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平成29年度6月知事定例記者会見(平成29年6月8日)の要旨について
日時:平成29年6月8日(木曜日)
11時23分~11時59分
場所:知事会議室
(あいテレビ(幹事社))
県では、日台観光サミットや台中市との友好交流の覚書の締結など、台湾との交流を進めているが、あらためて今回のサミット等の成果とインバウンド拡大に向けた今後の取り組みはどうか。
(知事)
台湾との交流については、愛媛県にとりましても訪問外国人の人数も一番多い地域でもありますので、非常に重視してきたところです。
これは、元々は、松山市の仕事を私がいただいた時に、市の立場ではありましたけれども、同じ名前を持つ空港同士を結ぶ飛行機が飛べば、非常にユニークな取り組みになるんじゃないかというところから始めました。
もちろん、お金を使ってどんどんチャーター便を飛ばして、一気にというやり方もあると思うんですが、それよりもしっかりとした地に足のついた交流を積み重ねた上で就航を目指した方が、息の長い関係構築につながるのではないかということもありまして、どちらかというと、交流を中心に進めてきた10年間でございました。
その結果、チャーター便の許可、あるいは台北市との関係、また、温泉の関係も民間からどんどん生まれたりですね、重層的な交流が積み重ねられてきた経緯がございます。
それをいよいよ次のステップに持っていくために、この日台観光サミットの誘致に取り組むことになったわけですけれども、実は初めて誘致の名乗りを上げたのは3年前になります。ぎりぎりまで決まりませんでしたので、足掛け3年の交渉でございましたので、大変、今回来ていただいたことをありがたく思っています。
特に、台湾と日本、相互に行いますので、2年前は山形の開催で、こちらの方でも会場に行きまして、何とか四国、そして愛媛へと。そして昨年は、台湾の宜蘭(ぎらん)というところで行われましたので、これにも参加をさせていただきまして、PRに努めてまいりました。その熱意が関係者に届いたのか、四国で行うということが正式に決まりまして、準備を進めてきました。
今回ですね、(サミット会議は)香川県での会場となりましたので、そのあたりは交渉しながらですね、愛媛県では、初めての開催となりました「日台鉄道観光フォーラム」を西条市で、そして県と松山市でのおもてなし、さらには台湾のみなさんに一番フィットするコンテンツであろう、しまなみ海道のサイクリングといった組み立てを行いました。台湾の参加者には、サイクリングなどの視察ツアーを通じて、豊かな自然や食、それから、本当に関係者の皆さんの心意気に感謝したいのですが、このおもてなしの重要性を受け止められ、みこしの鉢合わせを実施していただき、伝統文化の魅力を体感してもらうことができました。
短期間ではありましたけれども、愛媛と台湾、今申し上げたような、いろんな歴史の積み重ねがあるという絆をですね、旅行関係者の方々に、余すことなくお伝えできたのではないかなというふうに思っております。
特に6月2日、金曜日の歓迎晩さん会では、台湾の皆さんにお聞きして、「知らない」という声が返ってきたことが1度もないんですけれども「KANO」という映画、これ台湾映画史上最高の観客動員になっていますので、この大ヒットした「KANO」の主人公である愛媛県出身の近藤兵太郎さんの役を務められた永瀬正敏さん、そしてエースピッチャーを演じました、ツァオ・ヨウニン氏、お二人にこの晩さん会にご出席いただき、トークショーを開催していただきました。
実は、このトークショーの直前に、永瀬さんと二人で話してですね、愛媛県も台湾に対する思い入れが非常に強いんだと、永瀬さんも非常に強い方なので、その心意気をくみ取っていただいて、ぜひ「伊予観光大使」に就任願えないかという交渉をしまして、詳細は後で、ともかく今日発表したいので決めてほしいということで、永瀬さんに快くお引き受けいただきましたので、急きょですね、この晩さん会の最中に、「伊予観光大使」の委嘱式を行う運びとなりました。
