本文
平成24年度7月知事定例記者会見(7月26日)の要旨
日時 平成24年7月26日 11時10分
場所 知事会議室
(あいテレビ(幹事社))
知事は12日から17日、中国の西安と上海でトップセールスを行ったが、手応えはどうか。欧州の債務危機などの影響で、中国の経済減速が各種の統計数字などにも表れてきているが、半年前に中国を訪問したときとの変化なども踏まえて、今後の中国との経済交流等の方向性について、どのように考えているか。
(知事)
お話にありましたように、12日から17日にかけて、中国の西安市と上海市を訪問させていただきました。それぞれの目的を持っての訪問で、これからの交流拡大や観光振興、あるいは、飛行機の利便性の向上、水産関係の検疫体制に対する問題提起等々、それぞれ目的を持った訪問を行わさせていただきました。
まず西安市については、お話しさせていただきましたが、西安市というのは、かつて長安と呼ばれていた、中国の中でも最も歴史的に都として繁栄の歴史を刻んできたところでございます。それに関わるさまざまな歴史的な遺構であるとか、あるいは物語であるとか、こうしたものが大変多いところでありますが、一番有名なのは兵馬俑の存在であろうかと思います。秦の始皇帝の時代に造られたものでありますけれども、そこには、その後の項羽と劉邦の戦いの前哨戦として、項羽が攻め込んだという歴史も刻み込まれていますし、また、唐の時代には、則天武后、楊貴妃、こうした歴史も全て長安に残され、そのゆかりの場所が数多くあるところであります。
そんな中、愛媛県、あるいは四国としての関係で言えば、何といっても先人の弘法大師、空海の修行の地として知られているところでありまして、そういう意味では、中国にはいろいろな都市がありますけれども、非常に身近な場所として認知される可能性を持ったところではないかと思います。これまでも民間レベルでの交流がありましたが、それをきっかけにして、7月上旬に、前西安市長で、現在は、西安市人民代表大会常務委員会主任、市長よりもさらに上の立場になりますけれども、陳 宝根(ちん ほうこん)氏をはじめとする方々が来県されまして、そのときに、西安市側から形ある友好関係を結びたいとの提案を受けておりました。
このため、今回の訪問において、第一の目的として、7月13日に、西安市と「日本愛媛県と中国西安市との友好交流及び協力関係の発展に関する協議書」、日本では覚書に相当しますけれども、これを正式に締結をさせていただきました。今後、観光をはじめ、文化や教育、スポーツ等の分野において、さまざまな交流や協力を行うことを互いに確認をしたということになります。
その日の午後には、早速、これは西安市にもご協力をいただきまして、西安市内の旅行会社9社の参加をいただきました。9社の方々と観光ディスカッションをさせていただきまして、私の方からは、松山・上海便の利便性、あるいは、日本最古の温泉として名高い道後温泉、風光明媚な自然をサイクリングやウォーキングで体感できるしまなみ海道など愛媛の豊かな自然や食材などを、参加6市町の幹部や担当の方も来られていましたので、それぞれからもアピールしていただきまして、大変関心を持っていただいたのではなかろうかと思います。
特に印象深かったのは、中国の旅行会社のお話では、日本と言えば何といってもゴールデンルートといわれる、東京、名古屋、京都、大阪といった大都市が中心だけれども、次なる場所はどこかという段階にそろそろ入ってくる層も出始めているので、これは愛媛だけではなくて、今のゴールデンルート以外というのは、なかなかまだ中国という大きな国の中では知名度というのが、愛媛に限らず、地方都市はそんなに高くはないので、ただその中で魅力として感じとれるのは、「緑、海、魚、温泉」、これがキーワードなんだという話をしていました。プレゼンテーションで、愛媛はその全てを持っているということが確認できたので、ぜひこれからいろいろな旅行商品等の仕掛けを考えていきたいという声はいただいたところであります。
