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愛媛県地震被害想定調査の最終報告に係る知事記者発表の要旨について
愛媛県地震被害想定調査の最終報告について
【記者発表資料】
愛媛県地震被害想定調査結果 [PDFファイル/1.82MB]
日時 令和8年2月16日(月曜日)11時00分から11時26分
場所 知事会議室
(時事通信社(幹事社))
それでは、臨時記者会見を始めます。本日は愛媛県地震被害想定調査の最終報告について発表があります。また、記者会見終了後に記者室で担当課レクがあると聞いておりますので、詳細の確認はそちらでお願いいたします。それでは、知事お願いいたします。
(知事)
国の新しい発表を受けまして、昨年度から見直しを行っております、県の地震被害想定調査の最終報告として、人的、物的被害や、経済被害、また各種対策による減災効果など、想定結果を取りまとめさせていただきました。前回の県想定と同様、本県に大きな影響を及ぼすおそれのある三つの地震について被害を推計しており、その結果、南海トラフ巨大地震の被害が最大でありましたことから同地震の想定結果を発表させていただきたいと思います。
まず、建物被害につきましては、全壊、焼失棟数が、約12万6千棟となり、うち揺れと津波による被害が8割を占めています。この10年間で、ボーリングデータの精度が向上しました。そしてまた、揺れにくい地盤の範囲が増えまして、このオレンジ色ですね。オレンジ色の震度6強の範囲は減少しております。前回のオレンジ色の範囲と今回の令和7年度と比べていただきますとオレンジが非常に縮小しているのがお分かりいただけると思います。これは県内の震度が全体的に下がったことになりますので、前回の県想定これは24万3625棟でありましたものが、12万6千、いま先ほど発表したとおり約12万6千棟に半減することになります。これはもう先ほど申し上げましたように10年間でボーリングデータの精度が向上したということで、こうした現実的な数字になったということでございます。
次に、人的被害でありますけれども、直接死者数が約1万3千人となります。前回の県想定は、約1万6千人でありましたから、こちらも2割減少で、実は国の想定は2万4千で公表されました。それが半減と、精密にデータ分析した結果、およそ半分に減少しております。次に、人的被害につき、ごめんなさい。今回ですね、国の想定死者数がまさに、1万2千から、急遽2万4千人ポンと発表されましたので、これは、大変驚かれた方も多かったと思いますが、その要因である津波被害を分析した結果、浸水域が拡大したことに加えまして、これ国の方ですね。浸水区域を大幅に拡大して、新たな知見を反映し、高齢者や障がい者などの要支援者とその同行者の人数を避難者総数の2割と国は見込んでおりました。その結果、避難速度が低下して、逃げ遅れによる被害が4倍近くに国の計算では増大したというふうなことが判明をいたしました。
これを受けまして、県は、県の現状というものも加味して精査をいたしました。今回の県想定における津波被害では、国の想定と同じ、避難速度にはしております。その上で、避難開始のタイミング、これにつきまして、県民の避難意識の現状にかかるアンケート結果を行っております。それを用いて、揺れが収まったらすぐ逃げると回答した人の割合は46パーセントでございました。これを適用させていただきました。この結果、すぐ逃げる人の割合を国の方では20パーセントと、全国一律で想定しております。こうした国の被害想定と比べて20パーセントの国、46パーセントのアンケート調査に基づく県の想定、ここは大幅に食い違ってきておりまして、国の被害想定を大幅に下回るという結果になっております。
これはですね、このアンケートにつきましても分析を行いまして、知事就任以来進めてまいりました、全国、一時は東京都を抜いて、最多数となった防災士の養成、こうしたような地域ごとの取り組みについては、国は全く想定しておりません。そして防災士を中心とした自主防災組織や地域住民の皆さんと積み重ねてきた津波避難訓練や防災教室などの取り組みが、この避難意識の浸透という成果につながったものではないかと考えております。なお、建物倒壊と火災による被害も減少したことから、人的被害の合計は前回県想定と、今回国想定のいずれも下回るという結果になっております。こちらが、今回の発表数字でございます。
