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平成30年度1月知事定例記者会見(平成31年1月10日)の要旨について
日時:平成31年1月10日(木曜日)
11時09分~11時34分
場所:知事会議室
(南海放送(幹事社))
西日本豪雨から半年を迎えたが、災害復興も含め、今年1年、県政の重要課題にどのように取り組むのか。
(知事)
先ほどの発表でも申し上げたとおり、今年の最優先課題は「豪雨災害からの復興」であり、被災直後から「地域を守るということは、人、生活、産業を守ること」という視点に立ちまして、被災地に寄り添いながら、復旧・復興に取り組んでおりまして、地域産業再建の鍵を握るのはグループ補助金であるというようなことを位置付けまして、これをフル活用するため、被災3市に臨時的に設置しましたサテライトオフィス、これが非常に有効に機能しているのではないかと思います。他の県ではやっていないので、これは今後とも、こういうやり方というのは非常に有効だということを確信しました。これを核として、中小企業や商店街を引き続き全力で支援するとともに、かんきつ王国愛媛の威信にかけて、被災状況や農家の声を十分に踏まえながら、必ず復活させるんだという不退転の決意で産地復興に取り組んでいきたいと思います。
加えて、大規模災害に備えまして、ハード面では、肱川の治水対策を前倒し実施することといたしました。また、ソフト面では、豪雨災害の検証を踏まえた、今、中間整理の報告は受けていますけれども、年度末には最終報告をいただくことになっていますが、これを踏まえた避難対策等を充実するほか、特に、防災士数につきましては、公約でも掲げましたとおり、全国1位を目指して養成を加速させ、質と量、共に日本一と言えるようなスキルアップを図り、自主防災体制の機能強化に結び付けていきたいと思います。
また、さまざまなことにチャレンジし続けていきたいと考えておりまして、先ほど話のあったプロモーションビデオ、1,500万回を突破したということですので、さっき話があったとおり、目標2,000万回に向かって、1月16日までがんばっていきたいと思います。
さらに、今年は新しいイベントを次々と仕掛けておりまして、3月には、来年度に初開催となる「愛媛国際映画祭」のプレイベントを開催し、愛媛らしさを追及した映画祭本番につなげていきたいと思います。また、4月には約半年間にわたって開催する新居浜市、西条市、四国中央市の東予東部地域、この3市がスクラムを組んで初めて実施する観光振興イベント「えひめさんさん物語」が開幕します。
そして、県を挙げて働き掛けをしてきました結果実現した(クルーズ船)ダイヤモンド・プリンセスの入港が5月に待っているほか、また早ければ7月には、これまで自転車をはじめとする幅広い分野での交流を積み重ねて、アプローチをずっと続けてきた台湾定期便の就航、3月、4月、5月、飛んで7月、そして、飛んで9月には、現在準備を進めている「G20愛媛・松山労働雇用大臣会合」が、さらに翌10月には「日中韓3か国地方政府交流会議」が開催されることになっていますので、海外に広く愛媛県の情報を発信できる機会となりますことから、2020年東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿誘致などにもつなげて、本年を「愛媛のインバウンド飛躍元年」と位置付け、受け入れ態勢の充実を進めてまいりたいと思います。
今年は公約実現に向けたスタートを切る重要な年であると認識しております。3本柱の一つである人口減少対策や県関与年間成約額150億円を目指した営業活動を含め、それぞれの政策が必ずや愛媛の発展につながるものと信じて、自ら先頭に立ち、スピード感を持って実現に向け突き進んでいきたいと思います。
これまで培ってきました経験、そして、その中でつくられてきた人脈、こういったものをフルに活用し、何よりも常に現場目線に立ちながら、市町や企業・団体等との連携による「オール愛媛」の体制で、さまざまな県政課題に果敢に立ち向かっていきたいと思います。
まず、その行動として、来週から台湾およびインドネシアで、必ずや実のある訪問(の成果)を上げてきたいと思います。
以上です。
(愛媛新聞)
台湾とインドネシア、実のある訪問をということだが、具体的にどういったことを期待しているのか。
(知事)
先ほど、スケジュールの再確認をしたのですが、ぞっとするスケジュールになっています。
まず16日から19日までの間、県の商工会議所連合会からも要請をいただき連携して実施する「台湾経済交流ミッション」に参加します。
また、インドネシアに進出している県内企業等から、政府機関との更なる関係構築の要請もいただいておりますので、民間レベルで本県との幅広い交流が進められてきた南スラウェシ州の初訪問、ジャカルタから飛行機でまた1時間以上かかるのですが、こちらまで行きまして台湾訪問前の13日から15日にかけてインドネシアを訪問させていただきます。
