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新型コロナウイルス感染症に関する記者発表の要旨について(学校給食用食材に関する生産者支援について)(令和2年3月9日)
日時:令和2年3月9日(月曜日)17時00分~17時19分
場所:知事会議室
(知事)
既に報道されておりますとおり、小中学校の休校に伴いまして、余剰となった学校給食用牛乳につきまして、先週7日土曜日からコープえひめさんの県内5店舗において、生産者支援のための廉価販売が開始されました。私どもは、正直言って給食関係の業者に大きな影響が出るということで非常に懸念していたんですが、県でできること、県がものを売れるわけではないんで、発注済みで廃棄するものについては、県が責任を持って対処するという発表させていただきましたけれども、その後のことについて、なかなかこう頭を悩ましていたところに、このニュースが飛び込んできました。
大変うれしく思いまして、翌朝にコープえひめの美濃理事長に直接お礼の電話をさせていただきました。そして、私だけでなく、多くの方々がその行動に共感されたんではなかろうかと思いますので、それ以降、本日までに支援の輪が大きく広がりを見せ始めておりますので、私どもが掌握していることについて、ご報告をさせていただきたいと思います。
まず、その先陣を切っていただいたコープえひめさんですが、実施店舗は先ほど5店舗ということでしたが、県内全ての13店舗に(今後)拡大をして対応するということを決められたそうです。そしてまた、県内最大手のフジグループも同様のキャンペーンを、明日10日火曜日から愛媛県内の全店舗、そして四国の県外の店舗も含めて開始するということを決められたそうなんで、これが愛媛だけでなく、県外にも広がっていくんではなかろうかな、というふうに思っております。
また、小売量販店以外にも支援の輪が広がっておりまして、今、確認できているだけでも伊予銀行さん、JA東宇和さん、愛媛マンダリンパイレーツさん、キスケグループさん、西予市などの団体や企業、自治体もそれぞれの方法で、この学校給食の食材についての支援を検討していると聞いておりまして、感謝と敬意を表させていただきたいと思います。
もとより、学校給食用牛乳をお買い上げいただいた県民の皆さんの行動なくして、この支援策は成り立ちません。こうした企業の思いというものも受け止めて、ぜひまた皆さんにもご協力いただきますように、そしてご協力、既にいただいてる皆さんには感謝を申し上げたいと思います。
また、学校給食用牛乳に限らず、一般の牛乳をはじめ広く乳製品を購入することによりまして、酪農家を支援する動きもあると聞いております。今後とも、購買という活動を通じて、苦しい思いをしている県内生産者の支援の輪に、ぜひ県民の皆さん、加わっていただけたら幸いに思っております。
県としては、このような支援の輪がさらに大きく広がるように、関係団体や企業と連携した取り組みを進めるほか、県職員への庁内販売活動を行うことといたします。
また、牛乳に限らず、今回の新型コロナウイルス対策で被害が生じている、例えば、卒業式でかなり準備されていた花であるとかですね、また野菜などについてもJAグループや量販店等と連携しながら、販売促進などの支援策を検討してまいりたいと思います。
各種イベントの中止によって行き場を失ったバラなどの花に加え、学校給食が停止したことにより、給食用に生産している野菜が大量にございますので、今回の動向を把握した上で、スーパーや直売所において、野菜などの販売コーナー設置等の協力を県の方からも要請していきたいというふうに思います。
また、先ほど申し上げましたように、県庁内では卒業式等のイベント中止で消費が低迷している花きにつきましては、県庁内においてまず販促キャンペーンの開催を検討します。できるだけ早く実施に移していきたいと思います。以上でございます。
次に、新型コロナウイルス感染症そのものについての動きを報告させていただきます。
金曜日の記者会見後のPCR検査件数は17件ありまして、結果は、今日(午後)3時の報告の時点で、全て陰性でございます。この17件の中には、陽性反応が出た2名の関係者はございません。全く別の関係でございます。これまで全体では133件、陽性2件、陰性131件というふうになっております。
また、お知らせしていたコールセンターのうち、一般相談窓口が土曜日朝9時から開始されています。そして、帰国者・接触者の相談窓口も今日の夜9時から窓口を一本化して、コールセンターで受け付けていただくことになります。