被災後の避難生活に大きく影響するライフラインの被害についてご説明をさせていただきます。発災直後には上下水道、そして電気などほぼ全域で使用できなくなるおそれがあり、最大避難者数は約41万人、そして、このうち避難所避難者数は約26万人となっておりました。こちらです。
また、伊方発電所においては、基準地震動、ご案内のとおり、650ガルの耐震補強が行われております。また、県においては、別途追加で千ガル対応の3号機の対応も完了しておりますが、これを大幅に下回る結果、これは378ガルでございます。こちらです。
こうした状況から施設被害は生じない想定とはなりますが、これまで県では安全対策に終わりなしとの信念のもと、四国電力に対し、外部電源の多重化を始め、国が求める基準以上のアディショナルな安全対策を要請し、実現をしておりますので、国の基準を上回る対策を講じてきたところでございます。
次は、能登半島地震で大きな課題となりました、半島や中山間地域を中心に多数発生した孤立集落、これにつきましては、前回の県想定では、国の手法に準じて算定をしておりました。内閣府調査による孤立が懸念される集落約500これを対象とし、道路沿いの急傾斜地のリスクのみを評価する手法としておりました。これは前回であります。今回の県想定では、県の検討委員会における学識経験者の意見を踏まえまして、県内の全集落、500ではなく全集落3300を対象として、そしてかつ道路沿いの谷側も含む全ての斜面に加えまして液状化、橋梁(きょうりょう)のリスクも評価する手法といたしました。
この結果、孤立の可能性のある集落は、前回の県想定の、先ほどまでは全部下回ってましたがこれだけは、前回の県想定の約1.7倍、166パーセント増加しております。19市町で420集落となりました。このうち、5市町、八幡浜市、上島町、砥部町、内子町、伊方町、この5市町につきましては、前回孤立集落なしとして、想定されていましたが、ありに変わっております。
次に、経済被害でございます。16.5兆円で、建物等の被害量は減少しておりますけれども、復旧にかかる資材費、そして、人件費の高騰、この上昇を加味しております。その結果、建設工事費の変動指標が、前回調査時から1.3倍に増加しておりますので、こちらですね、デフレーターです。前回の県想定から微増する結果となっております。この要因がなければ減少ということになりますけれども、資材費、人件費の高騰を加味して、経済被害を算出しております。
被害想定は以上のとおりであり、昨年3月に発表された国想定の要因も精緻(せいち)に分析した上で、最新の知見と本県の詳細なデータを反映した結果、特に人的被害が多く発生する建物倒壊と、津波については、想定死者数が先ほどご説明した、愛媛の現状という要因を加味して、大幅に軽減することになっております。これまでのハード、ソフト両面にわたる、県、市町、および関係機関の取り組みに加えまして、地道に訓練を積み重ねてきた、県民の皆さんの努力の成果というものが、今回の算定には反映されているということであります。くどいようですが、国の発表したデータは全国一律で、そうした要因は加味されておりません。
今後、建物の耐震化や家具等の固定といった住まいの安全確保を徹底するとともに、迅速な津波避難の徹底を実現することで、さらに人的被害を8割、減らすことが可能であると想定しております。中でも、減災効果が大きい津波からの早期避難については、10年以内を目標に可能な限り直後避難100パーセントに近づけるよう、さらに県民の避難意識の向上に力を入れて取り組んでまいりたいと思います。
最後に、南海トラフ巨大地震は、ひとたび発生すればこれまでに経験のない甚大な被害をもたらすことが想定され、被害を最小限に食い止めるためには、自助、共助、公助のあらゆる面での備えが必要であります。特に、大規模地震においては、過去の他地域での結果を見るまでもなく、消防関連関係の組織力には人数に限りがありますから、広範な場所で被害が発生した場合、即座に全ての被災地に赴くことは不可能であります。他地域での事例で明らかなように、初動段階での対応というのは、9割以上が自助と共助によって乗り越えられてきているということでありますので、今後、県としては、防災、減災対策に終わりなしとの認識の下、今回の被害想定の結果を踏まえて、県の防災関連計画を見直し、一人でも多くの命をいざとなった時に救えるよう、市町や関係機関とも緊密に連携して、スピード感を持って必要な対策を講じていきたいと思います。
