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平成28年度4月知事定例記者会見(平成28年4月14日)の要旨について
日時:平成28年4月14日(木曜日)
11時18分~11時38分
場所:知事会議室
(南海放送(幹事社))
昨年8月の東京に続き、今回、松山にも新たに「えひめ移住コンシェルジュ」を置いたが、その所感についてと、これまでの県の移住促進施策の成果と課題、今後の方針などについて合わせて伺いたい。
(知事)
人口減少に対応するためには、人口の流出をいかに食い止めるか、人口の流入をいかに促進するか、そしてまた出生率をいかに上げていくかと、この3点から総合的な政策を展開することが重要と申し上げて参りましたが、移住コンシェルジュはまさに人口流入促進という観点での政策の柱の一つであるというふうに位置付けております。
平成19年に市町・民間団体等と設立した「えひめ移住交流促進協議会」を中心に、相談窓口の設置やホームページの作成、大都市圏での移住フェアへの出展などに取り組んでまいりましたが、昨年策定しました県版総合戦略に人口減少対策として、移住促進を主要な施策に位置付けさせていただきました。大都市圏で高まりつつある地方移住の気運を取り込み、本県への新しい人の流れを生み出すこととしたところでございます。
このため、昨年度、移住誘致の最前線である東京に専従の移住コンシェルジュを配置しまして、本県の顔として、ワンストップの相談対応や愛媛暮らしの魅力発信に取り組み、今年3月までの259件の相談のうち、狙いは50歳以下の世代ということだっだのですが、8割弱が20歳から40歳代が占めることとなりました。
人口の自然増に結び付く子育て世代の掘り起しに一定の成果を上げているほか、初の県単独となる移住フェアや仕事を切り口とした「職の担い手フェア」の開催、ポータルサイト「e移住ネット」のリニューアルや、プロモーション映像の制作に加え、県と連携した市町の取り組み強化などが奏功しまして、昨年度の移住実績が2月末現在で165世帯251人、一昨年度が36世帯の60人でございましたので、まあ、もちろん愛媛以上にどんどんどんどんやっているところもありますが、これは非常に難しいところがあって、お金をかければ増やすというようなことは可能だと思います。これもタダにします、あれもやります、これもやります。ただ、やはり行政ですから、費用対効果というのは常に考えながらやっていく必要があるというふうに思っていますので、ただ、愛媛県がそういう意味では60人から251人になりましたので、これから伸びしろは十分にあるなということを実感しているところであります。
このような流れをしっかりとつかみまして、本県への移住を一層促進するため、今年4月から新たに県内に地域版の移住コンシェルジュを配置したところでありまして、こちらは現地の水先案内人として、移住関連イベントの企画や移住希望者の現地案内の調整等を行うほか、東京に既に配置しています移住コンシェルジュや、今年度新たに「地域移住相談員」として委嘱する地域おこし協力隊OBなどの先輩移住者等と連携した切れ目のない移住相談、地域の実情を踏まえたサポート体制の構築などを通じて、県内の受け入れ態勢の充実強化につなげていきたいと考えております。
今後、本県人口が減少し、地域活力の低下や労働力の不足が危惧される中、移住施策を進めていくに当たっては、地域の担い手となる現役世代や子育て世代の確保に最優先で取り組む必要がありますことから、今年度新たに、市町と連携した移住者の経済的な負担を軽減する思い切った住宅改修の支援制度を創設させていただきました。これはあの非常に問い合わせが多く、かなりこれらは既にこの段階でちょっともう最初組んだ予算をオーバーするかもしれないという相談が一部の市町から寄せられておりますので、こうした多様な施策が相乗効果を発揮して、一人でも多くの方に移住してもらえるよう、「チーム愛媛」としての取り組みを強化していきたいと思います。
また、多くの選択肢の中から魅力ある移住先として愛媛県を選んでもらうには、県民の元気な姿を見せることが必要で、何よりも地域住民自らが生活を楽しみ、元気で暮らせることが不可欠であり、本県経済や地域の活性化に向け、営業活動による実需の創出、自転車新文化の推進、「えひめいやしの南予博」等の開催など政策を総動員して、移住者誘致にもつながるように頑張っていきたいというふうに思います。以上です。
