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平成28年度8月知事定例記者会見(平成28年8月10日)の要旨について
日時:平成28年8月10日(水曜日)
11時00分~11時32分
場所:知事会議室
(愛媛朝日テレビ(幹事社))
霞が関では、「ゆう活」の実施で残業時間が増えたという労働組合の調査結果も出ているが、県では、職員の残業時間の縮小など朝型勤務による効果は上がっているのか伺いたい。
(知事)
はい。今、お話があったとおり、国においては、職員が朝型勤務やフレックスタイム制導入によって退庁時間を早めまして、1日の時間を有効に使うことで、ワークライフバランスを実現するため、「ゆう活」の取り組みを進めているところであります。
愛媛県でも、早朝時間の有効活用による業務効率の向上、また、ワークライフバランスの実現及び定時退庁の意識付けによる超過勤務の縮減を図ることを目的に、朝型勤務に取り組んでいるところでございます。
今、お話があったように、霞が関では、「ゆう活」の実施で残業時間が増えたという労働組合のアンケート結果が出ているようですが、調べてみますと、昨年は「ゆう活」期間中まで通常国会が延長されまして、国会対応によって残業改善につながらなかったと聞いております。
一方、本県では、昨年度、本庁の職員を対象に朝型勤務を試行した結果、実施者の定時退庁の割合は98.7パーセントとなりました。ほぼ全実施者が定時に退庁できているという状況にございました。
また、本庁における、朝型勤務期間を含む7月から8月の2カ月間の1人当たりの1月平均の超過勤務時間数は、前年度と比べると2時間減少しております。国とは全く違う結果が出ております。ちなみに、知事部局の本庁残業時間、26年度は22時間でありましたが、27年度は20時間となっております。一定の効果があったのではないかと、数字が示してくれているのではなかろうかと思います。
昨年度は、対象を本庁に限って実施いたしましたが、今年度は、地方局や地方機関にも対象を拡大し、昨年度のアンケート結果も踏まえて、勤務時間のパターンを増やすなど、より利用しやすいよう改善策を講じて実施しているところでございます。
なお、県民の方々に対する行政サービスが低下することがないよう、朝型勤務職員が各職場で多くても3分の1以下になるようにしております。
現時点では実施期間の途中でありますが、残りの期間中、可能な限り多くの職員に朝型勤務を体験してもらって、定時退庁の徹底やワークライフバランスの実現に向けた意識改革につなげるとともに、期間終了後には、実施結果を分析した上で課題を検証していきたいと思います。以上です。
(あいテレビ)
知事は、なぜ残業時間の減少につながったと考えているか。
(知事)
そうですね。さっき国の方は、国会の延長があったということで、その対応に追われたので、結局、結果としてプラスになってしまったということだったんですけれども、そういったことは、今、県庁ではないですから、そういう意味では、朝型にしたことで1日の勤務のやり方を、各職員がそれぞれ考えて実施できていると、その結果が98パーセントの定時退庁につながっているというふうに思ってまいすので、これはひとえにこれをやってみた職員の仕事の進め方の意識の問題、それがきっちりと表れているのではないかなと思っております。
ちなみに、昨年度からいくつか改善点がございまして、昨年度は、朝型勤務は7時半から16時15分という形にしていたのですが、今年度は、これに加えまして7時から15時45分というパターンを追加しております。それも選べるようにいたしました。
それから申出期間が、昨年は2日前というふうに設定していたんですけれども、前日でもOKということにいたしましたので、活用しやすい工夫を昨年度の実施を踏まえて取り入れたところでございます。
(愛媛新聞)
天皇陛下が生前退位をにじませるような、お気持ちを表明されましたが、そのことについての知事の考えはどうか。
(知事)
天皇陛下がご自身の言葉で、率直にメッセージを全ての国民に向けて発せられたということなんですが、象徴天皇とはどういうものなのかということを、歴史の中でしっかりと考えられて、ご自身の理想とする姿を追求し続けてきた天皇陛下の足跡ではなかろうかと思っております。
そういう中でやはり、公務に体力的な面で支障を来してはならないという非常に強い思いと、それから天皇陛下ご自身の昭和天皇ご崩御の後のご経験も踏まえてですね、こういう形が理想ではないかという一つの投げかけをされたのではなかろうかと思っています。