県民の皆さんにおかれましては、一人一人が身の回りや地域のリスクをしっかりと知ってもらったうえで、慌てずに、正しく恐れて、いつ起こってもおかしくない地震への備えを、我が事として、できることから、進めていただきますようにお願い申し上げたいと思います。以上です。
(時事通信社(幹事社))
それでは、質問のある社はお願いいたします。
(NHK)
NHKです。よろしくお願いします。
改めてになるんですが、ちょっと2点お伺いします。1点目が今回のこの県の想定の結果をですね、県民の皆さんに具体的にどういうふうに生かしてもらいたいかというところと、2点目がですね、知事もおっしゃっていたように、国の想定と県の想定という二つの想定が県民の皆さんには現在目の前にあることになりますけれども、その二つの想定それぞれ、違いがあるうえでどう受け止めていけばいいかというところを改めてお願いします。
(知事)
はい。まず、昨年だったよね、国。昨年、突如発表された国の想定というのは、地域ごとの現状という要素は加味せずに、全国一律で、最悪のケースを想定して打ち出された数字でございました。それを分析をして、現状というものを、愛媛県の現状というものを、新たな要因として加味して分析をしましたので、県民の皆さんにおかれましては、もちろん国のデータも見ながらやっていますので、県の今回発表されたデータが県の現状に即しているものというふうに受け止めていただいたらいいのではないかというふうに思います。そして、もう1点なんでしたっけ。
(NHK)
県民のみなさんへの活用を。
(知事)
そうですね。この数字を、専門家の知見も生かしながら精査しましたので、やはり浸透させていくことが大事であり、まずは行政の中で市町との協議の中で浸透を図りたいと思います。そして、市町単位でも、もちろん、市民、町民の皆さんに対して、周知あるいは啓発を行っていただけると思いますけれども、これまでも積み重ねてきたように避難訓練等々、いろいろな場面がありますので、県の方としても、都度、県民の皆さんに浸透するようにさまざまな形で、そういったものを利用しながらですね、浸透を図っていきたいというふうに思っています。
(愛媛新聞社)
愛媛新聞と申します。よろしくお願いします。
人的被害、死者数の関係なんですけれども、震災対策アクションプランで10年で8割減という目標を掲げる中で、今回2割減にとどまったとも数字としては見えるかなと思うんですけども、このあたりについては知事どのようにお受け止めでいらっしゃいますでしょうか。
(知事)
あくまでも今後の取り組みを進めていけば、最大でそれぐらいまで減少をさせることは、理論上は可能であるということでありますけれども、この中の大半は県民の皆さんの意識のさらなる向上と、それから本当に身の回りでできること、例えば家具を留めるとかですね、そういった地道な積み重ねがあって初めて8割減少ということになりますので、これもまた市町との連携の中でですね、県民の皆さんに、今回の数字を浸透させると同時に、個人個人で、あるいは地域で何ができるのかというようなことを広めていき、そしてまた、それぞれの地域での避難訓練等々で実施、平時において意識付けを訓練を通じて高めていただくような取り組みを進めていくことが大事だというふうに思っています。
(愛媛新聞社)
これ、津波の関係の死者数に、津波の死者数については10年前、前回想定から114パーセント増加してることになっていると思います。直後避難率については、国の想定よりも高い46パーセントということになっていますが、この46パーセントという一方で、半分ぐらいは直後に避難しないという現状もあるかと思います。この10年で避難意識啓発されてきたかと思うんですけども、この現状というところどのように捉えられていますか。
(知事)
