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平成25年度12月知事定例記者会見の要旨について

ページID:0011188 更新日:2013年12月27日 印刷ページ表示

日時:平成25年12月26日(木曜日)

 11時17分~12時00分

場所:知事会議室

 

 

(愛媛朝日テレビ(幹事社))

 原発を「重要なベース電源」と位置付け、原子力規制委員会が安全性を確認した原発の再稼働を進めると明記された国のエネルギー基本計画のが示されたが、内容をどう評価しているか。また、知事が伊方原発再稼働の判断条件に掲げていた「国の方針」は、これでどの程度示されたと考えているか。

 

(知事)

 まず、今回、示されました「エネルギー基本計画案」は、我が国が抱えるエネルギー需給構造の課題を踏まえ、「安定供給」、「コスト低減」、「環境負荷低減」、「安全性」の4つをエネルギー政策の基本的視点として取りまとめているものであって、国民生活や経済活動への影響等、現実に配慮した計画内容となっていると受け止めています。

 特に、原子力発電については、常々お話をさせていただいてきましたけれども、将来的には原発への依存度を減らして、今申し上げたように、可能であるならば、将来的には原発の依存度を徐々に減らしていって、脱原発という高い目標を追い求めていくべきであると思いますけれど、国民の生活や企業等の経済活動に混乱を招かないためには、当面は安全対策を徹底するというのが絶対条件、これをしっかりと追求しながら、原子力発電と向き合っていかざるを得ないと考えてきました。

 今回、今の計画内容によりますと、原発の位置付けを、現行計画の「基幹エネルギー、基幹電源」から、「基盤となる重要なベース電源」という表現に変えたところが特色、特徴的だと思いますけれど、新聞報道でもありましたが、「基幹電源」という表現が、一時期「重要なベース電源」という表現に変わった経緯があったと思います。その後、また修正がされ、その形容詞となる「基盤となる」という文言が追加されたという経緯があったというふうにニュース報道で拝見をいたしました。ということは、国の考え方も「基幹電源」から「重要なベース電源」にということで、その重要度というか依存度を引き下げたということだと思います。でもまたそこで、いやそこまでは一気にはということで、その形容詞を付けることによって、また、ちょっと上げたということなのかなと捉えています。

 ただ、いずれにしましても、今までよりも位置付けというのを引き下げたということはこの表現から読み取れるんではなかろうかと思います。その上で、原発依存度は可能な限り低減させること、安全性が確認された原発は再稼働を進めることが明記されたことについては、現実的な表現でなかろうかと思っております。

 一方、再生可能エネルギーについては、今後3年程度で導入を最大限加速する旨、明記されていますが、原発や再生可能エネルギーの比率をどの程度にするのかといった電源構成については、数値目標は盛り込まれていません。これは、本当に議論を詰めていく必要があると思いますけれども、議会でも例を出させていただきましたが、ドイツでは、再生可能エネルギーへの補助制度をこの10年、かなりの金額を放り込んだんですが、もう限界がきて、その補助制度を引き下げるという決断を下したばかりでありますが、こうしたコストの問題もあるでしょうから、こういったことも含めて、やはり、今どういう電源がどれだけのコストで、どれだけのカバーができるのかということを徹底的に煮詰めて、数値目標を入れ込んでいくということが、大事なこれからの課題になってくるのではなかろうかと思います。県としては、再生可能エネルギーの導入促進に取り組んでいますけれども、ぜひ、国民的議論の上に、国においては、早期に国全体のエネルギーのベストミックス、目指すべきベストミックスを提示していただきたいと思います。

 伊方原発の再稼働については、従来から申し上げてきたとおり、まず安全性の確保が大前提でありまして、現在、国は新規制基準に基づいた審査を行っているところでありますから、これをしっかりとやっていただくとともに、その結果についても根拠を含めた分かりやすい説明がなされるよう求めているところです。