このうち、今年夏ごろにも定期航空路線が開設される台湾では、愛媛県PRプロモーションを開催しまして、私も自ら、本県のスゴ技やすご味、すごモノをはじめ、県産材や観光コンテンツなどの本県の魅力を余すことなく紹介することとしているほか、日本の首相に相当する行政院長、頼清徳氏、頼さんは、かつて台南市の市長を務められていました。その時に、県の経済交流ミッションを行いまして、私もその時にお会いして、大変将来性のあるすばらしい方だなという印象を持っています。将来、どうなるか分かりませんけれども、大いに期待できる人物ではないかと思いますので、訪問させていただこうかと思っています。
それから、今回の就航に当たって尽力いただいたエバー航空、こちらはぜひ愛媛県全体で迎えたいという気持ちを先方に伝えたいと思いまして、県内の市長さん、町長さんにも声を掛けさせていただきました。空港のある松山市、市長会からも今治市、町村会からも砥部町に加わっていただきまして、エバー航空を訪問することにしております。また、ものづくり企業の訪問型ビジネス商談会、現地レストランでの甘平プロモーションなども予定しているところでございます。
インドネシアは、4年ぶりの訪問になるのですが、今のところ、ユスフ・カッラ副大統領への表敬訪問、JICA事業を活用し現地で環境関連ビジネスに取り組む県内企業等が同行しての環境・林業大臣との面談、ものづくり企業の訪問型ビジネス商談会などを予定しているほか、先ほど申し上げましたとおり、南スラウェシ州を訪問し、先日、愛媛県に来県いただいたヌルディン新州知事との間で人材受け入れを含む幅広い分野での友好関係強化を内容とする趣意確認書の調印を行うこととしております。
将来的には、姉妹関係までもっていきたいのですが、インドネシアにはルールがあって、趣意書、覚書・MOU、それから姉妹都市という決まりがあるそうなので、その手続きを踏んでいかないといけないので、今回はその第1弾の趣意確認書の調印をあちらで行いたいと思っております。
今後は、Local to Local、今、技術研修員の受け入れ等が法的にもだいぶ変わってまいりますので、新しいスタイル、いわば、地域と地域が結び付いた上で、その信用の下に、人的交流を進めるという新しいスタイルを模索していきたいというふうに思います。先駆的な取り組みとして、県及び民間レベルにおける両地域の関係強化を図って、さまざまな分野での人材交流等の実績に結び付けていきたいと考えております。
なお、インドネシアは、ご案内のとおり、昨年9月のスラウェシ島地震や活火山の活動に伴う海底地滑りによる12月の津波災害など、多くの死傷者が発生する災害に見舞われておりますので、政府を表敬訪問する際に、県から見舞金50万円。そして同行する県内企業さんにもご協力いただきまして別途50万円を贈呈することといたしたいと思っております。
今回の訪問を契機に、両国の政財界要人との新たな接点の構築や、これまで築いてきた関係の強化を図ることで、今後、県内企業がこれまで以上にビジネス展開しやすい環境をつくり出していきたいと思っております。
なお、大変過密なスケジュールになっておりまして、最初、橋渡し役を務めてくれていたインドネシア日本友好協会理事長のゴーベル氏、商業大臣を元やられた方ですね、や、バドミントンの交流でお世話になった元世界チャンピオンのルディ・ハルトノ氏ともお会いする予定にしております。
以上です。
(愛媛新聞)
関連して、人的交流について、Local to Localの新しいスタイルを模索していきたいとのことだが、今、想定している南スラウェシ州以外の地域で、今後、想定しているところはあるのか。
(知事)
いや、今のところまず、南スラウェシ州自体がですね、人口が約1千万人なんですね。非常に大きな都市です。ヌルディン知事も、技術面でぜひ指導をいただきたいと言われていますし、こちらはどちらかといえば、人の確保、良い意味での確保をしていきたい。双方に、当面の目標がありますので、そこを今までは、よく問題になるのは、怪しげなブローカーなどが中に入ってですね、いろんな問題を起こしていますから、そういうものではなく、ローカルとローカルが後ろ盾になって、しっかりとした送り出し、受け入れが整った人的交流というものができないだろうかと模索していきたいと思っております。
(南海放送)
復興に関して、知事選挙期間中、復興の状況が落ち着いたら、復興イベントなども模索したいと発言していたが、そのあたりは。
(知事)
そうですね、まだまだ年月を区切る段階ではないと思うんですね。ただ、スピード感でいえば、今年はとてもできないですし、来年もとてもできないと思いますので、早くても再来年、早くてですよ。その状況がちょっとまだ無理だなとなれば、その次の年ということになるかなと思いますね。
(南海放送)
