本文
平成24年度4月知事定例記者会見(4月25日)の要旨
日時 平成24年4月25日 11時00分
場所 知事会議室
(愛媛新聞)
あと10日ぐらいすると、日本の全ての原発が止まるという客観的事実があるが、節電の夏になりそうな状況も踏まえて、全ての原発が止まるという事態をどのように受け止めているか。
(知事)
総合的なエネルギー政策は国の専権事項ですけれども、安全性の問題、それから、電力の需給の問題について、全国的なデータを愛媛県が持っているわけではありませんから、そういう中で議論をして、結論を導き出していかれるものと思っております。ただ、客観的な地域の公表されているデータを拝見いたしますと、非常に逼迫(ひっぱく)した需給状況の中で、この夏を迎えるということになると思っています。もちろん、それまでの間に、先ほど申し上げたようなステップを踏んだ上で、新しい動きが出てくるかもしれませんけれども、ない場合は、非常に厳しい状況の中で夏を迎えるということになります。特に四国の場合、懸念しているのは、老朽化で長期停止中の火力発電所を急きょ再開するようなことで供給を確保していますので、シェア的に非常に大きな出力を持っていますから、ここにもし何らかのアクシデントが発生したときにどうなるんだろうかというふうな非常に綱渡り的な状況の中で、向き合わなければならないことになろうかと思います。もし、原発が動かないという状況の中で夏を迎えるとするならば、これは電力会社の方から最終的に出てくると思いますけれども、非常に神経を使った中で、節電というものについても徹底的に追い求めていかなければならないのではなかろうかと思っています。
(愛媛新聞)
先般、公表された四国電力の需給見通しでは、最大3パーセントの不足ということだが、何とかなるのではないかと思う人もいるかもしれないし、知事が述べたように、ぎりぎりいっぱいで何かあったらということもあるかもしれない。この需給見通しについて、もう少し教えてほしい。
(知事)
電力というのは、あの状態が常にというのではなくて、瞬間的な問題になってきますので、猛暑の中で、天候というのはどうなっていくのか、誰も予測がつかないので、本当に強烈な猛暑の日が、あるとき襲ってきて、多くの方々がそれに対処するために、一斉に電力を使ったときに停電という事態が発生する可能性がある。もう一度検証しなければいけないのは、大規模な停電がもし襲った場合、何が起こるのかというのは、あまり議論されていないと思うんですよ。その辺りも、やはり、皆さんにもお力をお借りしながら、どういうことが起こるんだろうということは、検証する必要があるのではないかなと思います。例えば、一人一人の生活ということでいえば、多少我慢すれば乗り越えられるところもあると思うんですが、例えば、病院で起こった場合何が起こるのか、あるいは、企業などは全部コンピュータで管理されていますから、シャットダウンされたときに一体何が起こるのか、あるいは、電車等々の公共交通機関にどんな影響が出るのか、誰も経験していないですから、いろいろなことが想定されますので、その辺りも検証しておく必要があるのかなと思います。
(愛媛新聞)
検証ということは、地域に密着した話でもあるが、例えば、県が主体的にということなのか。
(知事)
そうですね、これは、県が全部つまびらかに網羅できるかどうか分からないですけれども、これについては、県の方でもできる限りの検証はしてみたいと思いますが、それぞれの個人の生活という以上に、今言ったような病院とか企業とか、そういったところも真剣にどういうことが起こるのか考えていく、考えられると思うので、そういう情報もぜひいただきたいなと思っています。
(愛媛新聞)
具体的に何らかの場ができるとか、既存の会議を活用するとか、タイムスケジュールはどうか。
(知事)
既存の会議で議論できると思っています。具体的に今ここで、いついつまでということは分かりませんけど、議論してみたいなと思っています。それとあと、長い目で見た場合、火力発電所へのシフトが強まったときに、ちょうど今、資源の価格高騰が現実的な問題として起こっていますので、将来的なコストというものについても影響が出てくると思います。これは四国電力から情報を得るしかないですけれども、その辺りの議論も避けて通れない問題になってくるのではないかなと思っています。
(愛媛新聞)
再稼働に向けた議論について、伊方の場合は安全委員会の手前で止まっているが、手続きとしては、新しい規制庁などができるまでは、今の体制で進めるべきと考えるか。
(知事)
