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平成23年度12月知事定例記者会見(12月19日)の要旨

ページID:0011154 更新日:2013年1月15日 印刷ページ表示

日時 平成23年12月19日 11時18分

場所 知事会議室

 

(南海放送(幹事社))
課長級昇任試験制度について、実際に面接を実施して、職員のどういうところが見えたか、知事の率直な所感はどうか。また、合格して登用される新たな課長級職員に対して期待することは何か。

 

(知事)
今年度から実施しました課長級昇任試験については、まず、有資格者が364名いらっしゃいました。受験者は、約75パーセントに達する270名になります。松山市のときが65パーセントくらいでしたから、そういう意味では非常に前向きにトライをしてくれたんではなかろうかなというふうに思います。ただ、人数が多かったので、松山市のときと違ったのが、一次試験を実施したということであります。この一次試験は外部評価の論文試験でございまして、これは受験された270名のうち約半分の132名が一次試験の合格者になります。松山市の場合は、確か一次試験はなかったんですけど、受験者そのものが70人くらいだったと思いますので、ただ今回、これでも132名の面接が必要だということで、自分が経験した倍くらいの方々の面接をするということになりました。これにつきましては、私以下、特別職全員と総務部長の6名で7日間を費やしましたが、時間にして44時間、たっぷりと一人一人の姿勢をしっかりと受け止める、あるいは見極めるということが大事だということで、44時間の時間をかけて面接を実施したところであります。
面接しながらやっぱり感じたのは、一人一人、大変マンパワー高いなと、優秀な方が多いなというふうなことが、個人的な感想であります。ただその一方で、もちろん県の仕事は法令の実施で、しっかりとした実施が大事でありますけれども、先ほど申し上げましたように、これからは政策立案とかいろんなことに前向きにチャレンジをしていかなければ時代を乗り越えていくことができないということでありますから、その意味でその力をもう少し前向きに出せたら、大変なマンパワーの力が生まれるなということを感じています。ということは、今の段階ではもう少し前向きなところがあと一歩かなというところが個人的な実感でありました。しかし、潜在能力が高いから大いに期待できるなというふうに思っています。
もう一つは、これは致し方ないところがあるんですが、例えば市役所や町役場だと直接住民と日々接する中で、まちづくりというのを具現化するという仕事をしていきますので、いろんなところに飛び込んで、いろんな方々との触れ合い、接触があると、そういう人的な財産を持っている職員さんが多いんですけども、比較的県庁職員さんは、どちらかというと、建物の中にいてしっかりとした仕事をするということが多くなってしまうので、人脈ということについて、ちょっと弱さを感じました。これは、あまりおかしなところと触れ合っていくというのも問題がありますので難しいんですけど、ただやはり視野を広げるという観点から、地域活動でもいいし、いろんな業界の講演とかですね、そういうところに出て人脈を広げるというのも、一つ大きなテーマなのかなというふうにも感じました。
ただ今回、初試験ということで緊張感も大変なものだと思います。ただ今回、もし抜擢されたとするならば、まさに管理職試験突破第一期生ということになりますので、先駆者として大いなる気概を持ってですね、仕事に当たって活躍してほしいなと心から願っています。その一期生の活躍がですね、後に続く職員たちの範にもなる、影響が大きいと思いますので、本当に心から期待をしたいと思っています。
また、これは非常に狭き門であります。もともとですね、この試験がない段階でも、同期の中で、課長職まで届いて辞められる方が4分の1ぐらいしかいらっしゃいません。もともとそれぐらいの枠しかない世界であります。それを公平に誰でもチャレンジできるというふうにしたのが、この課長試験制度なので、通ることもあれば、落ちることもあります。でも落ちても決してくよくよしない。何度でも再チャレンジができるというのが、この試験制度の特色でありますから、先に受かったからといって、後から受かった人に追い抜かれるケースも当然のことながら、当たり前のように起こってきます。これも松山市長時代に同じ経験をしていますので、そういうものであるということを、ぜひこれから受けるであろう方々に受け止めていただきたいなというふうに思っています。
なお、合否の通知は3月中旬の人事異動発表直前になります。その間、いろんな思いがあると思うんですけれども、それはそれ、試験は終わっていますので、また、受けられた方は既に管理職として組織の中枢、課長補佐とかですね、あるいは外局、地方局では、課長という立場になっていますので、そういうふうな非常に大事な職、立場にいるということを肝に銘じて、結果に左右されることなく、日々の職務に当たってもらいたいなあというふうに思っています。

 

(愛媛新聞)
面接は個人面接か。

 

(知事)
6対1で、大体1人20分はやります。

 

(愛媛新聞)
どんなことを聞くのか。

 