 その上で、国策としての確固としたエネルギー政策に基づいた、伊方原発の具体的な取り扱いに関する考え方を示していただく必要があるんではないかと思います。

 今回、エネルギー基本計画案で、原発を重要なベース電源とするとの一応の位置付けが示されたものの、何よりも大前提である安全性の確保につきましては、原子力規制委員会による安全審査が継続しているところでありますので、この結果が出ていない現時点では、国の方針について言及できる状況ではございません。以上です。

 

(朝日新聞)

 現実に配慮した計画になっていると受け止めているということだが、評価しているのか、評価していないのか、知事の考えを教えてほしい。

 もう一つ、伊方原発との関係で、今回は一応の位置付けが示されたが、その前提になる安全性、伊方原発の安全審査が進んでいるので、国の方針には言及できる段階にないとのことだが、厳密に考えるとその伊方の安全性と、国がその原子力発電を利用することというのは違う話ではないかと考えられる。もう少し詳しく説明してほしい。

 

(知事)

 まず評価うんぬんというのは二つで測れるものではないと思います。部分的に評価できるところもあるし、さっき言った数値目標が無いというところは評価ができないということにもなりますので、全体でこっちかこっちかという明言はできないということです。

 それから安全審査については、これは今、実際に、原子力規制委員会で、審査が続いているわけです。ですから本当に専門的なやり取りの中で最新の知見に基づいてやっている最中ですから、この全てつまびらかにわれわれのところにまだ届いているわけではないので、安全のチェックについては、この段階で何らコメントができる状況ではないということです。結論が出てからになります。これを受けて、ここから先がよく分からないんです。原子力規制委員会の今の審査というものが、出た後ですね。これは安全ではないと言ったらボツです。安全であるということになったら、今度は再稼働の問題が出てくるはずなんです。その後のステップというのが、国が確固たる工程表を示していないんです。ただ単に、国の再稼働要請なのか、あるいは地元の合意なのかというのが並列で明記されています。知事会でも申し上げましたけども、その原子力エネルギー政策をつかさどる国がどう判断するのかが、僕は先だと思っています。そうじゃなかったら最終責任が曖昧になってしまいます。

 だから、ここら辺りが今後、審査が終わった後に、どういう経過を踏んでいくのかというのは、この段階で見えないんです。だから方針が見えないっていうことにつながっていく。よって、この段階では何とも言いようがないということです。

 

(愛媛新聞)

 先日、知事も行った、インドネシアで開催された「ジャパンエキスポ2013」について、その感触と手応えを聞かせてほしい。

 

(知事)

 これから、将来起こるべくして、起こる人口減少イコール日本国内市場の縮小というものを長期的視野に立って想定する中で、そのカバーする市場をアジアに求めていくというのは必然だと思っています。その結果として海外展開への民間活動の後押しを県が担っていくのも大きな課題になってきていると思います。そのためにしっかりとした国ごとの分析を行って、その重要国の一つとしてインドネシアという国も位置付けてきたところですけども、この4月に初めて「チーム愛媛」、県と民間経済団体と地元の金融機関の連携チームでインドネシアでビジネスマッチングを行ったところです。そのときにさまざまな人脈というものをつくるということが一つの課題だったんですが、今年がちょうどインドネシアと日本の国交樹立55周年という節目の年に当たっていまして、今回、「ジャパンエキスポ」という大掛かりなイベントが行われることとなっていました。

 この4月の出会いから数カ月後、今年の夏だったと思いますが、この「ジャパンエキスポ」の責任者であるインドネシア日本友好協会の理事長が来日されまして、ぜひ4月のご縁を基にして「ジャパンエキスポ」への愛媛県の企業関係者の参加をお願いしたいという要請がございました。それを受けまして、県内の企業に声を掛けさせていただきましたところ、県内企業約10社が、これからの市場として非常に関心があるということでブースの出展を決めていただきました。非常に短期間でこの10社の出展が決まった経緯があります。私の方から各社に声を掛けさせていただいたので、それをほったらかしにして、後はよろしくというわけにいかないので、今回、急きょ2度目の訪問をすることになりました。

