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令和8年度8月知事定例記者会見(令和8年8月6日)の要旨について
日程:令和8年8月6日(木曜日)
時間:11時00分~11時54分
場所:知事会議室
(南海放送(幹事社))
それでは時間になりましたので始めます。本日はまず知事から、令和8年熊本地震に関する本県の対応状況等について発言があります。質疑については一般質問の際にお願いいたします。それではよろしくお願いいたします。
(知事)
熊本地震の発生から本日で10日目を迎えていますけれども、何よりも多くの尊い命が失われております。心からご冥福をお祈り申し上げます。また、避難生活も長きにわたり、また、大勢の皆さんがその生活を余儀なくされている状況にありますので、被災された全ての皆さんにもお見舞いを申し上げさせていただきます。
そして、愛媛県だけでなく全国から本当に炎天下の中、献身的に復旧活動等に応援が入っておりますけれども、地元の皆さんと一緒になって何とか乗り越えようというふうに努力を現場でされている方に敬意を表させていただきたいと思います。
真夏に震度7の地震が発生したのは今回初めてのことであり、今までに経験したことのない災害対応が求められています。このため県では、地震発生直後から現地の状況をしっかり見極めた上で的確な応援体制をする必要ありというふうに思っておりましたので、四国知事会の幹事県である徳島県がまず現地に入っていただき、そこから情報を収集、そして伝達を行っていただきました。同時に、愛媛県をはじめとする他の3県では、その連絡があったら速やかに動けるような体制づくりをしていくとともに、県内市町にも人的支援の実施に向けた体制を確保するように依頼をしてまいりました。その上で、副知事を本部長とする被災地支援本部を立ち上げまして、オール愛媛で被災地ニーズに合致した支援活動に取り組むこととしています。
現時点における本県の対応としては三つございます。応援職員の派遣、資機材の支援、義援金による被災者支援であります。今後、大規模な地震でありますから、被害を克服するために、復旧・復興へとやがては段階を上げていくと思いますけれども、その都度、応援に対するニーズも徐々に変わってくるのは、これまでの経験則でも積み重ねた知見がございますので、息の長い対応をしっかりと取っていきたいと思います。
まず、今の現時点での対応ですが、第一に、応援職員の派遣であります。平成30年の西日本豪雨災害の際、熊本県から宇和島市および西予市に延べ1806名の職員を派遣いただきました。手厚い支援を賜りましたことから、その恩返しとなる機会と捉え、積極的に取り組んでいるところでございます。まず7月31日、現地の状況や支援ニーズをきめ細かく把握するための先遣隊2名、また、能登半島地震の教訓を生かして導入をいたしました大型トイレカーを初めて県外へ派遣をいたしました。この2名は現在、氷川町災害対策本部からの情報収集や、同本部と避難所運営業務の連絡調整を中心に活動しています。
次に、避難所運営職員でございます。こちらは、総務省による全国的な職員の応援派遣の仕組みである応急対策職員派遣制度によりまして、震度7を記録した氷川町で、避難者数が一番多い避難所、竜北東小学校の運営を支援するため、7月31日から順次避難所運営職員を派遣し、8名体制で支援を行っております。具体的には、派遣しました大型トイレカーの管理、国からプッシュ型で届いた段ボールベッドの組み立てを行いまして、雑魚寝状態でございましたけれども、これを改善するなど、避難所の環境改善に取り組んでいます。
その他にも、昨日5日から宇和島市から小型トイレカーも2台、そして応援職員3名、氷川町内の別の避難所で支援を開始しておりまして、今後は県と全市町によるチーム愛媛で12名以上の体制、もちろんこれは順番順番に交代していきますけれども、それ以上の体制で氷川町を支援することとしております。
保健・福祉・医療関係でございますが、さらに発災直後の被災者の命を守るため、県内のDMAT4チーム20名、こちらが第1陣として7月30日に派遣し、8月1日には第2陣となる3チーム15名を派遣しているところでございます。また、酷暑の中で避難生活を余儀なくされている避難者の健康管理を支援する保健師を8月1日から派遣したほか、避難所等で精神科医療等の支援を行うDPAT1チーム4名も8月2日に派遣をいたしました。今後、一層支援ニーズの高まりが想定されますことから、被災地の保健所等での指揮統括機能を支援するDHEATや、避難所等で福祉的なケアを行うDWAT、これは災害時要配慮者支援チームと位置付けています。このほか、薬剤師会が運営しています、昨年導入したモバイルファーマシー、こちらも薬剤師会とも話をしておりまして、派遣準備を整えております。要請があり次第すぐに派遣する準備が整っているところでございます。