(知事)
人によって全然違いますね。やっぱり一番仕事に自信がある人というのは非常に落ち着いていますし、自分の言葉による日々の日常の仕事から湧き出るようなやりとりというのが非常に印象に残るような気がしますね。で、かなり準備されてきた方は逆に緊張してしまって、1個詰まって真っ白になったりですね、そういうケースもありました。だから、いかにリラックスをしていただいて、日々のありのままの力をその面接の中で発揮していただくかということを、逆にこちらが気をつけるべきところだというふうに思っています。

 

(愛媛新聞)
次長級は、従来の人事考課で決めるということか。

 

(知事)
それと、この一年間仕事ぶりを見せていただきましたので、当然のことながら、それを加味いたします。

 

(愛媛新聞)
県職員は、建物内で仕事をする印象が強いということだが、知事も応援団になっている「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合」というのもあるので、首長も応援していけばいいと思うが。

 

(知事)
例えば、まちづくりの協議会など松山市にもありますけど、ああいうのに参加するだけでも、人脈がものすごく広がると思うし、いろんな人の意見、声を聞く機会にもなるので、それは必ずそれぞれが向き合っている仕事に生かせる力になると思うので、そんなこともメッセージとして出して行こうかなと思っています。

 

(愛媛新聞)
業務執行リーダー制というのは、課長補佐級か。

 

(知事)
そうです。

 

(愛媛新聞)
どういうイメージか教えてほしい。

 

(知事)
実はこれも、かつて松山市も課長補佐制度だったんですね。面接でもいみじくも出たんですけど、補佐という名前がつくと、なんか責任がないという受け止め方を、その立場にいるとどうしてもしてしまいがちなんですよ。ともかく補佐、課長をサポートすればいいというふうに意識そのものが固まってしまいがちなので、まずそれを取っ払う必要があるなと。いわば課長前の一休みというものではない、そういう職はありえない、ということで執行リーダーという、リーダーという立場に立つ、いわば補佐的な仕事から最前線へ出ていただくというのが、まず趣旨でございます。
それからもう一つは、その執行リーダーというものを通じて、先ほども申し上げたんですけど、組織のフラット化を図っていくということにもつながる、そういった狙いもあります。もちろん県の場合、市町村と違って、部署によっては執行リーダーがなじまないような部署もあるやに聞いていますので、そのあたりは理屈がはっきりすれば、例外というのもあるというふうに思っています。これから詰めていきますけども。

 

(愛媛新聞)
肩書き自体を変えるということか。

 

(知事)
そうですね、執行リーダーに。

 

(愛媛新聞)
課長補佐の名前を訓令などで変えるのか。

 

(知事)
主幹という名前に一本化。内容的には執行リーダー。なんて言ったらいいのかな。ちょっと説明を。

 

(総務部長)
業務執行リーダーという通称的な話なんですけども、職制上は、今の案では主幹ということで考えています。今、知事が申し上げましたように、課長をバックアップして最前線に立つということと、組織のフラット化という趣旨から、主幹という名称が一番適切ではないか。主幹のもとに係を束ねてですね、係の中で弾力的、機動的にリーダーとして運営して、課長をサポートもしますし、実際に弾力的に自ら仕事の責任を持つ、そういう形を考えています。

 

(愛媛新聞)
主幹の「かん」は、管理の「かん」か。

 

(総務部長)
いや、「主」に幹事。主は「おも」に、幹は「みき」です。

 

(読売新聞)
主任や係長の名前は、松山市では副主幹になっているが、これも全部変えてしまうのか。

 

(総務部長)
県の場合は法令に基づく執行行政がありますので、係長以下は現時点では従前どおりということを考えています。責任の所在を明らかにするという趣旨がありますので。

 

(愛媛新聞)
業務執行リーダーというのは内容的なもので、名札に入るようなものが主幹ということか。

 

(総務部長)
そうです。現時点ではそういうふうに考えています。

 

(愛媛新聞)
条例改正が必要なのか。

 

(総務部長)
そこは確認します。

 

(あいテレビ)
試験の合格者を3月中旬に発表ということだが、合格者数は決まっているのか。

 

(知事)
概ね60人程度。だから(受験者数が)270人ですから、(競争倍率は)4点数倍ですかね。

 

(あいテレビ)
試験を行って、知事自身で一番よかったと実感したことは。

 

(知事)
これは、多分、皆さん共通だと思うんですけども、人材の掘り起こしができたということですね。

 

(読売新聞)
業務執行リーダーは責任を持ってやっていくということだが、具体的に何が違うのか。

 

(知事)
課長補佐というのは、規則で定めているのかな。

 