その後、上海市に移りまして、まず、1月、2月にかけての増便要請を4月から速やかに実現させていただきました中国東方航空本社にお礼のあいさつに参りました。1月の訪中の際に要望を行った営業部門のトップである、董 波(とう は)営業総監と面会しましてお礼を申し上げたところであります。
また、ただお礼を申し上げるだけではなく、活性化策の一つのアイデアとして、今回の西安訪問で訪れたことで確認できたことなんですが、かつて弘法大師が修業した青龍寺というお寺、これは四国の霊場会が正式にゼロ番札所として認定しているところでございます。ここを訪問するツアー、例えば、「四国八十八か所・ゼロ番札所ツアー」の造成を提案させていただきました。これは、四国の方々にとって、非常に魅力的な行程になるのではないかということを申し上げました。ただちょっと問題があるんですけど、その際の乗り継ぎに係る利便性向上、今、松山空港で預けた荷物を西安まで行く場合は、一回降ろして出国手続きをしてという、これは中国の国内体制の問題でもありますので、すぐにというわけにはいかないんですけれども、できれば、松山から西安に行く場合に、バゲージのサービスということができないだろうかということを要望として行わさせていただきました。あちらからは特に税関のルールが厳しいらしくて、「そういった制約はあるが、考えてみたい」という回答を得ているところであります。
それからもう一つは、昨年の11月、上海市から来県されて、先ほども話題になりました愛媛の魚の上海輸出促進に力添えをいただいた艾(がい)上海市副市長とも再会を果たすことができました。艾副市長は今回の人事で、常務委員会の委員に任命されたところでありまして、これは実質、上海の運営を数名の委員で行うポジションなんですけれども、非常にまた力を貸していただけるのではなかろうかと思います。そのときにも、「自分の行きつけの店を愛媛産の販売先として紹介するよ」とか、非常に温かい声を掛けていただきました。
また、もう一つは上海の輸出関係で、最近、検疫体制が全体的に厳しくなっているという話を聞きましたので、上海検疫局の王(おう)副局長とも面会し、愛媛産水産物の安全性を説明して、検疫関係のスムーズな対応が図られるよう理解を求めるとともに、ぜひ、艾副市長が確認されたように、愛媛の養殖現場の視察についても要請させていただきました。夜は、艾副市長から招宴をいただいたんですが、そのときも検疫局の王副局長も参加いただきまして、逆に艾副市長から愛媛の魚の素晴らしさというのを検疫局副局長に直接お話もいただいたところでございます。
また、日本の上海総領事館にもお伺いしまして、総領事と会談し、中国の経済状況や消費の動向等についても意見交換を行ったところであります。
お話にありました今後の中国の状況なんですが、確かに数字的に減速状況というデータが出てきていますけれども、本年4月から6月期の中国の国内総生産は、前年同期比で7.6パーセント増なんですが、約3年ぶりに8パーセントを下回る水準に落ち込むという、日本ではちょっと考えられないんですが、人口の状況等々を考えると8パーセント以上を目指しているということでありますから、それと比べると目標比で言えば減速感があります。ただ一方で先進諸国としては、依然として高い成長率を維持しておりますので、県内企業の海外展開における特に重要なマーケットとしての存在、この大きさというものは変わりはないものと認識しております。
半年ぶりの訪中でありましたけれども、沿岸部はもとより内陸部においても目覚ましい経済成長の勢いは強く感じられました。特に、これまでは沿岸部は非常に発展のスピードが速かったと思うんですが、最近は内陸部が元気になっていまして、西安などもそういう感じがいたしました。そしてまた、所得水準が上がってきていることもあって、空前の国内旅行ブームが起こっているようであります。西安市には、年間6千万人の方が訪れているということで、兵馬俑などはすさまじい旅行スポットになっておりました。あらためて潜在的パワーを実感したところであり、食品を中心とした四国4県連携なども視野に入れた販路開拓や、今年は先ほどの赤潮で厳しい状況ですけれども、それを乗り越えて愛育フィッシュの輸出促進などに、引き続き取り組んでいきたいと考えています。
