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加計学園理事長の記者会見に関する知事臨時記者会見(10月9日)の要旨について
日時:平成30年10月9日(火曜日)
13時25分~13時43分
場所:知事会議室
(あいテレビ(幹事社))
一昨日の加計理事長の会見に対する受け止めを。
(知事)
はい。まず、事前に申し上げてきたことなんですけれども、いろんな方々から説明を求める声が多く出されていました。特に、前回の会見では、愛媛県の関係する記者の皆さんも取材ができなかったという声もいただいていましたので、しっかりと説明をすべきではないかというようなことを申し上げてまいりました。
また、ご案内のとおり、愛媛県議会におきましても、会派を超えて全会一致で説明を求める決議が可決されてきたところでございます。
それを受けて、西日本豪雨災害もありましたので、そういったスケジュールも勘案されたんだと思いますけれども、理事長自らが会見に臨んだということについては、率直に評価をさせていただきたいというふうに思います。
一方で、現場にいたわけではありませんから、あくまでも報告の内容を受け止めた上での気持ちなんですけれども、愛媛県の職員が、かねてから申し上げてきましたように、正直に実直に仕事をしてきたということについては、ある意味では、実証されたのではなかろうかというふうに思っています。
一方で、当日の記録を見てみますと、まだまだ説明が足らないというような意見がマスコミ関係者の皆さんからも出て、それに対して、今後も丁寧に説明していきたいというようなお話もあったやに聞いていますので、そのことについては、引き続き、しっかりマネジメント、コンプライアンスの観点からもですね、最高責任者がしっかりと対応して、学園の信頼向上に努力をしていただきたいというふうに思っています。
(南海放送)
先ほど、最後、最高責任者が対応して、学園の信頼向上に応えてほしいとのことだったが、率直に、もう一度会見を開いた方が良いという認識なのか。
(知事)
いや、それはもう、これから皆さん、県の立場よりも、これからはむしろ認可に至るところのやり取りの記録であるとか、そういった手続きに関わる問題が、主要なテーマになっていますので、むしろこれは国会での話、国での話になるのではないかなというふうに思っています。
ですから、そういったようなことも受けて、マスコミの皆さんに、今後も検討もするとおっしゃっていた、記録を見ますとですね、そういう発言があったやに聞いていますので、それは学園が判断されていくんだろうというふうに思っています。
(南海放送)
日曜日の会見では、愛媛県と今治市に会見を開くかどうか協議して、判断してもらいたいみたいなニュアンスにも聞こえたが、愛媛県としては、どうするつもりなのか。
(知事)
そうですね。結局のところ、学園の信頼を高めていくにはどうすべきかということは、学園自身のご判断になろうかと思っています。はい。
(南海放送)
このままではなくて、もう一度、きちんと説明し直した方がいいというような認識なのか。
(知事)
そうですね。それは、この前のやりとりの現場にいなかったので、マスコミの皆さんとのやり取りを見る限りにおいては、「検討する」という言葉をどうされるのかというのは、今後、注視していきたいというふうには思っています。
(NHK)
前事務局長の話の中で、加計理事長から勇み足だったみたいな発言があったが、勇み足という点については、どう考えているのか。
(知事)
というか、結局のところ、我々の立場としては、県の職員の生真面目な報告というのが正しかったということの証明ではないかなというふうには思ってますけれどね。はい。
(あいテレビ)
9月議会の答弁の中で、補助金の支出について、会見を受けて検討するという答弁があったが、知事自身は、この点どう考えているのか。
(知事)
そうですね。会見を開かなければ、いろんな問題が出てきたと思います。特に、県議会でああいった決議が可決されていますから、その声に応えられないということになると、議会の中で、いろんな意見が出てきたというふうなことが容易に想像が付くんですけれども。会見を開いたということで、今度は、先ほど申し上げましたように、ここから先というのは認可の問題、認可に至る記録の問題になってきますので、これは我々は、そこは当事者ではないので分かりません。
ですから、今の段階というのは、これも6月の段階で記者会見させていただきましたけれども、国に対しては、こうした状況の中でも、認可に問題はないんですねという確認をさせていただいています。それで、問題ないというふうな答えをいただいていますので、手続きを経て、認可がなされて、そして今、開学をし、また学生もしっかりと授業を受けて頑張っていますし、職員の皆さんも学校の運営に関して、汗をかかれて努力しているさなかでありますから、そういった現実も鑑みて、愛媛県としてはフォローしていきたいなというふうには思っています。