 今回は最初は大統領も来られる予定だったんですが、急きょ海外出張が入ったそうで、ブディオノ副大統領が来場されることとなりました。それから日本からは代表団長として福田康夫元総理、それから経団連の方々を中心に代表団も組まれていたところです。県知事は、私一人でしたので、その代表団と副大統領の会合にも一緒に参加したらということで参加をさせていただきまして、また、会場では福田代表とあちらの友好協会の会長さんが愛媛県の全ブース、10ブースを皆さんと回ってくれまして、なぜ愛媛からここに来ているのか、そして愛媛の企業にどんな魅力があるのかということも逐一、一社一社説明もさせていただきました。その他に、県のブースも設けまして、かんきつや木材、それからしまなみサイクリングの紹介等のPRも行わせていただいたところです。また、こうした人脈の中で出会ったインドネシアのバドミントンの元世界チャンピオンのルディ・ハルトノ氏にも先般の来県のお礼を申し上げる機会も持たせていただきました。

 さらに今年の10月のしまなみ海道サイクリング大会にガルーダ航空からも参加していただきましたが、そのガルーダ航空の社長とじかにお会いすることもできましたので、今回の訪問では、そういった人脈の厚みを増す機会になったと思っています。特にものづくりの分野では大王製紙さんや一広さんから、今後のビジネスにつながる可能性のある商談が実際にあったという報告をいただきました。また、みかんジュースや果汁入りの乳製品等については、来年度、インドネシアに進出予定の大手国内スーパー等から取り扱いの打診がその場であったと聞いております。これからビジネスにしっかりつながっていけるようにフォローをしていきたいと思います。

 それからガルーダ航空ですけども、エミルシャさんという社長さんですが、この方が無類のサイクリング愛好家であり、しまなみサイクリングの紹介をさせていただいたところ、実際に参加した副社長さんも同席してましたが、副社長が愛媛県の宣伝マンになっていただいて、その魅力を社長に伝えてくださいました。その場で社長が何らかのグループを連れて行きたいと言い始めまして、いつがいいと言うので、秋の大会か桜の季節がいいじゃないですかと申し上げましたところ、来春の桜の時期に社長が代表となるような旅行商品ツアーをつくると企画が合意され、目標は100人って言ってましたが、どのくらいの規模になるか分かりませんけれども、サイクリングツアーを早速しまなみを拠点につくっていただけることになりました。ジャカルタと関西空港が結ばれましたので、そこから入ってくると思いますけども、今後のパッケージ販売も検討しましょうという話もいただきました。それから、これからの話ですけれども、その場でみかんジュースを試飲していただきまして、ガルーダのビジネスクラスの機内食での採用について、これから話し合いを進めさせていただきたいというお願いをしたところ、担当者にその旨を伝えていただきまして、採用されるかどうか分かりませんけども、これからセールスを行っていきたいと思います。

 本当にこれだけの短期間にいろんな人脈がつながってきましたので、民間企業、愛媛県内の企業があちらで何か進出されるとか相談があるときに、行政側の人間としてその人脈を生かしたバックアップ、フォロー体制ができるんではないかなということを実感した訪問でした。

 

(愛媛新聞)

 来年の春のツアーというのはどんな感じになるのか。

 

(知事)

 まず、びっくりしたんですけども、日頃から社長がヘルメットかぶって、スーツ着て走り回ってる方だったんですね。先日も30人くらいで中国の万里の長城ツアー行って帰ってきたところだと言ってましたので、しまなみに対する関心は非常に強かったです。ですから、規模は分かりませんけども、必ず来るんじゃないかなと思います。ともかく走りたいって言ってましたので。

 

