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平成29年度2月知事定例記者会見(平成30年2月15日)の要旨について
日時:平成30年2月15日(木曜日)
11時50分~12時03分
場所:知事会議室
(NHK(幹事社))
南予地方を中心に、県内でも記録的な寒さや雪が断続的にこの数カ月続いたが、低温や大雪による農林水産関係の被害の現状と今後の見通しはどうか。
(知事)
はい。先月の中旬から断続的に続いている、これ全国的でありますけれども、記録的な寒さ、また大雪による本県農林水産業への影響、これはもう大変心配されているところでございます。本日午前9時現在で把握できているものは、大洲市、西予市、内子町、鬼北町、この4市町において、ビニールハウスや果樹棚の倒壊が15件、被害総額は1,196万円となっています。
今申し上げましたように、現時点で明らかになっている被害は全て農業用施設、ハードの被害だけでございまして、今後の状況によっては、作物をはじめ、広範囲に影響が及ぶことが懸念されているところでございます。
このうち、農作物への影響につきましては、未収穫の中晩柑果実におきまして、積雪による果皮障害、あるいは長時間にわたる低温で果汁の凍結が発生した場合には、「す上がり」、「苦味」、「落果」などの被害も可能性としては出てくるわけでございます。ただ、この果実の凍害というのは、たちまちすぐに分かるものではなくてですね、症状はすぐに発現しないんですね。1カ月以上経たないと分からないという状況にあります。ですから、現時点では、産地側の現場でも被害状況は把握できていません。分からないと。今の段階では。
なお、今後の出荷に当たり、産地では、低温等の影響がある果実は、通常のものと区別して、食味検査等を行う予定でございます。問題があった場合は、加工仕向けや出荷停止等の措置を行うこととしておりまして、市場に出荷される産品については、品質に問題がないよう対策が講じられているというふうに聞いております。ただ、今の時点では分からないので、分からないままで(被害の恐れがあるといった話が)出るとなると、風評被害につながるので、そのあたりは懸念しているところでございます。
野菜全般についてですが、露地物の一部で低温による小玉傾向、それから開花遅れなど生育の遅れが発生しているようです。この時期の露地野菜は、キャベツ、玉ねぎなど耐寒性が高い品目が栽培されておりまして、雪による農作業等の遅延も見られないことから、これについては大きな影響はないのではないかなというふうに考えております。
また、施設栽培では、イチゴの着色の遅れ、また、一部で生育の遅れが発生している他、ハウスミカンやバラなどの加温栽培で、低温の影響による光熱費の増加が生じています。
この他、農作物以外の分野では、まず畜産関係ですけれども、家畜被害は生じておりません。ただ、保温管理に要する同じく光熱費の増加が懸念されています。また、体温調節能力の低い幼畜、子牛や子豚では、まだ出ているわけではないんですけれど、呼吸器病等の疾病の発生リスクが高まってまいりますので、今後も注意が必要と考えております。
それから、水産関係ですけれども、寒波による海水温への影響はほとんどないという状況でございます。その結果、養殖漁業に被害は生じておりませんが、天候が非常に乱れて出漁日が減少していますので、漁船漁業の一部に影響が出ているというふうに聞いております。
県では先週9日に、果樹・野菜・花き・畜産分野ごとの対策をとりまとめまして、各地方局、市町、JA等農業団体に改めて注意喚起を行ったところでありますが、今後の状況によっては、影響が広がることが懸念されておりますことから、引き続き関係機関を通じて情報収集に努めるとともに、産地に対して適切な指導を行うなど、被害の抑制に努めてまいりたいと思います。
以上です。
(愛媛新聞)
被害が出たときに、県として具体的な対策、支援は考えているのか。
(知事)
そうですね、現時点では被害状況を確認できていないと先ほど申し上げたとおりなんですが、仮の話ですけれど、被害が大規模になった場合にはですね、かつてもそういった年には県単独事業で支援をした事例がございますので、こういったものを参考にしながら対応していきたいというふうに思っています。
