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平成27年度5月知事定例記者会見(平成27年5月28日)の要旨について
日時:平成27年5月28日(木曜日)
11時19分~11時39分
場所:知事会議室
(愛媛朝日テレビ(幹事社))
伊方原発3号機の安全審査を行っている原子力規制委員会が先日、事実上の合格証となる審査書案を了承したが、今後の再稼働に向けての「地元の同意」については、いつまでにどのような形で議論を進めて、結論を出すのか。知事の考えを伺いたい。
(知事)
伊方原発の再起動につきましては、「安全性や必要性を含む国の考え方」が示されれば、「四国電力の取り組み姿勢」や「地元の理解」を踏まえ総合的に判断することとしておりますが、基準適合性審査の最終判断や国の再起動に対する明確な要請・方針が示されていない現段階では、白紙であることに変わりはありません。今後、規制委員会の最終的な審査結果が示されれば、今申し上げたように、まず、国からの県に対する再起動の要請があるのではないかなと考えており、それを受けて、県においても何よりも大前提となる安全性についてしっかりと確認をしていきたいと考えております。
そして、「地元の理解」については、伊方町の判断や周辺地域の方々の意見、伊方原発環境安全管理委員会の審議、そして県民の代表である県議会の議論等を十分踏まえまして、総合的に判断することとしておりますが、そこでの議論をしていただくためにも、県としては、国から責任ある説明を聞いて、その姿勢を明確にしなければならない。それをまた県民にご報告する、そして広く情報発信していくことにしており、それによって、各市町議会や県議会などで多様な議論がなされて、さまざまな形で意見が示されるであろうことから、広くそれらの意見を踏まえて判断したいと考えており、あらかじめ期限や手続きを定めて進めるようなものではないと考えております。以上です。
(愛媛新聞)
周辺地域のことについてだが、2012年に八幡浜市とは覚書を締結しているかと思うが、そこにも、県は八幡浜市の意見を聴くということが明記されているので、八幡浜市に関しては意見を聴くということになるのか。
(知事)
ここでも何度も申し上げてきたんですけれども、何キロ以内とかですね、どこまでが範囲だっていうことは明確に区切るというのは難しいと思います。何か区切った段階で、じゃあその隣の家はどうなるんだって議論が必ず出てくるんですね。だから、まずは立地自治体である伊方町とかは、これはもう当然のことなんですが、周辺の自治体というのは、今言ったような情報を通じて、議会なり住民の皆さんが議論するわけですから、それらの意見も拝見しながらですね、最終的な判断をしていくということでございます。
(時事通信)
30キロ圏内に7市町あると思うが、そうすると八幡浜市、伊方町以外の5市町も含まれる可能性があるということか。
(知事)
そうです。今申し上げたように、結局、二重になっていると思うんですけども、それぞれ議会を持ってますから、住民の皆さんの意見を背景に議会でも議論されるでしょうし、市議会や町議会。市長さんもその議論に加わるでしょう。おそらくその結果として、市長さん等とまた話を私もするでしょうし、そしてまたさらに、それぞれの地域ごとにその地域選出の県会議員がいらっしゃり、それがまた集まって県議会で議論をされる。いろんな形で議論が、いろんなステージでなされていくと思いますから、それを鳥瞰図的に拝見しながら、最終的には自分が決めていくということになろうかと思ってます。
(時事通信)
鹿児島の川内原発の再稼働が8月くらいには始まるようだが、鹿児島を前例として参考にするということは考えていないのか
(知事)
全く他県の原発とは事情も違いますし、立地条件も違う。それから電力事業者に対して独自の要請をし続けてきた県というのは、もう愛媛県だけですから、そういう事情も全く異なっていると思いますので、それを事例にするというよりは、愛媛で考える安全徹底追及というところに重点を置きたいと思っています。
(愛媛新聞)
独自要請については、おおむね1000ガルのことがあると思われる。規制委員会の正式な合格後に、四電が1000ガルの結果を示す可能性があるが、おおむね1000ガルの確認も再稼働判断の一つということか。
(知事)
愛媛県としては当然です。これは約束事です。国はそこまで求めていないですけれども、愛媛県としては求めます。
(愛媛新聞)
確認を受けた後、安全性に関してはだが、再稼働の判断はするということか。
(知事)
