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平成27年度5月知事定例記者会見(平成27年5月14日)の要旨について
日時:平成27年5月14日(木曜日)
11時00分~11時32分
場所:知事会議室
(NHK(幹事社))
伊方原発の再稼働の是非について今後、県議会の判断が重要な役割を担う局面が生じることが予想される。こうした中で、昨日、新たに議長や副議長などが決まったが、県議会に対し、どのような舵取りを期待するのか伺いたい。
(知事)
まず、伊方原発の再起動につきましては、行政側の基本的な姿勢は、これまでも申し上げてきたとおり、安全性や必要性を含む国の考え方が示されたとするならば、四国電力の取り組み姿勢、そしてまた地元の理解も踏まえて、総合的に判断することとしております。これはいささかも変わるものではございません。
このうち地元の理解につきましては、伊方町の判断や周辺地域の方々の意見、伊方原発環境安全管理委員会の審議とともに、県民の代表である県議会の判断は大変重要なものであると認識をしてます。
私どもの立場からすれば、四国電力に対しまして、徹底した安全対策を国任せにするのではなく、県の立場でも気付いたところは要請を続けるということが一点と、そしてまた、もし国が先ほど申し上げたように、考え方が示された場合に、その真意というものを県民を代表してただしていくということが、議論の材料になるというふうに思っておりますので、この点をしっかりやっていきたいというふうに思っております。
そしてまた、それを受けて県議会には、伊方原発の再起動に関してさまざまな意見が展開されると思いますが、こうした中で、県民の代表として活発な議論が展開されることを期待しておりまして、その上で、県議会の最終的な判断を待ちたいというふうに思っております。
(愛媛新聞)
関連してになるが、先日、経済産業省の有識者会議で、将来の電源構成についての計画案が事実上まとまったが、今後の伊方原発のあり方や再生可能エネルギーの普及にかなり影響してくるものだと思われる。知事は以前から国が将来的なエネルギー政策を示してほしいということを言っていたと思うが、今回の計画案をどのように評価しているのか。
(知事)
前々から申し上げているとおり、日本という国はエネルギー問題に関しては、非常に脆弱な体質を持っていると思います。それは自国で資源が賄えないということが一点と、四方を海で囲まれている関係で、陸送で送電線を使って電力を他国から購入することができない中で、海外、外国にその源を依存する体質を持っています。
ただ、この資源というものは、いかなるものであれ、地理的に偏在をしている傾向がありますから、何らかのリスクが生じたときに多大な影響を受けることにも直結しています。それであるが故に、国民生活の安定や産業の振興を追い求めていくに当たっては、こうしたリスクも勘案しながら、エネルギーのバランスある確保が必要になってくると思っています。その中の一つの答えが、多様性にあると思いますけども、原発もその中の一つであります。原発そのものはないのが理想でありますけども、現状、それに取って代わり得る資源というものが、なかなか開発されていない。よく自然エネルギーをと言われる方もおられますけども、出力、安定供給、コストの面で、これに代わり得るものが登場するまでは、安全を徹底的に追及する中で利用していくというふうなことをこれまでも申してまいりました。
特に自然エネルギーは、例えば風力などは立地場所等の問題が起こったりと、原発反対の方が風力にも反対すると、そういう状況の中で、なかなか一筋縄ではいかないことも一つの例だと思いますが、非常に難しい問題だと思ってます。
そういう中で、当事者ではありませんから、比率がどのように積み上げられたのか、つまびらかなことは分かりませんが、一つの一定の時期における目標というものを設定したのではなかろうかと思っています。
(愛媛新聞)
知事は、松山市長時代に太陽光発電の導入にも取り組んでいたが、事前に考えていたよりも、再生可能エネルギーが抑制された影響により、普及の障害になるのではないかという声が企業からもあるが、そのあたりはどう考えているのか。
(知事)
障害というよりも、もともと太陽光エネルギーが取って代わり得る大きな役割を担うところまで持っていけるかどうかというのは、当時からずっと疑問を感じておりましたので、県議会の議事録を見ても確認していただけると思うんですが、特に買い取り価格が設定されたときなど、よく再生可能エネルギー拡大を主張される方がドイツの例を出されるんですけども、当時もドイツは買い取り価格のコストが限界にきているということで、一気に買い取り価格を下げた時期だったんですね。日本は逆に設定したばかりだったわけですから、いつまでもできるのものではないという発言をしてたんですが、まさかこれほど早く買い取り価格の引き下げが行われるとは思いもよりませんでしたが、日本でも買い取り価格の引き下げが現実化いたしました。