ただ、認可に関わる問題が発生した時には、これはもう国の話にはなりますけれども、それは根幹の部分ですから、もし問題が発生したとするならば、これはまた話は変わってくるということだろうと思っています。
(南海放送)
一応、説明責任は果たされたという認識なのか。
(知事)
県に関してはですね、はい。
(NHK)
理事長は、県の文書を見ていないと言っていたが、そういった姿勢については、どう考えているのか。
(知事)
そうですね。それは、本当なんですかっていう、そこの部分はね。やっぱりこれだけの問題ですから、それは見ていてしかるべきではないかなというふうには思いますけれど。
(朝日新聞)
理事長は、文書を見ないで会見に臨んだと。今回の説明に関して、知事も前から発言している、例えば文書での明確な証拠というのも出てこなかったが、そのあたりについてはどうか。
(知事)
ですから、皆さんもそうだと思うんですけれど、じゃあ全部腑に落ちたかと言ったら、ストンと落ちているわけではありません。
ただ、県の立場と国の立場は、これは異なりますから、あくまでも県というのは、国の手続きを経て認可をなされた学校法人というふうな形での対応になりますので、その確認において、認可に問題がないという回答が国から県に対して発せられている以上はですね、それに基づいてしっかりとフォローしていくというふうな立場になろうかと思っています。
(朝日新聞)
それは県に相談した上でという話だったが。
(知事)
それは聞いていないです。それは学園が判断することだと思います。はい。
(朝日新聞)
県の方から、もう一度会見すべきじゃないかというものではないと。
(知事)
県から申し上げるべきことは、学園の信頼を高めるために、引き続き学園のコンプライアンス、そしてマネージメントの側面から言っても、トップがしっかり対応されることが、学園の信頼向上につながると。ひいてはそれが、学生たち、あるいは現場で働いている職員の皆さんのためにもなるので、引き続き努力をしていただきたいということが県の立場です。
(南海放送)
知事への直接の謝罪や説明について、加計理事長は、必要であればすぐにしますというスタンスだったが、その点については。
(知事)
いや、今はもうそういうことよりも、県(に謝罪)というよりは、先ほど申し上げたように、許認可の手続きのところで、いろんな質問があったと思いますので、これは愛媛県は範疇外なので、そちらの方の説明で努力されるべきなのかなというふうには思っていますけれども。
(朝日新聞)
一昨日の理事長の説明では、なぜそういう首相との面談を持ち出したかというのは、当時、暗いムードが漂って諦めムードだったと、誘致について。で、県に手を引かれると困るので、そういうことを事務局長がとっさに説明したのではないかというような説明だったが、それは納得できない、できる。
(知事)
それは、ご本人がそういうことであるならばそうなのかなというふうには受け止めざるを得ないんですけれども。ただそれが事実かどうかというのは、私どもが証明することはできないですよね。
(愛媛新聞)
関連して、仮に、それが理由として事実ならば、そういった理由で虚偽の説明をされたということに対しては、どう思うか。
(知事)
それについては、前々からお話していますように、公の機関である県や市に対して、虚偽の話をしたというのは、非常に問題であると。
ですから、少なくとも普通の感覚で言えば、そういったことをやった方に対しては、普通の組織であるならば、何らかの処分があってしかるべきだと思いますし、少なくとも県に対して虚偽の話をした人が、県の窓口になることはあり得ないというふうには思っています。
(南海放送)
確認になるが、今治市を通じて支払われる補助金、今年度以降で約17億円残っていると思うが、当然、県議会の判断というのが一番重要ではあるが、愛媛県として、今回の説明で支出の見直しというのは、特に考えないのか。
(知事)
前々から支出に関しては、その段階その段階で、特に考えているわけではないということをお話してきましたけれども、やはり認可の問題が生じた時に、この問題というのは発生するというふうに思っています。
ですから、いろんなことも含めて、虚偽の報告も含めて、明らかになった段階で、あえて国に対して認可に問題はないんですかということを、あらためて6月の時点で問い掛けたわけですね。
それに対して、国は問題ありませんということを公式に愛媛県に対して回答されていますから、それに基づいて、学校がスタートして、学生たちも授業を受けて、職員も頑張っていますので、それをフォローしていくのが愛媛県の立場だと思っています。
(朝日新聞)
関連して、国の認可に問題がなければ、県としては補助金の支出を止めることはないという理解でよいか。
(知事)
はい、そうです。
結局、それに基づいて認可がなされた上に投資がなされて、覚書に基づいて、それに対してバックアップするというふうなことになっていますので、むしろそこを、例えば感情論で動くと法的な問題が逆に発生していくのではないかなというふうに思っています。