再稼働するしないということは、今、全然まだ白紙ですから何とも言えないですけども、その判断をする材料の一つとして約束事がきちんと、愛媛県と事業者の間で約束事がきちんと守られているかどうかというのは、当然、全て確認はしていきます。国の安全審査は安全審査。われわれがそれではちょっと足らざるところもあるんじゃないかということも、現場として感じたものについては、アディショナルで要求を突き付けてきましたから、これは愛媛県と事業者との話になりますので、愛媛県のチェックということについて言えば、それら全てが重要なポイントになってくると思っております。
(愛媛新聞)
場合によっては、その結果がかなりずれ込む可能性もあるが。
(知事)
だから期限は全然分からないですよね。初めに期限ありきは、全く考えてないですから。当然のことがステップを踏んで、さっき申し上げたように、当然、国から要請があることがなければ、議論をスタートするわけにもいかないですし、要請があった場合は、その最終責任を負う国がどれくらいの決意で臨んでいるのか。疑問点に対してどんな考え方を持っているのかということを、さっき申し上げたように明確にする。それをまた県民にご報告するという段階を踏んでいかないと議論が煮詰まっていかないと思っていますので、それにどれだけ時間がかかるのか、さっぱり分からないですね。
(南海放送)
四国電力の姿勢についてだが、知事も住民への説明というのを以前から言っており、千葉社長も、最後の定例会見で20キロ圏内は戸別訪問をして、それより遠いところについては、自治会や消防とかに説明ということだが、この説明についてはどのように評価はいいるのか。
(知事)
そうですね、俗にいう説明会を今までいろいろな他の地域等も拝見すると、全て問題になってしまうんですね。その背景というのは、やはり賛成派、反対派の双方による動員合戦的なですね、大会、会合になってしまっていて、本来、その名前の付いている説明会になっているのかどうかということが一番のポイントだと思うんですよ。説明ということでいうならば、一番、丁寧なのは、一軒一軒回って説明をすると。そこで頂いた意見、それを開陳する、それは厳しい意見も開陳する。それを要請したんですね。どこまでやるのかというのは、そこは県から言ったわけではないんですけれども、自分で考えてくださいということを申し上げたところ、回答としてきたのが20キロ圏域、30,000戸は間違いなく一軒一軒回ってきますというふうなことだったんです。で、その後の展開、多分5回くらいは回っていると思いますけど、報告書を見ると、厳しい意見についてもしっかりと公表はしてるというのは確認しています。それ以外のところについては、地域ごとにまた考え方も異なるでしょうから、それは地域の意見に従って、四電が対応していくべきものと思っております。
(テレビ愛媛)
現在見られる厳しい意見も公表しているところを含めて、知事としての受け止め方はどうか。おおむね好意的に十分できているんじゃないかという受け止め方か。
(知事)
いや、全くそこはコメントのしようがないですね、まだ。いろんな意見がありますから、この問題というのは、最後まで意見が全て一致することはない課題だと思います。だからこそ、感情的にならずに冷静に分析をし、そして議論をしていくというステップが必要だと思っています。
(愛媛新聞)
キウイフルーツかいよう病についてだが、樹体共済の加入率が先週末時点で4.3パーセントであったが、最新の加入率の数字が分かれば教えてほしい。また、この数字をどう受け止めているのか。
(知事)
実は、最新の数字、僕の手元にまだ届いていないんですよ。聞いているところによると一番対象として多い周桑地域が、まだ手続きが済んでいないということもあって、そこが最後に出てきますので、その数字はまだ僕の手元に来ていないので、ちょっとここで何パーセントというのは分からないですね。
(長谷川副知事)
5月25日現在で、5.9パーセントですね。5月25日現在のキウイフルーツ樹体共済の加入申込み率は5.9パーセント。これが最新の数字です。
(農林水産部長)
まだゴールドキウイの一番主力産地のJA東予園芸が最終の取りまとめをしておりますので、もう少し上がるのではないかと思っています。
(知事)
それともう一つは、Psa3型への対応ということが多分メインだと思いますので、例えば、ヘイワードはPsa3型に感染はするんですけれども、ゴールドほど被害がないということもあって、ヘイワードを栽培されている方は、多分、加入を見合わせるようなところもあるのかなというふうに思いますので、それらを少し分析してみたいと思っています。