晩さん会では、当初隠していたんですけれど、スペシャルゲストして永瀬さんをお呼びしますと、台湾のみなさん、信じられないという表情でですね、もう全員が写真を撮りに前にダーッと出て来るような、あらためて「KANO」という映画がいかに台湾で浸透しているのかということを知らしめられた思いがいたしました。
今後、永瀬さんの観光大使としての活動にも期待できますし、また、観光のコンテンツとして、あの「KANO」の(主人公の)故郷という位置付けとしての打ち出しも十分できるんだろうなと期待しています。
また、翌6月3日には、先ほど申し上げましたおみこし、過去2回台北に渡って、観光振興大使を務めていただいた皆さんに、特別に披露をいただきました。これも、本当に、(台湾の皆さんは)最初、乗るのは怖いと言っていましたけれども、皆さんノリノリで、みこしを担いだり、上に乗ったり、その表情を見ていれば、満足していただいているということがひしひしと伝わってくるような場面でありましたけれども、あらためて御神輿の関係者の皆さんに、感謝を申し上げたいと思います。
現在、外国人延べ宿泊者数の3割が台湾からということで、十分素地ができていますので、今後、定期チャーター便、そしてやがては定期便の就航を目指して、頑張っていきたいと思っています。
また、6月1日には、今年の3月に訪台した時に、これまでしまなみ海道の売り込みに全面的に協力をいただいてまいりました、台湾の自転車メーカーの創業者、劉金標氏に、台中の市長と会ったらどうかと助言いただき、場を設定していただきました。同世代ということもありまして、またご本人もサイクリングが大好きで、台中市もサイクリング施策をどんどん今進めている最中でありまして、意気投合いたしました。
劉さんから、これだけお互い持っている共通項があるのであれば、正式に何かやったらどうかとご提案いただきました。今回すぐにですね、林市長その対応に動いてくれまして、かつ、これも幸運だったのは、来年の日台観光サミットが台中市で開催されます。ですから、愛媛開催の後、台中に行くことも、何かの縁だと思いますし、そういうことから、今回友好交流覚書を、この期間中に締結することができたこと、これも大きな弾みになるのではないかと思っています。
台中市とは、既に主要な拠点を台中市にもつ食品卸、食品販売の会社と、これまでいろいろな関係を築き上げて、愛媛のかんきつ等の販売をしていただいていますので、観光、特産品の相互PR、学校間交流、これにもどんどん取り組んでいきたいと思っております。
また、来年の台中市の観光サミットにも、日程が合えば、私も参加をさせていただきたいなというふうに思っています。
最後に、先ほど申し上げた、ぜひ、長年の夢である定期航空路線の開設につなげていきたいというふうに思います。
以上です。
(南海放送)
定期航空路線の実現につなげたいということだが、実現性については、どう考えているか。
(知事)
まだ分からないですね。あの、いろいろな航空会社の機材繰り、それから旅行商品化への意気込み等、いろいろあると思いますので。
ただ、間違いなく言えることは、この日台観光サミットに何でこだわったかといいますと、交通局のトップ、旅行業界の協会のトップ、それから日本における代表ですね、そういった方々全てがそろって出席をされる会であり、そこに台湾の各航空会社、それから各旅行会社、これがもうほとんど参加をしますので、一気に素材・コンテンツ・魅力をPRできると。
そこで感じ取っていただいたことは、必ず商品化に動いていきますので、今回、手応えというのは、まだ実現していませんけれども、個人的には手応えありというふうに思っていますので、チャーター便が増えていくと思いますけれど、その搭乗率等の動向によっては、十分定期便へといざなえるのではないかなと期待しています。
それからもう一つは、2日目は、私は出席できなかったんですけれど、2日目は、伊東豊雄さんが参加していただきまして、台中市にあるシンボリックな建築物の設計は伊東豊雄さんがやっていまして、伊東豊雄さんも台中、台湾では非常に著名な方でございましたので、これも非常に大きかったと思います。
(NHK)
加計学園の獣医学部の関連で、相変わらず国会等でいろんな証言とか文書が入り乱れて、議論の先行きが見通しにくい状況で、先般の知事会見では、国に対して経緯をオープンにしてほしい旨の発言もあったが、直近の動きについての知事の所感はどうか。