第二に、資機材の支援でございます。避難生活の環境改善に向けた支援を迅速に実施しておりますが、まず、被災地では断水が続いておりまして、避難所のトイレが使えないことから、先ほど申し上げましたとおり、31日に先遣隊とともに大型トイレカーを初めて派遣し、運用を開始しています。日常と同じ感覚で使えますので、男性用が大2、小1、女性用が大2、多機能用が大1、大型のものでありますので、非常に好評と聞いております。また、先遣隊から、被災地ニーズとして、避難所で支給される食事はパンが中心である、断水により入浴や手洗いに支障が出ていると報告が入ってまいりました。これを踏まえて、昨年、協定を結びました愛媛キッチンカー協会と話しまして、氷川町の避難所に避難している被災者の方全員、約480名いらっしゃいます。こちらに、本県の焼豚玉子飯などの温かい食事を提供していただくため、キッチンカー協会にすぐに動いていただきまして、昨日出発をいたしました。さらに、こちらは協定を結んでおります県トラック協会、こちらに協力をいただきまして、愛媛県が保有している水循環システム搭載のシャワーおよび手洗い機、これも能登半島震災のときに必要性を感じて順次導入を進めているものでありますが、こちらを運営している避難所に展開するため、機器を動かす応援職員2名とともに、同じく昨日出発をいたしました。
第三に、義援金でございます。先月31日から義援金の受け付けを開始しておりますが、すでに多くの県民の皆さん、また県内企業の皆さんからご協力をいただいておりまして、8月5日16時時点で集まった義援金は360万5811円となっています。あらためて皆様のご厚志に厚く御礼を申し上げますとともに、被災者の皆さんの一日も早い生活再建のために、一番これが速やかにできる今の段階で本当に喫緊の支援でございますので、ご協力をお願い申し上げたいと思います。また、災害ボランティアにつきましては、これも闇雲(やみくも)に入ると、受け入れ態勢ができていないところに迷惑がかかりかねないので、現在、被災地の受け入れ態勢や要望を確認するなど、現地との調整を進めております。調整が整い次第、あらためてご案内をいたします。また、県社会福祉協議会では、現在、参加したい方の事前登録を受け付けておりまして、お気持ちがある方はぜひ登録をしていただけたらと思います。さらに、熊本地震での被災者が本県で避難生活をされることも想定されますので、県営住宅等への入居相談などの総合相談窓口を設置いたしました。そういったご相談がある場合は、ぜひご活用いただきたいと思います。
今後とも、運営をお任せいただいている避難所、氷川町の避難所のトイレ、キッチン、ベッドの確保・充実を図るなど、被災された皆さんの力となり、被災地の一日でも早い復旧・復興に向けて、中長期的な対応も視野に入れながら、オール愛媛で取り組んでまいります。また、これらの支援活動から得られる知見もあるでしょうし、ノウハウもあると思います。年々、切迫度が高まっている南海トラフ地震への備えとなり、災害に強い安全・安心な愛媛づくりにも必ず役立つものと思います。県民の皆さんには引き続き、県の取り組みへのご理解と、被災された熊本の皆さんへの寄り添う気持ちで、被災地の状況を踏まえた温かい支援、それぞれができることをお願いできたらというふうに思います。以上です。
(南海放送(幹事社))
ありがとうございます。それでは、会見に移ります。記者クラブからの代表質問は1問です。副首都関連法についてお伺いします。副首都関連法が国会で可決されました。東京一極集中を是正する一方、46道府県間で少なからず差が生じることにもつながります。知事の本法案の可決に対する受け止めと、他県で既に副首都指定に向けた検討を開始する動きもある中、本県の考えについてお伺いいたします。
(知事)
はい。まず、これを何のために行うのかを明確に抑えなければ、場合によっては誤った方向に進みかねない懸念もありますので、整理をしたいと思います。副首都関連法は、大規模災害時における首都中枢機能のバックアップ、これが何よりも大きな目的で議論されてまいりました。また、多極分散型経済圏の形成も合わせて目的として、副首都を整備する内容と承知しております。
危機管理の観点、そして、真の地方創生を実現する上で人口・経済に関する機能の分散は極めて重要と認識しております。これまでも、国に対して、全国知事会をはじめ、あらゆる機会を通じて、過度な東京一極集中の是正を通じた社会経済構造の転換を求め続けてまいりました。法案成立がこうした状況の改善に向けたステップとなることを期待したいと思っています。
