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令和3年度当初予算および令和2年度2月補正予算知事査定冒頭取材(2月1日)の要旨について
日時:令和3年2月1日(月曜日)10時00分~10時12分
場所:本館4階会議室
(愛媛朝日テレビ(幹事社))
来年度当初予算で特に重点的に力を入れられる予定のことは何か。
(知事)
先週、各部局から予算要求の説明を詳しく聞き、その後、県議会の各会派から要望をお聞きしたところでございます。そういう中で、本日、査定の作業に入りたいと思います。
予算編成に当たって、今、最重要として考えているのが、何と言ってもやはりコロナ対策でございます。と同時に、県では、2年前の西日本豪雨災害への対応が、今、非常に重要な時期でございますので、こちらも重点的に作業として進めていきたいというふうに思っております。それから、また、それに関連しますけども、南予の市町から要望の挙がってきている「(えひめ南予)きずな博」の開催、これを通じて南予の復興のきっかけづくりができればというふうに思っています。
それから、コロナ禍において、人々のライフスタイルが変わってくる、また、技術的な進歩もありますので、あらゆる面でのデジタル化への布石を打ちたいというふうに思っていますし、また、その中で、県政の、特にDXについては、早めに対応するということで、そのアフターコロナも見据えた種まきをしていきたいというふうに思っています。さらに、当然のことながら公約の3本柱である「防災・減災対策」、そして「人口減少対策」、さらには「地域経済の活性化」にも目配りした予算編成を進めていきたいと思います。
また、新たな課題としてはですね、移住促進、ちょうど今、これもですね、若干でありますが、東京近辺(の転入超過)が減少傾向というふうなこともありますので、これを機会に人口移住に重点を置いた施策の推進、それから、今、厳しい経済環境ですから、県産品等々の販路拡大への取り組みの促進、それから官民共同の力で発足した子育て(応援)ファンド(による子育て支援)の一層の充実、そして夢のある来年の2022年プロ野球オールスターゲームへの準備の加速といったことも取り組んでいきたいと思います。また、国の3次補正に盛り込まれた予算もしっかりと対応していきたいと思います。
予算規模は、感染症対策がかなりございますので、今年度よりも大幅に上回る規模になる見込みでございます。おそらく、知事就任以降は、最大規模の予算編成作業になろうかと思いますが、一方で、財政の健全化ということにも十分考えながらですね、編成作業を行っていきたいというふうに思います。
主な項目ですけど、まず、新型コロナウイルスの関係では、医療従事者への応援手当金の支給、各医療圏域のPCR検査体制の充実、それから、重点医療機関等の病床確保と宿泊療養施設の運営、それから、LINEと協定を結びましたので、これを大いに生かしていきたいという観点から、新たにSNSを活用した自殺相談体制の強化、また、密緩和のための特別支援学校のスクールバスの増便、中小企業者等の資金繰り支援や雇用調整助成金の上乗せ補助の継続、また、飲食店での適切な換気に向けたCO2の濃度測定センサーを活用した実証実験、松山空港国内線や鉄道・バス・航路の路線維持に向けた支援、こういったところの取り組みを進めていきたいと思います。
西日本豪雨災害の関係では、仮設住宅等への巡回訪問などの見守り支援や心のケア、また、肱川の治水対策10年前倒し、さらには新たな計画に基づく堤防整備の加速、「えひめ南予きずな博」の開催、そして、かんきつ園地の再編復旧と農家への早期復興に向けた支援等を行っていきたいと思います。
次に、デジタル関係ですけれども、県政のデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXの推進体制の構築、防災分野における5G通信の活用の検討、愛南地域での5G通信を活用した遠隔医療の推進、学校でのテストの自動採点システムの開発など、ICT学習支援の強化、産業技術研究所を核に県内企業が取り組む5G通信関連の製品開発の支援、また、デジタルデータの効果的な活用による、これまで先駆的に進めてきたマーケティング施策の高度化等の取り組みを進めていきたいと思います。