(知事)
そうですね。これは今、国会で議論していることですし、我々としてはですね、前にも申し上げましたように、十数年間の、獣医学部が来てくれたならばという強い思い。特に、今治市さんにとっては、悲願でもありましたので、その思いを受けて、実現に向けてのいろんなことがあったのだろうと思います。
ただ、その過程は、私どもは全く分かりませんので、非常にクリアにやられていると信じていますし、そうであるならば、丁寧に説明していただいたらいいんじゃないかなというふうなことぐらいしか、言う言葉が見つからないんですけれどね。
(NHK)
過程をオープンにという部分でいうと、必ずしもその期待どおりにいっていないように見受けられるが、その点については。
(知事)
そうですね。ニュース等で拝見しているだけなんですけれども、これは、これから、やはり、そういう声や期待に応えてですね、説明責任を果たしていただけるものと信じています。
(NHK)
県の支援については、従来から、地元の熱意や県議会の議論を踏まえてと発言しているが、あらためて今後の県のスタンス、支援策についての考えはどうか。
(知事)
まだ全然、ノーアイデアなんですけれども、これについては、我々は、その加計学園という名前がどんどん出ているんですが、そういった事業体に対してというよりは、今治市に対してどうするかというふうな観点で、県は考えるべきだと思っています。
もちろん、これまでの今治市の取り組みが、現実のものになるとする中でですね、今治市も、これは来ていただくには、企業の誘致でもそうですけれども、さまざまな優遇措置等というのは、当然、どこの地域でも、どの企業においてもやるわけでありますから、その中で、それだけの覚悟をして、これだけ実現のために頑張るんだというふうなことが、最初に出て来るわけですね。
それに対して、特に、この造成地については、過去のいきさつから、県が中核施設については協力するというふうなことになっていた経緯がありますので、その一環として、新繊維産業技術センターも県の方で構えたわけでありますが、今回、その残地に、事業を展開するということであれば、今治市さんの動向を見極めて、全ての過去のいきさつも踏まえて、どの程度が打ち出せるのかというのは、これから議論していきたいと思っています。
(NHK)
今回、こういう形で散々もめているということが、県として、これから支援策を議論していく上で、影響するということはあるか。
(知事)
まだ開学には至っていないですし、8月に正式に決定認可というふうに聞いていますので、それからの話ですね。
(NHK)
地元でも、開学への影響とか、ある種の風評的な部分での懸念の声は、強まっているが。
(知事)
これはちょっと、分からないですけれども、ただ、印象的にいうとですね、スムーズに、我々としてはですね、これまでの思いというものが実現に至る。できれば、開学に至るまでにはスムーズな進行の下に、いいスタートを切ってほしいなというふうに願っています。
イメージがおかしな形で拡散されると、やはり影響は出てきてしまいますから、その点はちょっと心配しています。
(南海放送)
関連して、今治市への支援は、県が中核施設の一環としてということだが、やはり支援は前提に考えているということか。
(知事)
そうですね。これは、十数年前のことになろうかと思いますけれども、平成11年ということですから、かなり前の話になるんですけれど、そういう話し合いがあったそうなので。これはもう、行政というのは継続、引き継ぎ事項もありますから、それはしっかりと守っていきたいと思っています。
(南海放送)
今回の6月補正予算では、予算は全く組まれていないが、今後、8月の文科省の決定を受けてからということか。
(知事)
おそらく正式に今治からも要請が来るのだろうと思いますので、そこからだと思いますね。
(南海放送)
本来なら公務員などの専門職の現場で、獣医師が不足しているというような議論が必要なはずだが、国では、安倍政権に対する民進党の攻撃という、政局的な議論にすり替えられているように感じるが、その点についての知事の考えはどうか。
(知事)