ただ、一方で、副首都に対する拠点機能、例えば、うちがうちがと、何かバックアップということをかなり離れてですね、第二の東京をつくろうという趣旨のもとに、取り合いみたいな形になっていくと、同じようにその場所に拠点機能や民間投資の集約が過剰になる可能性も否定はできないと思います。その場合に何が起こるかというと、東京と副首都の二極集中、一極集中から二極集中をもたらし、かえって、その他の地方の衰退を招く本末転倒の結果も可能性として、やり方によってはゼロではありません。国には、副首都指定の効果が一部圏域の発展に留まることのないよう、先ほどの根本の趣旨というものを背景とした、そして、地域の声を踏まえた制度設計を強く求めたいというふうに思います。
本県の副首都指定については、具体的な要件が今全然出ていませんから、不明瞭であります。国の行政機関の立地状況や、人口および経済の集積状況などから見ますと、現時点では、本当に中身が分からないので、こういうふうに分散していくんだって見えてからの議論になるのではなかろうかと思いますけれども、四国という場所を考えると、ハードルは高いというふうには認識しています。以上です。
(南海放送(幹事社))
ただいまの答弁に関して、質問のある社はお願いします。
(南海放送)
幹事社の南海放送です。先ほど知事もハードルが高いと仰られたんですけれども、やはりその地理的な問題、人口的な問題といった感じでしょうか。
(知事)
それとまた今の段階で趣旨がまだ明確ではないというところですね。根本のところはさっき言った東京に何かがあったときに機能が麻痺(まひ)することを避けるための災害バックアップ機能としての議論、これが一つ大きなテーマだと思うんですね。それと東京一極集中の流れというのを多少なりとも改善するというきっかけを作るということだと思うんですけれども、そこにもっていくためにはやっぱり制度設計次第で、制度設計を間違えると、さっき申し上げたような単に二極集中が現実化するだけに終わりかねないので、そこを懸念しつつ、期待をもって見つめていきたいというふうに思います。
(南海放送(幹事社))
他にいかがでしょうか。
(共同通信社)
共同通信です。滋賀県の知事がですね、関西に副首都ができることが適切だというふうな発言もございましたが、知事はどのような場所にですね、副首都が置かれることが望ましいとお考えでしょうか。
(知事)
これもちょっとまだ分からないですね。本当にどの程度のことをバックアップ機能として考えているのか、そのことによって機能、移転の規模も全然変わってしまうので、ただ本当に制度設計によってあらゆる可能性はあると思っています。本当に少ない機能、必要最低限の機能だけだったらもう全国どこでもということで可能になると思いますし、かなり大掛かりなということになると、それなりの交通アクセスの問題とか、施設の規模感の問題とかいろいろな問題が出てくると思うので、その制度によって全然変わってくると思います。今の段階ではまだそれが全く見えてないというふうに思っています。
(共同通信社)
分かりました。ありがとうございます。
(南海放送社(幹事社))
他によろしいでしょうか。
それでは代表質問以外で質問のある社はお願いします。
(愛媛新聞社)
愛媛新聞です。お願いします。地域の金融経済についてお尋ねします。伊予銀行を傘下に持ついよぎんホールディングスと愛媛銀行が、経営統合に向けた協議と検討を進めていくということで基本合意をしたと発表がありましたが、本件について知事はどのように受け止められていますでしょうか。
(知事)
7月24日に、いよぎんホールディングスと愛媛銀行の経営統合に向けた基本合意が発表されましたけれども、正直言って驚きました。水面下でいろいろな協議をされていたのかなとは思いますけれども、当日まで私も存じ上げておりませんでしたので。いい意味で、県内の両行とも、経済を牽引(けんいん)する金融機関としての機能を果たし、時には協調し、ある意味ではライバル的なところもあり、そういった歴史を刻んできましたので、本当に驚いた方も多いのではなかろうかと思います。
同日の記者会見で説明がございましたけれども、人口減少、これはもう全国的に進んでいますから、国内の市場は縮小していく未来は避けられない、こういった問題、それから急速に進展するAIを中心としたデジタル化の拡大、また金利のある世界での競争激化、これもかつては考えられないぐらいの状況になっていると思います。そういったことを背景に、両行のノウハウや顧客基盤等を生かしながら、県内企業の事業展開を後押しするとともに、本県の基幹産業であり、両行ともに強みのある海事関連産業、これは国の未来都市戦略(地域未来戦略) とも合致しますので、そういったところにおける融資でのスケールメリットもかなり出てくるんだろうというようなことをおっしゃっていましたので、経営基盤の強化と合理化を目指して、具体的な協議が開始されるものと理解はしております。
また、それぞれが長年にわたって培ってきた企業理念、また特色、それぞれの強みを引き継ぐため、伊予銀行と愛媛銀行の2バンク体制、これは今後も維持されるという発表がございました。それを受けて、銀行関係者以外からすれば、一気に大きな変化が体感されるようなことではないんだろうなとも思っています。経営統合に伴う従業員等の人員削減もないという発表もございましたので、このことによって何らかの混乱が生じるというようなことはないのではないかなと思います。