(愛媛新聞)

 時期的には春ということか。

 

(知事)

 はい。今のところ、桜の季節がいいとおっしゃられていたので、その場に担当者もいたんですが、すぐさまツアーの企画をせよという指示を出してました。担当者は、このツアーができなかったら、君は、次の転勤先はパプアニューギニアだって言われてましたけど。

 

(愛媛新聞)

 この1年、今回のインドネシアも含め、実需ということにこだわり東アジア中心にトップセールスをしてきたわけだが、1年を振り返って、知事なりの成果であったりというところを教えてほしい。

 

(知事)

 円高という非常に日本にとって輸出を考えた場合、厳しい条件の下での種まき開始だったですけども、先ほど冒頭で申し上げましたように、人口減少社会イコール市場縮小の現実、これを考えたときにあらゆる産業に目を向けなければ、未来を切り開くことはできないという大変、大きな課題をわれわれは突き付けられていると思います。だからこそ、その先鞭をつけるという役割を県が果たしていく時代に入ったんではなかろうかと捉えて、現在、こうした展開をしてますけども、もちろん海外ですから、たちまち成約、巨額な取引が実現するわけではありません。コツコツと実績を積み上げながら、そして人脈というものを太くしながら、それが成就していくんだと思いますけども、ただ初年度、種まきの段階としては、既に実際のビジネスが成立している件数が増えてきてますので、まあまあの滑り出しかなと思っています。台湾のかんきつしかり、それから自転車の交流しかり、それから今回のガルーダの旅行商品の造成しかり、またシンガポールの水産加工品の輸出しかり、それからビジネス商談会、これはものづくりですから時間がかかりますけども、依然として各国で開いたものについてはサンプル提供等が続いてますので、これからの取引の増加の期待というものもありますので、初年度としてはいい滑り出しができたんではなかろうかなと思っています。

 

(産経新聞)

 今日、安倍首相が歴代首相としては7年ぶりに靖国神社を参拝する。それに対する知事の所感をお願いしたい。

 

(知事)

 これは安倍首相ご本人の心の問題ですから、私的参拝ということだと思いますので、それについては安倍首相の思いというものをただ単に実行に移されるということだと思いますけど。

 

(産経新聞)

 今日は安倍政権発足からちょうど1年となるが、そのタイミングについてはどう考えるか。

 

(知事)

 いろいろな外国から見た、一部の国から見た、いろんな思いというのもあるということを踏まえて、時期をどうするかということをご本人が決められたんではなかろうかと思いますけど。

 

(愛媛新聞)

 今年、いくつか印象深かったことについて振り返ってほしい。

 

(知事)

 3年間の出来事がいつあったのかと頭の中が複雑化してまして、今、パッと言われても整理がつかない状況なんですけれども、3年間たって、就任直後と比べたら、環境、空気が大幅に変わってきたなと実感を持てたのが今年だったのかなと思います。それは例えば、国際サイクリングプレ大会で県庁職員がチームワークよろしく、高速道路上の通行規制を3時間で元に戻す高いハードルにチャレンジしてそれを実現させることで実感した県庁の組織のチームワーク、これも当然、初年度、2年目では実感なかなかできなかったことですけども、一つの愛媛県を良くしようという思いを共有して、組織で動けるようになってきたということを実感できたのが、サイクリング大会でもありました。

 それから、海外のセールスプロモーションでは、先ほども触れましたけど、地元の経済界と金融機関と行政の連携ということにこだわった「チーム愛媛」戦略を進めてきましたが、それが非常にうまくかみ合ってきたという実感を持てたのも今年度、これは海外のトップセールスを通じて実感できたのが今年ではなかったかなと思っています。

