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第18回愛媛県議会議員選挙の結果に関する知事記者会見(4月13日)の要旨について
日時:平成27年4月13日(月曜日)11時00分~11時17分
場所:知事会議室
(愛媛朝日テレビ(幹事社))
昨日、県議選の投開票が行われたが、開票結果、新しい県議の顔ぶれを見ての所感を聞かせてほしい。
(知事)
まず、所感の前に、昨日、今治市選挙管理委員会がチャーターをした船が作業を終えた後の帰る途中に火災事故を起こして、残念ながら1名の方がお亡くなりになったと聞いております。心からご冥福をお祈りするとともに、いまだにお一人の方の行方が分からないということなので、一刻も早い発見を願っているところでございます。
このたびの選挙戦について、無投票の方もいらっしゃいましたが、勝ち抜かれて、選良として県議会に議席を得られた全ての皆さんに心からご当選をお祝い申し上げたいと思います。そのような中で、この4年間、県政の推進に当たって、多くの方が協力をしていただいたわけでありますけれども、本当に、今はチーム愛媛をはじめとして、県政の諸課題について愛媛県の未来を切り開くべく、立場は違えども同じ目的に向かって力を合わせていただいた多くの現職の皆さんが当選されていますので、本当に心強い限りでございます。
残念ながら、その中で1名の方が落選されてしまったことは、自分にとっては、大変、推進に理解をしていただいた方でありましたので、本当に残念に思っております。
そういう中で、今回47名の議員、それぞれお考えがあると思いますけれども、現実的な議論というものが展開される中で、県政の発展に結び付くような関係が構築できたらと思っておりますので、心から期待をさせていただきたいと思っています。
(愛媛朝日テレビ)
昨日の県議選の投票率は45.35パーセントと過去最低を更新したということだが、それについてはどのように考えているのか。
(知事)
今回、愛媛県だけにとどまらず、全国的に投票率の低下傾向が顕著であったように感じています。ここのところ、各種選挙で過去最低の投票率がずっと続いているような状況は、大変残念なことではなかろうかなと思っています。やはり、いろいろな背景があると思うんですけれども、そこは有権者の方々にそれぞれの候補者の主張、政策というものが、あまり伝わらないということもあるのかもしれません。
これは、選挙の制度にも問題があるようにも思いますけれども、例えば、街宣車で回っていて聞こえてくるのは、多くの方々から名前しか聞こえてこないんだということも聞かされますし、有権者の皆さんが、名前だけというよりは、名前と政策というもので判断できるようにならなければ投票率は上がってこない。ということは、やはり公約というものがどうやればもっとストレートに有権者の方に届けられるのか、これは制度の問題と候補者の選挙運動の両方の側面から、より一層考えていかなければならないと感じております。
それからもう一つは、地方の選挙なんですけれども、政党色が前面に出るということが果たしてどうなのかなと。もっと身近なテーマで、議院内閣制の国政と二元代表制の地方では、おのずから制度が違うということは、政治のあり様も全く異なるわけでありますから、やはり、より身近なところでの政策というものを、われわれ首長も議員も心掛けていかなければならないというふうに思っています。
国政の場合は、一強多弱とも言われていますけれども、やはり、変わり得る受け皿がないということが、国政の場合はこれが大きな投票率の低下の原因になっていると思いますが、地方もそれに準じてしまっているところがあるのではないか、だからこそ、地方の時代と言われる中で、地方政治とは、別の次元、制度が違うんだというふうなところで、より一層政策が鮮明に出るような心構えを、われわれはしなければならないということを感じました。以上です。
(愛媛新聞)
国政の構図に似通って、傾向として出ているという感想だと思うが、今回、愛媛県でも、自民党が単独過半数を取る一方で、松山市・上浮穴郡区で、共産党の候補がトップ当選をしたが、そのあたりどういうことが影響していると考えているのか。
(知事)
どうですかね。分析しているわけではないので何とも言えないんですけれども、県議会の場合は、会派という考え方がより一層出てきた方がいいのではないかと思うんですね。やはり、何も県議会議員さん、市議会議員さんは国政選挙の兵隊ではないわけでありますから、その国政とのつながりというのは、これは是とするものなんですが、やはりそこは、下部機関の一員ではなくて、会派であると。かつ、地域は地域の立場でしっかりと向き合っていくというふうな姿勢が大事ではないかなと思っています。それから、松山市・上浮穴郡区に関しては、なかなか難しい側面はあると思うんですよね。松山市は中核市ですから、権限や財源というものが他の市町と比べて県から大幅に市単位に移譲されているということもあって、なかなか日常の仕事の面で、16人区ですから一人ひとりの議員活動が見えにくいという、そういうところもあるのではないかと思います。そうは言っても、そこをカバーしていくのが議員の日常の活動だと思いますので、これからどういうことを提案していくのか、有権者の皆さんに、より一層メッセージとして伝えていただけたら変わってくるのではないかと思います。
(南海放送)
先ほど、会派という話が出たが、これは、党籍を超えたそういう会派の枠組みがあってもいいというような考えか。
(知事)