ちなみに、過去の低温の被害でこうした対応をしたのは、平成17年度、それから平成21年度の2回実績がございます。
(愛媛新聞)
その過去の2回の被害は、どういった規模だったのか。
(知事)
平成17年度は、かんきつの雪やけや風傷、こうした被害が発生していまして、被害額は31億9,000万円。平成21年度は、低温によるキウイフルーツや柿等の落葉果樹に被害が発生しまして、その時の被害額は5億9,600万円というふうになっています。
いずれも当時は、樹勢の回復のための肥料、農薬支援、これを県3分の1の補助という事業を立ち上げている実績がございます。
(愛媛新聞)
今回の被害が、その2回と同程度の規模になるのかどうかは、まだ分からないと。
(知事)
全く分からないです。出ないかもしれないですし。まあ、これだけ寒いですから、1カ月の間にひょっとしたら(被害が出る)ということもあり得ます。
(愛媛新聞)
県議会が、議員定数や選挙区について、現状を維持するという結論を出したが、この結果についての知事の所感はどうか。
(知事)
まあ、これは、議会がご判断されることなので。
ただ、一つの切り口として、今後議論となってくるのかなと思うのは、今、政令市とか中核市とか、市町の中にも特別な権限を持った自治体というのが出てきていますよね。そうなってくると、例えば私も経験したんですけれど、(松山市が)中核市になった時に、当時、県の方から2,000以上の事業が自動的に移管されるんですね。ということは、他の市と比べて事務量、事業量は膨大に増えるんです。
要は、市の権限が増えるということは、その市に対しての県の仕事は減るんですね。ですから、そういう市町によって、政令市や中核市や特例市ができたことで、事業がみんながイコールではなくなってきている。でこぼこが生じているので、当然、県の役割は行政のレベルでも変わってきてますから、議会においても変わる可能性は議論として出てくるのかなと。
例えば、中核市の選挙区というのは人口割だけでいいのかどうか。実際の県の仕事が少ないのであれば、その辺は(県議会議員の)人数においても考えるべきなのではないかとか。そういう議論は、今後は出てくる可能性はあると思いますね。
(愛媛新聞)
今の松山市・上浮穴郡選挙区については、今後、現状の定数を見直す可能性もあると。
(知事)
いや、これがですね、難しいのは、理論的にはそうなんですよ。理論的にはそうなんだけれども、それをやると、また一票の格差とかですね、今度はこちら側からいろいろな問題が発生しますから、あくまでもそれがいいとか、そうなるべきだというわけではなくて、仕事の量の違いがありますから、当然、その点での定数の問題というのは俎上(そじょう)には上がってくると思うんですが、一方で、この一票の格差、じゃあどうクリアするのとか、いろんな問題があるというのも事実なので、そう簡単にはいかないと思いますね。
ただ、一つの議論としては、必要になってくるかもしれませんね。
(愛媛新聞)
昨日、本県関係の片山選手、郷選手が平昌の冬季オリンピックで好成績を収めたが、知事の所感は。
(知事)
そうですね、片山選手、当時アクロス重信があったということもあるんですけれども、東温で6年間過ごして基礎をつくったということで、関係者も昨日応援されていたと聞いています。そういう中で、非常に平昌というのが寒くてですね、風も吹き、難しいコンディションの中だったんですけれども、彼の言葉を聞くと、今持っている力を出し切ったと言っていますから、その結果、(男子スノーボードハーフパイプ)入賞ということにつながったので、本当にお祝いを申し上げたいというふうに思います。
そして、もう一人の郷亜里砂さんも、(女子スピードスケート)1,000メートルについては、昨日の記録がベストに若干届かなかったぐらいで、順調な仕上がりだと思います。いよいよ彼女の得意とする500メートルが今週末にありますので、本当に悔いのないように自己ベストを出すというくらいの滑りを見せてくれたらなと心から期待したいと思っています。