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平成27年度当初予算等の知事査定の冒頭における知事共同取材(平成27年2月2日)の要旨について
日時:平成27年2月2日(月曜日)10時00分~
場所:本館4階会議室
(NHK(幹事社))
平成27年度の当初予算案について、予算の規模と編成方針、重点項目について教えてほしい。
(知事)
まず、ベースになる基本方針ですけれども、昨年の12月1日から2期目の県政をスタートさせていただきました。その2期目に行う最初の当初予算でありますから、そうですね、ニューステージスタート予算と言ってもいいと思うんですけれども、そういう気持ちの中で編成作業を行っていきます。ポイントはですね、公約の実現にありますので、県民の皆さんにお約束した項目について、継続事業もあれば、新しく公約に掲げた項目もありますので、その大半、全てと言ってもいいと思うんですけれども、芽出し、それから短期でできるものもありますから、それらも含めて今回のニューステージスタート予算で盛り込むということを方針に掲げています。
大きな項目としては、防災・災害対策、そして人口減少対策、地域の活性、経済活性化策、この三つの柱に従って、公約の具体化にかかっていきたいと思っています。
それから、先ほど申し上げた継続事業、農林水産業の振興、あるいは営業活動の展開、えひめ国体の準備の本格化など、こういう重要課題への対応を加速させていきたいと思いますし、国の緊急経済対策に対応して、交付金を最大限活用した地方創生、さらには消費喚起や防災対策、こういったものに対応する2月補正予算と合わせて、切れ目のない予算対応をしていきたいと思っています。
2つ目の規模ですけれども、社会保障と税の一体改革を国が行っていまして、これにより制度的に増加する経費、これが非常に大きいんですけれども、社会保障経費、税交付金などで234億円ですから、これがドカーンと入ってきますので、規模的には昨年度を上回るというようなこと。おそらく、この制度改正のことがありますので、知事就任以来では、最大規模という状況になると思います。ただ、制度改正分を除けば、微増ということではないかなと思います。きちっと、スクラップ・アンド・ビルドを行いながら、健全な財政運営にも十分に配慮した形で、その中での積極的な予算編成をということを行っていきたいと思っています。
主な項目は、公約の中で盛り込んだ新しいものを中心にご紹介しますと、広島の土砂災害を受けて検討していた市町が取り組む災害伝達方法の改善支援、まずは防災・減災対策ですけれども、そういった改善支援、それから消防防災ヘリコプターの更新、それから継続的なものとしては、県立学校の耐震化の推進とオフサイトセンターの移転整備。それから避難所への資機材整備と、こういったことが中心に挙げられると思います。特に、県立学校の耐震化につきましては、今年度末でだいたい82パーセントくらい、3月の末時点でいけるんではないかなと。来年、この予算で1年経った時には92パーセントに引き上げられるということで計画を進めていきます。特別支援学校については、完了するということです。
二つ目の人口減少ですけれども、まずは、何といっても総合戦略が必要ですから、愛媛県版の人口減少問題に対する総合戦略を策定いたします。それから、首都圏での移住情報の発信力強化、受入態勢の整備拡大を行っていきたいと思います。それから、公約でも盛り込みました携帯アプリ等を活用した子育てワンストップ相談体制の構築に向けて芽出しの予算、芽出しというか、これはできるだけ早く構築したいと思いますので、新規の予算を組ませていただきたいと思います。
次に、地域活性化策でありますけれども、「すご味」「スゴ技」「すごモノ」というふうな形でバックアップをしてきましたが、そこに今度ベンチャーの支援を加えたいと思っています。ベンチャー企業支援。それから、公約に盛り込んだ新窯業技術センターへの着手の芽出し、それからしまなみ海道の「サイクリングの聖地」が第1ステージとすれば、今度は、愛媛県全体を「サイクリングパラダイス」にするというような目標を掲げていますので、その目的に向かった端緒を開く政策展開。それから、これも公約でお約束しています南予全域を舞台とした活性化イベントの模索、そして、これも公約に掲げた松山空港への路面電車の延伸に向けた具体的な検討への着手、これも芽出しをしたいと思っています。
農林水産業につきましては、いよいよ今年の秋に牛肉の新たなブランド牛が市場に出てくる段階を迎えます。それから、「スマ」の研究も順調に進んでいます。昨年、新顔として登場した「紅い雫」を含めてですね、ブランド戦略の展開を強めたいと思います。それから、台湾は既に定期的な取り引きが確立しましたけれども、マレーシア等へのかんきつ、水産物等の輸出拡大に取り組んでいきたいと思います。
それから、木材は林業躍進プロジェクトを着々と進めていますので、主伐の実施。それから、CLTの研究の深堀り、こういったことに取り組んでいきたいと思います。それから医療・福祉の大きなところは、全県的な医療体制の構築に向けた構想の策定。これは関係者の知恵を結集して作り上げて目標設定を行っていきたいというのが1点。それから、ドクターヘリの導入の検討に入っていきたいと思います。
最後に、国体・教育・スポーツの関係なんですが、これは東予・南予地域の肢体不自由児の特別支援学校の開設に入りますので、しっかりとしたスタートを切るということが1点。それからもう一つが、国体、東京オリンピックを視野に入れて、将来、国際大会で活躍できるジュニアアスリートの発掘・育成事業というものを新たに考えていきたいというふうに思っています。こういったことを重点に取り組んでいく予算がニューステージスタート予算だと思っています。以上です。
(南海放送)
国の地方創生予算等を踏まえた、臨時議会の開催についてはどうか。
(知事)
今の段階では、この議会でいけるかなと考えておりますので、特に臨時議会の招集というのは考えていません。
(読売新聞)
問題のあった愛媛FCの出資をどうするかということについては。
(知事)
出資分については、別にコメントもしていませんので、特に何もしてないです。
(愛媛新聞)
災害の避難時の伝達方法の改善支援の予算は、どの程度を考えているのか。
(知事)
まだ、これから議論しますので。
(愛媛新聞)
施設整備なのか、それとも計画等なのか。
(知事)
施設整備です。広島の土砂災害を受けてから、市町とともに課題の洗い出しを行ってきましたので、それに対応する予算というふうに考えております。
(愛媛新聞)
今回の予算総額の規模というのは、どの程度を想定しているのか。
(知事)
この査定でかなりぶれがあるので、ちょっと、まだ。ただ、さっきの二百数十億円が入ってはいってきますので、6,300億円とかそのくらい辺りにはなるのかなとは思いますけど。概算ですから、確証はないです。
(NHK)
予算の中の枠組みとしては、今までと変わらないのか。
(知事)
一番大きいのは、やっぱり公約に掲げた新規事業、項目数が大幅に拡大したということではなかろうかと思います。
(NHK)
大きな枠組みとしては、防災・減災と。
(知事)
防災・減災と、人口減少と地域経済活性化。
(NHK)
新規の事業は今までで一番多くなるのか。
(知事)
多くなると思います。さっき言ったようにすぐに実現できるものもあれば、芽出しというのもありますので、それはちょっと数が多いので、分析はお任せしたいと思います。
(愛媛新聞)
ベンチャー企業支援というのは、どのような感じの内容か。
(知事)
そうですね。まず、同じようにやるからには、データベースの構築が必要ですから、こういったことにも踏み込んでいきたいですし、それの活用を通じて大手企業とのマッチングをサポートしたいなと思っています。