国会はその思いを真摯に受け止めてですね、法改正も必要になろうかと思いますので、議論をすべきではないかなというふうに思っています。
(愛媛新聞)
今後、議論の場が国会に移る中で、象徴天皇を規定する憲法との整合性という問題があると思うが、国会での議論の進め方として、理想と言うか望ましい形としては、どう考えるか。
(知事)
そうですね、その、法律論も含めてですね、どういう形が可能なのかというところから議論が始まっていくと思いますので、速やかにこれは議論をスタートすべきではなかろうかなというふうに思ってます。
いろんな角度からの法律的な面、あるいは歴史的な継承の面、いろんな角度からの意見があると思いますので、一刻も早く各専門家の知識を知恵を総動員して議論するべきだと思います。
(愛媛新聞)
政府では、現天皇陛下に関する生前退位という可能性が考えられているが、一方で恒久化の議論についてはどうか。
(知事)
そうですね。おそらく陛下のメッセージは、ご自身の経験も踏まえてのメッセージですから、決して自分だけのことをお思いになられてのメッセージではないというように思います。今後、未来永劫、象徴天皇というものが引き継がれていくためにどうあるべきなのかという角度から、メッセージを発せられたのではなかろうかと思いますので、恒久化も含めて議論すべきだと思います。
(愛媛新聞)
来年のえひめ国体について、公務が削減されたらご来県していただけなくなるかもしれないが、えひめ国体に対する希望はどうか。
(知事)
そうですね。やはり愛媛県としては、64年ぶりの初の単独開催の国体ですから、県政史に残る記念すべき年になろうかと思いますので、陛下にはぜひ、ご体調よろしくですね、ご出席賜ればというふうに心から願っています。
(愛媛新聞)
安倍内閣の組閣で、愛媛県から塩崎さんと山本公一さんが入閣したが、そのことについて、あらためて所感はどうか。
(知事)
はい。当選回数、経験も豊富な山本公一議員さんが初入閣ということですから、その思いをですね、仕事に向けていただけると心から期待をしています。特に環境面での経験は豊富ですから、大臣になってから勉強しますなんていうようなことはありませんので、即戦力の大臣としてすぐに仕事に取り掛かっていただけるのではなかろうかと思いますし、また、郷土愛の非常に強い方なんで、愛媛県のためにも一役も二役も汗をかいて仕事をしてくれるのではなかろうかと思っています。
塩崎大臣については、厚生労働大臣の継続ということでありますから、これは本当に重い宿題、最も重い課題を背負っていらっしゃるんではなかろうかと思いますから、本当に参議院選挙で社会保障制度の抜本的な改革の議論があまり見られなかったのが非常に残念なんですけれども、これをやらないとこの国の未来が開かれないというぐらいの大きな課題なので、これは本当に多少耳障りの悪いことも含めてですね、大いに改革に向けてアクセルを踏んでいただきたいなと期待したいと思います。
(愛媛新聞)
山本公一さんが早速、自身の政治団体の政治資金収支報告書で真珠代を支出していたことが分かり、本人は、特産品のPRのために支出したので適法と説明しているが、これについてはどう考えるか。
(知事)
そうですね。おそらく真珠というと高価な宝石という印象で捉えられてしまうのかなと思うんですが、実はいろんなものがあって、ピンバッチ等でしたら2千円ぐらいから手に入るわけですね。まして宇和島というのは日本一の真珠の産地でもありますけれども、まあ、PRが一つの課題になっていることはご案内のとおりです。その選出の国会議員として、これは地元に配っているわけではなくて、おそらくですけれども、県外のPRに地域選出の国会議員として一役も二役も買えればという思いからのことなのではないかなというふうに思います。いろんな見方があるんですけれども、今は自分自身も愛媛県のPRが活性化に欠かせないという立場で仕事をしていますので、そういう意味では個人的には、本当に地元PRのために頑張ってくれているんじゃないかなと思いました。
(愛媛新聞)
襟を正すべきだという考えはないか。
(知事)
だから、その線引きですよね。例えば、高額な物を買ってどこに持って行っているかわからない、場合によっては、ある政治家は自分で、自分の物にしているんじゃないかという疑惑が向けられた方もいらっしゃったんですけれども、山本大臣の場合は、そういうことはないと思いますし、地元のPRというふうなことが明確であるならば、僕は単価とか金額からいっても、許容範囲ではないかなとは思います。