一般相談分なんですが、土曜日の相談件数が133件。日曜日が88件でございまして、今日はもう既に100件を超えていると聞いておりますが、順調なスタートを切れているのではないかというふうに思います。ただ、この帰国者・接触者相談センターは、特に感染が疑われる方を専門の外来につなぐための専用回線になりますので、できる限り医療機関が開いている時間帯でのご相談をお願いできたらというふうに思います。
なお、このコールセンターにつきましては、その性質上、場所は公表いたしません。そして取材もご遠慮いただいているところでありますので、私、先ほど代表して現場へ行ってまいりました。非常にしっかりとした対応をされてます。既に国のコールセンター業務を請け負って1カ月以上経験を積まれていますので、ノウハウがあるということ。それから1本の電話ではありますが、8ライン同時に対応できるという体制を組んでいただいているということ。深夜帯も含めてしっかりとしたローテーションが組まれているということ。さらには、ただ単に形上(相談を)受けるだけではなくて、都度都度、国等の最新の情報をアップデートして、全員で共有しながら対応を進めているということも、現場で確認をさせていただきました。対応も非常にしっかりされておりましたので、本当に安心して対応の業務に当たっていただけるという事を皆さんにご報告をさせていただきたいというふうに思います。以上です。
(愛媛新聞)
話のあったコールセンターに関して、今、どういうような質問が多くて、どのようにご対応している状況か。
(知事)
傾向をお聞きしますと、正直言って、テレビのワイドショーの放送後に、がっと増える傾向があるようなので、テレビ等々マスコミの皆さんの情報を受けて、ちょっと不安になって(電話を)かけてこられる初期的な相談が大半を占めているということだそうです。もちろん症状が出てということも心配されている方もいらっしゃいますけど、そんな傾向が出ているようなことはお聞きしました。
(あいテレビ)
確認だが、フジとか伊予銀行などは牛乳の支援をするということか。
(知事)
これは、それぞれいろんな方法を考えていただけると思います。ただ、本当にコープえひめさんの取り組みが大きな引き金になったということは、間違いないんじゃないかなと思います。自分もこういうやり方があるんだと思って、本当うれしかったです。
(南海放送)
別件だが、県内で2例目の感染が確認された松山市の女性について、松山市は感染源の特定は難しいとして、市中感染は否定した上で、これ以上調査は予定していないとしているが、それに対してどうか。
(知事)
管轄が松山市になりますけど、ただ一点ですね、報告として上がってきているのは、この感染者が勤務されていた会社の中に、1名直前に海外に行かれている方がいらっしゃるというふうなことは聞いています。その方は実は、同じ会社なんですけども、勤務地は県外でございます。
ですから、非常に接触の時間も短いですし、可能性は限りなく低いとは思いますが、念のため、この方の勤務されている居住地と、それから事業所のある保健所にはこういうことですという連絡は入れてあります。ただ保健所によって対応は全然異なっていますので、(愛媛)県のように発症していない方も含めて検体を取るということをやるかどうかは、保健所単位の対応になってきますので、通常は症状が出て、4日以上(発熱が)続いて、お医者さんが依頼して初めて検体採取ということになりますので、ちょっとそこ(保健所の対応)は分かりませんけど、2週間の経過観察ぐらいなのかなということになりますから、この時点でその方が陽性であるか陰性であるかというのは分かりません。情報がまた新たにあれば、即対応したいと思いますけれど、それが可能性は限りなく低いけれども、ある可能性がゼロではないのかなというふうに思っています。
(南海放送)
これ以上調査の予定はないとしている松山市に対しては、何か求めることはあるか。
(知事)
そうですね、これは政府の専門家会議の発表ですけども、8割の方は他人にうつすという事例がほとんど見られないというふうな発表をされてますので、それを受けて、県としては独自方式として確認された方の周辺を、ともかく検体入手して、広がりがあるのかどうか確認をするということを急いだ訳なんですが、この段階で松山市保健所も対応していただきましたので、その作業の中でご家族とそれから20数名のオフィスの方の陰性反応が出ているということなので、今の段階ではできることはそこまでなのかなというふうに思っています。ただ今後とも緊張感を持ってですね、新たな事態が発生した場合は速やかに対応するという、緊張感を持ち続けることは大事だと思っています。
