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愛媛県議会議員選挙の結果に関する知事記者会見(4月8日)の要旨について
日時:平成31年4月8日(月曜日)13時30分~13時40分
場所:知事会議室
(南海放送(幹事社))
投票率が40.39%と過去最低を更新するような結果になったが、まず投票率についての所感はどうか。
(知事)
それぞれの選挙区で激戦になったところでも、なかなか投票率が上がらないという状況が続いています。
そのことは本当に残念ですし、われわれ政治に携わる者の立場からも、引き続き、やっぱり投票所に足を運んでいただけるような日頃の活動や選挙時における政策の打ち出しをしっかりと行って、ただ単に耳触りのいいことを並べ立てるような政策ではなくて、ステージはそれぞれですけれども、本当に有権者の皆さんに将来の愛媛の姿を感じ取っていただけるような具体的かつ現実的な政策をしっかりと掲げる必要性をあらためて痛感してます。
(南海放送(幹事社))
47人の当選者が決まったが、そのうち女性が5人と、過去最多だと思うが、この女性の躍進についてどのように受け止めているか。
(知事)
そうですね、むしろその、女性の比率うんぬんを機械的に見るのはどうかなと思うんですが、むしろ大事なことは、女性の方々が、より一層チャレンジャーとして多く出られるような環境を促進することだと思うんですね。
そういう意味では5名の方が当選したというのは、女性がチャレンジしようという環境を一歩進めることにはつながるんじゃないかなと、それは期待したいと思っています。
(南海放送(幹事社))
一方で現職の方が3人落選し、新人が10人と2桁になったが、この結果についてはどのように受け止めているか。
(知事)
現職の皆さんにおかれましては、多くの方々が、これまで愛媛県の将来、立場は違えども、議論をしながら歩んできた経緯があります。
もちろん、全部の案件に賛同いただいたわけではないんですけれども、皆さんそれぞれ現職の方、本当にしっかり生真面目に活動されていたと思いますし、そういう意味では、前回の知事選挙でもご支援、エールを送っていただきましたんで、3名の方については、個人的に、何か寂しい気持ちでございます。
(南海放送(幹事社))
新人の数としてはどうか。
(知事)
今回引退された方も多かったので、その後継者の方も含めての話だと思いますけれども、今、非常に難しい時代に入ってきていますので、地方議員とは何ぞやというところを共有していただけるような方がどんどん広がっていったら、それぞれの主張は別として、そこが共有できたら、本当にいい県政につながっていくんじゃないかなと期待してます。
(愛媛新聞)
地方議員とは何ぞやというところで、常々話されているとは思うが、あらためて知事はどのように考えているか。
(知事)
はい。まず、理論的に言ってもですね、国政の制度と、地方の制度、選挙制度というのは、まったく異質なものになっています。
かたや議院内閣制、かたや大統領制に近い制度ですから、ステージ的にもフィールドが違いますし、また選挙制度も異なるんですが、ともすれば、(地方議員は)国政政党の下部機関のような位置付けで、長い歴史があったのかも知れません。
地方政治家、われわれ地方政治に携わる者も、例えば、国、県、市、町という上下関係を意識する。でも人間のやることですから、あくまでもそれは役割分担であって、水平思考であるべきものではないかと思います。
ましてや、国の財政事情から、これからは役割分担を一層進めていかなければならない時代を迎えますので、もちろん議員さんですから、それぞれの政党に所属するのは自由なんですが、公人としての議員活動という点においては、それに縛られることなく、何を優先すべきかと言えば、地方で出るわけですから、その地域の課題をどう解決していくのか、乗り越えていくのかが、最大の使命であるんで、決して国政の下部機関というような活動であってはならないというふうに、僕は個人的に思ってました。
そういう意味で、政策中心、地域第一、国政ニュートラルというのが、これからの新しい時代の地方政治家の立つ位置ではないかというふうに思ってましたけれども、まあ、一足飛びにはいかないかも知れませんが、こうした地方に軸足をしっかりと下ろす地方政治家が増えていけば地域はより良くなるんじゃないかと信じてます。
(愛媛新聞)
あらためて、新たな47人とどのように県行政を担っていきたいか。
(知事)
そうですね、これまで通りなんですけれども、われわれは皆さんからお預かりしている税金を原資にして、地域課題を真剣に考え、理事者として県庁職員ともども、より良き、ベストと思われる政策を作り、実行するのが仕事になります。
議員の皆さんは議会という立場で、それが正しいか、正しくないのか、いいのか、悪いのか、いろんな角度があると思いますけれども、チェックをするという役割、そしてまた、それを議決して、責任を担って、一緒に共有していただくという役割、更には、変化の激しい時代ですから、われわれの視点とは違った政策立案、それは絵空事ではなくて、現実的な政策立案をしていただくというのが大きな使命ではないかなというふうに、かつて自分も地方議会、国会議員も含めて議員の立場でしたから、痛感をしています。
われわれの立場としては、県民党でありますから、あくまでも先ほど申し上げたこととかぶってきますけれども、地域のことを考えて、いい提案を限られた条件の中で行うということに没頭しています。その結果として、議員の皆さんの賛同が得られるように、会派を問わず、これからも全力を尽くしていきたいと思っています。
(南海放送)
今後の会派構成の変化について、先ほど知事が話されたような考えに同調するような、志士の会とか、維新の会とか、このあたり合流も含めて、今、動いているようだが、今後、そういう会派構成に期待するところはあるか。
(知事)
既存の政党の方でもグループでも、地域第一の私の姿勢というのはそれは間違いないですねということでご賛同いただいている方がほとんどですから、それは誰が近い遠いということは、もちろん反対の立場で出られる方は別としてですね、それは別にこちらは意識している話ではありません。
そして、もう一つは、議会の会派については、これはもう議員の皆さんが考え決めることですから、私がどうこうという意見もありませんし、それはもう本当に静観をするのみでございます。
(愛媛新聞)
県議選とは若干離れるが、統一地方選の前半戦で、以前、橋下徹氏が代表のときに応援、エールを送っていた大阪維新の会が都構想を掲げて今回そういった戦いに臨んだが、この結果についての所感はどうか。
(知事)
そうですね、まあ何て言うんですかね、僕は現場にいるわけではないので分かりませんし、あくまでも橋下さんとは個人的な付き合いはあっても、政党そのものとは、接点がゼロとは言いませんけれども、ニュートラルな立場ですから、その結果についてはコメントをすることはないんですが、あえて言うなら、やっぱり地域課題を前面に掲げた一方と、それから、政党を前面に掲げた一方と、そういうイメージがあったんですが、そういう意味では地域第一ということを優先したところに、有権者の期待が集まったというのは、地方の時代の胎動の一つなのかも知れないですね。はい。
(NHK)
重複するかもしれないが、地方の時代ということで、今回当選された47人の方にどのような役割を期待したいか。
(知事)
そうですね、こちらからうんぬんというような立場ではないので、まあ、皆さんがご賛同いただけるような提案をしっかりと行っていきたいというふうに思います。
と同時に、議員の皆さんからわれわれの足らざるようなところの具体的な政策提言をどんどんしていただけたらというふうに思います。
ただ一つ、国政の対立構図とか、イデオロギーを県政の舞台に、これはそぐうものではないので、それを前面に出した、例えば、対案なき反対とか、そういうのは建設的な議論につながらないので、やっぱり現実的な議論をお願いできたらというふうに思ってます。