(南海放送)
山本公一さんは原子力防災担当の大臣も兼務しているが、そちらの分野で望むことはあるか。
(知事)
この点については、愛媛県は他県と違って、電力事業者、あるいは国に対して、県としての要請を明確にして、5年間動き続けてきました。その経緯については、ご自身の選挙区のことでもありますから、よくよくご存じだと思いますので、一から説明する必要がないわけですね。そういう中で、課題も把握されていると思いますので、その課題を乗り越えるためにですね、そちらの面でも、大きな力になってくれるものと期待したいと思います。
(南海放送)
課題というのは、どういったものか。
(知事)
国に要望した8項目についての進捗、それから避難訓練のさらなる充実、あるいは監視体制、モニタリングなんかのですね、いろんな設備の問題、ハード面もありますから、こうした面での対応、さらには大洲八幡浜道路に代表されるようなハード面での進展、いろんな課題がありますので、それら全てについて、ぜひ動いていただければと思っております。
(南海放送)
一方、塩崎さんについて、先ほど最も重い課題を背負っていらっしゃるということだったが、具体的にはどういったことが課題と考えているか。
(知事)
そうですね、特に少子高齢化に伴う人口減少というのが大きな課題になっています。これは、二つの大きな問題点を我々に提起すると思いますが、一つは、福祉サービスを必要とするお年寄りが少なくて働く層が多いというピラミッド型の人口構造のもとでつくられたのが、今の社会保障制度ですから、これはもう持つわけがないんですね。ですから、これを持たせるためには、今は何となくいっていますが、やがて限界を迎えますので、やるとすれば、福祉サービスを削るか、負担を徹底的に上げるか、あるいはそれが嫌だったら新しい支え合いの構図を、この国全体の中にビルトインするか、もうどれかをやらなきゃいけないんですね。
でも、残念ながら、その議論がまだ見えてきていないんです。ただ、これから逃げてしまったら、取り返しのつかないところまでいってしまいかねない。なぜならば、例えば、県はそうでもないんですけれど、市の単位では、当初予算の段階でですね、福祉関係、衛生費も含めて、その支出がもう48パーセントくらいになっているはずなんです。これ、年々増加しています。
社会保障の負担もですね、人口増加に伴って、毎年1兆2千億円、自動的に増えているんですね。これは、本当に早く止めないと取り返しのつかないことになりかねないので、そこに今メスを入れなければならない時を迎えていますので、本当に大変な仕事だと思いますけれど、これは勇気を持って社会保障改革、どうあるべきかという議論も含めて、やっていただきないなというふうに思います。
(愛媛新聞)
原子力防災の関係では、山本環境大臣も避難計画は完全ではないと率直に言っているし、県もかねてから対策に終わりはないと言っているが、そういった中で、あさって再稼働を迎えることについての所感はどうか。
(知事)
再稼働は再稼働として、結局、避難をすることがないように、事故を防ぐということが第一でありますから、この点については、今の状況の中で考えられる、県独自のことも含めた対応は取ってきたつもりなんですけれども、それでももしかしたらということも含めて、避難というものの充実というのは常に図っていかなきゃならないというふうに思っています。
この避難については、完全なものがないっていうのはなぜかと考えていきますと、それは全員参加の避難訓練ができないからに他ありません。ですから、図上訓練、それから一部の方の参加によっての訓練を通じた拡大的な分析、いろんなことをやっていくしかないので、全員参加の訓練ができない以上、100パーセントというのはあり得ないと思いますから、ともかく、やるたびに課題というのは見えてくるものだと思いますので、それを今後とも、ゴールはないという共通の思いのもとにですね、充実に向けてしっかりと歩んでいかなければいけないなというふうに思っています。
(愛媛新聞)
毎年の訓練や課題を抽出するための訓練も含めて、今後、県で予定している訓練はあるか。
(知事)
そうですね、昨年、海上自衛隊の船も投入し、大分への動線の確認を行ったのが、昨年の最大の課題でありました。それから、複合災害、啓開訓練も含めて、どう対応するかというのも、関係業界と連携しながら訓練をやったのが昨年でした。