任期中の4年で。
(知事)
そうですね、その4年の間には、ぜひ、めどを付けたいなと思います。
先ほどのグループ補助金の展開も予想以上にどんどん進んできていますし、それから農業で言えば原形復旧と改良復旧は32年度末までに完了させるというスケジュール感で今動いていますし、再編復旧はちょっと時間がかかりますけれども、そのあたりをみると、やはり再来年以降ということになるのではないかと思っています。
(NHK)
グループ補助金が非常に重要ということだが、県が設置しているサテライトオフィスについて、4月以降、引き続き設置するのか、あるいは撤収するのか、そのあたりどのように考えているのか。
(知事)
グループ補助金は、まだまだ造成計画中のところも出てきているので、ちょっとそのあたりのめどがつかない限りは、設置していきたいなと考えています。そのあたりが、今はまだ不透明な状況ですから。
ちなみに、グループ補助金の動向ですけれども、11月末までに認定申請があった40グループ511事業者、これはもう認定済みです。この認定済み事業者の補助金の要望は、427事業者で70億円を超えています。このうち、今の段階で審査を終えて、27事業者に約3億7,390万円が交付決定ということで、作業はこれからもどんどん続いていきます。
また、それとは別に、新たに8グループ45事業者、補助金要望31者になりますけれども、そちらから新たに約6億6千万円の認定申請がございます。既認定の7グループからは、15者を追加して、補助金要望額約5千万円を増額する変更承認申請も提出されております。これは、1月中の認定に向けて審査を進めているところであり、こうなると補助金要望額は、約78億円ということになりますので、順調に進捗しているのかな思っています。
この他に、さらに組成の動きが26グループございます。復興事業計画作成や申請手続き等を、今このサテライトオフィスで支援しているところなので、ちょっとまだこういう段階ですから、今すぐ撤収という状況ではないと思っています。
(読売新聞)
インドネシアとの人的交流について、これは技能実習生を見据えてということか。
(知事)
そうですね。はい。本当にブローカー絡みの不当な扱いであるとか、あるいは、行方不明者であるとか、いろいろな問題が表面化していますから、やはりそこはきちんとした形でやるということが、来られる側にも安心感が生まれるでしょうし、こちら側もしっかりしなきゃと、良い意味でのおもてなしの気持ちを持った受け入れができるようになると思うので、そういう意味では、両方にとってメリットがある形になるのではないかと個人的には考えています。ただ、これは初めてのことなので、どういうふうになるかは、今の段階では分かりませんし、ぜひ、いい成功例に結び付けていきたいと思っています。
(読売新聞)
もう1点、特に、インドネシアを見据えているのは、インドネシアに進出している県内の企業が多いからということか。
(知事)
というか、ヌルディンさんとの個人的な関係、人的な関係が一つ大きかったと思います。
前々から、販売店の愛媛トヨタさんから要請があって、県内の自治体で不要になった、役割を終えた救急自動車をぜひほしいということが随分前から言われていまして、それを役割を終えましたから無料で提供し、それを愛媛トヨタさんが整備をして、ヌルディンさんは前の南スラウェシ州の中にあるバンタエン県の県知事だったんですね、それをヌルディンさんに渡していたんです。今までに百数十台、愛媛県内の各自治体で不要になった救急自動車や消防車を譲渡しているんですね。それをヌルディンさんは、バンタエン県だけではなくて他の県にも、愛媛県からの寄贈ということで渡してくれていたんですね。バンタエン県は約18万人くらいなんですが、今回、約1千万人の州知事になられたんです。それで、先日、就任のあいさつで来県されて、その時に話をしていて、せっかくこれだけの縁があるのだから、お互いに何かやろうかというような話から、姉妹都市を目指していこうかということになったので、ぱっと出の関係ではないので、より一層深みのある関係がつくれるのではないかなと思っております。
(テレビ愛媛)
水問題に関して、松山市の野志市長の方が、今月25日に、あらためて市議会の議長と共に、新年のあいさつがてら西条市に行くということだが、この受け止めは。
(知事)
そうですね。アクションを起こされたというのは、議会と共にというのは、久しぶりのことなので、元々、議会が議決して、この方法でということになっていましたので、かつては議長さんも一緒に行っていたんですけれども、それが途絶えて久しくなって、ようやくということで、非常に好ましいことではないかなと思います。
ただ、もう年末年始のあいさつという段階ではないと思いますので、松山市の立場は明確ですから、お願いに行く立場なので、もうそれを前面に出された方が良いと思いますね。わざわざ年始のあいさつということではないと思いますので。