そうですね。僕は先ほど言った制度が違うわけなんで、一緒に論じるということ自体に無理が出てくるのかなと。これからの時代はですよ。かつ、地方分権というものが進んでくれば、より一層そういう自立という観点に地方をしなければいけないので、われわれ首長もそうですし、携わる地方議員も同じようなかたちが生まれてくる時代に入っていくんじゃないかなと思っています。
(南海放送)
第2会派の愛媛維新の会の横田代表も、昨日のあいさつの中で、会派拡大、勢力拡大に意欲を示していたが、そういった動きということも考えられるのか。
(知事)
いや、これは、議会のことですからわかりませんし、別に既存の政党の会派の中でも、やはり地方の時代は地域が第一なんだということをしっかりと主張され、考えとして持たれている方も数多く大半いらっしゃると思います。中には、そうでもないような活動をされている方もいらっしゃいますけれども、やはり、地方議員とはどういうふうにあるべきなのか、これから、ますます一人ひとりに問われてくるだろうなと。議員というよりも地方の政治ですね、そういう時代なのかなということを個人的に思っています。
(あいテレビ)
新しい顔ぶれを見ると、引き続き、県政の安定運営に貢献されるように感じるが、知事はそのあたりはどう感じているか。
(知事)
そうですね。先ほど、最初に申し上げましたとおり、4年間の方向性を受け止めていただいて、支えていただいた多くの現職の皆さんが当選を果たされていますので、そういう意味では、その方々につきましては、人となりも十分承知しておりますので、立場は違えども愛媛県のために力を合わせることは十分可能だというふうに思っています。
(愛媛新聞)
今回、一つ争点となったのが、伊方原発の再稼働の問題だと思うが、選挙戦でその議論が深まったかどうかは、どのように感じたか。
(知事)
これは全ての選挙戦で候補者の主張を聞いているわけではありませんので、ちょっとコメントしようがないんですけれども、非常に難しいテーマだと思います。それぞれの議員さんがどのようなお考えか分かりませんけれども、僕でも、例えばこの前の知事選挙で、再稼働に賛成か反対かという極めて単純な意見で論じられる話ではない。非常に総合的なエネルギー政策、それから現在進められている国の安全対策、それから県独自の電力会社に対する呼び掛けの問題等も含めて、トータルで考えていかなければならない課題だと思っているんですね。かつ、再稼働する、しないはあくまで国が責任を持っているわけですから、そこの意思表示がない限り、論じられないんです。その段階で、先ほど言ったような、いろんな総合的な問題がどうなのかということを議論して、最後の出口が見えてくるという話ですから、そういう意味では、単純に反対、反対と言われる方もいらっしゃるんですが、それだけを言うのでは、やはり有権者の受け止め方も考えると、その単純な図式では争点にはなりにくいと感じました。
(愛媛新聞)
今回だけの議論では、まだ少し、知事としての判断形成は難しいということか。
(知事)
というか、まだ、全然、僕は白紙ですから。とにかく、国が言ってきてからの話なので。それに対して僕も言いたいことがありますから。国に対して投げるボールがあって、それに対して、国がどう反応していくのか、これらを含めての議論になってくると思いますので、まだ、第一段階のボールが来ていませんので、これは何とも言いようがないですね。
(読売新聞)
全国の傾向とは別に、女性議員が1人にとどまったが、この点については、どのように考えているか。
(知事)
そうですね、これは結果論なんで、逆に言えば、チャレンジする土壌が政治の世界ではまだまだ一般の会社の世界と、民間会社と違って狭い門になっているのかなということが最大の原因ではないかと思います。
(読売新聞)
統一選、県議選とは直接関連はないが、昨日、鳥取の平井知事が地方創生を考える若手議員のグループをつくる準備をしていると発言したが、そのことについて、知事に声掛け等はあったのか。
(知事)
僕は知らないですね。
(NHK)
新しく決まった議員にどのような議会運営を期待しているか。
(知事)
そうですね。現職の皆さんは、僕と一緒にいろんな方向性、同じ方向を向きながらですね、力を合わせていただいた議員さんについては、本当に足らざるところのいろんなアドバイスをいただいたり、そういうことであれば、実現のために一緒にやろうというふうなことで、活動していただいた方ばかりですから、これは本当にスムーズにこれからも関係がつくれるんじゃないかなというふうに思っています。
新人の方については、何とも言えません。まだ、全然知らない方ばかりでありますから、会派というよりは、個人の方がどのような考えで県議会に議席を得たのかということを活動していく中で見えてくると思いますので、その中で一緒にできる方なのかどうかが見えてくると思います。
(NHK)
皆さんに、どのような意識を持ってもらいたいと思うか。
(知事)
そうですね。非常に、地方の置かれている立場は難しい局面を迎えているということと、それからもう一つは、経済的政策、日本全体の経済状況というものが、どちらに転ぶか分からないという状況を、この4年間で迎えると思ってます。正念場を迎えるのがこの4年間のどこかで来ると思っているんです。
そういう非常に厳しい状況なので、われわれがその中で、愛媛というフィールドを成長させる、あるいは課題を克服するために何をするのかということを本当に真剣に考える、そういう方々であってほしいなと思っています。
県議会議員も、僕も、首長も、名誉職でもないし、利権型の政治家はもう古い。そうではなくて、愛媛県のためにどうするべきなのかということを真剣に考える方々であると信じてますし、そうあってほしいと思ってます。