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キウイフルーツかいよう病の新系統病原菌の発生確認と今後の対応に関する記者発表の要旨について

ページID:0011508 更新日:2015年4月28日 印刷ページ表示

【記者発表資料】

 

日時:平成26年5月9日(金曜日)11時02分~11時10分

 

場所:知事会議室

 

(知事)

 キウイフルーツのかいよう病の問題でございますけれども、今回ご案内のとおり国内で初めての系統「Psa3」であることが5月2日に判明しまして、現在、10園地208アール、約2ヘクタールですね、発生が確認されています。

 今回の新しい系統「Psa3」は国内で発生例がなくて、また感染力など病原性が強く、発病すると枯死するなど、甚大な被害が生ずる恐れがありまして、その拡大を防止するため、県では、発生が確認された5月2日付けで、直ちに「病害虫発生予察特殊報」を発表しまして、関係者に広く注意喚起と防除対策を周知するとともに、市や農業団体と連携して伐採班を編成しまして、地元生産者と協議を進めながら、早速、翌日の5月3日から伐採を開始しておりまして、昨日現在で被害園地の73パーセントにあたります151アール、約1.5ヘクタールを伐採しております。明日、5月10日には、合意の得られた全ての園地の伐採を終える予定でございます。

 また、新たに産地指導班を編成しまして、防風ネットの設置や予防剤の散布、園地出入時の消毒等の具体的な対策を呼び掛けるとともに、園地巡回による異常の有無の確認や、現場研修会の開催などによる防除の徹底等に努めているところでございます。

 県としては、病原菌のまん延を早急に抑え込む必要があることや、JA中央会等からの要請も踏まえまして、緊急対策を講じる必要があると判断したため、発生園の緊急伐採や予防剤の散布を支援するための「キウイフルーツかいよう病緊急防除対策費」、県費2,137万7千円を創設しまして、本日付けで予備費を充当して、農家負担の軽減と被害拡大の防止に努めることとし、既に伐採された園地も遡及して対応することといたしました。また、国や県の既存事業等を活用した防風ネットや雨よけハウスの整備など、かいよう病を防ぐ施設整備等についても、必要に応じて実施することとしています。

 さらに、国に対してもキウイフルーツかいよう病対策について、伐採や改植等を進めるための樹体共済制度の創出、耐性品種の開発等に向けた試験研究の拡充や新たな支援策の事業化等を強く要望したいと思います。

 なお、仮に発病した樹の果実を、ここは大事な点ですけれども、食べても人体に影響するものではないということは、ぜひ皆さんにも併せて報道していただけたらというふうに思います。要は枯れるということが問題であって、人体等には全く影響がないというふうなものであるということは、ぜひお知りおきいただきたいと思います。

 追って、キウイフルーツかいよう病の新系統病原菌発生状況や今回予算措置した緊急防除対策事業の詳細については、この後、担当部局より説明させていただきたいと思います。

 以上です。

 

(愛媛新聞)

 今回の新しい系統のかいよう病の発生が生産量日本一を誇る本県のキウイ産地にとって、どれくらいのインパクトがあると考えているか。

 

(知事)

 非常に大きいですね。今、愛媛県の栽培面積が423ヘクタールで、全体から見れば少ないですけど、要はきちっと抑え込めば乗り切れると思いますが、やっぱり今大事なことは、ともかくこれ以上拡大をさせないという徹底した対策、ここで踏みとどまるということが何よりも大事だと思っています。今のところ、全体に広がっているわけではないので、ここで踏みとどまれば1位の座は揺るぎないと思いますけれども、やっぱりここはもう、ともかく拡大させないというふうなことが重要だと思っています。

 

(愛媛新聞)

 現時点での被害額とかは試算しているのか。

 

(知事)

 被害額は単年度の果実の出荷で見ると、平均販売単価がキログラム461円、反当たりの収穫が10アールで3トン、発生面積208アールを全伐採した場合、被害額は約2,900万円というふうになります。1農家の被害額でいうと70万円のところから1,200万円ということだと思いますので、全伐採による樹体自体の損害額や、これ今回だけの問題ですから、翌年以降の収穫における影響などを考慮しますとさらに大きくなると、今のは単年度、目先のだけですから、それ以降のことを考えるともっと大きくなると思っています。

(愛媛新聞)

 今回、発生した樹体以外にも園地の全伐採を農家にお願いしてやってもらっている状態だと思うが、被害に対する補償というのはどういうものがあるのか。

 

(知事)

 補償については制度が今、実はないんです。伐採される樹体の補償はその制度がないので、共済制度でカバーされるべきものと思います。しかしながら、現行の果樹共済は減収に対する補償のみで樹体補償がないんですね。ですから、さっき申し上げたように国に対して、樹体を対象とするよう要望していきたいというふうに思っております。

 なお、間接的な支援にはなりますけれども、経営等を対象に融資を行う低利の融資制度の利用や、今回の緊急事業の積極的な活用等は周知していきたいと思っています。

 

(愛媛新聞)

 今回、発生したところに対しての支援という意味では、今後、検討していくのか。

 

(知事)

 国に対して要請していきます。今回はまず緊急ですから伐採について県単補助で当面の経費を賄うということになります。

 

(愛媛新聞)

 今後、県としての支援で、どういったものを予算化していくかというタイムスケジュールみたいなものはあるのか。

 

(知事)

 早速もう既に国に対して要請を始めておりますので、その樹体を対象とするように組み込まれた場合は、これが使えるようになることから、まず、ここを徹底的に強く要請していきたいと思っています。

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