本文
平成25年度5月知事定例記者会見(5月23日)の要旨について
日時 平成25年5月23日(木曜日)
(パネル紹介) 11時00分~11時01分
(定例記者会見) 11時09分~11時32分
場所 知事会議室
(知事)
まず、後ろにあるPRパネルを変更しましたので、簡単にご紹介させていただきます。自動車税の納期内納付についてのお願いのパネルです。
愛媛県では約46万台の自動車所有者の方に納税通知書を送付させていただきました。
自動車税は、県税予算額の約14パーセント、金額にして約160億円を占める重要な財源です。これを期限までに納めていただこうということで広報活動に努めているところです。
パネルにありますとおり、納付期限は5月31日金曜日になっておりまして、お近くの金融機関のほか、コンビニエンスストアでも納税できますので、期限までに納めていただきたいと思います。
(NHK)
核燃料税について、来年1月が条例の更新時期になると思うが、四国電力とはどのような調整を進めているのか。
(知事)
前々からお話ししたとおり、他県が更新時期を迎えて、税率アップを申し入れて、中には実現してきたところもありますので、そうした全体的な動きとそれから核燃料税の用途ですね。これは原発の安全、安心対策と立地地域の活性化等に、ある意味では目的税として、中身的には何でも使えるのですけど、用途は完全に目的税のようになってますから、その重要性ということを鑑みて、愛媛県でも更新時期に検討をしていくということでしたから、申し入れを行っているところです。
(NHK)
具体的には、どういった面を申し入れているのか。
(知事)
率直に言って、税率のアップです。
(NHK)
方式について、出力割も併用するということか。
(知事)
もちろんそういうことになります。半々ということで、こうしたやり方が通例になりつつあるので、ぜひ、うちでも検討していただきたいということで申し入れています。
(NHK)
核燃料税は、前の更新のときから比べて、見込んでいた税額よりもだいぶん原発停止後、少なくなっていると思うが、その一方で、原発事故対策もすごく力入れてしないといけないということで、そういった面では、改定でより一層停止中でも。
(知事)
稼働していようが、稼働していまいが、そこに原発はありますから、安全対策というのは常に怠るわけにはいかないという状況の下で、何らかの新たな知見、あるいは新たな問題点があれば、速やかに対応し続けるというのが大事ですから、当然そうしたものに使われていくと受け止めていただいたらと思います。
(愛媛新聞)
結局、核燃料税が上がるとそれが電力業者のコストアップになり、それが電気料金の値上げに跳ね返ってくる。先ほど重要要望でも特に中小業者の支援対策を国にということだったが、県としては安全対策が必要なので税収を上げたいが、それが電気料金に跳ね返ってくるという一見矛盾するような、あっちを立てればこっちが立たないが、その辺りはどのように整理しているのか。
(知事)
これは、まずはコストの一部であることは間違いないですが、コストと言っても人件費であるとかそういうものではなくて、具体的に、今、申し上げたように、目的がはっきりしてますので、安全対策と立地地域の対策に充てられていきますから、これは同じコストでも意味が違うというのが一点と、それからあくまでこれは四国電力の試算ですけど、核燃料税がコストに占める割合が0.2パーセント程度ですから、電気料金全体の値上げにそう大きな要因にはなり得るものではないと判断をしてますので、料金の大幅値上げにつながるコスト増にはならないと、かつ目的がはっきりしているということで進めるべきだという判断をしています。
(愛媛新聞)
従来の会見でも、定期更新時期もあるだろうが、年度途中で前倒しに踏み込んでいた時期もあったと思うが、定期更新に合わしてというのは何かあるのか。
(知事)
これは特には、自然体でしたから、定期更新、今からの手続きを踏まえても、規制庁ができまして、いろんな問題への対応がありましたので、スケジュール感でいうと手続き的にも無理のない対応ということを考えれば、更新時期でいいのではと思っています。
(愛媛新聞)
総務大臣の同意が必要で、また議案も起こしていかないといけないが、定期更新に合わせて考えると次の次の議会ということか。
(知事)
大体9月議会辺りを目指して、交渉をまとめていきたいと思っています。
(共同通信)
四国電力が、先日の値上げに関する経済産業省の委員会で、既にそれを織り込んだ試算、値上げの根拠を提示しているが、ある程度、四国電力との間では交渉がかなり進んでいて、特に反発が出てないと考えているのか。
(知事)
まだ全然、合意には至ってないですから、今まさにやっている最中です。
(愛媛新聞)
電気料金値上げの中小企業対策について、県として何かできること、国に要望することはあるのか。
(知事)
今のところ円安が急激に進んでいますので、劇薬には副作用というのが絶対にありますから、緩やかで見合った円安は非常にいいと思いますが、急激というものがつくとやっぱりいろんな所にひずみが出てくると想定されます。まだタイムラグがありますから、それは特にプラスの面もあればマイナスの面もあって、プラスの面で言えば、輸出関連企業等の収益改善と競争力向上にはつながると思いますが、一方で業種によっては原料コストの急上昇、輸入産品の原料高。こういったことが一般生活等にもタイムラグをもって影響を与えてくると思います。