もう一つ言っていたのは、太陽光エネルギーの現状の技術レベルを問題視していたんですけども、例えば7万平方キロメートルの土地にメガソーラー発電所を造った場合は、土地は全部死んでしまいます。それだけの広大な土地を犠牲にしてパネルを設置しても、得られるエネルギーは4千キロワット。これが現在のメガソーラー発電の技術レベルでありますから、これを原発並みの100万キロワットまで持っていくとなると、多大な土地を犠牲にしなければならないと。日本の国土面積を考えると今の技術レベルでは難しいんじゃないかということを当時も言っていました。ただ、今後、技術レベルが進展する可能性はありますし、また家庭用の普及を通じてエネルギー問題に対する啓発にもつながるという意味合いを価値として見つめていましたので、国はいったん平成16、17年度、ちょっと年数は定かでないんですけれども、太陽光発電設備に対する補助制度をやめたことがありますけれど、そのときも当時の松山市はそういった観点から続けるべきだというふうな選択をしまして、市単独の補助制度を継続した経緯があります。ですから、過大に頼れるものではないけれども、今、申し上げたような点で、太陽光発電等も地道に展開していく必要性はあると思っています。
(南海放送)
発電とともに蓄電というのも大事なことだと思うが、そういう技術に対して、県が携わることは考えているのか。
(知事)
ここまでの問題になってくると、これも前に話したことがあるんですけど、国が原発依存度低下というものを本気で目指していくとするならば、当然にさっき申し上げた代替エネルギーの開発及びご指摘のあった蓄電技術の開発。これは国策として追い求めるべきである課題ではないかと思います。ですから、そういうところにこそ、思い切った国レベルでの研究開発の予算化を進めるべきと思いますが、残念ながらそういったところはまだ弱いと思ってます。
(南海放送)
不十分だということか。
(知事)
はい。
(愛媛新聞)
再稼働の地元同意の関係だが、知事は、以前、四国電力に対して戸別に一戸一戸訪問して説明することが望ましいということを言っていたが、四電は20キロ圏内、従来の範囲で説明する方針を示している。避難計画は30キロ圏内で作成しているが、その辺についてはどう思っているのか。
(知事)
範囲というのは、繰り返し申し上げてきたとおり、ここで線引きというのはなかなか難しいと思います。ですから、20キロメートルというものの戸別訪問の範囲と、それからまた、それとは別に周辺の自治体にも協定を結んでいますから、自治体との説明等もやっていると思いますので、それらを複合的に合わせて、説明していったらいいんではないかなと思っております。
(読売新聞)
17日に大阪都構想の住民投票の投開票が行われるが、都構想に対するの知事の考えを改めて聞かせてほしい。
(知事)
やはり、今、国の借金が膨れ上がっている段階にあり、地方は市町村合併や、ある意味では、行政改革は国以上にどんどん進めてきたこの10年の積み重ねがありますので、その結果として、臨時財政対策債以外の県債、地方債は、おおむね縮減傾向にあると思います。
そういった中で、より一層、国の状況を考えると自立心を高めていかなければならない立場に立たされているのが、地方自治体の立ち位置だと思っています。それらを追い求めていく道筋については、決して全国一律ではないと思います。産業構造であったり、地理的な問題であったり、人口規模の問題であったり、それによってどう取り組むかという道筋というのはおのずから違ってくると思うんですね。共通しているのは、例えば、二重行政の解消であったり、あるいは、無駄な経費の削減、これらは共通項なんですが、特に大阪ぐらいの大規模、大都市圏域になりますと都構想という手法というのは、一つの考え方だと思います。これは、最終的には大阪市民が決めることですから、外からとやかく言う問題ではないと思いますけれども、客観的に見て、その考え方も一つ思い切った提案ではないかなというふうに個人的には思ってます。
ただ、あれだけの根っこから変わっていく制度改革ですから、当然大きな改革には抵抗も大きいと思います。
(読売新聞)
都構想に対する議論は十分にされているという印象はあるか。
(知事)
そうですね、どちらの主張も多分、市民の皆さんの新聞報道などを見てますと、例えば市側、行政側、進めようとする側の説明、デメリットの話をもう少しほしいという意見があります。それで反対派は、ともかく単純にサービスが低下するんだっていうことの一辺倒で具体的な根拠が見えない。だから、そのあたりは物足りなさを投票される市民の方は感じているんじゃないかなというふうに思いますね。