 もう一つは、市町との連携ですが、これも公約でもありましたので、当初段階、会議を設置したりいろいろやってきましたが、特に私の呼び掛けで、全県に新しい観光施策として、しまなみだけではなく、県内にマルゴト自転車道作戦で新しい観光振興策として連携していきましょうという中、皆さんに一緒に乗りましょうと呼び掛けたところ、公務がない全ての市長さん、町長さんが一緒になって盛り上げ役を買って出ていただいて、皆でやっていこうという市町との連携、「チーム愛媛」ということを実感できたのも今年ではなかったかなと思います。自分がとか、県だけがとかいうのではなくて、やっと、この「チーム愛媛」全体で外に向かって開拓していこうというようなエネルギーが胎動し始めているということが実感できたということが、この1年通じて一番の印象的なことなんではないかなと思っています。

 

(愛媛新聞)

 3年間を踏まえ、最終4年目も始まっているが、年末年始の区切りで、来年の県政運営方針であるとか、早いが抱負があれば教えてほしい。

 

(知事)

 そんなに特に、最終年度だからこうだという気持ちはありません。あくまでも3年前に示した公約をどれだけ実現に近づけているか、これが毎年毎年の最大の目標であるので、当然のことながら既にできたものもありますけども、できていないものもあります。長期的な課題もありますから、期間中に全てができるわけではありません。種まきで終わってしまうものもありますけど、その4年の中で精一杯、実現できるものは実現して、種まきするべきは種まきしてということに最後までこだわり続けていきたいなと思います。ラスト1年で、今の進捗状況も見えてきていますから、そこの最後の年ということになれば、進捗状況を確認した上で、1年という中で、ベストを尽くすために何ができるかとうことを改めて考えてスパートをかけていきたいと思っています。

 

(愛媛新聞)

 できてないものの中というと何か。

 

(知事)

 これは今日も記事で出していただいたんですけど、国との関わりのある案件については、できる限りのことはこちらとしてもやっています。例えば県庁職員ががんばってくれて、しかも市町とのタイアップも含めて、提言集を3つ出しました。これは本当に現場から積み上げたあるべき姿の提示なんですけど、知事会の場で発表して、じゃあこれが国の方で実際に受け止めて、それが実現したかといえば、動きは鈍いですよね。こういったところには非常に歯がゆさを感じます。

 

(愛媛新聞)

 来年、2014年は、「しまのわ」の開幕、道後温泉本館120年、遍路も開創1200年と、観光にとって大きな節目を迎えるチャンスであり、勝負の年と思われるが、知事自身、観光施策、行政に限っていうと2014年をどういう年と位置付け、今後どういう意気込みで取り組んでいきたいのか、今の所感を聞かせてほしい。

 

(知事)

 こういう節目の年っていうのは、今、お話があったようにそれを活用するチャンスではあると思っています。ただ、それはその年々で見つけていって活用するものだと思うんですが、この120周年と1200年と瀬戸内海国立公園指定80周年が重なるというのは、非常に活用、アイディアの絞り方によっては活用しがいがある年になるなと思っています。これは市、町のそれぞれの取り組みもありますし、連携しながら、特に県としては「しまのわ2014」を他県との共催で行うという初めての試みでもあるので、こうしたことが今後にもつながるような、いい結果を残せるようにがんばっていきたいなと思っています。

 島は、特に自分の中でも多少こだわりがありまして、やはり行政の役割は、厳しいところにどうやって光を当てていくかというところも重要な課題だと思ってきましたので、2年前は地形的に、地理的にハンディキャップって言ったら失礼かもしれませんけれども、交通の事情が悪いということで厳しい、厳しい環境であった南予、宇和島圏域に徹底的に光を当てようという1年が「いやし博」につながったわけですし、今回、もう一つのハンディといえば四方を海で囲まれる島、しかし囲まれているから厳しいけれども、実はそこには非日常的なとてつもない魅力があるということを、島民の皆さんにも自信につなげてもらいたいし、また、それにスポットライトを当てることによって活性化に結び付けていく機会になるんじゃないかなということを期待して、今度は島にスポットライトを当てたいと思っていますので、来年は島の魅力というものを本当に多くの人たちに徹底的に伝えられるような1年にしたいと思っています。