(南海放送)
関連して、昨日の松山市長の会見でも、年始のあいさつという表現で、水のお願いのためだけに行くというニュアンスではなかったが、そのあたり、知事と考え方の差があるということか。
(知事)
そうですね。やはり、どれだけの真剣さを持っての話なのかというのを伝えるという場だと思いますね。
(南海放送)
議長は、自民党の会派は議長なので出ているが、自民党の議長が一緒に行くのは、野志市長が就任してから初めてということになるが、そのあたりについての受け止めは。
(知事)
先ほど申しましたように、議会が決めたことなので、やはり責任を持ってやっていただきたいというふうに思っています。
(愛媛新聞)
関連して、以前の会見で、県の担当者が西条市の方に説明に行くというような話もあったが、その後どうなっているのか。
(知事)
どうなっているんだっけ。
(神野副知事)
西条市の協議会が27日にありますね。その時に西条市さんが説明するのにですね、もうちょっと、もう一回丁寧に聞かせてくださいということで、当方としては、直接協議会に行ってもいいよということでお話ししたんですけれども、(協議会には)1回、市の方から説明させてもらいたいので、もっと詳しく丁寧に教えてほしいということなので、説明をするようにしております。
(知事)
あの、この件に関しては、結論はね、それぞれが考えて出されるということなので、私は、どういう結論になるかは分かりません。ただ、愛媛県としては、西条市の水を守るということを最優先に、西条市にとってもメリットがある、松山市にとってもメリットがある、というふうなことを練りに練って提案した案ということなので、本当にどういうことなのかというのを、やはりしっかりと市民の皆さんに伝えていただいて、その中で結論を出していただきたい。もうそれに尽きます。
そうじゃないと、「え、そういう話だったのか」と、決めたことが後悔につながるようでは、元も子もないので、本当に正しい情報を(西条市民の皆さんに)提供していただけたらなというふうに思っていますので、そのために、われわれは、どんな場所でも説明に行かせていただきますという姿勢は、常に持ち続けたいというふうに思っています。
(南海放送)
11月の定例記者会見の際に、意訳すると、松山分水が実現しなかった場合は、地下水保全のために加茂川に水を流すには、西条市に黒瀬ダムの水を買い取っていただくようになるという話だったが、それはそういうことで。
(知事)
県はですね、広域行政をつかさどる立場なので、今回の水の問題というは、西条と松山の両方の問題を考える、まさに広域行政なので、県がいろんな面で協力ができるテーマになってまいりますけれど、単発になると、これはまた主が変わってきますので、それはそれぞれが考えていただくということになると思います。今回、広域行政なので県が主導してこういう案どうでしょうかという(案を提案し)、そして出した以上は、それに見合った協力もしっかりやらなければいけないなというふうに思っています。
(南海放送)
今回の提案の機会を逃すと、行く行くは西条市が自分たちで、費用を工面してということになると。
(知事)
そうならざるを得ないですね。だからそういったものも含めて、別に悪い案ではないと思うので。
例えば、一番のポイントは、新居浜市に元々5万トン、西条市から新居浜市、市外に行く予定だった工業用水が、新居浜市はそこまで要らないということで返上をされました。元々、西条市から出ることが決まっていた5万トンが、そのまま新居浜市ではなくて、今度は上水になりますけれども、松山市でということなので、普通に考えると元々西条市から外へ出ることが決まっていた分の範囲の中の量なので、よく考えたら、その辺は納得いただける話ではないのかなというふうには思うんですけれどね。
だから新居浜市は良くて松山市は嫌だっていう感情論になってしまうのは、とっても残念な話だと思いますね。
(テレビ愛媛)
7月に予定されている国政選挙、参議院選挙について、候補者の名前もちらほら挙がっているものの、まだ構図がはっきりしない中ではあるが、知事はどのようなスタンスで。
(知事)
私は、二つあるんですけれども、一つは、お世話になった方には、しっかりと恩返ししたいなということを、今までずっと言い続けてきたので、ここは政党等とは関係なくですね、それは人の道として貫いてきたつもりです。それとやはり、愛媛から出るわけですから、地域のためにどれだけやっていただけるかが大きなポイントではないかなというふうに思います。
そういう面で考えますと、昨年の知事選挙では、いろんな方々にお世話になりましたので、そのお世話になった方々がぶつかり合うというケースも想定されるので、基本的には、今回は、個人的にお世話になったことと、それから愛媛への貢献というものを踏まえて、その場で、候補者が決まった段階で、考えていきたいなと思っています。
だから、今の段階では白紙です。