そうですね、今、現実に安全委員会が廃止されているのであれば別なんですけれども、現実に今、動いている組織としてあるわけですよね。そこに属している人たちは、当然、報酬ももらっているはずですから、「働いてください」というのが普通の思いですね。
(愛媛新聞)
この間、大飯に政治判断で再稼働要請に行ったが、そうした最終的な政治の関与について、大阪市長は昨日も官邸でいろいろ言っている。こうした再稼働に向けたプロセスについて、どのように評価しているか。
(知事)
大阪市長の昨日の発言は至極もっともで、安全委員会がしっかりとした検証を行い判断を下すというのが、非常にあいまいになっているところが一番問題になっているのではないかなと思っています。そういった専門家、安全委員会組織のしっかりとした判断というのが知らしめられて、それを受けて政治判断、政治のレベルで要請と、これが普通のステップだと思うんですけど。斑目(まだらめ)さんですか、あの人の発言は非常にあいまいだと思うんですけど。
(愛媛新聞)
どういうところが。
(知事)
安全は確認したけど、宣言はうんぬんという、何か委員長らしからぬコメントだなと個人的には思っています。
(愛媛新聞)
技術レベルで、純粋に安全なら安全だと言うべきだと。
(知事)
そのために安全委員会があって、安全委員会の委員長という責任あるポストに自分がなっているわけですから、その辺りの姿勢は明確にしてほしいと、あやふやであってはいけないと思います。
(愛媛新聞)
国の審議会など、原子力の規制の議論をしている方たちに、原発のメーカーなどから寄付が入っているとの報道がある。当事者としては、「手心を加えてない」と言っても、疑念は持たれかねないと思うがどうか。
(知事)
中身の問題だと思うんですね。規制委員会の専門家としての研究活動をしっかりと追究していくための、金額の問題もありますし、目的がはっきりしていれば、全て一つ一つ、つついていったらきりがないと思いますので、許される範囲かどうかというのは、明確な基準は難しいですけれども、その辺りの検証をすれば、その行為が判断に影響を与えているかどうかは、だいたい見えてくるのではないかなと思いますけどね。
(愛媛新聞)
先般、県の環境安全管理委員会専門部会において、一次評価のストレステストについて議論があり、地元の専門家からは、批判や疑問が出たとの報道もあったが、どのように見ているか。
(知事)
非常に、懸念事項についての問題提起、それから、検証を公平な立場でしっかりとやっていただいているというのが、先般の会議の様子ではなかったかなと思っています。
(愛媛新聞)
最終的に環境安全管理委員会専門部会が結論を出す場かどうか分からないが、批判や疑問が多くある中で、最終的に国から要請があっても、県として、ゴーサインとはなりにくいのではないか。
(知事)
それは前々から申し上げている三つ目の要素の中の一つに入ってきますから、非常に重要な決定だと思っています。
(NHK)
福井県の敦賀原発では、地下にある亀裂が活断層かもしれないということで、保安院が再調査を指示したとの報道があったことについて、どのような印象を持っているか。また、伊方原発に絡めて、今後、何らかのことを要請する可能性はあるか。
(知事)
これらの場所によって、全然、条件が違いますから、今回の問題のポイントというのは、自分自身が遠く離れていますから、詳しいことは分かりません。ただ、あそこについては、今回出たような話が前々から議論されていたと聞いていますので、それが表面に出てきた話ではなかろうかなと思っています。ですから、敦賀は敦賀で、その条件の中で今後どうするのかというのをお決めになられるということだろうと思います。
伊方は伊方で、また別の条件になっていますから、震災を受けて、今、国の方で地震動評価の検査が始まっていまして、三つのカテゴリーに分かれているんですよ。今回の敦賀のグループというのは、活断層の連動を考慮して再チェックという箇所になっています。1のグループが内陸地殻内地震による地震動が支配的な原子力施設、いわば活断層の連動を考慮するグループ、もう一つが海溝型地震による地震動が支配的な原子力のグループがあって、これもチェックの作業が進んでいます。伊方と玄海、川内、高浜は、それ以外の地域ということで分析がなされています。これまでも、震災のあとも、再度、チェックをされましたけれども、もちろん中央構造線が大きな断層としてありますけれども、その影響が出ていないという確認ということは、報告として国に上がっているそうでございます。こうしたことも含めて、震災以降、今言ったような作業でチェックした中で出てきたのかなと思っています。もちろん、これが全てゴールではありませんから、常に検証というのは国の方でやっていただきたいと思います。