ただ、報道でもありましたとおり、県内事業者からは、経営統合について、資金供給力の強化や合理化によるサービスの向上は期待していますという声がある一方で、支店の統廃合による利便性の低下、また融資審査への影響等を懸念する声も、借り手側からは出ているようなニュースも拝見いたしました。また、県内商工団体や業界組合からも、融資相談先の選択肢の減少、二つから一つになりますから、あるとはいえ、ここがどうなるか分からないという顧客サービスの低下等を心配する声もあったところであり、これらの懸念事項については、事業者の声に寄り添いながら、県民の利便性の維持・向上が図れるように、慎重に協議していただくことを願っています。むしろ、このことによって県内経済のバックアップ体制が強化される、あるいは県民サービスも向上される、そんなことを着地点とするような協議であってほしいと願っています。
今回の基本合意は、経営環境が著しく変化する中において、将来にわたって地域経済の根幹を支える資金供給機能を維持・強化するため、先んじて英断をされたものと理解しています。体力のあるうちに先手を打つということだと思います。両行の強みを生かして、金融サービスやコンサルティング機能のさらなる強化が図られて、好影響が県内にもたらされることを期待したいと思います。以上です。
(愛媛新聞社)
造船分野とか海事産業の分野に対する、今回の経営統合についての期待とか懸念とか課題っていうのは、これいかがでしょうか。
(知事)
そうですね。愛媛県の場合、資金需要が極めて大きいのが、県内それぞれ魅力的な産業ありますけれども、融資等の金額規模において見てみますと、やっぱり造船・海運が圧倒的な存在だと思います。そういった企業が海事都市として集約されているからこそ、地銀の中でも独特のシップファイナンスを活用した歴史が刻まれてきました。その結果、海外の支店での展開なんかも、海事産業があったからこそ、地銀においても可能であったと考えます。両行ともそのつながりを持っていますから。しかも、ちょうど時あたかも国の地域未来戦略で、17の分野である造船が入りましたので、これからいろいろな投資も産業力強化を目指して行われていくものと思いますし、また、愛媛県としても県レベルでの未来戦略の中で、大きな役割を担っていただく分野だと考えておりますので、タイミングとしては非常にいいのではないかなと思います。
(NHK)
NHKです。消費税の1パーセントの減税についてお伺いします。政府は昨日、臨時閣議で基本方針を決定しました。これについての受け止めをお願いできますでしょうか。
(知事)
まず、卑近(ひきん)なところでどんな影響があるのか、前もずっと言い続けてきたんですけれども、しかも知事会でもいつも大きな議論になりますけれども、制度は複雑で、国会議員の皆さんが、この税を上げるあるいは引き下げる、そういった議論をするときに、あまりその制度の複雑な仕組みを考えずに、ざっくりと引き下げたあるいは引き上げたら何兆円の増収あるいは減収があるというような議論で物事が進んでいるような節がございます。でも、複雑な設計ですから、そうことは単純ではなくて、国の減収にとどまることなく、県や市町への、地方自治体への影響というものが、必然的に生まれるような仕組みになっています。今回もそういったことがあまり議論されないままに進んでいるということに非常に危惧を感じています。これは愛媛県だけではなくて、全ての地方自治体が共通して持っている思いではないかと思います。
そこで、まず愛媛県だけに絞って、どのぐらいの影響が出るかというのを試算してみますと、これは6年度の決算額を基に機械的な試算をしているだけです。仕組み上の試算です。飲食料品の消費税8パーセントが1パーセントに引き下げられた場合、愛媛県で約110億円、それから県内の市町で約98億円、合計で約208億円の減収が、何も手当てをしなかったら自動的に現実化します。消費税は、医療や子育て支援等の社会保障制度の基盤となる重要な財源であります。昨日、全国知事会も含めて地方三団体から国に対して、こうした制度上生じる地方のマイナス面について、代替財源の措置や地方財政運営に支障が生じない万全の対応を求める共同声明を、地方三団体から発出したところでございます。地方は国のように国債を発行して自由に不足分を補填する機能はございません。そこを考えたときに、もし何の手立てもされなかったら、地方公共サービスに大きな影響が生じることは避けられません。そうならないように、そしてまたもっと大きな議論で言えば、将来世代の負担にも十分に配慮するということが大事な視点だと思いますので、適切な制度設計を行うよう強く求めていきたいというふうに思います。以上です。
(NHK)
