本文
平成30年度11月知事定例記者会見(平成30年11月26日)の要旨について
日時:平成30年11月26日(月曜日)
11時24分~11時59分
場所:知事会議室
(テレビ愛媛(幹事社))
先日、高松高裁の方で、伊方原発の運転差止仮処分の却下が決定されたが、その際の裁判所の事実認定の中で、現在の避難対策は不十分と指摘されたことに対する知事の所感と今後のさらなる対策はどうか。
(知事)
はい。あの、まずですね、司法の判断について、これはもう別のフィールドですから、それに対してとかくコメントは、どうだというのはないのですけれども、ただ、よく文章を見てみますと、もうちょっと(県に)問い合わせでもしていただけたら良かったのではないかなという点があるのかなということも感じています。
例えば、バスの関係で、「民間バス会社に避難活動の協力を要請することができないことがあると明記されている」というふうに書かれていたんですが、明記されてないんですよ。こういう表現はありません。そこは、ちょっと誤解ではないかなというふうに思います。どういうことになっているかというと、(放射線量が)1ミリシーベルト以下の場合は、民間バス会社に依頼をして輸送していただくという、これはもう協会との取り決めで決まっているところであります。また、1ミリシーベルトを超えた場合などは、これはもう自衛隊であるとか、こういったところの機関にお願いするというふうに区分けをしていますので、多分、1ミリシーベルトを超えた場合のところだけをご覧になられて、要請ができないとうように受け止められてしまったのかなというふうには思えるんですけれども、現実は、そういうふうになっていますので、これは正しく申し上げておきたいというふうに思います。
それから、屋内退避のところの文言なんですが、「屋内退避を実施する際の放射線防護施設が住民の人数に比較し不足している」という表現があるんですが、これもちょっと問い合わせていただけたらご説明できたんですけれども、放射線防護施設自体の目的というのは、移動することによって体調が不良になる方、あるいは逃げ遅れてしまった方を対象にした施設になっています。それ以外の方は、公民館であるとか集会所での屋内退避ということで、緊急性、特殊事情というものに限定した施設というふうな位置付けとなっていますので、人数的には、全員の行先、退避場所というのは決まっていますので、このあたりも問い合わせていただいたら、そういう説明ができたのではないかなと思っています。
ただ、避難計画等には終わりはないと。むしろ一番大事なことは、繰り返し申し上げてまいりましたけれども、事故を起こさせない対応が一番大事な点で、それでも人間のすることですから、もしもの場合に備えて、ゴールなき道のりである防災対策というのは充実を常に目指して頑張っていきたいというふうに思っています。そのために、毎年行われる避難訓練では、検証をし、足らざるところを発見し、そして次の訓練でそれを実施するということを、今後とも繰り返していきたいというふうに思っています。
(読売新聞)
確認になるが、今回の決定文に関して、特に法的拘束力はないと思うが、県として何か対策を考えたりということは。
(知事)
いや、あの司法の判断に対するコメントというのは、特にないんですけれども、さっき申し上げたように、常に課題検証をしながらやっていますので、この姿勢を今後とも貫き通していくということに尽きると思っています。
(読売新聞)
この言葉を受けて、何かやるというわけではなくて。
(知事)
そうですね。だから、突出して指摘されたのは、先ほどの民間バスの問題と屋内退避なんですけれども、今申し上げたことが実態なんですよ。ですから、文言からは、そこの実態を現場で検証されたのかどうか分かりませんし、愛媛県には一切問い合わせがない状況で書かれているので、ちょっとそこは事実を申し上げておく必要があるかなと思いましたので、あえて申し上げさせていただきました。
(愛媛新聞)
松山の分水問題について、今回、3期目の公約でも、分水問題についての調整を掲げていたが、3期目、どのような決意でこの問題に取り組みたいと思っているのか。
(知事)
はい。この水の問題というのは、すごく古くて新しい課題だと思うので、記者の皆さんの中にも、過去のいきさつは、あまりご存じない方もいらっしゃると思うので、ちょっと整理をさせていただきたいと思うんですけれども。