(愛媛新聞)
平成26年度の高知県の実績は652人で、四国の3県と比べたら愛媛の実績は少ないと感じるが、その点についてどう思うか。
(知事)
そうですね、一つはですね、まずあの移住の数字の取り方がルール化されていないんで、比較できる場合とできない場合があるのかなと思います。例えば、他県は知りませんよ、同じかもしれないし、ただ場所によっては、例えば結婚して来た人もカウントしている所もありますし、愛媛県の場合は純粋にそういった結婚でたまたまこちらに移住してきたっていうのはカウントしてません。それから、移住希望して来た人のみを純粋にカウントしているのが愛媛方式のカウントなんですけども、そこがまず全国的に統一されていないっていう問題があるんで、ちょっとそこは冷静に見ておく必要があるかなというふうには思っています。
もう一つは、先ほどちらっと触れましたけども、いくらお金をかけるのかによって全然変わると思うんですね。例えば、場所によっては、うちも初めて今回改修工事の補助制度を立ち上げましたけれども、家賃もがんがん補助しますよ、というようなところもありますから、そういうふうにかけ方によっては、大分変わってくると思うんで、そこがさっき言った限られた財源でやらなきゃいけませんから、費用対効果で愛媛の体力でどこまでやるかっていうことは非常に難しい、まあ決断だと思いますので、そのあたりもしっかりと考えながら進めていきたいなというふうに思っています。
そういう中でですね、愛媛県、よそと比べたらちょっと遅れたスタートだったのかもしれませんが、ここへ来て急速に上がってきてますんで、しっかりと伸びしろ、費用対効果を十分に考えながら結果に結び付けていきたいという風に思っています。
(愛媛新聞)
費用対効果という話があったが、体制という意味では、高知県は移住促進課という専門の課があるが、愛媛県として専門の組織といった考えはあるか。
(知事)
そうですね、あの、これはうちの場合は市町との連携というのが非常にうまくできてますんで、ここは他の地域とのちょっと違った色彩だと思いますから、組織としてやった方がいいという段階があれば可能性はあると思います。
ちょっと他県のことなんで分かりませんけども、多分予算的にいうと4倍ぐらい違うんじゃないですか。
(愛媛新聞)
四国3県と比べてということか。
(知事)
まあいいです。
(テレビ愛媛)
基本的には、今後の少子高齢化を考えたら子育てする、子供を産んでくれるというか、いわゆる家族の方、子育て世代を呼んでくるのがメインになると思うが、今後、都市部ではリタイアされる高齢者の方も増えてくるわけで、そのような方たちを積極的に呼んでみるとか、特に松山近辺で住みやすいというところでアピールしたいとか、そういう何かシニア層向けの移住促進の考えはどうか。
(知事)
そうですね、もちろん両方やります。両方アプローチしますけれども、やっぱり働くということへの力点の置き方については、やっぱり今までどおりの基本を持ちながらも、お年寄りも大いに来ていただきたいというふうには思いますが、ただ、無理やりっていうのもやりたくないんで、ちょっと問題になったこともありましたんで、そのあたりは自然体でやっていきたいなというふうに思っています。
(共同通信)
選挙権年齢の引き下げに伴って、県立高校が一斉に校則を変えたことについて、新年度が始まって、各高校では、いろいろ運用を工夫したりして、高校生が萎縮したりしないようにいろいろされているが、一方で、一部の県民の方々からは、今も抗議の声が上がっているわけだが、あらためて知事の立場を伺いたい。
(知事)
そうですね、これ、何かの記事で見たんですけれど、賛成、反対、たぶん拮抗すると思うんですよ。やっぱり生徒の安全をしっかりと守ってほしいという声もあれば、反対の方は、わりと、政治活動家の方も散見されますので、そういった活動で目立つということになろうかと思いますが、どこかの新聞社さんが、何かアンケートやったら、42対42とかで、賛否拮抗なんですね。両方あるのは、これはもう当然だと思います。その中で、やっぱり、以前、記者会見でも申し上げたんですが、私も30年この世界にいたんですけども、まあ、政治、選挙というのは、いろんなアプローチがあります。そのたびに、選挙違反取締本部というのが設置されてですね、公職選挙法に基づいて、時には罰せられることもあるわけですね。過去の事例でいうと、例えば大学生が取り調べを受けたり、先輩から言われて集会に行って、断れないですよね、なかなか。そこで飲食の提供を受けて、それが違反につながり、学生という立場でありながら、かわいそうなことに連日取り調べを受けるということに巻き込まれたということを何度も見てきました。ちょっと手伝ってくれよと、集会に来て手伝ってよと、じゃあ、これありがとうね、お金でも渡されたらアウトですから。
