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平成29年度7月知事定例記者会見(平成29年7月12日)の要旨について
日時:平成29年7月12日(水曜日)
11時17分~11時34分
場所:知事会議室
(南海放送(幹事社))
今月3日から10日にかけて、台湾からの訪問団を招いた四国一周サイクリングが開催されたが、知事が掲げる「サイクリングアイランド四国」の実現に向けて、今回の四国一周サイクリングの成果と課題、さらには今後の取り組みはどうか。
(知事)
第1ステージとして、しまなみ海道を「サイクリストの聖地」に、第2ステージとして、愛媛を「サイクリングパラダイス」にと、取り組んできましたけれども、第3ステージは四国全体へというふうなことを当初から描いてまいりました。
また、その一方で、しまなみ海道の成功を受けまして、各県からの視察が相次いでおりまして、ブルーラインであるとか、こういったものがですね、全国的にも広がりを見せ始めています。
各県でのサイクリングの取り組みも拡大中でありますから、それらが広がっていくことは大変良いことだと思いますし、その中で先駆的に取り組んできた「サイクリストの聖地」がですね、興味を持った方々に行ってみたい場所というふうに必ず位置付けられて、そして訪れていただいくということになれば、最初に突っ込んでいった効果が生かせるのかなというふうに思っています。
もう一つは、四国一周ということについて、四国4県もそれぞれの思いがありますから、やはり着実に進めていく必要があるということで、四国知事会議等を活用しながら、その価値等について呼び掛けてまいりました。
今年3月に台湾に行ってきた時に、これまでのネットワークというものが非常に財産になっていましたので、愛媛県自転車新文化推進協会、これはまだ「四国」でなくて「愛媛県」の自転車新文化推進協会と台湾の自行車新文化基金會と間でサイクリングによる友好協定を締結してまいりました。本県及び四国一周サイクリングのプロモーションを、先行して愛媛のチームで行ったところであります。
その時に、愛媛県側からプロモーション隊を出しましたので、その訪台中に台湾側から、できるだけ早い時期に、愛媛県から(スタートして四国を)一周するようなことができればというふうに思っているというお話しをいただいていました。
現場の方で詰めていただきまして、早速、今回の四国一周ルートを走ろうということで、GIANT社の前社長である羅 祥安(ら しょうあん) 氏をリーダーとして、台湾からの訪問団に来県をいただき、松山市長、今治市長、八幡浜市長、西予市長、宇和島市副市長、それぞれの地域の市長さんにもご協力いただく中ですね、他の県の皆さんにも参加をいただいて、一周無事終えることができました。
特に、四国知事会議でこういうことで走ってもらいたいのでということでお話しましたところ、各県とも受け入れの準備をしていただきまして、香川県知事、高知県知事は県内一緒に走られたそうでありますし、それぞれの県の思いというものがどうなっていくのかというのは私も分かりませんけれども、四国一周サイクリングが十分にコンテンツになり得るということの広がりをつくるきっかけが生まれたのではなかろうかというふうに思います。
これから、また次なる手をどんどん考えていきたいと思うのですが、これは実現できるかどうか分からないのですが、懇談会の時に羅祥安さんと話していて、例えば、台湾を一周したときには証明書が発行されるんですね。四国でも一周したら証明書を発行するということになれば、両方で証明書が発行された場合に、何かこう記念のプレゼントが待っているとかですね、それは、スポンサーは、ちょうどその会にジャイアントジャパンの社長がいましたので、「ぜひ、よろしく」と言ったら、前向きに考えますと言っていただいたので、いろんなアイデアが出せるのかなというふうに思っています。
例えば、それを渡す場所は、しまなみ海道のサイクリストの聖地の碑の前でやるとかですね、そんなこともアイデアとしていろいろ追及しながら、今は四国一周する方は少ないかもしれないんですけれど、台湾も10年前は年間2千人ぐらいだったそうです。今では年間10万人が台湾一周を走っているそうです。ですから、(四国一周も)10万人を目指して、いろんな知恵を絞っていきたいというふうに思います。
