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会議結果(平成16年5月31日)
1 会議の名称
愛媛県情報公開検討委員会第3回研究会
2 開催日時
平成16年5月31日(月曜日)13時30分から15時35分
3 開催場所
県庁第2別館5階 第4会議室
4 出席者
委員4名、事務局6名
5 次第
(1)開会
(2)議事(全部公開)
「個人情報保護条例の改正について」
項目別検討
ア.罰則について
イ.非開示情報について
ウ.事案の移送について
エ.訂正請求期間について
オ.他の法令との調整について
カ.審議会の統合について
キ.遺族の開示請求等について
(審議結果)
- アからカの項目については、基本的に改正の方向(案)のとおりとすることが妥当であるとされた。(議会の議員への罰則適用については、他県の改正内容や議会の検討の動向も踏まえて再度検討する。
- キの遺族の開示請求等については、国が法律の全面施行後3年を目途に検討する見込みであることから、これらの動向も参考にしながら、将来の検討課題として議論していくことが妥当であるとされた。
- 今回の審議で項目別の検討が一巡したため、現在までの研究会の検討結果をとりまとめの上、情報公開検討委員会の全体会に中間報告を行うこととなった。
(3)閉会
研究会における主な発言
項目別検討1
ア 罰則について
(藤山委員)
罰則は、人権にかかわる問題であり、基本的には国の刑罰体系との整合を図り、対象・量刑とも国の規定に準ずるという事務局の条例改正の方向はもっともだと思う。議員への罰則規定については、対象外とする方向で検討している県もあり、他の都道府県の改正内容を見極めた上で規定するという方向も妥当だろう。
(百地委員)
国の規定自体に議論の余地があるかもしれないが、国の規定に準じた規定を設けること、罰則を強化するということは妥当だと思う。
(桐木委員)
概ねこの原案でいいと思う。議会の議員は別途検討するが、議会の職員については含めるべきである。
(望月会長)
議会の場合、組織として議会自身が集めた情報についてということで、議員が個人で集めた情報というのは対象にならない。県議会の方でも、検討中のようであり、その動向を見守りながら、それから他県の改正内容も見た上で検討していきたい。
項目別検討2
イ 非開示情報について
(藤山委員)
現行条例と同趣旨で基準をより明確化するため、行政機関法により近づけたというか、整合性を持たせるような見直しの方向は結構だと思う。裁量的開示については、非開示情報の開示が必要な場合には開示すべきであり、第三者への照会を義務化して、執行停止等の申し立てができるよう配慮することで第三者救済の手当てはできているが、「個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるとき」の明確な基準も必要である。
(望月会長)
裁量的開示の規定は必要であろうが、実施機関の裁量的な判断ということで、それがどういうふうに正しいものとして担保できるのかという問題を生じる。
(百地委員)
公益性を重視するだけではなく、個人情報同士がぶつかった場合、一方の個人情報を重視する必要があるという面があり、裁量的開示の規定は必要かと思うが、第三者への照会を義務化しているのであれば、行政機関法の中に審議会にかけるなどの規定があってもよく、条例では国よりもさらに明確にするため、審議会にかけるといったことを盛り込んでもいいのではないか。
(事務局)
第三者照会をすると、第三者に不服を申し立てる機会を与えることになることから、不服があれば審議会にかかってくることとなる。
(桐木委員)
非開示情報の評価等情報が事務事業情報の方に移行することにより細かな文言がなくなるのであれば、今の規定の方がわかりやすいのではないか。
(事務局)
今後、法令協議をしていく中で、評価等の文言を残すべきというご意見もあったということで協議させていただきたい。
項目別検討3
ウ 事案の移送について
エ 訂正請求期間について
オ 他の法令との調整について
カ 審議会の統合について
(百地委員)
事案の移送については、行政機関が収集した情報は、本来の行政目的以外には使えないわけであるが、例外的に提供するケースというのは、どんな場合が予想されるのか。
(事務局)
個人情報保護条例では取扱原則を定めて、基本的には個人情報は他の部局には提供しないという原則をとっているが、警察が実施機関に入ってくることによって、捜査事項照会があった場合に、たとえば病院から警察に情報を提供しなければならない場合に、警察に医師と同じような判断を求めるのは無理な場合があり、事案の移送の規定を設けるべきであると考えている。
(藤山委員)
審議会の統合については、我々としても、はっきりと意思表示をする必要があるが、結論として改正の方向に賛成である。おそらく他の都道府県でもその方向に行くであろうし、幸い愛媛では委員が共通しており、こういう機会に行うのがいいチャンスだと思う。事案の移送についても、これで妥当な方向だろうと思う。
(百地委員)
審議会の統合については、情報公開と個人情報保護はいわばセットで、車の両輪みたいなものであり、その判断が分かれるということがあっては困るので、その意味では同じ1つの機関が齟齬のないように判断していくことが自然である。
項目別検討4
キ 遺族の開示請求等について
(藤山委員)
死者の個人情報が遺族本人の個人情報と認められる場合がかなりあるのではないかということになれば、遺族本人の個人情報と認められる場合ということで理論的にもクリアできると思う。死者の個人情報といっても、自分の親が言われたことに対して、名誉に関わるということがあり、そういうことを突き詰めていって、死者の個人情報といっても遺族本人の個人情報と共通するものがあるのなら、改正する方向でいいのではないかと思う。
(百地委員)
他県でも、死者の個人情報が遺族本人の個人情報と認められる場合に限ってと条例上限定する規定はなく、もし規定するのであっても、何らかの基準は必要である。そもそも、どんな情報か規定することが難しく、国も今後検討することとしているため、国の動向も参考にして何か限定できればいいと思う。いきなりやってしまうと運用段階で混乱が生じるおそれがあるのではないか。
(桐木委員)
遺族の開示請求権を明示する方向で、具体的な文言については、いろんな事例を収集して妥当なものを検討するのがいいと思う。
(望月会長)
この問題は、国が3年を目途に検討するといっており、この研究会でも2つの意見があるようなので、急いで結論を出さずに将来の検討課題ということにしてはどうか。