まずは、松山市の立場で言えばですね、元々、どんなに人口が多くなろうともマックスは38万人か39万人だろうというのが、昭和22年、23年頃の当時の方々の見立てだったんですね。そのピーク時の人口を考えた時に必要とされる水は、石手川ダムを造れば何とかなるだろうということで計画されたのが、石手川ダムだったんです。ところが、現実問題、合併前でも47万人になりましたので、この予測違いというものが、恒常的な水不足につながるという構図の原因になっています。
もう一つ重要なのは、50万都市でありながら、水源が二つしかないという、これは全国でも、松山市だけが抱える弱点を持っています。石手川ダムが50パーセント、地下水が50パーセント。すなわち、どちらかに何かがあったら、都市機能は完全にまひすると。これは松山市の最大の弱点になっています。同じ様な弱点を抱えているのが、代表的なのが福岡市だと思います。福岡市は四つの水源を持っているのかな。要は、ここが駄目な場合は、ここでカバーするというリスクヘッジができる体制ができているんですが、松山市はそれが2箇所しかないので、なんとか水源を確保するというのは、本当に都市としての至上命題になっていると思います。
平成6年、この時に実は大渇水がありまして、この時は3カ月間、給水が4時間しか出せないという状況が現実化しました。この時に何が起こったかというと、飲み水は、我慢すれば何とか耐え得るんですけれども、観光客は激減し、病院の機能がまひしました。人工透析ができないんですね。プールも全面閉鎖。子どもたちの夏休みの憩いの時間が失われる。理容室や喫茶店も、もうどうにもならない状態になるというようなことを経験しています。
今もその構図、それ以降ですね、深井戸を掘ったり、雨水の施設を増やしたりと、できる限りのことは自助努力でやった経緯があるんですが、水源が増えてるわけではないと。根本的な解決には至っていないというのが松山市の現実です。
その当時ですね、19のいろんな方策を俎上(そじょう)に乗せて、それぞれ実現性やコストを比較検証した経緯がありました。
例えば、その中には、石手川ダムをかさ上げしたらどうなるのかとか。海水の淡水化を行ったらどうなのかとか、いろんな方策を比較検討して、当初検討していた山鳥坂ダムからの分水をやった場合は、市民の水道料金が1.7倍から1.8倍になるという、こういう案だったんですね。それが高過ぎるということで、別の方法はということになって、海水の淡水化が、ちょっと正確には覚えていないんですが、1.4倍か、1.5倍ぐらいになると。黒瀬ダムの場合は、1.17倍ぐらいで収まると。ということで、さあどうしようとなった時に、松山市議会が一番安い、コストの安い方法がいいということで決議をしたと、これが黒瀬ダムからの分水に至る経緯になります。
実は、海水の淡水化をしても、黒瀬ダムからのパイプラインを作っても、初期投資額は、そんなに変わりません。400億円ぐらいだったかな。4百何十億円だったと思いますけれども、なぜそこまで、水道料金に差が出るかと言いますと、海水淡水化の場合は、24時間常に電力を使うんですね。電気代がべらぼうに高いということ。それから、しょっちゅう、フィルターの交換をしなければならないので、メンテナンスフィーが非常に跳ね上がるということ。機械であるがゆえに定期的に全面オーバーホールというか、やり直しをしなければならないという、そのコストがどんと跳ね上がってしまうんですね。だから、初期コストだけに目を置くと、(分水も淡水化も)変わらないのではないかと思われるんですけれども、メンテナンスフィーが全然違うので、それだけの差になってくるというのが実態だったので、松山市は、黒瀬分水というものがどうだということを、市議会の決議に基づいてやることになったというのが、このいきさつになります。
一方、西条市につきましては、元々、工業用水として、県が西条市の依頼を受けて、実施されたのが、この黒瀬ダムの事業の背景にありました。ところがですね、時代が変わって、そこまで水を使う工場というのが今はあまり無くなったんですね。ですから、契約しているのは(当初)用意した分の30パーセントしか売れていないんですね。ですから(残り)70パーセントは、そのまま放置されている状況になっています。