また、9月上旬には、「大連市国際友好都市青少年アートフェスティバル」に、先般、訪問したときに依頼を受けて、ここに県立三島高校書道部が参加することになりまして、大連市との交流を深めるほか、11月下旬には、上海市で開催される大規模見本市の「Food & Drink from Japan」、このイベントに県単独で出展し、中国市場にチャレンジしようとする意欲ある企業を支援するなど、今後とも、経済や観光、文化等、幅広い分野での交流促進に努めていきたいと思います。
(愛媛新聞)
上海線が4月から週3便になっているが、曜日別の特徴など、搭乗率はどうなっているか。
(知事)
4月のスタート時点は72パーセントの搭乗率を記録しております。5月も62パーセントと好調でありましたが、ちょっと6月が53パーセントとやや低迷をしました。特に増便された水曜日の利用がまだまだ認知度が薄いのかなというのもあって低調な傾向にあるため、アウトバウンド対策として特別企画ツアーの実施等々を行いまして、利用者の確保に努めているところであります。その結果、7月18日時点の数字ですけれども、7月は確定予約で66パーセント、8月は61パーセントと、6月からの挽回傾向が顕著になってきています。
(愛媛新聞)
今後、民間利用も含めたビジネス利用などにも、週3便で利便性が高まっていると思うが、県から呼び掛けなどをするようなことはどうか。
(知事)
これは積極的に行っていきたいと思います。事前にアンケートも取っておりましたので、そういうデータに基づいて、ぜひ、利用を関空ではなく、こちらの利用を便宜性を考えてお願いしたいということについては協力していきたいと思っています。
(愛媛新聞)
今のところ週4便というのは厳しいか。
(知事)
この3便での実績を積み上げていくということが、さらなる便宜性向上、増便にもつながっていくんだろうと思っています。
(愛媛新聞)
水産物を愛媛から輸出する場合、日本の中での産地間競争があると思うが、競合するところはあるか。
(知事)
中国上海に魚の輸出をいち早く手掛けたのは長崎県でございます。そこは先行スタートのアドバンテージがあるのは否めませんけれども、そもそも養殖魚そのものの生産量が愛媛県の方が倍くらいあると思いますし、十分に競争していけるのではないかと思っています。
(愛媛新聞)
長崎県は養殖魚のイメージがないが、魚種もバッティングしているのか。
(知事)
こちらの主力はタイになりますので、長崎は天然魚が中心です。これは、なるほどと思ったんですけど、どちらかといえば、天然魚は歯応えがありますよね、養殖魚というのは柔らかめの肉質なんですが、中国で好まれるのは柔らかい方なんですよ。日本みたいに、天然だ、養殖だというそういう見方をしないですから、非常にニーズに合ったものを提供できるのではないかなという個人的な感覚なんですけど。
(毎日新聞)
29日に行われる山口県知事選について、伊方原発の再稼働とも絡んでくると思うが、感想はどうか。また、もし脱原発を掲げる飯田氏が勝った場合、大飯原発のときのように隣接県である山口県から伊方原発の再稼働について、いろんな注文を付けてくる可能性が高いような気がするが、そのような協議をする考えはあるか。
(知事)
いや全く、山口の候補者の方、誰も面識もないですし、知りませんから、特にどういう受け止め方かというふうに問われたときには、コメントはないと言わざるを得ないと思います。それは、それぞれの方々が選挙で主張されて、山口の有権者が選択される、その結果が出てからの話ではないかなと思います。そういう形で捉えていますから、仮にこの主張をしている人が通ったらということは全く考えておりません。ただ単に、私どもは3月以降、一貫してぶれずに取ってきた姿勢と対応がありますので、それをしっかりと進めていくと、同じような形で進めていくということに尽きると思います。
(愛媛新聞)
伊方原発について、6月議会の最終日の正副議長の会見では、知事と同じ考えで、安全性を前提に再稼働は必要だろうという発言をしているが、感想はどうか。
(知事)