片やデメリットの説明が少し足りない。片や対案が全くないということではないかなと思います。
(NHK)
今日、政府が集団的自衛権の行使を可能とすること等を盛り込んだ安全保障体制の関連法案を閣議決定するということで、今後、議論が国会に移されていくということになるが、所見を聞かせてほしい。
(知事)
そうですね、この安全保障問題は、国の専権事項ですが、ともかく願うのは、国会で十分な議論をしていただきたいということだろうと思います。これはもう本当にある意味では、戦後の日本の安全保障の根幹を変える話ですから、とてつもないテーマだと思います。だから、自由でかつオープンな議論、そしてまた、それに携わる国会議員の一人一人の緊張感があって初めて着地点というのが見いだされると思っていますけれども、何となく国会自体の緊張感が伝わってこない。言い過ぎかもしれませんけれども、そんな気がしてなりません。ですから、どれだけ大きな問題かということを、今、この段階で一人一人の選良全てが受け止めて、本当にどうなんだというところの議論を、自分の考えというものを全面に出してぶつけ合うということが大事ではないかなと思いますね。
(NHK)
緊張感が伝わってこないというのは、どのようなところからか。
(知事)
これは現場にいないから分からないですけど、週刊誌とかをいろいろ見ると、本会議はほとんど人が出てないとかですね。昨日は、見ていたら、本会議中に、本当はいけないと思うんだけど、雑誌を見たり、タブレットいじったり、あちこちをうろうろしたりと、僕らがいたころは、そこまでの風景はなかったんですよ。
だから、どういうふうに空気が変わってるのかは、ちょっと見えないんだけども、それだけの重要なテーマをこれから議論するにあたっての雰囲気とは感じられない。まあ、あくまでも個人的な意見ですけどね。
(南海放送)
この案について、賛成反対等あるが、知事本人としてはどのように考えているのか。
(知事)
まあ、これは当事者じゃないですから、特にコメントをするつもりはありません。
(あいテレビ)
台湾が日本産食品の輸入規制強化を行うということだが、県内への影響などについてはどうか。
(知事)
やはり、影響は当然のことながらゼロではないですね。特にアジアへの輸出、台湾にはかんきつ等含めて、いろいろな仕掛けをしてきて、その道筋ができてきたところですから、本当に何でこういう話が出てくるのかというのが一つの思い、自分なりの思いです。
それはおそらく、日本の輸出産品の流通過程において、たとえば産地偽装とかいろいろなことがあったやに報道で見ているのですけれども、そういう悪質な業者の利益最優先の取り組み姿勢というものが、不信感というものを台湾側に与えて、今回のような問題に発展したのではなかろうかというふうに思っています。
われわれはずっと誠意をもって、良いものをしっかり届けるということに専念してきましたけれども、業者の中にはそういう誠意というものが欠けているところもある業者がいたのかもしれません。そういう一部の人たちの行為が、全体の不信感につながったというのが今回のケースだと思っています。ですから、本当に粘り強く、われわれも持っているチャネルで働き掛けをしていきますけれど、これはもう国と国の話になってきた問題ですから、国を挙げて、しっかりとした情報提供と取り組み姿勢と、それから根拠のある議論ですね、そういったものをベースに置いて粘り強い交渉を展開してもらいたいと思っております。
(あいテレビ)
具体的にこれまで輸出していた産品というのはどういうものがあるのか。
(知事)
台湾はメインはかんきつです。
(南海放送)
今回、影響した数字というのはまとまってないのか。
(知事)
まだ全然出ていないです、これからですから。本当に速やかに、おそらく一部の業者の行為が招いた問題だと思いますので、不信感が拭い去れることを願っていますし、その間、多少、証明書の発行義務等が発生するかもしれませんから、これは国内の問題と両方あると思いますけれども、地方レベルに権限を下ろしていただいて、速やかに対処できる態勢をとり、かつそれを向こうに認めてもらうという交渉を、国の責任でやっていただきたいと思います。
(南海放送)
前回の会見でも言及していたが、国に対しては働き掛けているということか。
(知事)
もちろんです。国だけでは物足りないので、今までいろんな台湾とのチャネルをつくっていますから、そこも含めて、ありとあらゆるルートを使って根拠のない問題だということを地方の立場からも伝えていきたいと思っています。
(南海放送)
先日、プロバスケットリーグの新しいリーグに、河原学園グループが引き受けた会社の大分のバスケットチームが参加するということが発表されたが、これを受けての所感を聞かせてほしい。