 

(毎日新聞)

 本州四国連絡橋の新しい料金についてだが、島民の方には島民割引等はないが、来年度から出資がなくなるということで、県として島民への料金対策等を検討しているか。

 

(知事)

 まず今回は、なぜこれが大きな問題になったかというと、今、お話があった長年の課題であった出資金の問題があったんです。

 愛媛は決して裕福な県ではない、そういう中で年間53億円もの出資金を、これは約束事ですから、過去のいきさつからして、歯を食いしばって、払い続けてきたわけです。

 その総額は753億円余りに達していて、それだけの、これは財源は県民の税金しかないですから、それだけの出資金を払い続けてきたところに、さらなる延長の話がきた。それは約束が違うということで突っぱねて、出資金はこれで終わりというようなところでけじめをつけたのが昨年2月でした。

 全国料金プール制への組み込みということを条件に、2年間その協力金として、30億円拠出するということが、最終的な交渉の着地点だったわけです。

 この出資金が53億円が30億円になり、そして来年からゼロになるんですね。いわば県民の税金からそれだけの負担を拠出する必要がなくなるわけで、ただし一方で、そうはいってもプール制の問題については法改正等もありましたから、本当に実現するのかどうかということが極めて不透明だったわけです。かつ、会計検査院から出資金が無くなったら大幅な値上げが必要になるとの所見が出されていまして、結局、ここがどうなるのか全く読み切れなかったです。

 その結果、今回は基本料金を引き下げると、今までの割引と比べたらそんなに下がってないですけども、県としては50数億円を出さなくても、今までの料金体系は維持できるというような第一段階を何とか勝ち得たというようなところではないかなと思っています。依然として島民の皆さんの要望、あるいは自転車の無料化の問題、そういったことが宿題として残っていますので、当然のことながらこれからも、いろんな形でその要望が実現できるかどうか、今の段階で確約はできませんけども努力はしていきたいと思っています。ただ、今回は出資金絡みの問題で大幅な変更が行われたけれども、会計検査院が言われるような値上げにはつながらなかったというところで一定の着地点、第一段階としての着地点ではないかなと思っています。

 

(愛媛新聞)

 その件で国に割引を求めていくということなのか、それとも県側が割引をひねり出せるかどうかを検討していくということなのか。

 

(知事)

 これは両方あると思いますね。割り切りじゃないんですけど、例えば、国と民間と県で協力してすることができないかっていうのも選択肢だろうと思いますし、今、ここでどの形がベストか、あるいは実現可能かっていうのはちょっと申し上げることはできませんけども、可能性としてはいろんな形を議論したらいいんじゃないかなと思っています。

 

(毎日新聞)

 結いの党が結成され、政策や理念に基づく政界再編というのがクローズアップされたと思うが、期待される部分とかはあるか。

 

(知事)

 分からないですね。ただ、やはりどんな時代でも健全な野党というのは、いかなるときでも必要だと思います。かつて大政翼賛会という歴史をわが国は刻んだことがありますけれども、誰も物を言わなくなってしまった、言えなくなってしまった。その一つの勢力だけが巨大化したことによって、やはりあの時代っていうのは、ある意味では誤った方向に向かった歴史もあったと思います。だから、政治はとても怖いなと思いますので、その意味では、歴史に学ぶ観点からも健全な野党は絶対に必要だと思います。

 その中で、今の現実というのは野党が少数で多数存在しているという状況ですから、これは非常に緊張感という面においても民主主義の観点からは好ましい状況ではないかなと個人的には思います。ただ、野合ではだめですから、やはり軸となるしっかりとした野党再編というものが、今の観点からは必要になってきてるんじゃないかなと思いますので、それができるかどうかは知りませんよ、国会議員の一人一人が何を考えているのかというのは聞いてみないと分からないですから、ただ、苦しみながら、もがきながらやはり必要性というものを政治家の皆さんが認識する中で、何らかの再編っていうのが進んでいくことは期待したいと思っています。