今の議論が脱原発か、原発推進かという非常に単純化された図式でいろんな行動が起こっているのに少し疑問を感じていまして、やはりこの問題というのは、何よりもまず安全性の確認と追求というのが第一。その上で、将来どういう形でこの国のエネルギー戦略を考えていくのかという議論。それから、いずれにしても方向性としては減原発、脱原発を長い目で見て目指していくのだろうと思いますけれども、そのために必要なものは何なのかという議論。こうしたものを全部トータルで議論していかないと答えは見いだせないんじゃないかなと思っています。目先の稼働、再稼働の問題について言えば、これはもう繰り返し言ってきましたけれども、国の方針と、電力会社の姿勢と、それを受けての住民の皆さんの意見ということ、その象徴的なものが県民の代表、代弁者である県議会での議論も当然重要になってきますので、その中で、県議会でも十分な議論を積み重ねて、方向性、どうするかは別として、一定の意見、議論、結論を議会として出すということをおっしゃっていましたので、それは議会としての役割を果たすんだという、そういった意気込みは非常に感じました。
(共同通信)
国の原子力規制委員会の人事が判明し、9月には発足すると思うが、あらためて、新組織にどういったことを期待し、また、あまり期待できないと思っているか。
(知事)
委員の方、これも山口の知事選と同じなんですが、一人一人、全然、僕、直接知りませんから、前の委員の方も直接面識はありませんので、比較のしようもないんですけれども。ともかく、繰り返し、前の組織のときも申し上げてきたように、その立場の任を受けて、しかも、それなりの対価も受け取って就くわけですから、仕事をしてくださいということに尽きます。しっかりとした仕事をしてほしいと。
(共同通信)
将来の原発の比率をどうするかという国の意見聴取会で、一部の電力会社に発言をさせていたことについて一部批判が出ている。四国での開催は来週末ということだが、こういう電力会社の姿勢についてどう思うか。
(知事)
直接、愛媛で行われるわけじゃないんで、開催の工程がちょっとよく分からないんですけれども。ただ、正規の手続きを経て抽選というふうに出ていたので、その抽選で選ばれた方であるならば、それは問題ないと思いますね。むしろ、こっちの意見もあれば、こっちの意見もある。そういういろんな意見が出るということで問題提起にはなっているから、とりわけ、隠しているわけではないですから、意図的にそういった人が入っていたら、またこれは問題になると思いますけど、抽選で入って発言をするのであれば、それは問題ないんじゃないかなと思います。
(愛媛新聞)
原発の関連で、先般の全国知事会議でいろんな意見が出たと思うが、会議の雰囲気など、どのように感じたか。
(知事)
今さっき話したように、僕は率直に申し上げたんですけれども、やはり原発の稼働、再稼働、これは安全というものがどうなのかという視点で捉えるべきだろうし、そこが一番重要であると。かといって稼働しようが稼働しまいがそこに原発があるということを忘れてはいけないんではないかと。だから、本当にこれから脱原発、減原発を目指していくのであれば、先ほどお話ししたようなさまざまな分野の議論が必要ではないかということを率直にお話しをさせていただきました。それについては全く皆さん反論もなく、それはそうだなというような反応でしたので、大方、そういう受け止め方をされているのではないだろうかなと思っています。
(愛媛新聞)
6月議会中、消費税の衆議院での採決があり、民主党が分裂し、愛媛選出の参議院議員も離党したが、感想はどうか。
(知事)
これは政治家の出処進退の問題ですから、それはそれぞれが自分の信念に基づいて行動を起こす。僕もかつてそういう経験もありますけれども、それは例えば、党を離れるというのは相当な覚悟もいるわけですよね。ですから、それについてとやかくと言うことは全くありませんし、その信念というものを大事にされて、その結果がどうであるかというのは国民が判断するわけですから、そういう意味では、一番大事なことは、やはり筋を通すということなんだろうなと思いますね。
(愛媛新聞)