(知事)
本当に民間企業は、そうしたスポーツの展開に事業を拡大し、そしてまた地域を盛り上げていこうというような意図を持って挑戦をされるということに対して、心から拍手を送りたいと思っています。
ただ非常に急な話ですから、特に新しいバスケットボールリーグは、ご案内のとおり内輪もめをしていた団体がようやく一つにまとまって、新たなスタートを切るという状況でございますから、そのときに今後のルールというものをどうするのかということを議論され、ある意味では川淵さんが協会長になったことでJリーグ方式のような、それぞれのチームに対してのハードルを設けていくという姿勢を明確にしています。そういう中で例えば、2部であればアリーナの観客数はどれぐらいじゃなきゃいけない。Jリーグはそうだったんですね。規格に到達しないと認められないと。これは経営内容も含めてですけども、同じようなルールを適用されるやに聞いてます。となると全く新しい話ですから、既存の施設で対応できるのかどうかというのが、これからの大きな課題になってくるのかなと思います。
多くの観客席を有する施設というのは、県内でも限られていますし、しかもそれを既に利用している方々がいらっしゃいますから、そのあたりの調整というものをどうされていくのか相談には乗れると思いますけども、これはお互い既に使われている方と新しくプロのチームで地域を盛り上げたいという今回の取り組みとの双方が、合意点を見いだすことができるかどうかというのが、この段階では僕も分かりませんので、逆に言えば規格というものが、ある程度、厳格に、これじゃないと一切だめだということではないことを願っています。
(南海放送)
経済的な支援というのはどう考えているのか。
(知事)
今のところ全然考えてないです。
(愛媛新聞)
協力の要請とかはあったのか。
(知事)
いや、特には今のところないですね。挨拶には来られましたけれども。こういうことをやりますという報告をいただいたという段階です。
(NHK)
昨日、スポーツ庁設置法案が可決したが、スポーツ庁に対する期待と今後、どのようなかたちで関わっていきたいか聞かせてほしい。
(知事).
そうですね、東京オリンピックもありますので、スポーツというのは、地域でやっていてもですね、人々を健康にしたり、人々を結び付けていったり、地域を活性化したりといろいろな力を持っていると思いますから、それを国を挙げて後押ししていくという方向性が明確になるということでは良いことだと思います。
ただ、各種目団体から声があがってましたけれども、国の関与が強まるという懸念というものがあると。やはりスポーツとか、芸術というものに対しては可能な限りお金は出しても、口は出さないというのが理想的だと思いますので、スポーツ庁の方針は良しとするものの、その運営については、今、言ったような懸念を絶対に起こさせないようなかたちで進めてもらいたいと思います。
(NHK)
どのようなかたちで関わっていくか、何か思っていることはあるか。
(知事)
まだ、見えてないですね。ただ、また外郭団体がいっぱいできて、天下り先の受け入れポストが増えるということだけは勘弁してほしいと思います。
(愛媛新聞)
首相官邸の屋上にドローンが落ちた一件から規制の話がいろいろと話題になっており、東京都は公園で規制するという話が出ているが、何か独自に考えていることはあるか。
(知事)
今のところは考えてないんですけれども、ただ今回の法律、与党で了承を得たという段階ですけれども、正式な法律が提示されて、議論をされ、可決ということになった場合には、その中身を見ながら、地方レベルでの規制が必要と判断した場合には、何らかの対応はしたいと思っています。今のところそれを様子見してます。
(愛媛新聞)
観光のPR映像を撮ったりとか、そういうところでの有効活用というのはこれまででされていると思うが、ドローンの有効性について、どのように考えているのか。
(知事)
非常に有効なツールとして活用できるときもあると思いますけども、やはりルールというものが、自発的に利用者がモラルを持って対処すれば、全くこういう議論は起こらないわけですけども、そういう意味では遊び感覚、あるいはおかしな意図の目的を達成するための手段として活用してしまうようなことが出てきた場合は、規制せざる得なくなると思います。
(南海放送)
伊方原発は飛行制限があると思うが、それがこのドローンに適用するかどうかについては、まだ分からないけれども、そういった意味でもいろいろと考えるべきことがあるのではないか。
(知事)
場所限定ですね。伊方の場合は、これは規制がかかると思いますけれども、そういった原発施設であるとか、重要な拠点ですね、そういう所に対する規制。今回もそれが趣旨になっているようですから、そのあたりも参考にしてみたいなと思ってます。