(愛媛新聞)
800万円の補正予算は、共済制度の適用日までの空白期間を埋めるために措置したわけであり、ヘイワードは事情があるかもしれないが、あらためて、加入促進への呼び掛けという点はないか。
(知事)
ずっとやり続けています。もしものときに備えてということで。
実際、この制度がなかったので、県の特に全伐採に対する単独補助制度を立ち上げていますので、これはあくまでも応急措置でありますから、これからはその樹体共済が中心になりますので、そこを活用していただきたいということは常に申し上げているところでございます。
(あいテレビ)
ドローンに関して、県外では活用を検討している自治体もあるようだが、愛媛としては、何か考えていることはあるのか。
(知事)
そうですね。既に都市公園条例等で規制できる分野もありますから、既存の制度の中で、当然、危ないものについては対処するということです。それともう一つは国側の、これちょっと社会問題になりましたから、全国対象の法整備に入っていますので、極めて早いスピードで今、検討されているようですから、それを待っても遅くないなというふうに思っていますので、その推移をまず見てみたいと思ってます。
(あいテレビ)
例えば、県の管理する公園では規制するとか、そういったことは検討しているのか。
(知事)
もうできてるんですよ。今、既に。今の条例等でできております。
(愛媛朝日テレビ)
長浜高校の水族館部が、海外の国際学生科学技術フェアで4位に入賞したが、それについての所感と今後への期待を聞かせてほしい。
(知事)
チームニモのメンバーが、県庁を訪問されてプレゼンテーションをしていただいたのですけれども、まず、あのときの印象で言うと、クマノミがなぜイソギンチャクに刺されないのか、その解明した中身というのが、今までの生物学者の中で盲点だったようなところを探り当てたという点で、まず、その研究の中身について非常に敬意を表したいなと感じました。
それともう一つは、その時点では日本語だったのですけど、メンバーのプレゼンが非常にしっかりしていました。理論立て、それから語り方、それらは全て堂々として見事なものだなというのが自分の印象だったのですけれども、後は、本番は英語になりますから、その場所でどれだけのことができるのか、期待と同時に不安を覚えながら県庁の部屋から見送った記憶があります。
本番では、本当に伸び伸びと自分たちの成果を多くの世界の方々に披歴をされていたと思いますし、その中身とそれから伝える力があったからこそ世界で4位という快挙につながったのではなかろうかなと思います。
こうした現役の高校生の活躍が、同世代の高校生や、次なる世代に与える影響というのは非常に大きなものだと思いますので、また、世界に通じるような研究が深化し、そして新たに生まれてくることを心から期待したいと思っています。いずれにしましても、お見事でしたと心から拍手を送りたいと思います。
(テレビ愛媛)
おととい、空き家対策の特別措置法が完全施行されたが、愛媛は2月に公表された数値では、山梨に次いで2位と空き家率の高い状況であり、防災の面からもこれからどのような対策を講じていくのか。あらためて所感を伺いたい。
(知事)
空き家率については、実は、県単独で対処できる問題ではない。むしろその主体が市、町一番身近なところにありますので、いかに連携をして対処していくかということが重要な点だと思っています。
それ故に、4年前に立ち上げた県・市町連携推進本部会議の果たす役割というのが非常に大きいと思っておりますので、愛媛ならではの「チーム愛媛」の力というものをこの対策にも生かしていきたいなと思っています。
(愛媛新聞)
先般、伊予鉄道の社長交代人事が内定した。サイクルトレインやバスなどで行政と連携した取り組みも前向きな企業だと思うが、新たな社長に期待することは何か。
(知事)
昔はですね、伊予鉄さんというと思い浮かんだのが「石橋をたたいて渡らない」という、非常に保守的な体質という印象が強かったんですが、最近は、本当に地域のために、利用者のために、やるべき改革をどんどんやろうという姿が非常に色濃く出ているような感じがしています。そういう中でですね、さらに若い社長が誕生されたわけですから、時代のニーズに合った事業展開やスピード感というのが期待できるんじゃないかなというふうに思いますので、より一層、地域の公共交通機関を担う重要な役割を果たしていますので、行政のまちづくり、愛媛県づくりともですね、連動していきたいなというふうに思っています。