もう一つ言うとですね、そのうちの5万トンは、新居浜市の工業用水に使う契約になっていました。要は、西条市から外に出て行くという、市外にいくという契約だったんですが、新居浜市も、もうそこまでは要りませんということで、新居浜市はこの5万トンもいらないという、そもそも西条から外に出て行く5万トンが浮くという形になったんですね。その結果、元々、西条市から外に出て行くものが、工業用水から飲料水に変わりますけれども、新居浜市から松山市にということだったら無理のない話ではないかということで、当時の県の調整で、この分水問題というのが浮上してきた背景があります。
もう一つは、大事なことは、西条市にとって、特に市民の皆さんにとって、水は、もう本当に誇りでありますから、西条の水を守るということを何よりも最優先にすると、これが大事だというふうに考えておりました。実は、今、加茂川の流量が足らないということもあって、地下水への涵養(かんよう)、それから場合によっては、川下はですね、塩水が遡上(そじょう)してくるという話があるんですね。ですから、流量を増やして、加茂川の水を守るというのも、西条市にとっても大きな課題になってきています。こういったことをトータルで考えて、前回、西条市の水を最優先に考えた案を、県が提示したという背景につながっています。
県の立場は、本来、加茂川の水を守る、あるいは、松山の水の供給源を確保することは、基礎自治体である市が主体となって行うべき事業なんですけれども、県というのは市町村間の連絡調整事務、広域行政をつかさどるところですから、これをブリッジを架けるということになれば、県の出番かなというのが、こうした分水を呼びかける背景にありました。
相互にメリットがあると申し上げましたが、松山市は、これが一番コストが安いということのメリット。それから西条市にとってはですね、本来だったら、例えば、工業用水を加茂川の流量を増やすために流すという選択肢であるならば、県から工業用水を買っていただくということになるんですけれども、広域行政でやる場合は、超法規的な措置、政治的な判断で、広域でやる場合だったらなんとか考えられるのではないかという提案になっています。
例えば、もう一つ、あの時に提案したのは、水利権は、県が持っているんですけれども、場合によっては、水利権の移転というのも選択肢に入るのではないかと。かつ、松山市と西条市が同時に渇水した場合は、明確に西条市を最優先するというルールも呼びかけさせていただいていますので。先ほど申し上げたように、工業用水そのものが、残りの量が売れる見込みは、今後、もう恐らく無いでしょう。かつ、新居浜市に行く予定、西条市から出る予定の枠の範囲内での話であるという、そして、加茂川の水を守る流量の確保とか、そういったものを含めると、西条市にとっても非常に良い案だなというふうに県の立場では思っています。
ただ、これは、どうするかは、それぞれが考えていく立場なので、松山市の側からすれば、他の高いコストを選ぶというのも選択肢だと思います。ただ、今、もし、この西条分水を優先するというのであれば、さらに、西条市にとって、誠意あるアプローチをしていただきたいというふうに思っています。議会も含めてですね。そうじゃないと、なかなか西条市さんに、その思いが伝わらないのではないかなというふうに思います。
西条市の側に立つならば、どちらを選択するかは、(西条市が)決められることだと思うので、市民の皆さんに、メリット、デメリットを説明した上で、感情論ではなくて、冷静な議論の上で決めていただけたらなという願いがあります。要は、水を一滴も出さないという感情論で、流量の確保に将来にわたってのコストを負担する道も選択肢。そうではなくて、そもそも新居浜市に行くということ、出ていくことが決まっていた水量の範囲内で松山市に出すことで、加茂川を守るというところに県の支援が入ってくるということを選ぶのも一つの道。それは、どちらを選ぶかは、分かりませんけれども、そういった冷静な議論をして、最終的な結論を出していただければいいのではないかというふうに思っています。
(愛媛新聞)
関連で、今、松山市には、さらなる誠意あるアプローチをということだが、具体的に何かアドバイスというのはあるか。
(知事)
どんどんね、コンタクトを取られたらいいんじゃないですかね。
(愛媛新聞)