(テレビ愛媛)
以前の会見の中で、給食が止まったことによる生産者の損失額等を算定するということだったが、現状どのような。
(知事)
完璧には押さえられないんですけれども、例えば、今の牛乳について申し上げますと、本県では105戸の酪農家が5,490頭の乳牛を飼育されています。2月1日現在です。年間3万2千トンの生乳を生産しております。このうち、学校給食用って何トンか分かる。
(農林水産部長)
だいたい1割くらい。
(知事)
1割ぐらい。ちょっとこれは正確にはつかめないんですが、1割ぐらいが学校給食用といわれています。学校給食用に生産された牛乳は、そのまま飲む飲用向けとして生産されていますので、飲用向けに生産された牛乳は、ご案内のとおり長期保存ができないので、長期間保存可能な脱脂粉乳やバターの製造に向けられていくということになっています。
本県で生産される生乳は、ほとんどが飲用向けでございますので、これが加工向けに仕向けられた場合には、1トン当たり3万4千円の収益減少が想定されます。ただ、これは全体でのプール制になっていますので、もうちょっと影響は少ないかと思います。ちょっと今の段階では、それぐらいでしか、全体像としては把握できないんですが、これからもしっかりと見極めていきたいというふうに思っています。
今の牛乳関係なんですが、ちょっと細かく言いますと、先ほど申し上げましたように、コープえひめさんが、5店舗から13店舗に拡大。フジさんが、3月10日から県内の全店舗および他県店舗も含めて48店舗で実施。そのうち県内が44店舗です。それから伊予銀行さんは内容等検討中だそうです。キスケさんは、松山と今治の温泉施設でこの牛乳の無料配布をしていただけるそうです。それから愛媛マンダリンパイレーツは、県内外の野球選手へ千本を無償配布されるとのことです。西予市、JA東宇和は、職員への消費拡大運動を実施予定されているということです。以上です。
(愛媛朝日テレビ)
別件にはなるが、学校の臨時休校について、県外では感染拡大に伴って休校の延長を決定したり、逆に子どもへの影響を配慮して、期間の短縮を決定しているところもあるようだが、県内の県立学校についてはどういった検討の状況か。
(知事)
もちろん、順次状況をみながら検討しますが、今の段階ではまだ何をするかという段階ではないと考えております。かたくなにこうだから何も変えないというふうな対応ではなくて状況を見極めながら、いろんな方向性は考えていきたいというふうに思っています、これは毎日考えていきたいと思っています。
(愛媛朝日テレビ)
今後また状況も変わってくるのか。
(知事)
そうですね。御案内のとおり、県内で初症例が出ましたので、1週間経ちましたけども、検査件数はどんどん増えてますから、そういう中で、場合によっては、陽性確認という可能性もゼロではありませんから、そういったことも十分見極めながら、考えていかなきゃいけないかなというふうに思っています。
(南海放送)
松山市の感染が確認された女性について、勤務先の話で、接触はかなり薄かっただろうということで、海外に行っていた方もいらっしゃるというような話もあった。1例目では伊予銀行さんが自ら企業名を公表して対応されたが、今はまだ女性の勤務先の企業は自分のところですと公表はしていない状況だ。そういった対応についてはどのように考えるか。
(知事)
やっぱり業種であるとか、あるいは会社の営業であるとか、影響を考えると、県がどんどん出すというのはちょっと厳しいかなというふうに思っています。あくまでも会社が社会的な責任を受け止める中でですね、その可否を判断していただくということになろうかと思いますけれども、1例目の伊予銀行さんはそういったことを議論する中で、自ら速やかな公表に踏み切られました。こういう事例もありますよ、それをどうされるかはもう会社で議論してくださいというふうな話だけは、会社の方にはお伝えしてあります。そこの判断はちょっと分かりません。
(愛媛新聞)
関連して、可能性は低いけれども、海外に渡航歴のある方が同僚としているということだが、いつごろどこに行かれたかというのは。
(知事)
国はちょっと私の方からは申し上げることはできません。いつごろというのは。
(八矢副知事)
2月上旬。
(知事)
だいたい2月の上旬だそうです。
(愛媛新聞)
ヨーロッパとか、アジアとか州とかでもいいのだが。
(知事)
憶測が飛び交いますので、海外ということでお許しいただきたいと思います。
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