今年はですね、例えば、港から大分までっていうのは、海上自衛隊の船の接岸も確認できましたし、それからその後フェリー、海運各社との話し合いも進めておりますので、そこらあたりが見えてきてるんですが、今度は、各集落から港までの移動というのが、次なる大きなテーマだと思いますので、今回の訓練では、そのあたりを重視した経験を積んでいきたいというふうに思っています。
それから、先般ご指摘がありました大分県の運送業界との連携なんですけれども、大分県の方がですね、県内のバス等の運送業界と話をしていただきまして、そちらの方で愛媛県の避難については協力するということになりまして、これからそういった訓練もやっていただけることになりましたので、当面はこの体制を積み重ねていきたいなというふうに思っています。
(愛媛新聞)
愛媛で行う訓練の時期はいつか。
(知事)
9月の4日、伊方町で行います。
(愛媛新聞)
大分県内の訓練は、大分で事業者が行うということか。
(知事)
そうですね、大分の方、ちょっと状況、説明して。
(防災安全統括部長)
10月か11月くらいにですね、大分県にも避難するような大規模な訓練をやる予定にしております。知事が先ほど申し上げました集落から港までの動線の訓練は、9月の4日ぐらいにやる予定にしております。
(南海放送)
大分県側の運送会社さんとの連携した訓練というのは、10月、11月の訓練ということか。
(防災安全統括部長)
その中だけということではないですけれども、大分県と一緒にそういうバス会社も含めてですね、それを10月か11月頃にやると、はい。
(テレビ愛媛)
昨年と同じように、9月4日の訓練も合わせて、集落から避難する方々が大分に行くような訓練というイメージでよいか。
(知事)
どちらかというとですね、今回の場合は港までどう移動していただくかというのが重点になると思います。ですから、乗って他の港まで行くっていうところまでは、やる予定ではないです。
(読売新聞)
訓練の規模感について、9月4日は何名ぐらいの参加になるか。
(防災安全統括部長)
300名程度の予定で進めております。
(読売新聞)
10月から11月の訓練についてはどうか。
(防災安全統括部長)
それはまだちょっと分からないです。細かいところを詰めているところなので。
(共同通信)
9月の訓練は、実際に船は動かさないということか。
(防災安全統括部長)
船に乗ってですね、ちょっと湾内に出るぐらいのことはやろうかなと考えております。
(共同通信)
10月、11月の訓練は、実際に船に乗って行くのか。
(防災安全統括部長)
はい、大分側に、九州側に渡るということです。
(日経新聞)
昨年11月に行った訓練を2回に分けてやるということか。
(知事)
昨年は、国との合同訓練だったので、国の都合もあって、あの時期に設定しています。
(南海放送)
先ほど再稼働の話も出たが、あらためて、あさって再稼働を迎えるに当たっての所感はどうか。
(知事)
はい、慎重にも慎重に原発には向き合ってきたつもりでございます。初めに再稼働ありきで向き合ったわけでもないですし、それから事業者に対しても国に対しても、言うべきことは言うという姿勢を貫き通したつもりでございます。決して隠し事をしないということで、5年間にわたる経緯については、全て逐一オープンに県民の皆さんにも公開してきたつもりでありますけれども、それでもいろんな賛否両論はあるのは致し方ないことだと思います。仮に再稼働をしない、あるいは今回のように再稼働する、どちらを決断してもリアクションが必ず起こってしまうのが、この問題の難しさだと思いますけれども、特に地元、伊方町や周辺市町、それから県議会、いろんな議論の中で、県議会からは再稼働の要請ということもありましたので、そういったものも全て踏まえた上で、この5年間の愛媛県が取ってきた対応をそしゃくして議論をされていると思いますので、それをトータルに踏まえて、地元としては同意をいたしました。
ただ、そこから先については、その確認作業は、原子力規制委員会、あるいは最終的な再稼働の判断をした国が最後の決断をするということになりますから、それはしっかりとやられるという前提で同意をしているということであります。ですから今後とも、常に緊張感を持って、法的な権限があろうがなかろうが、これはちょっと違うだろうと、約束と違うだろうというようなことが起こったときには、何らかのアクションを起こす必要があるという気持ちは、決して忘れることなく向き合っていきたいと思っています。
(南海放送)
全機が止まって4年7カ月ぐらいになるが、この期間については、どのように受け止めているか。