以上です。
(南海放送)
今後の展開として、今回のように、台湾の訪問団を招いてのイベントといったものを定期的に開催する考えはあるか。
(知事)
そうですね。しまなみ海道(の国際サイクリング大会)もそうだと思うんですけれど、やはり定期的にある大きなイベント、目指すイベントがあればこそ、日常のサイクリストの光景と結び付いていきますので、それは考えていきたいと思っています。ただ、これは愛媛県だけでできる話ではないので、他県とも連携しながらやっていかなければならないと思っています。
(愛媛新聞)
先日、国会で行われた加計学園に関する閉会中審査について、あらためて所感はどうか。
(知事)
加戸前知事が参考人の一人として出席をされましたけれども、平成十数年からの直接のやり取りをご存知だということで、その経緯、事実を本当にありのままにお話しされたなということがひしひしと伝わってきました。
要は、愛媛県、今治市が誘致したいきさつと、それを受けて(国で)決まっていく過程というのは、これは別の話なんですね。あくまでも、愛媛県、今治市はお話にあったように口蹄疫あるいは鳥インフルエンザで本当に困ったという現実がある。採用しようにも人がいないという状況が続いていると。だからこそ、その現状を打開するために、必要だという切実な思いを言い続けてきた。その中で、加計学園という学校が、「ぜひ」というような話だったと思います。その中で、声を上げて新しい学部新設をということを言い続けてきたんですが、ことごとく跳ね返されてきた歴史がありました。
正直言って、私自身は、これはもうどうにもならないなと思ったので、というのは非常に壁が厚い、国の認可もさることながら、定員オーバーで利益を上げている各大学や獣医師会の抵抗というのは大変強かったので、やり続けても本当に出口があるのだろうかという気持ちになったので、別のことも考える必要があるのかなということでサッカースタジアムの件を提案したんですけれども、これは今治市さんの方が、あの時点でFC今治もありませんでしたから、なかなか厳しいということで、もう一回(獣医学部新設の特区申請を)出すというふうなことだったわけであります。
その時に、内閣府の助言があって、新しい国家戦略特区の方で出してみてはいかがかということだったので、出してみたら通っていったと。その過程というのは、本当に分からないんですね。ですから、そこは分けて考えておく必要があるんじゃないかなと思っています。
ですから、この前の加戸前知事のお話は、画面を通じて聞かせていただきましたけれども、まさに愛媛県の現実、切実な思いというのは、しっかりとお伝えになられたのではないかなというふうに思いました。
(南海放送)
日本獣医師会が、獣医学部新設に対して、またあらためて反対の姿勢を示していて、既得権を守ろうという姿勢が続いているが、そのことについての所感はどうか。
(知事)
これは、過程は別としてですね、またかと。だから、そこをやっぱり崩さない限り、新たな道というのは生まれないわけでありますから、私たちの姿勢というのは、きちっとした対応で選定していただいていると、だったら素晴らしいことじゃないかというふうに思っています。
その中については、分かりませんから何とも言えないんですけれども、ちゃんときちっとやっていただいているというふうに信じています。
(朝日新聞)
知事は以前から、国がきちんと経緯を説明すべきだと発言しているが、今回の閉会中審査について、全部は聞いていないかもしれないが、国の説明として十分だったと思うか。
(知事)
噛み合ってないというか、私はどちらかというと、現場のこちらサイドのことで見ていましたから、加戸前知事の発言は全部聞いていたんですけれども、あとは他の仕事があったので聞いていないので、新聞紙面でしか見ていません。
その記事でのやり取りだけを見ていると、国の方の部分については、噛み合ってない部分がまだあるのかなというふうには思いますよね。
(南海放送)