知事は以前から、政界再編について、そろそろ必要ではないかとの発言をしているが、今回、衆院選も近いかもしれないし、一つのきっかけになるか。
(知事)
それはなるかもしれないですね。ただ今回、今日の新聞を見て力が抜けたのは、繰り返しこの2年間言い続けてきた、民主党・自民党両方ともが前回の選挙で国民に約束をした身を削る改革、国会議員の定数大幅削減と世襲制限の導入、これについては何ら進展がなく、しかも参議院で4増4減で合意とは、一体何をやっているんだというのが、本当に何かもう腹立たしさを超えて、あきれてしまいました。
(読売新聞)
先日、政治塾の立ち上げの記者会見をしたときに、大阪市の橋下市長が「勉強会で終わらずに政治闘争に参戦してほしい」ということを知事に呼びかけており、そのときに電話をするというようなことを発言していたらしいが、何か連絡はあったか。
(知事)
ありました。ありました。でも、別にそういう話はないので、「どんなことをやるんですか」と、「いや、こういうふうな講師を呼んで、独立自尊の精神で、僕も含めて勉強して、地方の時代の地方政治のありようを考えていくんだ」という、そういう話はしました。
(読売新聞)
参戦してほしいというのは。
(知事)
直接はないです。
(読売新聞)
記者の囲みで発言していたようだが、それについてはどうか。
(知事)
今、政治というのは大きく動き始めているので、僕は自然体だと思うんですね。だから、この前の記者会見でも申し上げたんですが、そういう勉強を積み重ねていく中で、新たな決意を持って立ち上がる人が出てくるかもしれないし、それはもう個人の自由ですから、そういうふうな形で塾というのは捉えています。
(愛媛新聞)
会見後、反響はあるか。
(知事)
バタバタしていて、事務所にも全然立ち寄っていないので分からないです。ごめんなさい。
(愛媛新聞)
先日開催された(プロ野球の)オールスター戦について、四国知事会のときに他県の知事を招待し、2人の知事が来ていた。知事の公約でもある四国のプロ野球球団誘致に関し、コミッショナーとも会ったと思うが、他県知事の感想や雰囲気について教えてほしい。
(知事)
コミッショナーとも面談の機会を設けまして、尾崎知事は所要ができて来れなかったんですけれども、高知の部長さんが来られて、香川と徳島の知事は同席していただきまして、オールスターゲームの雰囲気を見て、野球のこうした人を魅了するパワーはすごいなということを、あらためて認識されていました。そのときに、今までの知事会の中での議論を投げ掛けた、将来、実現できるかどうか分からないけど、追い求めて行きたい夢として、四国のプロ野球球団ということについても、そういう夢を持って、四国で連携していきたいということについて、コミッショナーの方には伝えさせていただきました。両知事さんも、そのために何が足りないのか、何が課題なのか、できる、できないは別として、しっかりとお互いが議論していくことは大事だなということを、あらためて再確認できた場になったように思います。
(愛媛新聞)
(プロ野球球団誘致について)お互いに議論していくような、知事レベルや事務レベルの場はあるか。
(知事)
場はあります。担当者同士で連携を取っていますから。
(愛媛新聞)
もうすでに連携を取っていると。
(知事)
そうです。それと、これはコミッショナーとは関係ない話だったんですが、いない所で話してたんですが、アイランドリーグがありますよね、それぞれが経営もかなり厳しい中でがんばっているわけですけれども、NPBの球団との関わり、例えば、系列の3軍チームとかですね、将来、そんなふうになっていけば、ドラフトで入るようになりましたので、人材供給の場にもなるし、プロ野球界本体からみれば莫大な費用をかけているわけでもないですから、そういうものと連携することによって、将来を担う選手を育成できるというメリットにもつながるので、そのようなことが、今後、積み上がっていったらいいですねという話を共有していました。
(NHK)
知事の政治塾に関し、橋下市長は選挙を視野に入れた政治塾であることを期待していると発言していることについて、どのように受け止めているか。
(知事)