 

(あいテレビ)

 レッグの問題で市議会に宿題を出していたかと思うが、その後、何かリアクションはあったか。

 

(知事)

 例の決議文もまだもらっていないですし、公開討論の話の回答もありませんし、それから名乗り出たというニュースも聞いてませんし、一人一人に単純な話、1日でできる一人一人に、まあそれは会派ごとでもいいんですけども確認した、確認しようということをすることを決めたという報告も聞いていませんし、全然分かりません。

 

(あいテレビ)

 どこかのタイミングで知事が持っているメモを開示する考えを示されていたかと思うが、タイミングとしては何か考えはあるか。

 

(知事)

 いや、今は特には決めてないですけど、ただ前も言ったように、やはりこれだけの損害をこれからどうするかって考えていかないといけないし、ご案内のとおりこの会社よく分からないんですね。不透明で。転売転売で複雑怪奇な状況になってます。解明するためには、もう本当にいろんな情報が必要だと思うんです。だから、少しでも関わっていた方がいるとするならば、特に公人の場合はぜひ解明のために、自発的に情報を提供してもらいたいと、これは公人としての責任だと僕は思ってますので、まだ名乗り出ていただけることを期待をしたいと思ってます。

 

(あいテレビ)

 そこがないと、レッグの対策、県も負担を求めるべきだということについては対応できないということか。

 

(知事)

 できないですよね。だからこれ市議会の皆さん、半分くらいの皆さんは勘違いされているのは、私に対してどうじゃないんだと。県に負担をということになれば県民の皆さんに理解を求める必要が出てくるんです。だから市議会の問題については県民の皆さんに対して、皆さん一人一人チェックをすることによって、県の方でもぜひっていうふうなことをしないとですね、県民の皆さんに説明がつかないんです。いいですか。それを、僕がどうのこうのという話は、それはもう非常に細かい話であってそうじゃない。だから、何もないんだったらないでいいんです。少なくとも、県費うんぬんっていうことになって県民の皆さんに理解を求めるためだったら、まずは一人一人チェックし確認したけれども一切ありませんでもいいですよ。そういう一つの姿勢をやはり示すというのが大事なことじゃないかなと僕は思いますけど。

 

(愛媛朝日テレビ)

 市議会の側は、知事からメモが公開されなければ動くことはできない、動くつもりはないということで今、膠着(こうちゃく)状態になっていると思うが、こうした状況をどのように見ているか。

 

(知事)

 いやだから、何て言うんですかね、今、言ったようにそれは僕に対しての問題じゃないんだっていうことがまだ理解されていないんじゃないかなと。だから県民に対して皆さんは説明、あるいは姿勢を示す必要が出てきてるんですよっていうことをまず受け止めていただきたいなということが一点と。それから先ほど申し上げましたように一人一人に確認するなんていうのは、誰が考えたって一日でできることなんです。なぜそんな簡単なことすらできないのかっていう点。この二点をやっぱり受け止めていただきたいなと思いますね。

 

(愛媛新聞)

 年末年始の過ごし方はどういう感じか。

 

(知事)

 年末年始はですね、29日は何か野球のイベントがあるって聞いてるんですけどね。県人会ですかね、お誘いがあるので。それと何かもう一つイベントが入ってますね。30日、31日はちょっと休ませていただきまして、「しまのわ」も来年あるので、家内と2人で一泊ですが広島側の島ですが、宮島に一泊しようかと思っています。

 それで、31日に帰ってきて、1日からは元旦マラソンとかですね、行事がいくつかあって、2日は休みで、3日はスポーツ大会があって、4日が休みで、5日は市場の初競りが入ってくるという感じです。


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