あと今、西条市の回答待ちという状態になっていると思うが、期限としていつまでに回答をというのは。
(知事)
そうですね、まあ(期限を)切る話ではないので、議論されていると思いますので。ただ、その議論の中で、メリット、デメリット、どういうことがあるんだろうかということを市民に説明する時間も必要ですから。そうは言っても、かなり時間もたっていますので、1年、2年というぐらいには結論を出されるのではないかなと思いますけれども。
ただ、本当に、前にも申し上げましたとおり、西条市にとっても、絶対メリットのある提案という自負はあります。そういう観点からすると、冷静にありのままの事実を市民の皆さんと議論されたらいいのではないかなと。そこは、やはり将来、禍根を残さないように、ぜひやっていただきたいというふうに思います。その上で、どういう結論を下すかというのは、これはもう自由ですから、それはお待ちするしかないと思っています。
(南海放送)
今回の松山市長選挙では、野志市長と対立候補の間で、分水問題が唯一と言えるぐらいの大きな争点だったが、先ほどの誠意あるアプローチという部分で、現職からも具体的にこうしたいといったビジョンは示されず、分水をどうしたいのかというのが市民から見えにくかったと思うが、知事は、具体的にどういった動きが必要だと思うか。
(知事)
そうですね、任期のどの時点でかは分かりませんけれども、まず、すぐに西条市に行かれたらいいのではないかなと思いますね。で、回答の中身を、逆に説明されたらいいのではないかと、県の提案に対するね。直接説明されたらいいのではないかなというふうに思いますね。
(南海放送)
メディアを使って間接的に発信するにとどまっているような気もするが。
(知事)
そこは、分かりません。ともかく誠意というのが大事だと思います。はい。
(愛媛新聞)
説明にというのは、松山市長がということか。
(知事)
市長もですし、議会の方も、決議されていますので、動かれた方がいいのではないかなと思いますね。
(朝日新聞)
仮に西条市が断った場合に、加茂川の水量確保など、西条市にメリットがあることだけを県が行うということは。
(知事)
それはできないです。広域行政の中での超法規的措置になりますので。だから、工業用水ですから、事業体になっていますので、その時は、ご購入いただくということになります。はい。
(朝日新聞)
あくまでも、加茂川に流す水の量を増やすのは、工水から、水利権を県が持っているものを流すんだから、西条市に、当然応分の負担をと。
(知事)
それは、もちろん、そうですね。単発の事業対応になる場合は、そういうふうになっていきます。そうじゃないと県議会の承認も得られないと思います。ただ、そういったことも含めて、双方にメリットがある案を練って提示させていただいたということの発言につながっています。
(愛媛新聞)
外国人労働者の問題について、公約の新規の部分で、林業・介護の分野で外国人研修生の受け入れ拡大を模索していくとあったが、そのあたりどういった思いで取り組んでいくのか。
(知事)
そうですね。人口が減少しているという状況の中で、本当に人手不足は深刻な問題になってきていると思うんですね。ただ、人手不足を補うということだけで外国人の方を誘うというのは、これまた劣悪な職場環境の弊害であるとか、こういったものにつながりかねないので、本当に、しっかりとした体制を、しっかりとした送り出し機関との連携の上で、しっかりとした受け入れ機関をマッチングさせて、来ていただくというのが大事だと思っています。
技能実習生等が中心になると思うので、技術をしっかりと学んでいただくという意義のある雇用につながっていかなければ意味がないと思っていますので、その上で人手不足の解消が付随してくるという形が理想的だと思うので、そこを目指して、特に、今、顕著になってきているのが、介護人材の不足、日本側でいうとですね。それから愛媛県の基幹産業である林業の担い手の不足、ここらあたりでマッチングできないかということを模索していきたいと思っています。
(愛媛新聞)
しっかりした受け入れ体制と送り出し機関の連携が大事ということだが、受け入れる側、県としては、どういった対策をしていくのか。
(知事)