とりわけもう一つ大きな要因というのはエネルギー調達コストだと思いますので、特に今、原発が止まっていることによって、火力発電へのシフトが進んでいますから、その主たる燃料は石炭とLNGですので、この中にも長期契約のものもあれば、スポット契約のものもあれば、一概に今いくらだからどれだけ上がるというのは分かりませんけれども、中期的に見るとかなりのコスト増要因になってくると、これがやがて電気料金に反映するときが来るかもしれません。まだ、この時点ではないですから、こうしたことも想定しながら、今、国もおそらくこうしたひずみが大きくなってくれば対応せざるを得なくなると思いますけれども、県としても、例えば、中小企業の資金調達面でのバックアップであるとか、そういった今までにある制度の拡充等は視野に入ってくる可能性はあると思っています。
(愛媛新聞)
TPPに関して、政府は成長戦略もいろいろ出している。この間の高知県知事との交流会議で守りの農政と発言していたが、それについてもう少し教えてほしい。
(知事)
日本の農業の特色は土地が狭いというところにあると思いますから、一緒くたに農業というものを捉えるのは非常に難しいと思います。例えば、中山間地域の農業等が非常に条件が悪いですし、後継者のいない地域もありますから、そういった所の農業を大規模農業と同じように捉えることができないと思います。しかしそういった農地も、大きな役割を果たしているわけですけど、例えば、それは二酸化炭素の吸収であるとか、水資源の治水の役割を果たすとか、あるいは地下水への浸透を通じたダム機能の役割を果たすとか、本当に国土保全という点から見てもすごく大事な機能を果たしてますので、そういった機能も含めた、大規模農業と同じ土俵には乗せられない所に対する配慮というのは絶対に必要だと思いますので、そこの部分については守りという視点も必要になってくるのではないかと思っています。
(あいテレビ)
今、職員組合との間に給与の削減の交渉が始まっていると思うが、知事は常々、国とは一緒にするなと発言しているが、そのことについて、どう考えているのか。
(知事)
繰り返しになりますけど、まず交付税というものが市長時代からずっと言ってきたですけども、そもそも地方交付税は、地方の固有財源であったはずなんです。
ところが、やはり財布のひもを握られて、ある意味では、今回はいきなりバサッと切られてしまうわけですから、決して固有財源になってないということをまざまざと知らしめられた思いがします。ですから交付税を一方的に切るという乱暴なやり方でやるということは今でも反対です。特に繰り返し言ってきましたが、この10年間の国、国家公務員の行革努力と市町村合併をはじめとする、本当に苦渋の決断をしながら乗り越えてきた地方の行革努力では雲泥の差があると思います。それは数字的にも明らかになっています。ですからそこを全く加味しないで、初めて今回、国家公務員が給料を引き下げた。地方はもう既に、先取りしてどんどんやってきたわけです。初めてやってきたところを、過去は全く振り向かずに、うちは初めてやったから付き合えという発想だと思います。それは論理的にもおかしいということが大事な視点だと思ってます。
それから、今回持ち出されたラスパイレス指数。これだけ言ってきました。ラスパイレス指数というのは具体的にここに問題があるんだと、比較対象の数字に成り得ていないということを言ってきましたけれども、相変わらずそれを活用しているということですから、今回の措置は極めて残念です。
でも、現実問題として60数億円の交付税が一方的に削られてくるわけです。これをどうするかというのは考えなければいけない。方法は他の事業を切る、それはすなわち県民サービスの低下という選択肢をするのか、それともここは歯を食いしばって、身を削ってさらに身を削って、絞って絞った雑巾をさらに絞って乗り切るのか、二つしかないということであります。そういう中でやはり県民サービスの低下というのは避けるということから、今、組合とその辺りについての交渉をしているところです。
(朝日新聞)
日本維新の会の橋下共同代表の旧日本軍慰安婦に対する発言が取り上げられているが、知事の考え、橋下さんに対する考えは。
(知事)
まず、この問題は、戦争という人間の最も愚かな行為というものが異常な事態をつくり出し、かかるような問題が現出してしまうという、そこを共通項として、国を問わず、為政者たちは共有すべきではないかなと思います。そういう中で、例えば二国間の中で、日本でも真実は分かりません。実際に国の発表を聞く限りにおいては強制はなかったと。可能性としては分かりませんが、なかったというのが公式見解ですから。そういう発表に基づいて発言が出てると思います。それは、これまでも国会議員の中で両論があったわけで、ことさら橋下さんが影響力があるからクローズアップされてるんでしょうけれども、むしろその国政の中で同様の発言をされてる方も数多くいらっしゃいますので、そこはいろんな意見があると思っています。