そういう危険に対して意識の高い高校生は全然問題ないと思います。でも、知らない段階で、いきなり今回の18歳引き下げ、それ自体はいいことだと思いますけれども、そういった実態や公職選挙法の教え等を受けないで、すぐに今回選挙があるわけですよね。だから、大丈夫かなっていうところ、そういうことに巻き込まれないようにするために、学校が一生懸命考えて出した結論は、尊重したいというふうに思っています。
ちまたで言われているように、教育委員会が、生徒の思想信条を把握するとか、選挙でこうしなきゃいけないと誘導するとか、そんなことはやるわけがないと。それはもう全く心配しないで結構で、あくまでも、今回各学校の判断で、子供たちが初めてのフィールドに立つわけですから、もしものことがないように、そのやり方は学校で考えると思いますので。あくまでも自由意思で投票すればいいことですから。ただ、そういうふうな集会に行くときに、ああそういうところに行くのだったら、こういうことは絶対駄目だよと、ちょっとでも言えることによって抑止になるのであれば、それは非常に効果があるのではないかなと個人的には思います。
(共同通信)
馳浩さんは、自分が校長だったら届出制は採用しないと言っていたが、知事がもし校長だったら、どうするのか。
(知事)
僕だったら、やりますね。はい。そういう場面を30年やって見てきていますから。やっぱり性善説だけでは見られないのが悲しいかな現実でしたから、そういうアプローチをする人たちがいたのも事実ですし、また、それが多分途絶えることもなかなか難しいだろうと。選挙をやる立場からすれば、票を獲得する、そこに新たな大きな票が生まれたら、どうアプローチしようかとおそらく考えるでしょうから、そういうアプローチが全くなくなることはないと思います。ですから、守ってあげた方がいいんじゃないかなというふうに思います。
(共同通信)
最後に、各高校の判断が一致したことについて、県教育委員会からの指導があったのではないかという指摘もあるが、この点については、どういうふうに考えているのか。
(知事)
これはですね、僕も不思議に思ったのは、18歳の選挙権年齢の引き下げ、大いに結構なことなんですが、その引き下げが実現するまでに、今の選挙違反のリスク・危険性という観点から議論した形跡は全く感じられなかったんですよ。おそらく気にもしなかったのではないかなと。要は、18歳にすることが、いいことなんだからそれをやろういうことに集中して、その裏側にあるリスクについて十分な議論がなされた形跡は全く感じなかったんですね。だから県教育委員会としてはそういうところは危ないところもあるんで、気を付けた方がいいよ、ということを投げ掛けて、そこで初めて学校の先生方は、これはもしものことがあったらどうしようという中で、その投げ掛けが各学校の先生たちの議論に結び付いて、その結果につながった、ということなのではないでしょうか。それまでなかったんです。
だから今回、馳大臣も、それは、馳さんの、大臣の考え方は考え方でいいんですけど、ただ、この選挙違反のリスクには一言も触れていないんですよね。触れた上でそんなのは自己責任だと言うのであれば、それはそれで一つの考え方だと思います。高校生がそれに巻き込まれても、学校の責任は関係ない、罰せられればいいんだというふうな考え方で突っぱねてしまえば、それもありかなというふうには思います。
(共同通信)
県教育委員会が、去年集まる研修会でリスクについて説明して、その結果、各高校が独自に判断したと。
(知事)
そうですね、はい。
(愛媛新聞)
いまの、リスクについて聞いていると、どうしても政治活動に参加することが危険だ、リスクがあるという面がすごく強調されてしまって、高校生たちもやめておこうかというふうに考えるのではないかと思ってしまうが、政治活動への参加が委縮してしまうようなことにならないか。
(知事)