そうですね。既に、例えば、中小企業団体中央会と連携していますので、国ごとに、一緒に行くようにしているんですね。それは意味があるなと思っているのは、県が行くことによって、向こうの政府が出てくるんですね。その下に、政府の信頼のある送り出し機関がついてきます。こちらは、受け入れ機関が一緒になっています。そこで、ブリッジが架かった場合は、何というか、もぐりとは言いませんけれども、やはり劣悪な職場環境で問題になるケースというのは、ほとんどが表に出てこない民間斡旋業者の手配が大半を占めているので、やはり、きちんとしたルートでやってあげるということが大事かなというふうに思っています。
中小企業団体中央会だったら、別に一特定の人がやっているわけではなくて、企業団体、グループがみんなの総意で構成されていますから、より公平ではないかなというふうに思っていますけれどね。
(愛媛新聞)
一方で、国会では、外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法などの改正案を巡り、与野党で攻防が続いているが、国の方では、その外国人実習生を対象にした調査結果の誤りが判明するなどしている。このあたりの議論をどのように見ているのか。
(知事)
そうですね。私は、法律そのものの方向性については賛同しているんですけれども、いろいろ聞いていると、法案の詳細については、まだまだ議論の余地があるなと。例えば、期間の問題であるとか、保険適用の問題であるとか、そういったところは、もうちょっと時間をかけて議論した方が良いのではないかという気はしますけれどね。
(愛媛新聞)
法律そのものの方向性への賛同というのは、どのあたりで。どういった理由で。
(知事)
やはり、受け入れる対象を拡大するというところは良いのではないですかね。それと、前も申し上げたように、そもそも、これまでのやり方というのが、期間限定で来てすぐ追い帰すということを前提にした受け入れなんですね。やはり、そこは長く居れるようにするというのが良いことだと思いますし、良い例が、介護士等はね、まさに、落とすための試験かなあと思うんだけれども、日本語での試験しか容認していなかったわけですよね。現場では、そこまでの日本語は必要無いんですよ。知識は必要だけれども、そこまでの語学力は求められていないんだけれども、あえて、試験は日本語限定にするので、それでみんな落ちていくと。それで帰ると。この繰り返しだったんですね。
そう意味では、今回の法律では、相当変わってくる。長く受け入れるということも含めて考えようという提案になっていますので、それは良いことだと思いますけれどね。
(NHK)
知事の3期目の間には、東京オリンピックも開催されるが、愛媛県がスポーツ立県を掲げる中で、今後どのような取り組みを、3期目の中で進めていきたいか。あと、サイクリング、しまなみを中心とした自転車文化もあるが、そういった自転車に関する取り組みについても、合わせてどのように進めていきたいか。
(知事)
スポーツというのは、国体の影響がすごく大きかったと思うんですけれども、広く県民にスポーツの魅力というのが浸透をした。ある意味では、県政史でもメルクマールになる大会になったのではないかというふうには感じています。
ちょうど、時あたかもその3年後に東京オリンピックがあるという幸運な時期でもありましたので、そのぬくもりのある内に、オリンピックに結び付けるような手立てができたらなということは考えていました。
それに最も現実的な選択肢が、事前合宿の誘致だと思います。施設はそろっていますし、また、合宿を受け入れることによって、より身近な大会に、県民の皆さんも感じ取れるようになるので、一つ、バドミントンの(マレーシア代表の)誘致が決定しましたけれども、これは今、各市町が独自でやっているものもあれば、県が主導してやっているものもあれば、複線で動いていますので、一つでも多くの種目が愛媛県で合宿できるように、これからも、ぎりぎりまで粘っていきたいというふうに思っています。
同時に施設がそろったということは、今後、全国大会、あるいは国際大会の開催が、今まで以上にできる条件を持ったということだと思いますので、例えば、テニスなんかは、この前、全日本の学生大会が来てくれましたけれども、こうしたレベルの高い競技を間近で見られるような機会の増大を、各種目団体と相談しながら追い求めても行きたいというふうに思っています。また、高齢化社会を迎えますので、特に障がい者スポーツの中には、健常なお年寄りも気楽に参加できるような競技もたくさんありますので、こういった生涯スポーツという観点で、普及拡大にも取り組んでいきたいというふうに思っています。