(NHK)
四国電力に対して、何らかのことを求めようということはないか。
(知事)
先般、活断層のチェックについて国に上がったところなので、今の段階ではそこで終わっています。
(愛媛新聞)
節電に関し、県民や産業界へ、具体的な数値目標を掲げた呼びかけはどうか。
(知事)
これは、今、四国電力が入念に作業を進めていると思いますので、供給サイドから危ないというような状況が確認された段階で、何パーセントの削減をお願いしたいということが出てくると思います。それに併せて呼びかけをしたいと思います。
(愛媛新聞)
今のところ、何パーセントという数字は出てきそうか。
(知事)
分かりません。
(愛媛新聞)
震災がれきに関し、県庁で市町担当職員対象の説明会があり、市町からいろいろな意見があった。とりあえず第一歩として開催されたことについて、どのように感じているか。
(知事)
ご案内のとおり、国の姿勢に問題ありということを、ずっと指摘し続けてきました。というのは、説明をする積極性が感じられなかったこと、それから、総理の意向を受けて動き始めたけれども、文書を見る限り、国主催の説明会を行うことができるという文言が踊っていて、現場と意識がずれているなということを申し上げたところ、ああした説明会をぜひ開きたいという打診が国からございましたので、先般の説明会につながりました。それは一つ、姿勢が変わってきた予兆なのかなと思っています。ただ、あれ1回きりで理解が広まったかというと、そうではなくて、やはりこれはもう一歩踏み込んだ、先般来た担当者は、いろんな担当者からの意見に対して明快な回答がいただけたかというと、非常にあいまいな所が多かったと思うんですね。やはり責任ある方がですね、明快な回答の責任が取れる方がしっかり来ていただいて、説明を積み重ねていくということが必要ではないかと思っています。
(愛媛新聞)
知事は、直接、国が住民説明会をと述べているが、先般の説明会では、(省庁の担当者は)なかなかそういうふうには回答しないが。
(知事)
そうなんです。その辺り、その姿勢では、多くの方の信頼は得られませんよということに、やはり省庁の担当者は気付くべきだと思います。
(愛媛新聞)
今後、市町対象でも、住民対象でも、具体的な開催の見通しはあるか。
(知事)
今、国の方からぜひしたいと言っていますので、準備を進めています。
(愛媛新聞)
住民説明会か。
(知事)
まずはステップを踏んでいくということで、首長対象。それから住民説明会、市町ごとになると思います、住民説明会ということになると。
(愛媛新聞)
いつぐらいに。
(知事)
分かりません。国の姿勢次第です。これはあくまで個人的な感想なんですけれども、例えば国土交通省とかですね、現場を持っている省庁であるならば、例えば用地交渉とか、そうした住民説明会、あるいはそこに向き合う姿勢、こういうのは経験があるんですよ。でも恐らく環境省はないんですよ。だから、非常にそういったところでのセンスというか、感覚が弱いんじゃないかなというふうに個人的には感じています。でもそれでは駄目なんだということを言っていかないといけないかなと思います。
(愛媛新聞)
国では、原子力の安全審査に関する規制組織について、環境省の外局に原子力規制庁を設置する民主党案では弱いということで、自民党と公明党の対案が出ているが、どういった新しい規制組織のあり方が望ましいと思うか。
(知事)
ちょっと難しいですね。ともかく、500人も国会議員がいるんですから、本当にそういう議論を詰めて、この問題をパフォーマンスとか、点取りの得点稼ぎに使ってほしくない。何のためにというところでやってもらいたいなと思いますね。この問題も含めて、単に規制庁だけの問題ではなくて、日本の電力供給体制の問題とも密接に関係してくるわけですから、トータル的な視野の中でスピーディーに議論を進めていただきたいと思います。非常に懸念するのは、先ほど言ったような政治的な利用の仕方の中で、アピール合戦になって、聞く耳を持たなくて何も決まらないというのが一番懸念するところです。
(愛媛朝日テレビ)
原発の再稼働について、大阪市の橋下市長が、8項目の再稼働条件を示していたが、賛同できるか。
(知事)