全然構わないですよ。構わないんですけど、全部が全部普通のアプローチではないんですよね。しかも、今回初めてじゃないですか。それでも抑えられるかどうか分かりません。巧妙に来るかもしれませんから。じゃあそのときに学校は何もしなかったのかっていうふうに言われたら、誰が責任取るのかなと思うので、やっぱり、その議論もしておく必要があるのではないかなと。
大いに結構、政治活動に参加するのは。ただ、討論会に行くとかね、政策演説会に行くとか全然構わないと思うんですけれども、ただ、そういうものだけではないというところが、まさに今回からスタートを切る18歳の世代には、全く、誰も教えられていない段階なので、どうなのかなというふうには思います。
(愛媛新聞)
学校での主権者教育で、その危険性についても対処できると。
(知事)
そうです、そうです。だから徐々にやっていけばいいんじゃないですか。それが浸透してしまえば、別にそういうことは、なくしてもいいと思います。
(愛媛新聞)
初めての試みなので、ということか。
(知事)
そうですね、これも初めてなので大丈夫かなっていうふうなことは、この前の記者会見でも申しあげさせていただいたんですけれども。
(朝日新聞)
農林水産省の調査でため池の耐震性について全国調査した中で、愛媛県でも調査した128のため池の中で90が耐震不足というふうに調査結果が出ているが、予算の関係もあって、なかなか全部が全部、すぐ耐震補強というのは難しいと思うが、ため池の耐震補強について、県の方針というか、対策を伺いたい。
(知事)
はい。これ数字が出たばかりで、まだ余り詳しく分析できてないので。
(仙波副知事)
全体の調査が終わっていませんので、平成30年で耐震調査を完了しますから、並行しての対策となる。まあ、朝日新聞さんの記事にはあったのですが、本省のほうも調査中という段階でのおそらく記事だろうと思いますので、これからの結果を踏まえて、対策をやると。
(南海放送)
参院選で永江氏が出馬表明したが、共産党との候補者調整の話は残っているものの、自民党の候補対野党の統一候補というような構図がほぼ固まったわけだが、この状況についての所感と今回の選挙へのスタンスはどうか。
(知事)
そうですね。長らく一強多弱といわれ続けてきた政治情勢だったんですけれども、それはあの民主政治のルールからいえば、やはり変わりうる勢力というものがあって、初めて政治に緊張感というものが生まれる、切磋琢磨という土俵ができると思いますから、そういう中で一強多弱という状況では何も変わらないというふうな中から、野党が話し合いを進めたっていうのが、一つの結論ではないかなというふうには思います。その中で、何をもって連携するのかっていうことについては、やっぱり国民に分かりやすく説明をしていく必要があろうと思います。それは政党間の連携ですから、何もかも一致しているという必要性はないと思います。この分野について、ですとかね、分かりやすい形での連携ということであれば許容範囲になるのかなと。ただそこをはっきりと示すということは必要だというふうには思いますね。
基本的に国政のことですから、ニュートラルな立場で臨ませていただきたいというふうに思ってます。ただ、前々からも言っているように、お世話になったことについては、それはありのままに報告するっていうことが、これは自分のスタイルですので、今までどおり変わらずそのことについてはやりたいというふうに思ってます。
(テレビ愛媛)
お世話になったことにはっていうニュアンスから捉えると、これは永江氏からも多分知事選のときに応援されていると思うし、自民党からも応援されてる。これはもうどちらともということか。
(知事)
そうですね。だから僕自身はあくまでも今回はニュートラルで見つめて、今言ったようなところで、例えばこういう時にこういうことやってくれましたとかね、そういうのは事実を聞かれたら、あるいは伝えてほしいと言われたらそれは言えることだと思いますね。
(南海放送)
今回は、安保のことで、その一点での政策の一致ということだが、それはまあ分かりやすくていいということか。
(知事)
だから、それだけで行くのか、それ以外も複数のテーマになるのか、それはもう野党が考えられたらいいんじゃないですかね。それが一本で認める人もいれば、複数だったら認めるという人もいれば、いろいろだと思うんです。それはもう有権者が、それぞれが判断されたらいいんじゃないかなというふうに思います。