そうですね、これ本当に10年かけて、防災士の育成というものにこだわってきました。もちろん、大きな地震に対して行えることは、ハードソフト両面いろいろな対策があると思います。ハードにつきましては、お金と期間、時間が必要になります。ソフトの面については比較的それと比べると実施スピードが早く、予算もハードほどではないというふうなことを当時考えていました。そこで防災士の育成というものが避難においても、あるいは、さまざまな活動においても、大きな力になるということを10年前に想定しまして、ここに愛媛県は徹底的に力を入れてきた背景があります。で、現状でも人口10万人あたりの防災士数は全国一になっていますが、もうこの皆さんの意識、いわば県の呼びかけに応じて数日間の研修を受け、試験も受けていただかないと取れない資格ですけれども、それを取っていただいたということが、確実に地域防災力の向上に結びついてきているというふうなことを10年経って感じています。で、その方々の日常の地域における行動というものが、単に資格を取った人だけではなく、地域の皆さんの意識の啓発に確実に結びついている、それがアンケート調査からもはっきりと出てきたのかなと今回改めて感じました。ですから国の2割と、アンケートにおける46パーセントの差がそこに明確に出てきているのではないかなというふうに思っています。
(愛媛新聞社)
あと1点、孤立の関係で、前回と比較してですね、対象集落の名前、どこかというのを公表されてると思います。このあたりの狙いというところを伺えたらと思います。
(知事)
そうですね。これは有識者の皆さんからむしろここについては、国の前提というものが多少甘めではないだろうかというような愛媛県におけるところの有識者ですね、愛媛県の会議における有識者の方々のご指摘がありましたので、これはもうしっかりとそれを受け止めて、条件を広めたという県の判断でございます。で、その結果、国の想定以上に、国は500集落に限定した、そして、急傾斜地に限定したという中での発表でしたから、それをかなり大きく広げていますので、当然こういうデータ、数字になるんですけれども、5市町は前回は全く問題、心配ないという県の発表でしたけれども、今回新たにありというふうなことになったので、地域の方々にも可能性は十分ありますよというふうなことをお伝えすることで、対応策を練っていきたいなというふうに思っています。
(愛媛新聞社)
近年、県単事業で、道路関係、そういう孤立対策に向けて、法面とか道路の整備とかされてるかと思うんですけども、改めてこの420という集落の今後の対策、例えばいつ頃までに対策を進めたい目標等あれば教えてください。
(知事)
そうですね。この対策自体は、かなりお金のかかる対策になってきますので、もちろん、予算の縛りはありますから、理想論で言えば一気にやるのが理想というのは分かるんですけれども、そんな打ち出の小槌のようなお金があるわけではないので、あらゆる制度等を活用し、また、県の予算配分等にも心配りしながら、身の丈に合った対応を、その中でできる最速のスピードで対応していきたいというふうに思っています。
(あいテレビ)
あいテレビと申します。お願いします。
そもそものお話に、ちょっと戻ってしまって恐縮なんですけれども、今回建物被害が少なくなっているというところと、それから人的被害も微減していますけれども、この数字に対する知事の率直な受け止めというところを聞かせてください。
(知事)
そうですね、前回、国がその前提条件も全く示さない中で、はい、お宅の地域はこうなりますよというのがいきなり出てきたんですね。で、その数字が飛び抜けて、死者数や、さまざまな数字が跳ね上がっていましたので、行政としても全国等しくですね、驚きをもって、受け止めた記憶があります。で、どういう前提なのかが分からなかったので、今回それを専門家の分析や意見も聞きながら、愛媛県の現状に即して、国の発表した数字をもとにして、いや、国はここ一律で考えてるねと、でも愛媛県こんな違うじゃないかというような現状要因を加味して、しっかりと分析をしておりますので、まさに、ここをスタートにするということが肝心なのかなと改めて思っています。
(あいテレビ)
想定される被害としては甚大なものであることに変わりはないというご認識でよろしいでしょうか。
(知事)
はい、そうです。はい。ただ、今申し上げましたように、取り組みの仕方によっては、特に何が一番大事かと言ったら、人命だと思います。建物は、時間とお金があれば回復ができますけれども、人命だけはそれが叶いませんので、ここが場合によっては、さらに取り組みを進めていけば8割減まで持っていける可能性は十分にあるということが今回の数字だと思いますので、ここをしっかりと進めていきたいなというふうに思っています。
(時事通信社(幹事社))
各社さん、他に質問などよろしいでしょうか。それでは、これで終わります。
(知事)
はい、どうもありがとうございました。
※議事録については、読みやすさや分かりやすさを考慮し、発言の趣旨等を損なわない程度に整理しております。









