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平成23年度「猫ひっかき病(Bartonella henselae)について」

ページID:0016946 更新日:2020年2月7日 印刷ページ表示

愛媛県動物由来感染症予防体制整備事業の一環として、平成23年度はバルトネラ属菌の保有状況の調査を実施しました。

はじめに

猫ひっかき病は、猫に引っ掻かれたり、咬まれたりした時、傷口から進入したバルトネラ属菌が原因となって起こる動物由来感染症で、バルトネラ・ヘンセレ(Bartonella henselae)が主要な病原体とされています。

調査について

病原体:(Bartonella henselae)

  • 調査対象:ねこ127頭
  • 調査期間:平成23年11月から平成24年1月
  • 検査材料:血液
  • 分離状況:48件(37.8%)が陽性で、検出されたのは全てバルトネラ・ヘンセレ。オスは36.0%(18/50)、メスは39.0%(30/77)が陽性。

地域別検出結果

地域別検出結果

 

陽性/検体数

陽性率

南予地域

27/55

49.1%

中予地域

7/22

31.8%

東予地域

14/50

28.0%

猫ひっかき病について

バルトネラ属菌は、保菌ねこに引っ掻かれたり咬まれたりすることによって人や動物へ伝播する他、ノミを介しても感染します。人から人への感染はないとされていますが、犬との濃厚接触による小児の発症事例もあり、身近なペットである犬と猫が感染源となる身近な動物由来感染症といえます。

感染症法に基づく届出対象疾患ではないため、全国的な統計はありませんが、小児から老人まで全年齢層で発生し、一般的には成人よりも子供、特に動物を手荒く扱うことの多い男子の割合が高いとされています。

多発するのは7~12月および秋から冬で、ノミの繁殖期に感染した猫が増加することや、室内で猫との接触機会が増えることが原因と考えられています。

人では、受傷後3~10日で虫刺されに似た病変が形成され、その後丘疹、水疱となり、1~2週間でリンパ節の腫脹とともに発熱、悪寒等の症状が現れます。多くは、特別な治療を受けなくても2~3週間で自然治癒するとされますが、一部には重篤な合併症がみられることもあります。

猫は臨床症状を示さないまま2~3週間で菌血症(血液の中に細菌が潜む状態)となり、一般的には2~3ヶ月間、自然感染例では1~2年間菌血症を持続した例もあり、この間に怪我を負うと感染する可能性が高くなります。

予防について

ノミによって猫から猫へ感染し、人はひっかかれたり咬まれたりした場合に発症する恐れがあります。
猫の特性や性格を理解したうえで、次のことを心がけることが大切です。

  • 猫と接する時はやさしく扱う
  • 定期的に猫の爪切りをして怪我を防ぐ
  • 怪我をした場合は十分に消毒する
  • 動物を触った後は手を洗う
  • 猫は室内飼育を行うとともに、定期的なノミの予防及び駆除を行い、動物とその周辺環境を衛生的に保つ

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