至極もっともな意見が並んでいると思います。ただ、その中には工程がちょっとよく分からないところがあって、速やかにできるものもあれば、時間を要するものも項目の中にはありますから、その辺りの工程というものをどう考えられているのかは、ちょっと私にも分かりません。項目としては全て正論だと思いますし、むしろ、そういったことが国会の場で、これまで長年にわたってできていなかったということが、私もかつて国会議員をやっていたときに、そこまで知っていたかというと、これはもう本当に知らなかったと、野党側でしたから、知らなかったということは自分の非でもありますけれども、長年、そういう体制が作られてきたことを考えるとですね、やはり、ああいった方向をしっかり打ち出して、それに向かって前進していくというのは、非常に有意義ではないかなと思いますけど。
(日本経済新聞)
8項目の中に、半径100キロメートル以内の府県と安全協定を結べというものがある。そうすると事実上、再稼働の協議が難しくなると思うが、例えば伊方に当てはめるとどうか。
(知事)
これも地理的な条件によって全然変わってくると思うんですね。特に、100キロメートルがいいかどうかというのは議論すべきところがあると思います。おっしゃるように、広げれば広げるほど、なかなか集約というのは難しくなってくるのも事実です。それから、やはり一番そういったものに向き合うというのは立地地域ですから、そこが重視されるというのは今までの考え方だと思いますけれども、それは間違いなく、これからも変わることはないと思いますね。その地域にあるわけですから、施設が。もしものときの状況とかが起こったときの影響を、どこの辺りまでの協定という中でくくるかというのは、非常に難しい判断だと思います。地域によっても状況が違うと、例えば、関西が非常に伊方と違うのは、30キロメートル、あるいは50キロメートルになったときに、他県が思いっきりエリアとして入ってくるというところに大きな違いがあるので、周辺の考え方も伊方周辺の県とは若干違うのではないかなと思っています。
(あいテレビ)
8項目について、時間がかかる条件も入っているので、再稼働の条件にするかどうかは、いろいろな議論があると思うが、どう考えるか。
(知事)
これは結局、方向性を示すということで考えられているのか、先ほどのスケジュール感ですね、これが分からないので、何とも言えません。私は、脱原発というのは時間がかかると思います。そう簡単にできるような状況に、この国はないですから、それぞれの方向性、こういう方向で物事を進めていくんだというところの確認、それから、姿勢の明確化、こういったことが一つの条件になってくるのではないかなと思いますけど。
(あいテレビ)
知事は、8項目全部満たさないと再稼働させるべきではないという考えではないということか。
(知事)
違います。
(愛媛新聞)
再稼働に向けて、伊方の場合は四国全域にかかってくるので、他の3県から、愛媛県はどう考えているかというような照会はあるか。
(知事)
照会というよりは、積極的にこちらから知らせています。例えば、この前、僕が伊方発電所に行く、そういった原子力関係、伊方関係に関する何らかのアクションを起こしたとき、あるいはアクションが行われたときについては、四国だけではなくて、大分、山口、それから、今回は広島も含めて、全部報告をさせていただきます。
(愛媛新聞)
そういったので、こう打ち返したようなものはあるか。
(知事)
今のところ、一部、山口と大分からあったと。それから四国3県の知事さんは、事故の情報提供ですね、ああいったものについての要請が電力会社にあったりと、そういう動きは個々にはあります。
(愛媛新聞)
県議会の議会改革として、委員会レベルで、理事者が議員に質問できるという反問権を導入しようとする動きがあるが、議員の考えを聞きたいということはあるか。
(知事)
いっぱいあります。反問権いただけるのであったら、ぜひいただけたらと思います。
(愛媛新聞)
どういったときに。
(知事)
これまでの経験から言っても、市長時代、特に、そういう反問権に近い答弁をして議長から止められたことも何度かありましたので、ぜひ、議論の争点を浮き彫りにするためにもいただけないかなと思いますけど。
(愛媛新聞)
あくまで議会で決めることで、今のところ委員会レベルだが、知事が出席する本会議でもあったらいいか。
(知事)
はい、ぜひ。
(NHK)
今回、敦賀原発のことが明らかになったのを受けて、四国電力に対して、直ちに何らかのことを求める考えは、今の時点ではないということか。
(知事)
ないというかですね、3.11以降ですね、先ほどの公表に基づいて再検証を国が要請して、その中から出てきた話なんですね。四電は同時に、先般、報告を受けて検証した結果、今までの検査で間違いないという報告を上げていますから、同時並行してやっているということです。
(南海放送)
