本文
平成30年度9月知事定例記者会見(平成30年9月5日)の要旨について
日時:平成30年9月5日(水曜日)
11時50分~12時06分
場所:知事会議室
(テレビ愛媛(幹事社))
豪雨災害発生からおよそ2カ月が経過する中で、豪雨災害対応の補正予算など歳出が拡大する一方、県税など歳入の減少も懸念されるが、今回の豪雨災害による県財政への影響はどうか。
(知事)
はい。豪雨災害は、記者会見でも申し上げてまいりましたけれども、今回、西日本一帯の災害規模を考えると、それぞれの地方財政レベルで対応できるものではないというふうに判断をいたしました。そこで、3日目に被災地を離れるというのは、賛否両論あったかもしれませんが、これはもう国に事態を受け止めていただかなかったら財政的な担保ができないというふうに判断をしまして、官邸の方に行かせていただきました。その時に、一番こだわったのは、激甚災害指定と生活再建支援のパッケージでの財源確保。県は勝手に借金できませんから、そこは責任を持ってお願いしたいということで、これについては、激甚災害早期指定、生活・生業再建支援パッケージ、予備費使用などの決定に結び付いたというふうに思っています。
これを受けてですね、県では、比較的補助率の高い国庫補助金や交付税措置の手厚い県債、これをもう最大限に活用するというふうなことで、あれこれと財源措置を、今、行っているところであります。
ただし、それだけでは当然足りないので、私が知事に就任した時の財源対策用基金の残高が200億円ぐらいで456億円まで積み増しはしてきたんですけれども、その積み増しは、一部の国会議員はですね、地方は金をためているじゃないかと、地方には金があるじゃないかということで、地方への補助金を減らせなんていう乱暴な意見を言う人が一部いました。それについては、知事会も含めて反論をしてきたところなんですが、まさにその意を強くしています。
こういう時のために体力を付けてきたんだというふうに思っていますので、今回は、その456億円まで積み増しはしましたけれども、171億円取り崩します。だから残高は、285億円に、この段階ではなりますけれども。でも、ためたのは、ケチっているわけではなくて、まさにいざという時のために活用する、今使わなくてどうするんだというふうな観点から、取り崩しに踏切らせていただきました。そういう意味で、こういった時機を想定した上で、キャッシュをある程度蓄えておくというのは、本当に大事なんだということをあらためて思っていますので、今後とも、国の方で、地方はためているからけしからんなどという暴言が出ないように、しっかりと対応していきたいなというふうに思っています。
いずれにしてもですね、先般も行革甲子園を行いましたけれども、こうした行政改革の飽くなき追求は、今後とも継続し、それから今回はやむを得ざる人員ニーズが発生していますので、採用等もいつも以上に増やしていかざるを得ないと思っていますが、それは将来の何年かタームで考えた人員適正管理は決して外さないと。ここで必要だったものについては退職者の大量発生等の中で、またその後の採用の枠の中で調整を図っていって、肥大化しないようにしっかりと心がけて、今後ともスリムで機動力のある県庁を目指して頑張っていきたいというふうに思っています。
以上です。
(愛媛新聞)
171億円の基金取り崩しというのは、7月の専決処分から今回の9月補正まで、全部合わせてということか。
(知事)
そうです。はい。今の段階ですから、今後も取り崩しの可能性はあります。200億円の残高で迎えていたら、171億円取り崩したらキャッシュがほぼ枯渇するという状況でしたから、考えてみると恐ろしいですね。
(テレビ愛媛(幹事社))
先日、福井国体に向けた愛媛県選手団が発表されたが、あらためて県選手団の状況と福井国体での目標はどうか。
(知事)
もう早いもので、えひめ国体から1年もの月日が流れますけれども、今回は、今月の29日から福井で始まります。本県からは、選手、監督、大会役員と総勢617名の選手団を派遣することになっています。残念ながら、ここ数年と比べると若干減っています。四国予選のハードルがありますので、これはもう結果次第ということで致し方がありません。
福井国体ではですね、ボート競技、テニスの成年男子・成年女子、サッカー女子、ビーチバレーボール男子、ソフトボール成年女子、柔道女子、剣道成年女子・少年女子、山岳少年男子などが、上位入賞が期待できるのではないかなというふうに思っています。
また個人競技においても、今年、三段跳びの日本高校新記録を樹立した陸上競技少年女子の河添千秋選手やインターハイ2連覇を達成したウエイトリフティング少年男子の山口優人選手、国体4連覇の期待がかかるセーリング成年女子の小嶺恵選手の他、えひめ国体の少年種別で優勝し今年の世界ユース選手権大会の日本代表であるボウリング成年女子の泉宗心音選手などの活躍が期待されています。
ただ、その一方で、高得点を獲得することを期待されていた団体競技では、サッカー成年男子、ソフトボールの成年男子・少年男子、それから弓道3種別、これは成年男子、成年女子、少年男子、これが全てブロック予選で敗退と、残念ながら国体への参加がかないませんでした。
福井国体における本県の目標としては、昨年のえひめ国体で、その前の開催県の岩手県が14位でありましたので、これが一つの目標になるとは思っています。
これを上回る13位以内を目指してはいるんですけれども、えひめ国体が終わって世代交代の時期にあることや、今回ですね、先ほどのトータルの数字で捉えてみますと、四国ブロック予選の突破率が、今回38.8パーセントになっています。前々年の岩手国体のときは43.4パーセント、和歌山国体のときも44.8パーセント、それと比べて低い結果となっておりますので、厳しい戦いが予想されます。