10日に行ったヒアリの調査結果が今日発表されて、今回の調査では確認されなかったということだが、あらためてヒアリ対策については、どういった方針で対応するのか。
(知事)
他県でヒアリが確認されました。非常に毒性があって、繁殖力も強いということで、警戒レベルが上がっています。特に、今見つかっているのは、中国からのコンテナに潜伏して、上陸しているということが極めて可能性として高いということで、本県においてもそういったルートがありますので、(対象の)4港を全て調査しているところでありますが、今のところ愛媛県内では、確認されていません。
全て疑わしいものについては調査しましたけれども、ヒアリの確認はないということであります。
ただ、今後とも十分気を付けながら、監視をしていかなければいけないと思いますし、まだ(詳細は)未確認なんですけれども、国の方から殺虫エサを配布するという方針が届くらしいので、それはよく内容を見て対応していきたいと思っています。
(朝日新聞)
10月投開票の衆議院愛媛3区補欠選挙の候補者が出そろってきたが、知事の所感はどうか。
(知事)
いや、よく分からないですね、各党が決められることなので。
それは、今の段階では表のところしか見えませんから、例えば、これから野党がどういう連携をしていくのか、それが果たして良いことなのか、受け入れられるものなのか、受け入れられないものなのか。あるいは、公募という形を取っているけれども、一人しかいないというのは一体どういうことなのだろうかとか。
いろんな見方がそれぞれからできると思うので、今の段階というのは、まだスタートの段階なので、各党が全力で候補者を決めて頑張っていくということしか分かりません。
(南海放送)
候補者に対する知事のスタンスとしては、特にないということか。
(知事)
もちろんそうです。今年は特に、えひめ国体とえひめ大会がありますので、これはもう絶対にそこに集中しなければいけないというふうに思っています。
(NHK)
冒頭に発言のあった九州の豪雨の関係で、線状降水帯による大雨のリスクは愛媛県にも同じようにある中で、教訓を引き出すタイミングとしては、まだ早いかと思うが、ハザードマップの見直しや山間部の土砂災害対策、また毎回言われる避難指示のタイミングの難しさ等、今回の災害の所感と、知事が進める防災減災対策の強化に向けて、今回の災害をどうとらえているか。
(知事)
自然現象への対応ですから、どれだけのことが起こり得るのかというのは、もう本当に人間の知能では計り知れないことも現実化することがあるのかもしれません。ただ、こうした現象が同じように愛媛でも起こり得るということは、常に考えながら対応していく必要があると思うんですけれども。
じゃあ、あれだけの雨量に見舞われたときに、特に、防波堤を越えて、あるいは河川の護岸を越えて流れ出した洪水が起こったときに、それを今たちまち抑えられるのかといえば、それは不可能です。それを防ぎ切るためには、莫大な費用と工事を行う月日がかかりますので、これはもう現実的ではないと。
となると、やはり避難というものをどれだけ早めに、しっかりと行うか、これが人命救助への最短の道だと思っていますので、もちろんハザードマップにしても、検証する必要があればやっていかなければいけないですし、かつ、それぞれの地区ごとに避難場所とか、こういう場合はこういう行動を取っていただきたいとか、既にある程度できていますから、それをやはりもう一度、こういう時期に住民の皆さんに、ぜひそれぞれの地域でご確認いただきたいという呼び掛けを強めていく必要があるのではないかと思っております。
(テレビ愛媛)
獣医学部の関係で、安倍総理が、獣医学部を1校に限らず、2校3校と増やしても良いというふうな発言をしているが、この発言についての所感は。
(知事)
これは分かりません。本人じゃないですから。
2校、3校やるんだったら、これまでの十数回(の特区申請)は何だったなのかというふうなところは、当然、気持ちとしてはありますけれども、多分それは、言葉のあやというかですね、いろんな声を咀嚼(そしゃく)する中で、思わず口を突いて出た言葉なのかなというふうにしか思えないんですけれどね。