(知事)
そうですね、一つには、老朽化して休止していた火力発電所を定検を延長してまでですね、フル回転させて電力供給しているのが今の実態だと思います。一番心配していたのは、その間に、具体的に言うと阿南の火力発電所に何かがあったら、完全に事態が急転しますので、そこは非常に懸念をしておりましたけれども、本当に何とか供給し続けることができたので、県民の皆さんの生活、あるいは企業活動に大きな影響が出ずに乗り越えることができたのではなかろうかと思っています。
しかし実態は、今申し上げたような状況から一つも変わっておりませんので、今後、いろんなリスクヘッジを行いながらですね、安定供給の体制を取っていただきたい。かつ、国に対しては、前々から申し上げてきたように、出力と安定供給とコストの面で代わり得る代替エネルギーの開発に、もう一歩も二歩も踏み込んで真剣に考えていただきたいと心から願っています。
(NHK)
関連して、鹿児島の県知事が先月末に就任して、早ければ今月中にも九州電力に再稼働した川内原発の一時停止を申し入れたいと言っているが、伊方原発が再稼働を控えている中で、そういう発言があることについての所感はどうか。
(知事)
そうですね。新知事さんが、どういうお考えかは、私はまだお話ししたことがないので分かりませんけれども、そもそも立ってる位置がちょっと違うのかなというのが、こちらは福島の原発以降5年間、伊方原発と向き合って月日を刻んでまいりました。さっき申し上げたように、全国では唯一ですね、県独自の事業者や国への要請を執拗に行ってきた経緯があります。
新知事は、今回初めて向き合うことになられますから、その点での確認もこれからなのかというふうに思いますし、鹿児島自体がどういう形で川内原発と向き合ってきたのか、あるいは国や電力事業者とどう折衝してきたのかというのは僕も分かりませんから、その辺が分からないので見つめてみたいという気持ちも、それは理解できるところなので、ちょっと意味が違うのかなと思っています。
(NHK)
鹿児島県知事の発言に対して、だから今回の伊方だとどうこうというのはないということか。
(知事)
ないですね。はい。
(南海放送)
再稼働後にあらためて電力事業者に求めたいことはあるか。
(知事)
そうですね。何よりも原発というのは絶対安全なものではないという前提に立って、常に最新の知見に基づく安全対策を追い求め続けていただきたいというのが1点と、それから「えひめ方式」という全国に例を見ない報告・連絡体制、これによって隠し事はしないという方針を明確にしておりますので、これを今後ともしっかりと守っていただきたいと、この2点を特に強調させていただきたいと思います。
(読売新聞)
地元伊方町の地域経済にとって、今回の再稼働がどういうふうに影響すると考えているか。
(知事)
例えば、税収とかですね地域経済という観点で再稼働問題を全く考えておりませんでした。あくまでも安全基準をクリアできているのか、愛媛県の要請を受けとめているのかどうか、そこが全てでしたので、結果的にはいろんな動きが出てくると思いますけれども、そこを想定した形での再稼働ではないということでございます。
(愛媛新聞)
引き続き安全対策を追い求めてほしいということだが、そうした中で冷却水ポンプから水が漏れたというふうなトラブルがあった。そのことについては、どう考えているか。
(知事)
まず、漏れたと、この直前の時期、それが発覚すれば当然のことながら、再稼働の日程、スケジュールに影響が出るということは間違いないわけで、現実、延期になったわけですね。でも、それをしっかりと分かった上で、隠し事をせずにルールに基づいて報告をしっかり、情報をオープンにしているという姿勢は、それは良しとしております。
それと同時に、その原因の分析をちゃんと行って、さらにはシール、実際にトラブルが起こったのは1カ所だけだったんですが、念のため他の二つについても全て取り替えをするという選択をしたのも、これも良しとしたいというふうに思っております。
いずれにしましても、こういう形で、何かがあったらオープンにし、そして速やかに対処するというふうな姿勢を貫き通せば、そこに信頼というのが生まれてくるのではなかろうかなということを感じました。
(愛媛新聞)
今のところは、その信頼というのは生まれているということか。
(知事)
そうですね、皆さんもご存じのとおり、愛媛県から要求した項目については、一つずつ丁寧に対応していただいているのは、間違いないと思っています。