昨日、県議会の各会派代表者会議において、海外視察が議題になり、再開すべきという声が多くを占めたことについて、どう思うか。
(知事)
これはもう議会で決められることなので、何ともコメントはありません。ただ、視察、海外に行くときというのは、何をするために行くのかというのが一番問題であって、しっかりとした目的、それから、行ったときの行動というものが明確であれば問題はないのではないかなと個人的に思います。ただ、経験を積むとかですね、そういうのはちょっと違うんじゃないかなと、そういう時代ではないんじゃないかなと思います。
(南海放送)
中にはトップセールスの補助的な役割をしたいとの話もあったが。
(知事)
それはもう大いに結構だと思いますよね。
(南海放送)
一方で、県財政の厳しい中で、そういったものを再開するのはどうかという声もあるが。
(知事)
それもまた正論だと思います。ですからその辺りを、県財政も考えて、そういう議論が進められるというのは非常にいいことだと思います。
(愛媛新聞)
先般、道州制に向けた首長連合が岡山県を事務局として立ち上がったが、知事が入っていないことについて、何か理由はあるか。
(知事)
そんなのあったんですか。ごめんなさい。本当に知らなかったです。僕自身がやはり、市長から出てきましたので、基礎自治体の仕事というものに約12年間向き合う中で、ここが中心になって組み立てをしていかなければならないのではないかという思いが非常に強いです。むしろ、国が言っている組織論からなる道州制、中二階行政体の県から見た道州制というのは少し違和感を覚えています。結局、上からの組織論で道州制をやるとですね、恐らく何も変わりません。ただ単に、出先機関が道州に変わるだけということにもなりかねないので、もっと根本的な問題から入っていった方が、正しい道のりではないかなと個人的には思っています。
(共同通信)
国の原子力安全委員会について、廃止されていないのだから、続くのが当然だという発言があったが、一方で、枝野大臣や前原幹事長の発言など、政府与党内のスタンスが微妙にずれて見える。この問題を巡る政府与党の姿勢に対して、知事の意見はどうか。
(知事)
やはり、前の記者会見でも申し上げましたけれども、発言がぶれているように聞こえてきます。こういうことをやっていたら信頼というのは生まれない。だから、本当に大きな大切な問題について、政権側の幹部の皆さん、本当にしっかりと連携を取って考え方を共有して、ぶれずに、この原発問題だけではなく、そういう姿勢がなければ、政治への信頼というのは得られないということをしっかりと肝に銘じて、向き合っていただきたいなと思います。
(日本経済新聞)
冒頭で、四国電力の老朽化した火力発電に懸念を表明し、電力需給への不安を言葉にしていたが、電力需給が原発の再稼働の判断に含まれてくるか。
(知事)
いや、これは、再稼働ということについていえば、これまで、ずっと言い続けてきたとおりでして、需給とは、私の考え方は連動していません。あくまでも、安全優先ですから、電力会社の姿勢の問題、国の方針の問題、それを受けた安全委員会や議会等々を代表する地域の皆さんの意見、こういったものを参考にして決めるという、そこは一歩も出ていませんから、需給問題はまた別の問題です。ですから、需給問題に懸念が生じたときは、当然、原発が動かせない状況で、この問題が出てきたときには、総合エネルギー政策をつかさどる国が、停電という大事態を招かないように、さまざまな工夫をするということは、これが国の仕事ですから、それをやるだろうという前提で考えています。
(時事通信)
石原都知事が、尖閣諸島を東京都が買うと発言をしたことについて、知事の意見はどうか。
(知事)
これは、東京都と愛媛の立ち位置は全然違います。やはり、領土問題というのは国の外交問題でありますから、そこが中心になるということになろうと思います。そういう意味で非常にあやふやになっている問題について、問題提起をされたということだと思いますが、東京のように潤沢なお金がある立場だからこそ、ああしたことが言えるのかなと。でも、それがどうなるのかというのは、まったく皆目見当は付きませんね。
(時事通信)
国が買うべきだという意見も。
(知事)
それも含めた話をされればいいんじゃないですかね。実際に今、日本人の方の所有権が明確になっているわけですから。
(読売新聞)
先ほどの枝野大臣など政府の原発に関する発言のぶれについて、知事自身の政権への信頼は揺らいでいるということか。
(知事)
まだ何も言ってきてないですから。そこから、そこで直接話してからの確認ということになると思います。