そうですね。逆に、すり替えられないような、しっかりとした答弁さえすれば、それは回避できると思いますね。そもそも、前の記者会見でもお話しさせていただいたんですけれども、全国の獣医学部というのは、定員オーバーの状態になっています。その定員オーバーの部分が収益にもつながっていますから、当然、(既存の)獣医学部の側に立ってみれば、そこが新しく新設されて収益が減る可能性がありますから、それを阻止するという行動に結びつくのは、これはもう立場が変われば当然だと思うんですね。
ですから、私も実は、獣医師会側からも反対意見というふうなことで、いろんなアプローチがあったこともありました。ただ、私は、もう一切それはお聞きするだけで、それをどうのこうのというつもりもなくて。ともかく過去のデータから見てもですね、特に加戸前知事が鳥インフルエンザや口蹄疫等で、現場で指揮を執っていた時に、本当に公務員における獣医師の不足、これに悩まされていたということを体験されていました。非常に学部も関東に偏っているという状況でありますから、定員オーバーの事実、それから地域的な偏り、こういったことを考えると、十分に四国に獣医学部を設置する意義があるというふうに思っていましたので。
ただし、それがどこであろうが個人的には構わないわけで、どこかが手を挙げて実現できればいいなあというふうに思っていました。
ですから、獣医学部の立場もそうですし、文科省も獣医師会とは、これまでの業界管轄の省庁ということで、いろんな関係もあるのだろうというふうに思います。途中で、愛媛県の熱意が足りないんじゃないかというようなことも、巷間、まことしやかに言われたような時期もあったので、いやうちはともかく獣医学部がもう十数年の思いとして変わっていないと言い続けたのは事実ですね。
(南海放送)
背景には、獣医師会の既得権益みたいなものがあったということか。
(知事)
そうですね。ちょっとこれは定かではないですけれど、愛媛県の熱意が足りないからだめになったというふうなところだけは、持ってほしくない、それは思いとしてありましたね。
だから、実現するんだったらこうですと。実現できない場合だったらこうですと。それは、国が決めることですから、少なくともその理由説明の中で、愛媛県の熱意がない、薄いからやめましたというような言い訳にだけは使われてはならないというふうな気持ちはありました。
(朝日新聞)
今治市に対する支援について、支援が前提ということだが、今治市議会などでは、ある程度、県にこれだけは出してもらうといった、金額的な話も出ているが。
(知事)
全然決まってないです。
(朝日新聞)
金額は決まってないのか。
(知事)
全く決まってないです。私、そんな権限持ってないですから。あくまでも提案して、考えて理屈が立つ提案をちゃんとできるかどうか。それを提案したときに、県議会で議論していただくというステップを踏んでいかなかったら、確定はできませんから。少なくとも今の段階で、県行政としていくらというのは、全く決めてないですから、それは、どこから出たのか分かりませんね。
(朝日新聞)
それは、単に市の方で。
(知事)
それは期待値。
(朝日新聞)
期待値。市議会からの話は、期待値ということか。
(知事)
期待値です。
(朝日新聞)
その額は、まだ分からないと。
(知事)
全然決まってないです。
(朝日新聞)
もう1点、国会の方で、ちょうど県の職員が内閣府にあいさつに行った2015年4月に、今治市の職員が首相官邸に行ったのではないかという指摘があるが、県の職員も行ったのか。
(知事)
現場のやり取りは、一つ一つ私のところまで上がってきていないので、それはちょっと分からないですね。
特に、私が行った所は、全部自分でやっていますから分かりますし、少なくとも特別職が、いつ誰に交渉に行ったというのは分かりますけど、その前の段階では、いろんなところに、細かく、たぶん現場が動いていますから、それが、誰がいつ、どこに行ったかっていうのは、私も分からないです。
(愛媛新聞)
獣医師会側から反対意見があったとのことだが、それは知事に直接ということか。
(知事)
たまたま獣医師会の顧問をやられている方が、国会議員の先輩だった方、もう引退されていますけれども。そういう方からメールが入ってきたことは、ありましたね。
