題ないので、県としてこの減額相当分の額をこちら(新型コロナウイルス感染症対策応援基金)の方に予算措置として積み立てることとさせていただきます。引き続き、県内の感染状況や社会経済の深刻な影響を踏まえながら、スピード感をもって必要な対策を講じていきますとともに、今後、感染拡大の収束の兆しが見えるタイミングも注視しながら、反転攻勢に転じる対策にも「オール愛媛」体制で取り組んでいきたいと思います。

 最後に、後ほどレクで教育長の方から詳しい話は聞いていただけたらと思いますが、大きな方針だけ私の方から示させていただきます。県立学校、県管理施設の再開時期についてでございます。県立学校は、4月16日に国が緊急事態宣言を全国に拡大したことを受けまして、4月20日から5月6日までの間、一斉臨時休業を行っておりますが、今回の一斉臨時休業の目的が、本県が国による緊急事態宣言の対象となったことに伴う、生徒さんをはじめとする県民の皆さんの不安感に向き合うということ、それから、人の移動の最小化という目的を全国と共有することでありましたことから、学校再開の判断についても、国の緊急事態宣言の対象地域の方針は、まだこの時点ではさっぱり分かりません。情報は何も入ってきておりません。この方針や県内の感染状況、これは毎日報告をさせていただいております。そして、また、これは調査をいたします連休中の人の動きなど、県民の皆さんの活動自粛の効果等を踏まえながら慎重に検討する必要がございます。このうち、緊急事態宣言の解消は、先ほど申し上げましたとおり、時期が全く明らかでないということ。とりあえず5月の6日まで瀬戸際だからそこまでやればという方針で打ち出されていますが、どうなるか分かりません。不透明感が続いております。そして、そういった中で、児童生徒や保護者の皆さんの登校準備や学校現場での再開準備、これもあるでしょう。これが円滑に行われるよう当面の措置として、5月6日までとしておりました県立学校の臨時休業の終期を、その後すぐに土日に入っていきますので、こうしたことを鑑みて、この段階で5月10日日曜日まで延長することといたします。

 この状況の中で11日再開を目指していきますが、連休中や連休が明けた後に国の方針も出るかもしれません。そしてまた、県内の感染状況等も今のままいくのかどうなのかというのも見えてくると思います。そのときには、場合によっては再度延長という可能性もございます。その場合には直ちに方針を決定して、速やかに県民の皆さんにお知らせしたいと思います。なお、上記の方針については、本日、市町教育委員会および私立学校に対しても伝達し、可能であれば連携をとっていただけたらというふうに思います。連休期間中、本当に大変な状況が続きますけれども、皆が皆、多かれ少なかれ本当に我慢を強いられ、踏ん張っている状況でございますので、さらなる協力をお願いできたらと思います。

 また、県管理施設についても、施設側での再開準備が円滑に行え、利用者に安心して使っていただくことができるよう、当面の措置として、こちらも臨時休館の終期を5月6日水曜日から5月10日日曜日に延長することといたしましたので報告をさせていただきたいと思います。こちらも県立学校同様、状況の変化によって、可能性としては延期があるということを申し添えさせていただきたいと思います。以上です。

 

(愛媛新聞)

 国の(緊急事態)宣言が延長された場合、学校の休校も延長の可能性があるとのことだが、延長された場合はそれに合わせて県も延長するということか。

 

(知事)

 そうですね、緊急事態宣言とリンクしてやってきていますので、そういった方向になると思います。

 

(愛媛新聞)

 もう一点、宮城県の知事が9月に学校始業はどうだろうかという提案を全国に呼び掛けたいというような話が出ているが、愛媛県としては、9月始業ということに関してどういうふうに考えているか。

 

(知事)

 もしそれをやる場合はですね、考え方としては理解できるんですが、例えば就職であるとかですね、社会全体の受け入れ態勢をしっかりと構えた上でやらないと、本当にその年代の子どもたちの犠牲というものが可能性として生まれてくるのではないかなと思うので、僕は今、この段階で今年、急に軽々にというのはちょっと早いのではないかというふうに思います。

 

(NHK)

 緊急事態宣言の延長が、ゴールデンウィーク中になるのか、その前になるのかというのが分からないが、国が決めるのは遅いとかそういう受け止めみたいなものはあるか。学校の再開時期とかにも関わってくるので。

 

(知事)

 (5月)6日まで言っていますので、一応今のこの段階ではですね、緊急事態宣言を出した国がいろんな情報を基に判断されて、瀬戸際だから6日まで、そこまでやれば乗り切れるということで出されたというふうに思います。それを信じるしかないんですよね。変更する場合は、これはずっと言い続けてきたことなんですが、大きな政策を打ち出すときには、やっぱり可能な限り早く、そして可能な限りの根拠、そして可能な限りの見通し、これを示していただかないと混乱するということはもう経験則として、また言い続けてきたことでもありますので、もし変更する場合は、これはしっかりやっていただきたいと。その上で皆さんが納得するのであれば、対応というのはスムーズにいくと思うんですが、ここをないがしろにすると、なんでやら、大丈夫なのか、という気持ちが拡大してしまうというのは前にも申し上げたとおりで、その思いは何ら変わってないです。

 

(南海放送)

 今日、補正予算案を発表したことについて、国の1兆円の交付金の割当額は決まっていないが、例えば、この補正予算を基本として、使い道を決めていくとか、その使い道のところで方針とかあれば。

 

(知事)

 協力金もそうなんですけど、かなり愛媛県も見切り発車です。もうこれぐらいきっと来るだろうと、やるしかないだろうと、待っていられないと。ただ残念なことに、この段階では都道府県ごとにいくらというのは、まだ何にも情報がないです。

 

(南海放送)

 では1兆円の中の割当額を当てにした補正予算。

 

(知事)

 そうですね。でなかったら、取り崩すしかないということですよね。

 

(読売新聞)

 今の段階で言えないかもしれないが、この1週間、新たな感染者がゼロというのは、要因として緊急事態宣言(の対象)が全国に拡大された効果も一定あるのかと思うのだが、その辺についての認識は。

 

(知事)

 そうですね。もちろんこれだけ人の動きが止まってきているという効果はあると思います。それと、4月の異動に伴う影響が落ち着いてきたという要因がもう一つ大きくあると思います。それと愛媛県の場合は、緊急事態宣言を出すまでもなく、事前に知事要請として県民の皆さんに三つの行動要請を行っていました。これは何にも宣言の後も変わっていませんから、要因はやっぱり、早い段階から県民の皆さんがこの三つの行動をそれぞれがしっかり実行に移してくれたこと、これが一番大きいと思います。

 

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