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平成22年度「コリネバクテリウム・ウルセランス保有状況調査について」継続調査
平成21年度に引続き、愛媛県動物由来感染症予防体制整備事業の一環として、コリネバクテリウム・ウルセランス(Corynebacterium uluserans)の保有状況等の調査を実施しました。
はじめに
コリネバクテリウム・ウルセランス(以下「ウルセランス菌」と言う)は自然界に常在しており、多くの動物に化膿性炎症を引き起こす細菌として知られています。
2001年以降、日本国内でも人での感染例が6例報告されており、その多くが犬やねこが感染源と考えられています。
そこで、愛媛県動物愛護センターに収容された犬ねこを対象にウルセランス菌の保有状況を調査するとともに、同収容施設においてふき取り検査を実施し、施設環境における汚染状況も調査しました。
調査等について
- 病原体:Corynebacterium ulcerans(コリネバクテリウム・ウルセランス)
- 調査対象:犬174頭、ねこ175頭、動物収容施設160検体
- 調査期間:平成21年10月から平成22年12月
- 検査材料:咽頭ぬぐい液、体表擦過物、動物収容施設のふき取り材料
- 分離状況
まとめ
- 愛媛県内の犬ねこがウルセランス菌に感染していることが確認されました。
- 動物収容施設からのふき取り材料からもウルセランス菌が分離されました。
- 動物収容施設について、清掃消毒後、乾燥させた状態(飼育前ケージ)の検体からは検出されなかったことから、通常の清掃消毒を行うことで、ウルセランス菌の感染を防止できると考えられます。
- 人への感染の可能性が示唆されることから、動物と接触した後の手洗い等の感染予防対策が重要であり、飼育場所や飼育等についても衛生確保に留意することも必要であると思われます。
- ウルセランス菌に関するQ&A
- ウルセランス菌等についての詳細は「国立感染症研究所」のHP<外部リンク>をご覧ください。