ありがとうございます。財源についてもまだ議論が煮詰まってないのではないかという話がありますけれども、この辺り、あらためて伺いたいんですが、今後の議論だとか、どういった議論を望まれるかっていうところは。
(知事)
そうですね、議論がもう少し見えるというのが昔の姿だったと思うんですね。例えば党の税調であるとか、活発な議論が飛んで、こういう場合こんな影響も出るのではないかと、将来的な責任はどうあるべきなのか、代替財源をどうあるべきかと、結構議員さんがかなり活発な意見を戦わせた上で物事というのが決まっていったような風景がそこにはあったように記憶をしてるんですね。ただ、今回はそういった議論があまりニュースの上で伝わってきていないので、本当にいろいろな角度からの議論がないままに決まってしまうと、例えば、上が決めたからこうなんだというようなことで進んでしまうというのは、ちょっと心配なところはありますので、今後制度設計していく上で、本当に一人一人の議員さんは選ばれた方ですから、その中で大きな視野に立って議論を活発に飛び交わせた上で制度設計をしてほしいなと思います。
(愛媛新聞社)
すみません、愛媛新聞です。先ほどの質問に関連してなんですけれども、まず一点ですね、先ほども社会保障の財源としての消費税の存在というのをお話されたと思うんですけれども、中村知事、元々人口減少への対応等々で、ナショナルスタンダードで、やはりその子育て支援とか社会保障とか社会福祉ですね、に手当てをするべきだという話をされている中での、こういったその減税っていうところの影響を、もう少しどのように考えてらっしゃるか教えていただければ。
(知事)
その減収分を、もう一つよく分からないのが、2年後に元に戻すというところでスタートしていますけれども、税っておそらく、いったん下げたら戻すのって、並大抵なことではないと思うんですね。もう一つは、2年後となると、おそらくこれ参議院選挙の直前に戻すということになりますよね。そのときに、本当に、今から戻すと言い切って大丈夫なんだろうかと。おそらくそのときは与野党の間で相当な議論があって、いや6、7パーセント上げるんだという主張がね、果たしてそのまますんなりいくのかどうかというのも、政治的な皮膚感覚からすると、今この時点で参議院選挙の直前に1パーセントにしたものを8パーセントに戻すということが本当にできるのかどうか、それができなかったらまたぽっかり穴が開いて次世代へということにもなりかねないので、そういったことも含めてきちんと議論した方がいいのではないかなというふうに思いますね。
もう一つ、そこでの減収というのが社会保障に影響があるというのは、もう自然なので、先ほどの地方財政への影響、それから社会保障関連、地方も含めてですね、そのお金が使われているものに対して、どう代替財源を確保するのかというのを並行して議論しないと、大混乱になるので、その点はしっかり国会で議論してほしいなと思います。
ましてや、ナショナルスタンダードというのは、かなりの予算の費用、これはもう少子化が進む我が国の中で、子育て対策に十分な対応をするというふうなことを、もし政策の根幹に置くのであれば、その財源を確保して一気にやるというのは一つの道筋だと思うんですけれども、その財源をもし消費税に求めるとするのであれば、そこからかなりの減収、例えば国全体で言えば、多分年間4兆円から5兆円ぐらい、4兆5千億円以上の減収になりますから、当然のことながら、あらゆるところに財源の問題が発生すると思いますので、ナショナルスタンダードの実現が遠のくようなことには決してなってほしくないなというふうには思います。
(NHK)
同じく消費減税で恐縮なんですけれども、そもそも消費減税の話が、物価高騰対策のためとして行われると認識しているんですが、このあたり、経済的効果というのがあるのかどうかっていう、そういった指摘も出ていると思うんですけれども、このあたり、知事としてはどういうふうにお考えでしょうか。
(知事)
これはもう本当に分かりません。いろいろなプラス面もあれば、マイナス面もあって、消費者心理がこれに対してどう出てくるかというのを読み切れないですから。ただ、当初は混乱すると思いますね。特に飲食店なんかは、この税率変更への対応というものを、かなりテコ入れしないといけないし、そのためには、例えば今、決済手段も現金決済ではない場合が多くなっていますから、システム変更にどの程度の費用がかかるのか、そして戻すときにまたどうするのか、こんなことも考えながら進めていく必要があると思うので、結構混乱すると思うんですね。