直接聞いていないので、何ともコメントのしようがないですけれども。愛媛には愛媛の事情もありますから、橋下さんはその点はよく知っていると思います。ここは、保守王国としての歴史もあるし、いろんなことがあるということを知っているので、直接は僕には言わない。そういうことだと思います。
(あいテレビ)
オスプレイについて、岩国市に陸揚げ後、新しい訓練ルートが明らかになったりしているが、今後、他県と連携して国に働きかけることは考えているか。
(知事)
これは、先般の全国知事会議において、総意で、安全確認するまでの運航は認められない、受け入れは認められないという、法的拘束力はないにしても、全国知事会の総意としての決議ですから、当然それに基づいて、知事会を中心に、まず一番は、配備される山口県と沖縄県というものを前面に立てながら、同じ決議してますから、飛行ルートの関係でみんな関係してきますから、当然、知事会を中心に対応をしていかなければいけないと思っています。
(あいテレビ)
最近、地方局など出先機関で不祥事が相次いでいるが、人事や管理体制について、何か見直すなど検討しているか。
(知事)
即座に人事体制、管理体制を見直すことはしませんけれども、先ほども、部局長会議でこの問題を議題に挙げまして、最近の事務的なミス、それから犯罪に至る行為、こうしたことについての問題を共有して、それぞれの担当部署で引き締めにかかっていただきたいというような議論をしていたところです。ただ一方で、ちょっとしたことでも、何かあっても、速やかにミスを報告する。こうした体質だけはしっかりしてきたかなと、逆に言えば思っています。大事なことは、そのミスを隠さないということで、それを速やかにオープンにして、しっかりと皆さんからもお叱りを受けて、それを反省材料にして対応する。そして、二度と起こらないような仕組みを考えていくということができれば、長い目で見たらプラスになっていくと思いますので。そういう意味では、隠されていないということだけは、いいことだと思います。もちろん行為そのものはだめですよ。
(あいテレビ)
大津市教育委員会で、いじめに関する調査結果が隠されていたり、松山市でも、中学校教諭がわいせつ行為で逮捕されたときに、松山市教育委員会がわいせつとは認識していないという回答があったが、教育委員会の現状について、知事はどのように見ているか。
(知事)
教育委員会というのは知事権限、市長のときは市長権限が及ばない組織。逆にそこを行使すると、マスコミの皆さんからやられてしまうという、非常にデリケートな領域だと思います。ただ、松山市長のときも、当時、7月に何か起こった問題が、市長の僕のところに上がってきたのが1カ月以上遅れて、大問題にしたことがありまして、先ほどの話と同じように、ミス、あるいは何かが起こったときは、速やかに公表するということについては、より一層徹底していただきたいと思います。
(あいテレビ)
現状はそうなっていると思うか。
(知事)
と思います。今のところはですね。
(愛媛新聞)
いじめについて、社会的な問題になっているが、いじめに対する思いや、いじめている人やいじめられている人に向けてのメッセージがあれば。
(知事)
一番多感な時期、小学校から中学校にかけて一番発生している現状がございます。もちろん高校がゼロとは言いませんけれども。ですから、きめ細かな対応をするために市町の教育委員会が何ができるかというのをいろいろ考えていただきたいなと。例えば、それはどうして言うかというと、松山市のとき、いじめをなくそうミーティングという事業を起こしました。これはメッセージを言うだけではなくて、予算もちゃんと付けて、当時の松山市内の私立も含めた全小中学校に呼び掛けまして、代表者300人ぐらいに集まってもらい、当事者である子どもたちに、事態の深刻さや、なぜ起こるのか、どうすればいいのかというのを話し合ってもらうというミーティング事業を起こしました。それを学校の先生と親御さんと地域社会、地域の役員の皆さんにも来ていただいて、子どもたちの自発的なそういう話し合いから生まれてくる対応策をみんなでサポートすると、こういうことが一番効果につながるのではないかという事業を起こしました。