この問題は非常にデリケートですから、ただ絶対に言い続けなければならないのは、戦争という異常な行為がかかるような問題を現出させてしまうから、平和を追求しましょうよと。人類として過去を学習して平和を尊びましょうということにつなげていくことが大事だと思っています。二国間で、もしそういった行為があったならば、それは謝罪すればいいと思います。そこから先は、さっき言った全体の戦争というものがもたらす問題なんだということを大いに議論したらいいのではと思います。
(朝日新聞)
橋下さんの発言自体はそういう問題提起になっているという。
(知事)
国会議員の多くの方々が言ってきたのと同じ事を言っている面もありますので、影響力で非常にクローズアップされてますけど、ただ、やっぱり政治のフィールドですから、言葉が、個人的な意見がそのまま受け止められずに、政治解釈というのかな、そういういろんな形で広がってしまうこともあるので、その辺の文言、言葉遣いは慎重であるべきなんだろうなと思います。
(朝日新聞)
その中で出てきた沖縄の風俗業を米軍のために活用してほしいという申し入れをした件についてはどう思っているか。
(知事)
ちょっと僕は発想が分からないですけど、でも実際に風営法という法律があって、そういうのがあるのも事実ですから、これを言うのはタブー視みたいなところが世の中にはあるんだろうと思います。ですから非常にストレートに法律的な根拠に基づいて、違法行為を言ってるわけではなくて、風営法という中での話をされて、実際それは現実ではあるので、非常にストレートな表現をされたなと思います。
(愛媛新聞)
広島県と共催する「瀬戸内しまのわ2014」まで1年と、10月の国際サイクリング大会のプレ大会まで半年を切ったということで、現在の進捗状況と今の進捗状況に対して手応えみたいなところを聞かせてほしい。
(知事)
広島県との協議も進められてきてまして、お互い行政体の意思決定の仕組みであるとかスピード感であるとか、まったく異なる自治体が初めて共同してやりますから、回を重ねていくことによって、一体感が生まれてくると思いますので、その点は、今はパーフェクトかと言うとそうではないけども、回を重ねるごとに徐々に徐々に良くなってきているなと。連携プレーの素地ができあがってきているなっていうのがまず一点です。
それからもう一つは県職員、かなり地元の中に入り込んでいますので、今まで地元住民との会合も50回以上数えていますから、その中でいろんな声が上がってきています。例えば、自主企画イベントに対してどういうサポートがあるのかとか、まだそこの仕組みができていないですから、そういったしっかりとした、まさに主役である住民の皆さんの思いを受け止め続けていますので、それらがこれから具体化していく段階に入っていくと思っています。
市、町との連携は、これは県、市の連絡会議が発足して二年半たっていますので、県と市町の関係は極めて良好で、人事交流も盛んに行っていますから、ここのタイアップも非常にスムーズにいくと思っています。
(愛媛新聞)
10月の国際サイクリング大会開催を目指す上で、そろそろ広報とか、そういうところが、具体的に形として見えてきてもいいのではという印象を受けるが、その辺り、若干作業が遅れてるとかそういう認識はいかがか。
(知事)
遅れているというわけではないですけど、国の機関も絡んできますから、スピード感とか政策意思決定の仕組みが全然違うので、やはりそこは決まってからじゃないと発表はできませんから、逆にむしろ先行して発表するとこじれてしまうということもあるので、その辺は慎重に行ってます。
(愛媛朝日テレビ)
次の参院選から解禁されるネット選挙に対する知事の考えと知事自身も今後そのウェブサイトなどを利用したり、知事自身、県そのものが、ウェブサイトなどを利用した情報発信等を今後加速させていく考えがあるのか。
(知事)
今は、この通信コミュニケーションの手段として、ネットというのは、当たり前の基盤になってますので、それを、政策をアピールする情報を伝達するということで活用するのは、これはもう時代の流れだと思っています。しかしながら、ネットというのは、ある意味では危険性も隣り合わせの世界ですから、その辺りに対する危惧もありますし、ここは本当に悪用されるようなケースが出てきた場合、速やかに国全体で対応をする構えを常に持ち続ける必要があるのではないかなと思います。ネガティブキャンペーンあるいは、成り済まし、あるいは中傷・誹謗、こういったことがいともたやすくできてしまうツールでもありますから、その辺りは非常に懸念すべきポイントではないかなと思っています。正しく使われれば有効だと思いますね。
(愛媛朝日テレビ)
知事自身も今後、ウェブサイトなどを活用して情報を発信するということを。
(知事)
今までもやってますから。それは情報というものを出すっていうことではやりますけど、今、またいろんなソフトが開発されていますので、こうしたソフトというのは、はやったときに一般に知られるようなものもありますから、そういったものが、場合によっては悪用されて、活用されてしまう可能性はあるかもしれないですね。
例えば、ホームページの改ざんとか、誤った情報を改ざんして情報を発信させるとか、そういうことも十分可能性としてはあり得るのではないかと思います。そこはちょっと懸念材料です。