ただ一方で、目に見えて、税金が食料品に関しては減りましたよという明示がなされることによって、消費者心理がプラスに動く可能性はあるのかなと思いますけれども、ただ、何となく思うんですけれども、物価高騰対策とは何ぞやというところの議論を、もう少し進められたらどうかなと個人的には思います。前もお話しましたけれども、地方においても交付金の使い道に困って、国から流れてきた地方交付金、物価高騰対策でドーンと送られてくる。知恵がないと、最後に行き着くところは、すぐにできること、商品券を一律配布、給付金を一律配布。受け取る住民の皆さんからすれば、よかったと思われるかもしれないけれども、物価高騰対策としては、これはおかしいと思います。なぜかというと、インフレを抑制するのが物価高騰対策で、そのときに必要なのは、需要を喚起することではなくて、需要を喚起するということはイコール物価高騰策でありますから、逆効果になると思います。そのときに必要なのは、所得の厳しい方々に対して、給付なり何なりの手当てを手厚く行うというのが、物価高騰対策の要諦ではないかと思うんだけれども、本当にそこまで深く考えずに、あそこが商品券ばらまいたから、これをやっときゃいいやみたいな、ドミノ的な発想で考えているのであれば、かえって逆の結果をもたらす可能性もあるので、本当にこの消費税の減税が、物価高騰対策として理論的にいけるかどうか、これはもう国で議論する話なんですけれども、根本というのはあってしかるべきなのかなとは思いますね。
(テレビ愛媛)
すみません、テレビ愛媛です。ちょっと話は変わるんですけれども、プロ野球の松山開催についてお尋ねします。毎年松山で開催されているヤクルト球団の公式戦なんですけれども、球団が来年も愛媛での開催をする方向というところで、前向きに検討しているというふうに聞いています。ただ、球団からはですね、松山市に開催を打診しても回答がないというようなことも聞いています。愛媛開催の実現に向けては、県も独自に動く必要があるというふうに思いますけれども、知事のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
(知事)
ヤクルト球団のキャンプというのは、自分自身、非常に深い思い出がありまして、今から20数年前に、松山市長に就任いたしました。そのときに、中央公園というのは、坊っちゃんスタジアムだけがポンと出来上がって、あとは野原という状況でした。いろいろなことがあったんですけれども、その中の一つに、この中央公園をどうするかというような仕事が立ちはだかりました。一つ一つ結構いろいろな問題があったんですけれども、競輪場の移転、これは従業員さんとの賃金交渉とか、いろいろな問題をクリアして実現した案件でありました。それからプールについては、コストダウンのために南クリーンセンターのゴミ焼却施設のエネルギーを活用して温水に充てるとか、いろいろな工夫をしてコストダウンをしながら、堀之内公園から移転した記憶が残っています。
実は当初ですね、武道館のところには管理棟というのが80億円ぐらいで建てられる予定だったんですけれども、これは全部やめました。管理棟に80億もかけるというのはおかしいという議論をしまして、白紙に戻して、どうしようかなというときに、道後にあった県武道館がどうやら移転するという話をニュースで見て、当時の加戸知事さんと交渉して、市の土地に県の施設を建てる初めてのケース、武道館の誘致に振り替えた記憶があります。そこに至って、さあ野球場をどうするかと。坊っちゃんスタジアムだけでは何もできなかったんですね。広がりが見られないと。実は当初計画にもなかったサブグラウンドをつくることにしました。サブグラウンドをつくることによって、展開がガラッと変わると。そして、やってるうちに、まずは大きなメリットをもたらそうと考えて、オールスターゲームの誘致に入りました。
そのときに出会ったのがヤクルト球団だったんですね。なぜかというと、ヤクルト球団の当時の球団社長の奥様が八幡浜市出身ということもあってですね、また池山、今監督が選手として、松山でシーズン前のプライベートのトレーニングをやってくれていたということもあってですね、非常に親しい関係ができました。オールスターゲームが終わった頃に、次なる活用法を模索していたときに考えたのが、秋季のキャンプだったんですけれども、このときに片っ端から声をかけるよりは、1球団を絞って、そこに誠意を見せていく方がいいのではないかということを判断しまして、いろいろ分析した結果、ヤクルト球団と。今言った人の関係もあるし、四国から取るというのはちょっと嫌だったので、九州から持ってこようということで選んだのがヤクルトだったんです。当初ヤクルトに行ったときはもう門前払いで、今までやってくれた九州の某県の市との関係があるから、キャンプの変更はできないというようなところからスタートしたんですけれども、約2年間通いました。2年間通って、ようやく考えてもいいという空気が出てきて、そのときに、同じく、お父さんが愛媛県出身の古田敦也氏が選手兼監督に就任して、彼も内部から愛媛はいいよという声を上げてくれたということも大きな力になって、2、3年かけてようやくキャンプの誘致が実現しました。そのときに約束事として、キャンプを行うからにはヤクルトの持ちゲームを毎年公式戦として坊っちゃんに持ってくるという約束をしていただいて、今日に至っています。ですから、今当たり前になっているんですけれども、やっぱりキャンプが来る、そして公式戦が毎年来てる、それには相当な多くの方々のご協力と時間があったということ、これが刻まれているので特別な思いがあります。
