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はじめに(福祉避難所マニュアル)
災害発生時には、被害を受けた方々や被害を受ける恐れのある方々を、一時的に学校や公民館などに設けた避難所において保護する必要がありますが、避難者の中でも、高齢者や障害者、妊産婦など、特別な配慮を要する災害時要援護者にとっては、一般的な避難所における生活は、健康面や精神面への影響が懸念されることから、その対策が求められております。特に、阪神淡路大震災においては、一般的な避難所で生活していた高齢者、障害者などの中に、体調を崩し、生活に支障をきたす方々が多くおられたことから、国は、平成9年度に、災害時に要援護者に対して特別な配慮を行うことができる避難所として、「福祉避難所」の制度化を行いました。
愛媛県におきましても、東南海・南海地震をはじめとした大規模災害の発生が懸念されているところであり、県としても、災害時要援護者対策や防災対策の充実を図る上で、重要な役割を担う「福祉避難所」の普及啓発、指定の促進に積極的に取り組んでいるところであります。
このようなことから、「福祉避難所」の意義や必要性、円滑かつ適切な開設や運営を図るために必要な、平常時における事前対策や災害発生時における対応のポイント等について理解を深めるための一助とするため、本マニュアルを作成いたしました。
今後、市町や関係機関等において、本マニュアルが活用され、「福祉避難所」に対する理解が進み、「福祉避難所」を利用した要援護者対策や防災対策等がより一層推進されますことを期待しております。
平成22年3月
愛媛県保健福祉部管理局保健福祉課長