自転車につきましては、本当に8年間の取り組みの中で、(しまなみ海道は、)日本でも最上位のサイクリングコースというふうな位置付けにほぼなったなという実感はあるんですけれども、いよいよ世界に向けてということで、世界大会もこれまでにない外国人の参加者、それから各国のサイクリング関係者の招致というものが、これから生かされていくと思いますので、どんどん輪を広げていきたいなというふうに思っています。
ただ、一方で、自転車の普及を図るということは、安全対策を同時並行してしっかりやっていく必要性を痛感していますので、これはもうしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。あるいは、街によっては、海外でやっているようなですね、もっと移動手段に自転車をフル活用した移動システム、これは都市のシステムだと思いますけれども、こういったことも積極的にやられたら良いのではないかなというふうには思います。ただ、この場合ですね、気を付けなければいけないのは、中国の事業者がやったやり方というのは、もう失敗したんですね。乗り捨て方式というのは。これは、成功例もありますから、やはり成功例をどう導入するかっていうのは、それぞれの規模にもよりますけども、市長さん、町長さんがどう考えるかということだと思いますので、そういったところにも期待をしたいというふうに思っています。
(南海放送)
水の問題に戻るが、先ほど、松山市長と松山市議会の連携が欠かせないという考えを示したが、一方で、今回の市長選挙で、現市長を応援するという立場をとった自民党と公明党が、水問題に対しては、どのようなスタンスなのかというのを明言してないということもあり、議会が市長サイドに水問題に関して全面的に理解をして、一緒に行動するのかというのが不透明な状況だが、知事は、この状況をどう見ているのか。
(知事)
あの、不透明というのがよく分からないですね。市議会で決議をされて、それで理事者が動いているわけですよ。だから、その議会としての責任をどう受け止めるのかというのが、個々の政治家。それができないんだったら、もうそれは政治ではないというふうに思います。
で、もしそうでない判断をするのであれば、議会の決議を別途やり直すとか、あるいはそれはもう否決するとか、それだったら分かるんですよ。でも、その議会で決議したことに対して、何も反応しないままに方針を変えるというのは、これはもう政治ではないです。
(南海放送)
自民党会派も公明党会派も、支援する段階では、水問題については明言できないという立場をとっていたので、それに対しては、議会の決議をあらためてということで。
(知事)
もし違う意見があるんだったら、決議し直したらいいと思いますね。そうしたら、もうそちらでやってくださいという話になりますから。県は、あくまでも松山市議会の決議に端を発しているこの問題に対して、市からも要請があって、県が仲裁役として広域的にやっていくとう立場なので。そこは、何もない場合は、決議が生きているという前提で物事を判断していかざるを得ないので。だから申し上げているのは、それをしないで意見を変えるというのは、あまりにも無責任じゃないですかということですよね。
(南海放送)
今回の知事選挙では、県内20市町からも、首長をはじめいろんな方々から、応援、支援を受けたと思うが、今後のこの20市町との向き合い方については、どう考えているのか。
(知事)
そうですね。あの、やはり基礎自治体との連携というのは、1期目の時から一番柱に置いてきた課題でもありました。新しい地方分権社会における県と市町との関係を作りたいという思いが強かったので、この8年の間に、その土壌というのはできたのではないかなというふうには思っています。
今後とも、本当に言いたいことが言える、全部の要望に応えられるわけではないですし、こちらの要望が通るわけでもないので、それを前提とした、言いたいことが言える関係、そして協力関係、これはもうさらに深化させていきたいというふうに思っています。
(南海放送)
20市町、レベルは強弱なく。
(知事)
全く。人口の規模とか、そういうのは関係ないです。皆さんそれぞれ同等です。