(あいテレビ)
知事は先ほど、県に対しては説明責任は果たされたと言ったが、今回の会見の、どの点を見て、そう思ったのか。
(知事)
そうですね。まず、我々の要請に基づいて理事長自らが会見を開いたということが1点と、それから愛媛県のこれまでの記録等については、一時期はいろんな声があったわけですけれども、それに対しては、愛媛県に対してうそをついたんだということで、その記録自体は誤りではなかったということが証明されたというふうには思っています。はい。
(朝日新聞)
愛媛県の文書に、2015年2月25日に理事長と首相が面会したという趣旨の記述があって、理事長はそれを否定しているわけだが、知事は以前、「モヤモヤした感じが残る」と、「証拠を探す努力をすべきでは」というような趣旨の発言をしていたと思うが、そのモヤモヤした感じは、今どうか。
(知事)
一人の個人としてはありますよ。もし、クリアにするんだったら、じゃあ、ないというふうなことで、その時のどこへ行ったかという記録とかね、そういうのをぼんぼんとしっかりと出せば、それは解消されていくと思うので、そういったことができればいいのではないかというふうなことは、個人的には残っていますよね。
(朝日新聞)
今回、学園側は、会った記憶と記録がないということを理由に、面会を実質否定しているわけだが、その根拠というのは。
(知事)
そうですね。それがあれば、例えばマスコミの皆さんも、そういうことだったんですねとクリアになると思うんですけれども、なかなかそれを示せないということになると、いつまでもモヤモヤ感というのは、払拭(ふっしょく)はできないということになってしまうのではないかなというふうには思います。
だから、そういったものを見つける努力は、続けていくべきなのかなというふうには思いますけれどね。はい。
(朝日新聞)
モヤモヤ感を解消する努力というのは、県として、そこを解消するように促すような話ではないと。
(知事)
というか、もうこれは当たり前のことなんですけれども。その補助金については、先ほど県の立場というのは、国がこういったものを全部ひっくるめて認可をしましたという言葉を確認していますので、それに基づいて事業をフォローしていくという形になります。
ただ、学園そのものの長い目で見た信頼であるとか、ステータスを確立していくためには、やはり、これは国のマターになりますけれども、認可に至るところの経緯等の問題について、多くの方々から質問が寄せられているようでありますから、そこは学園の責任で引き続き説明責任を果たすべく汗をかき続けなければいけないのではないのかなというふうには思います。はい。
(朝日新聞)
県の文書の中で、面会したという報告以外に、面会を受けて柳瀬秘書官から資料の提出の指示があったなどと、面会を前提とした記述がある文書が、他にもあると思うが、その点について、前回の加計理事長の会見では、しっかりとした説明がなされなかったことについては。
(知事)
ちょっとそこら辺は、細かいところは分からないんですけれども、要は県の文書は全て真面目に、そのまま、聞いたまま残したということは立証されましたので、それに基づいて県はやってきたつもりですし、それは皆さんにも、今回で愛媛県は当初申し上げたとおり、実直に、正直に、真面目に職員は記録を取っていたということは、お分かりいただけたのではなかろうかと思います。
その中で、そうじゃないということについては、虚偽だったという、トータルでの話なので、そこについての確証というのは、これは私どもには分からないんですね。記録を取っている立場ですから。そこは逆に学園関係者がしっかりと説明をすべきではないかなというふうに思っています。
(朝日新聞)
ある意味では、国側に投げたというか。
(知事)
いや、投げたというか、許認可に係るところって、県は当事者ではないんですよ。ですから、そこは分かりません。
(朝日新聞)
国に対して、国会などで求めることは。
(知事)
分かりません。国の議論は。
だから我々は、少なくとも国に対して認可に問題はないんですねということを、言質を取っておかないといけないと思ったので、6月、大丈夫なんですかねと聞いて、大丈夫ですという話だったので、それに基づいて、向き合っていくしかないですよね。
(愛媛新聞)
今回の会見で、県民にその補助金を支出することに対する理解を得られると思うか。
(知事)
そうですね。それは、いろんな見方がありますから。
ただ、今、申し上げたように、認可に問題がないという言質は取れていますので、それに基づいて学校がスタートしている。しかも、既に開学をし、授業も始まっている、将来の獣医師に向けて、学生たちも頑張っているという状況にありますので、その現実も判断する必要があるのではないかなということは、呼びかけていきたいというふうに思います。
ただ、一方で、認可に至るところの問題については、今後とも説明責任を果たしていただきたいということは、ここでもあえて申し上げておきたいと思っています。