だからこそ、国体参加が決まった選手たちが一人でも多く活躍してくれることが必要だと思いますけれども、ぜひ、その国体選手の活躍が被災地に元気を届けることにつながると思いますので、本当に活躍を期待したいというふうに思っています。
私も、今日午後、県武道館で行われます本県選手団の結団式、壮行会に出席をしまして、選手を激励して士気を高めていきたいと思います。
少数精鋭で、ぜひ13位を目指して頑張ってもらいたいと思います。
(NHK)
知事選挙の告示まで2カ月を切ったが、今の時点で、知事選に向けた自身の対応はどうか。
(知事)
そうですね。前々から申し上げてきたんですけれども、今の自分は、3年以上前に掲げた公約の実現で、それにしっかりと対応するということで日々送っているんですけれども、要は、じゃあ今度の4年間、どういうことをやるんだという公約が無ければですね、立候補をするという土俵に立つ資格は無いというのが、自分なりのこだわりなんですが、できればこの夏にですね、本当に何ができるのかというのを考えようと思っていたんですけれども、ご案内のとおり、集中豪雨災害への対応で、それに割く時間が全然取れなかった夏となっています。ですから、この時点で、公約が作れているかといったら、まだできていないです。
できれば前向きにですね、やれることを自分なりに見付けてみたいと思っていますけれども、この段階では、まだできていないということですから、まだ自分は、名乗りを上げるところまで来ていないというふうな状況です。
(愛媛新聞)
関連して、まだ任期は残っているが、2期目の4年間を振り返っての自己評価、課題にどう取り組んだかというようなことは、どのように。
(知事)
そうですね。私は、公約自体がですね、俗に言う細かい数字を列挙したマニフェスト型の公約というのは、ちょっと懐疑的だったんですね。やはり4年間というタームで考えると、世の中の社会情勢も変わるでしょうし、それから制度も変わってきますから、そんな細かい細かい数字を出していたら、制度や社会環境が変わるたびに全部修正しなくてはならなくなりますので、ある意味では、大きな方向性と大きな数値目標にとどめています。
その範囲で言うと、県庁の組織自体が、任期が始まった段階で、その公約を非常に速やかにみんなで議論をしてですね、これを実現するためには、それぞれが何をするべきなのか、どういうプランニングをすればいいのか、あるいはさらにその道を充実させるために何が必要なのかというのを、それぞれが考えてくれているので、県庁チーム力で順調に公約の実現というのは進んでいるのではないかと実感しています。
(愛媛新聞)
具体的に何か課題として残っていることというのは。
(知事)
先ほど申し上げたように、任期の中でも状況が変わってきますので。特に今回なんかは、西日本の集中豪雨というとてつもない事象が県内を襲いましたので、これに伴って公共事業関連事業をどうするのかとか、防災減災をさらにどうしていくのかとか、そのための財源をどうするのかとか、2カ月前には全く想定していなかった事象が出てきていますので、これはもう一番大きな課題だと思っています。
(南海放送)
次に何ができるかとか、そういったものは、まだ考えられていないということだが、一方で、豪雨災害への対応は、まだ道半ばだと思うが、そのあたりもやはり考慮しないといけないと。
(知事)
そうですね。ですから先ほどの本当の検証というのは、専門家の意見を聞かないと見えてこないと思うんですが、今の段階で、自分なりに見えているもので、まず間違いなく検証委員会(による検証事項)にも入って来るだろうというものを引っ張り出してですね、そこくらいはちゃんと公約の中に盛り込まないとだめだと思いますし。その作業が今できていないということですね。
ただ、自分の気持ちの中でも、当初から言い続けてきた第1ステージ、人命救助、残念ながら1人の方、まだ行方が見つかっていないんですけれども、人命救助と水の確保と住居の整備、これが終わるまでは、他のことがちょっと手に付かないというような、もう自分の能力の限界だと思うんですが、集中せざるを得なかったということもあるので、それがようやくおととい、仮設住宅も完成したので、ちょっと気持ちの面で、一つクリアできたかなと思っていますので。まあ、本格的な復興への歩みと同時にですね、自分なりに考える時間が作れるかなというふうには思っています。
(テレビ愛媛)
自身の気持ちとして、先頭に立って復興を成し遂げたいという思いは。
(知事)
そうです。というか、私自身と言うよりは、知事という仕事は、誰がなろうともそれを期待されると思いますから、自分が今担っている間は、ともかく先頭に立たなければいけないというふうな気持ちでやっています。
(あいテレビ)
関連して、7月というタイミングで、こういった豪雨災害が起きて、任期満了を11月に迎えるという中で、引き続き先頭に立ちたいという思いというのは。
(知事)
そうですね。だからさっき言ったように、資格というのは公約があって初めて生まれると思うんですけれども、言葉で捉えていただいたらということで構わないですけれども、前向きに考えています。はい。
(愛媛新聞)
前向きにというのは、出馬に前向きと考えていいのか。
(知事)
そうです。ただし、出馬というのは、公約が無かったらやれない。
(朝日新聞)
その公約は、まだできていないと。
(知事)
できていないです。あの、私は行政マンという今の立場と同時に、政治家ですから、公約というのは、やはり自分で書かないと意味がないと思いますので、その作業がまだできていないと。
(愛媛新聞)
公約の作成には、どのくらいの時間がかかりそうか。
(知事)
分からないですね。これからです。