(愛媛新聞)
新設をやめてほしいという。
(知事)
そうです。そのニュアンスの。
(愛媛新聞)
それは、いつ頃のことか。
(知事)
もうだいぶ前じゃないかな。2年とか。
でも、うちは公平に立たなければならないということで、最初は、先輩後輩で「ノーコメントです。」という返信くらいはしていましたけれど、最近は全く返信もしないようにしております。
(愛媛新聞)
別件になるが、今年は、えひめ国体や全国障害者スポーツ大会が開催されるが、精神障がい者の方が路線バスを利用するときに、全国で愛媛県だけ割引がないという現状がある。このことに対する知事の受け止めと、県として何か対応があれば。
(知事)
そうですね、これ割引制度を設ける、設けないは、民間企業の収益に直結しますから、行政の立場というのは、とても難しいポジションだと思います。
ただ、この精神障がい者の割引につきましては、平成18年まで(保健福祉手帳に)顔写真が載っていない状況で本人確認ができないから難しいという理由で導入が遅れていました。その年に、顔写真が載るようになって、本人確認が可能になったので、やれるところはやりましょうというふうな形になってきた経緯があるそうなんですけれども、ただ、新聞報道で見て、愛媛だけ(割引がない)というのが気になっています。
これはでも、企業の収益とも関連するので、諸団体の希望というもの、願いというものは、つないでいくつもりですけれども、あと、他県で実現していることが、愛媛ではできませんかね、というくらいの領域までしか行政には言えないと思いますね。
(愛媛新聞)
例えば、路線バスの会社に県が補助するといったことは。
(知事)
今その(運賃割引に対する)補助というのは、他県ではやってないんですよね。ですから、他の県でやれることができないでしょうか、というくらいまでだと思います。
(愛媛新聞)
県として、業界などに導入を働き掛けるという考えは。
(知事)
福祉団体から、まだ(県に要望は)来ていませんけれども、あれだけの記事が出るということは、おそらく、いろんな要望活動が始まってくると思いますので、それは伝えていきたいというふうには思っています。もし、(要望が)あればですね。
(南海放送)
10月に予定されている衆議院愛媛3区の補欠選挙に関して、自民党が公募を締め切り、故白石徹議員の次男の寛樹さんだけが公募に応じたが、このことについての知事の受け止めはどうか。
(知事)
これは政党の選考過程のことですから、私の立場でとやかく言うことはありません。
(南海放送)
確か、以前の会見で、面識はあまりないと言っていたと思うが、その後も特に面識というのは。
(知事)
ないです。全くないです。
(南海放送)
印象としては、どのように受け止めているか。
(知事)
それはちょっと分からないですね。じっくりお話したことはないですから。まあ、お若いという印象はありますけれども。
願わくば、やはり政策論争でね、それぞれが堂々とやられたらいいんじゃないかなというふうに思います。
(愛媛新聞)
今朝も北朝鮮がミサイルを発射したようで、かなりの回数になってきているが、そのことに関しての所感は。
(知事)
ここ最近、頻繁にミサイルが発射されるというニュースが飛び込んで来るんですけれども、やはり慣れというものが一番怖いと思うんですね。ですから一つ一つの行動に対して、しっかりとした意思表示を、これは国としてやっていただきたいと。決して慣れてはいけないというふうなことだと思います。
ただ、その過程の中で、外交交渉ですから、アメリカも今ちょっといろんな問題が起こっていますので、中国、韓国、ロシア等とも含めてですね、日本のでき得ること、そのミサイル実験を阻止するために何が必要なのかということは、日本の立場でどうするのかというのを、しっかりと戦略を固めてですね、どんどん動いてほしいというふうには思いますね。
(愛媛新聞)
加計学園の関連で、今、総理に対する「忖度(そんたく)」という言葉が話題になっているが、県政運営で知事の意向が忖度されたというようなことは。
(知事)
これは、「忖度」という言葉が、私はあまりよく分からないんですけれども、例えば、県政を運営していくに当たっては、やはりビジョンというのがすごく大事だと思っています。