次に、防災・減災、社会インフラの整備ですけれども、こちらもLINEとの関係を活用したいと思いますが、新たにSNSを活用した災害時の避難状況把握システムの構築を進めたいと思います。それから、これまで取り組んできた防災士の養成をさらに進めていきます。また、緊急避難道路の整備や、河川・海岸・港湾・ため池等の改修・補強、そして、令和3年度中に何とか完成を目指す岩城橋の整備、こういったところに重点を置きたいと思います。
次に、人口減少ですけども、官民共同による「子どもの愛顔(えがお)応援ファンド」を活用した、オリジナルの支援策の充実を図っていきたいと思います。また、南予への移住拡大や首都圏経済界と連携した企業のテレワークをターゲットとした移住者誘致の促進、また、移住希望者が候補市町で仕事を実体験できる機会を提供するよう、この分野での充実を図りたいと思います。
次に、地域経済の活性化でありますが、まず商工・観光ですけども、ポータルサイト「愛媛百貨選」による愛媛ブランドの認知拡大と、大手ECサイトと連携した県産品の販売促進、また、大都市圏の企業の一部拠点を県内にサテライトオフィスとして誘致することを進めたいと思います。また、E-BIKEの普及促進と全県エリアでの利用拡大、しまなみ海道随一の雄大な景観を誇るクラウンブリッジ、来島海峡大橋の魅力発信を通じた誘客の促進に重点的に取り組みたいと思います。また、春にジップラインが完成しますが、これを活用したこどもの城、とべ動物園、総合運動公園が連携した通称「とべもり」、この磨き込みを進めていきたいと思います。
農林水産業ですが、健康志向を切り口にリアルとデジタルによる首都圏へのかんきつのPR、オリジナルのお米「ひめの凜」や、はだか麦の生産支援と、消費拡大を継続しないと在庫が積み増しされますので、こうしたところでも力を入れていきたいと思います。さらに、アコヤガイ大量へい死の原因究明と強い貝づくりへの支援を継続して行います。
医療・福祉ですけども、県立新居浜病院、今年の夏、開院に向けて全力を尽くします。そして、介護施設でのオンライン面会や業務の効率化に向けたICT機器の導入の支援を行いたいと思います。
教育の分野では、市町と連携した校内サポートルームの開設など、不登校児童・生徒の多様な教育機会の確保をしたいと思います。また、県立学校施設の長寿命化整備を推進します。そして、今年度はできませんでしたけども、「愛媛国際映画祭」の開催準備を行いたいと思います。
最後にスポーツは、プロ野球オールスターゲーム開催に向けた機運醸成、これと連動した「愛・野球博」の実施などに重点を置いて取り組みたいと思います。以上です。
(愛媛朝日テレビ(幹事社))
先ほど、知事就任以降、最大規模になるという見込みとのことだが、だいたいいくらぐらいが見えてきそうか。
(知事)
まだまだ分かりませんけれども、コロナの関係が積み上げていくと数百億にはなろうかと思いますので、相当な規模になるんではなかろうかと思います。
(愛媛新聞)
3期目の任期を折り返しての上での当初予算になるかと思うが、そういった意味合いではどのような位置付けになると思うか。
(知事)
あまりそのあたりは意識してないんですけども、4年間のタームで公約というのはありますから、その進捗状況を見定めた的確な予算の編成作業と、それから、その時には公約には盛り込まれていないコロナの対策を重点的に推し進めていきたいというふうに思っております。
(愛媛新聞)
あと財政健全化の話もあったが、コロナの影響による税収の悪化があるかと思うのだが、そのあたりどのように対応していきたいと考えているのか。
(知事)
これは、かつて愛媛県も財政調整基金が100億を下回る時期もあったと聞いております。私が、就任した時が200億くらいだったと思うんですが、現在、3百数十億には達していますけども、まだまだ西日本豪雨災害で取り崩した分が取り戻せたわけではありませんので、そこにコロナの対応が迫られています。もちろん、国とのやり取りの中で考えていく話なんですが、それらもトータルで含めて、しっかりと健全な財政を維持、さらに充実を図ることにも目配りしながら、編成作業を行いたいと思っています。