今、おそらく地方開催というのはますます難しくなってくると思います。やっぱりフランチャイズ中心の運営が手っ取り早いですし、そういう中で今後どうするかというような話が多分球団の中でもあったんだと思います。もちろんこれ、一義的には、私はもう県に来ていますから、坊っちゃん球場を有している松山市、特にキャンプの誘致にあたっては条件があって、サブグラウンドの必要性、これはもうマドンナでできました。屋内練習場、あれもキャンプというものを想定してつくったもの。それからブルペン、これもキャンプやるんだったらこれがなかったら絶対できないということで配置された経緯があるので、今の松山市もそういった経緯はもうあまり知っていないのかもしれません。だから、ぜひ歴史をたどって、ヤクルト戦の、なぜ今ヤクルト戦があるのか、どういういきさつだったのかというのを考えて対応していただきたいなあというふうに思っています。
ただ、今ヤクルトにもですね、他の地方からもぜひうちに、ぜひうちにと、かなりオーダーが入ってるのは聞いています。そんな中で今回松山市から回答がないということで、県はどう考えるんだと話があったので、うちとしてはもう全面的に来てほしいし、協力をしたいという回答をしています。特に、今まで2002年、そのときから43試合やっていただいてまして、5万8千人の小学生無料招待、愛媛県内全域の小学生を無料招待までしていただいてくれています。そして、昨年の公式戦開催では、約4億5千万円の経済効果もあるという発表もありましたので、ともかく、今後松山市がどう取り組み、決定されるか分かりません。でも、早くしないと他に取られてしまうので、少なくともこの間は県の方で気持ちを伝えましたので、つなげられると思いますから、早く決定をしてほしいなというふうに思います。
(テレビ愛媛)
ありがとうございます。県としては全面的に協力をしたいというふうにお伝えしたというようなことでしょうか。
(知事)
そうですね。もう是が非でも引き続き行っていただきたいという気持ちは伝えています。
(テレビ愛媛)
関連してなんですけれども、今もお話ありましたけれども、このプロ野球の松山開催というところの意義について、あらためて知事のお考えを教えてください。
(知事)
そうですね。今プロ野球、他の競技も含めてね、スポーツを見る楽しさというのは格段に広がっていると思います。これは球場での開催も、それからいろいろなメディアでの放映も含めて、インターネットの情報展開も含めての結果だと思うんですけれども、やっぱり本物の生の試合を身近に観戦するというのが一番体感的にも迫力がありますし、その魅力が広がっていく大きな力になると思います。特に、野球というのはもう日本でも歴史が長いですし、それから何といっても、正岡子規から始まる愛媛県の野球の歴史が刻まれてきている。野球が愛媛にとっては、最近はちょっとなかなか勝てていないですけれども、スポーツを超えた文化のように位置付けられてきた歴史がありますので、そのNPBの日本国内トップレベルの試合、しかもその先には、本当にヤクルトにこの前までいた村上選手が、今ではメジャーリーグでホームラン王争いまでするような活躍もして、もう子供たちにとっては垂涎(すいぜん)の的のような光景がそこに待っていると思いますので、ぜひぜひこれは続けていっていただきたいなというふうに思っています。
(テレビ愛媛)
ありがとうございます。
(読売新聞)
読売新聞と申します。熊本地震に関連してお聞きしたいんですけれども、今の猛暑の中でですね、断水や避難生活が長期化していっています。今回の地震を受けまして、愛媛県の南海トラフ地震対策に、生かすべき課題というのは、知事としてどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。
(知事)
そうですね。本当に、例えばですね、令和6年の能登震災のときに、愛媛県の職員も関係者もかなり応援に入って、そこでいろいろな新しい発見、課題も見つかりました。半島における対応、あるいは自然災害と原子力災害の複合対応の避難計画、あるいは資機材の問題。そういった中で、例えば先ほどの大型のトイレカーであるとか、薬を車で運ぶモバイルファーマシーの必要性であるとか、新手の商品とかですね、災害対応商品とかいろいろ出てきていますので、こういったものを導入する必要性を感じましたので、速やかに行っています。同じように、今回、熊本で応援をしながらですね、新たなグッズ、避難所であるとか、防災のグッズも出てきているかもしれませんし、それから対応策についても同様に、新たな対応の必要性が生まれてくるかもしれませんし、応援しながら学ぶべき点はたくさんあると思います。これはもう本当に、現地の報告を聞きながらですね、これが落ち着いた後に速やかに対応していきたいなというふうに思っています。だから、現時点では今はまだそこまでの思いには至っていませんけれども、必ずや応援を通じて、南海トラフ対策の充実に結び付くことだけは間違いないと思っています。