例えば、知事の役割は何かと、自分にいつも自問自答するんですが、自分ができることというのは、いろんな人たちの意見を自分の中に吸収して、かつ、知事ですから愛媛県の現状というのを把握する中で、まずは、細かいことは私は分からないので、そこまでの能力はありませんから、キャンパスに絵を描くことでいえば、鉛筆で下絵を描くというのが知事の役割かなと。これが一つ目の役割だと思っています。
その下絵が完成したら、今度は多くの方々、まずは職員、そして県民の皆さんに、こんな絵を完成させたいんだけれど、どうだろうかと。それを浸透させて、よければ皆さんで参加をしていただけないかと。絵の完成に向かって、それぞれが筆を取ってペイントしてくれと。そうして、みんなの力で絵を完成させるという、その参加する空気をどうつくるかというのが、これまた大きな役割なのかなというふうに思っています。
その第一段階の下絵の説明をする時に、県庁の職員には、当然、自分はこういうことをやりたいんだというふうなことを言いますから、それを受けて、その実現に向かって、(職員が)こういう政策をやりましょうということも忖度になってしまうのであれば、ちょっと説明のしようがないんですよね。
ですから、個人的には、今言った二つの役割をしっかりと果たすこと。それから、その過程の中で、どういう心構えが必要かというのは、職員の意識改革、五つの意識改革で示させていただいたので、それを浸透させれば、しっかりとした歩みができるのではないかと思っています。
(愛媛朝日テレビ)
加計学園の関連で、獣医学部の定員が160人ということで、ちょっと定員が多過ぎるという指摘もある。四国に獣医学部がない中で、教員の確保だとか獣医師の質の問題など、いろいろあるかも知れないが、この定員については、どう受け止めているのか。
(知事)
これは当然、開校に至るまでには、専門家の皆さん、役所で、開校の条件に到達できているかどうかというのは、まあ何でもそうなんですけども、十分確認をしながら進めていくと思いますので、その作業をしっかりやってくれれば、その専門家がこれだけの構えだったら大丈夫だろう、という判断なしにゴーサイン出せませんから、そこはもう信じたいと思っていますね。
(南海放送)
やはり獣医師が絶対的に不足していると思うが、そういった議論が中心にならずに、その他のことばかりが国会で議論されているような状況を受けて、今後、国会ではこういうことを中心に議論をして欲しいというような期待はあるか。
(知事)
そもそも、何で十数年にもわたって要望を上げ続けてきたか、その現場での背景が俎上(そじょう)に上がっていないというのは、やはり残念だと思っています。
地域においても、定員が適正か適正でないかを判断するのは、さっき申し上げた専門的な方々ですけれども、例えば仮に160人とするならば、6年で1,000人の人口増なんですよね。それはもう、このご時世において、人口減少社会が喫緊の課題になっている中で、地方都市でそれだけの人口が拡大するというのは、これは大変なことだと思います。
そういう獣医学部の観点と、それから今治市の、この人口増に伴う活性化という、この二つの観点から捉えていただく必要もあるというふうに思っています。
そういった議論をするためには、ちゃんとした経緯を説明すれば、そういう議論が冷静にできるんじゃないかなあというふうには思いますけれど。
(日本経済新聞)
スナック菓子のカールが、今度、愛媛の工場でしか作られなくなるということだが、明治の関係者の方から何か連絡があったり、愛媛のPRに生かしていきたいというような考えはあるか。
(知事)
連絡はないんですけれど、私もニュースで知りまして、私もカール世代なんですよ。あのチーズ味が特に好きでですね。あれがそういう状況になっているんだっていうのは、ちょっとびっくりしました。
ですから、愛媛でしか作られないというのは、逆に強みだと思うので、協力依頼があれば、当然、地元産になりますから、カール存亡の危機という中でですね、一役買いたいなと思っています。
特定の企業を応援するというわけじゃないですよ。地元で作っていただいているということで。地元にプラスだということでね。