今も続いていると思いますけれども。こうしたきめ細かい対応になると、市や町の教育委員会の役割が大きくなってくると思いますので、そういったことの事例なども参考にしながら、それぞれで考えていっていただきたいなと思っています。大事なことは、例えば、よくこういう問題が起こると大臣がメッセージを出したりと、そのメッセージだけでは何にも解決には至らないわけで、やはり、上から言うだけではなくて、子どもたちにも一緒になって考えてもらうというようなことができれば一番いいのかなと個人的には思っています。
(NHK)
そのいじめミーティングを取材したことがあり、各学校の代表の子どもが、お互いの気持ちを考えるなど発言していた。教育委員会だけに任せていてはできないこともあると思うので、例えば、知事から全市町の教育委員会に対して、同じようなことをするよう提案してはどうか。
(知事)
そうですね、よく市長さん、町長さんと会ったとき、松山市でこういうことやったよというのは、市長時代にもお話ししていますから、同じように県教委の方もいじめミーティングを一回見てみたらどうかと先ほども話したところなので、そういうのを強制じゃなくて、自然にそういう事例なども参考にできるんじゃないかということは呼び掛けていきたいとは思っています。これは手前みそになってしまうんだけれども、そもそも、あの事業は、教育委員会の発案ではなかったんです。実は、市長部局、私の方から子どもたちに考えさせるということは大事なんじゃないですかと、そういうミーティングをしたらどうかというのを検討してほしいということを申し上げて、それを受け止めて具体的な事業化を図ったのは教育委員会と、こういう関係でやっていました。
(共同通信)
昨日、四国電力の節電目標が7パーセントから5パーセントに緩和したが、県としての節電の取り組みを変更する予定はあるか。また、これまでの取り組みが効果を上げている点はあるか。
(知事)
まず、数字でしっかりと把握することが大事だと思うんですけれども。7月2日から24日までの、平日の最大電力需要、これを、一昨年が猛暑でありましたから、比較をしてみました。平均気温で言うと、一昨年が30.5度、今年が30.4度。猛暑だった一昨年とほとんど変わらない、今年は暑い日が続いています。気温の差は、ほとんどないわけであります。一方、その期間内の最大電力需要の平均では、一昨年が487.5万キロワット、今年が442.6万キロワット。比較しますと、9.2パーセントの減少となっています。これは、節電要請のベースとなる平成22年の最大電力需要の597万キロワット。これとの比較で見ると、7.5パーセントの減ということになっております。節電の効果は着実に数字を見ても表れているのではないかと思いますので、呼び掛けに対して、県民の皆さんや企業等々の皆さんが一生懸命努力されているというのが如実に表れていると思っています。
ただ、一方で、四国電力がそういう数値の低減を実施したとはいえ、愛媛県という公の立場のわれわれとしては、われわれが課した節電目標を、気を緩めないという意味で変えるつもりはありません。今、変えないと言ったのは、県庁本体のことで、県民の利用が中心となっている県有施設の全体の目標については、7パーセントから5パーセントに見直していきたいと思っております。県庁本体については、一切変えないということでございます。
(愛媛新聞)
消費税を全額地方税にして、その代わり交付税を廃止するということを大阪市長が発言していることについて、どのように思うか。
(知事)
僕自身、まだそこまでの掘り下げた勉強をしてないので、その税目の転換を大胆に図れば、いろいろなところにひずみも生じてきますから、それが何であるのか、それをカバーするには、どういう手法があるのかというのを併せて検討する必要があると思います。ただ、いずれにしましても、その消費税の地方限定というのも一つの考え方ではないかと思いますが、当然のことながら、これについては、地域間バランスをどうするのかということも大きなテーマになってくるんじゃないかと思っています。