(読売新聞)
ありがとうございます。今、実際、避難所とか被災地で課題になっています避難所の空調ですとか、非常用電源、また飲料水の確保などについてですね、今後、県や市町の体制っていうのを、あらためて検討していくというようなお考えっていうのはあるでしょうか。
(知事)
そうですね。特に今回、猛暑の中で、先ほど冒頭申し上げましたように、猛暑の中でこれだけの規模の震災が起こるというのは初めてのケースなので、やっぱり空調の重要性というのは、これまで以上に注目されてくると思います。もちろん、これ避難所設営は市町になりますから、小学校、中学校が中心になると思いますけれども、小中の場合は、国も体育館への空調設備の導入については、これまでの補助率が3分の1だったのを2分の1まで引き上げたところなので、こういったものを活用して、市町は進めていくと思いますけれども、実は県立高校もまだそこまで進んでいない。なぜならば、県立高校の場合はですね、国の補助がゼロなんですね。全て県単独でやらなければなりません。この点については、知事会を通じて、ずっと県立高校に対しても、こうした設備の補助という制度をつくるべきだというのを言い続けているんですけれども、なかなか実現に至ってないというのが現実です。でも、そこはもう待ちきれるような状況でもないだろうなと思いますので、結構なお金がかかりますから、一足飛びに一遍にはできませんけれども、しっかりと計画を考えていく段階かなというふうに思っています。もちろん、都道府県によっては、それを先行させたところもあります。でも、これはよく言われるんですけれども、単発ではないし、ある県ではこの分野は先行していいけど、こっちが全然できてないとか、愛媛県も同じで、こっちは先行しているけど、ここはまだできてないというようなばらつきがありますので、愛媛県は全国平均は上回っている(公立学校施設の冷房機器確保率)けれども、あまりまだ県立高校の空調化、設備の配備というのは進んでないので、これはこれから計画的にやっていきたいなというふうに思っています。
(読売新聞)
ありがとうございました。
(知事)
もう一つ言うと、教室の方を先行させたので、まだ体育館まで、愛媛県の場合はそこまで至っていないということでございます。
(愛媛新聞社)
すみません、愛媛新聞です。先ほどの質問に関連するんですけれども、実際に県立高校の空調化、避難所とか体育館の空調の整備っていうのは、どの程度進んでいらっしゃるんでしょうか。
(知事)
まだ本当に進んでいる状況ではなくてですね、体育館・武道場合わせて110棟ございますけれども、今のところまだ四つで、3.6パーセント、全国順位で31位という状況です。今年中に、2校整備することになっています。さらに、これにプラスして。
(愛媛新聞社)
今年中に6になるっていうことでいいですよね。
(知事)
だから、このペースで本当にいいのかというのを、これから議論しないといけないと思っています。要は、予算は限られていますから、どこに振り向けるかという議論をしないといけないので、ここはちょっとやっぱり、今回の災害の問題を受けて、議論を進めたいなというふうに思っています。
(愛媛新聞社)
すみません、もう一点関連してなんですけれども、先ほどもありました断水の影響っていうのも、熊本で長引いてると思うんですけれども、例えば現在、南海トラフを想定してになると思うんですが、断水した場合にですね、どのぐらい被害があって、どの程度で復旧できるかっていう、そういうシミュレーション、予測みたいなものはもうあるんでしょうか。
(防災安全統括部長)
熊本の方でですね、断水が1カ月ぐらい続くというふうには、報道等を通じてですね、現地からの報告等も踏まえて聞いているんですけれども、本県のスケジュールまでは定まっていない、見通してはいないということでございます。
(濱里副知事)
ご案内のとおり、水道については基本的に市町村の話になるので、多分、県全体として、南海トラフが起こったらどうなるかという想定自体はありますけれども、多分、具体的なスケジュールになると、県だけで決められる話でもないと思いますので、その辺はまたちょっと詳細はまた事務方の方にお問い合わせいただければと思います。
(南海放送(幹事社))
他にいかがでしょうか。それでは、会見を終わります。
(知事)
どうもありがとうございました。
※議事録については、読みやすさや分かりやすさを考慮し、発言の趣旨等を損なわない程度に整理しております。