(総務部長)
そうです。具体的に言いますと、課長のサポートから業務の執行責任者という位置付けにします。具体的には課長の専決権ですね、特に定例的な権限については、権限を補佐に委譲するという形の改正を考えています。

 

(知事)
庁内における地方分権みたいなものです。権限を下ろしていくことも、当然、並行して行います。

 

(総務部長)
一方で、今回、能力実績主義で登用される課長には、統括責任者として、課の大きな方針決定や、先ほどご質問にもありましたような部局横断的な調整、そういったことのリーダーシップをより発揮させるというふうな形で、課を主体として中核として、部局横断的な調整や政策立案型の行政をやれるように課長と課長補佐を一体で改革する、そういう考え方です。

 

(時事通信)
面接で聞く内容が人によって違うということだが、松山市のときから一緒か。

 

(知事)
同じですと、どんな質問されたという情報が出回ってですね、決められた答えを用意してくる傾向が顕著に現れますので、大体ちょっとやったら準備したというのが見えるんですよ。だから変化球等いろいろ織り交ぜながら。

 

(時事通信)
経歴とかを見て。

 

(知事)
そうですね。

 

(時事通信)
先ほど、前向きなところがあと一歩かなと述べたが、どういう意味か。

 

(知事)
課長になって具体的に何をするんでしょうかとか、今の職場でもし課長になったら、あなたは課長としては何をやるんですかというところが比較的返答が弱いなと思いました。

 

(時事通信)
今後のことについてか。

 

(知事)
はい。

 

(総務部長)
先ほどお尋ねの補足ですが、執行リーダー制に伴う組織改正ですが、先ほど主幹という位置づけで考えているということを申し上げましたが、そのためには、規則の改正が必要です。条例の改正までは必要ありません。県の規則を改正する必要があるということです。

 

(読売新聞)
課長補佐から主幹に移行する人は何人くらいになるか。

 

(総務部長)
課長補佐級の職員がおおよそ500名おります。冒頭、知事が申し上げましたように、課長補佐ということで従前どおり職制を継続させるのが望ましいというのもあります。それを全庁的に検討、精査をしていますので、実際には補佐級の職員が主幹に移るというのは500名よりは少なくなる、そんなイメージで今作業をしています。

 

(あいテレビ)
課長補佐という名前も残ると。

 

(知事)
一部だけ残ります。市町村行政、僕もこっちに来るまで分からなかったんだけど、ちょっと違うところがあって、法令実務というか、それをやるということが徹底しなければいけないところがあるやに聞いていますので、むしろ執行リーダーというのがなじまないような所も確かにあるようなんですよ。それを今精査しています。

 

(総務部長)
特定の専門的な職制での課長補佐というのがありますよね。例えば、工事検査専門員とか検査班長とかですね。そういった職は、まさにそういう専門的な立場での課長補佐ということですので、それは主幹制にするのはなじまないかなというふうなことを考えていますので、課長補佐という名称で残るというよりは、専門的な立場での職制、職務が主幹に移らない。課長補佐のまま残るのはほんとにわずかでないかと考えています。

 

(あいテレビ)
先ほど、課長試験で人材の掘り起しができると述べたが、今回の試験で残念な結果に終わった職員に対して、試験結果や面接の内容を踏まえて、例えば、今の部署よりも他の部署に向いているのではないかなど、人事異動に反映させることは考えているか。

 

(知事)
当然あります。私もさすがにこれだけ人数が多いと全体はつかめないですけど、少なくとも管理職については責任を持たなければいけないなと、権限をお渡ししますから、できるだけ一人一人を見てあげたいと思いますので、現役の課長さんについては、就任直後に全員一人一人面接を実施していますから、そのベースデータも残っていますので、それらも含めてみんなで考えていきます。ただ、大事なことは僕だけが決めるわけではなくて、試験制度も6人で、それぞれの視点で公平に見つめながら、みんなで、ちゃんと評価を、できるだけ間違いを犯さないようにしていくということが、こだわりの一つなので、そういうものであるというふうに思っていただいたらいいと思います。人事というのは、かつても思ったことがあるんですけど、怖いんですよね。例えば、人事というのは誰が決めているというのが何となく見えてしまうと、その人のもとに何か気を遣わなきゃいけないという空気が出てきますので、この試験制度というのは、例えば僕一人がどうのこうの言ったって無理なんですよ。6分の1の評価点しか持っていないですから。そういうもので、要は、誰に上に気兼ねするんではなくて、仕事で見せてほしいというふうなことに主眼があります。

 

(愛媛新聞)
主幹制度は、松山市のときも同じように主幹にしているのか。

 

(知事)
そうです。

 

(読売新聞)
新課長合格者が60人程度ということだが、既に試験制度導入前に課長になっている方のポストが定年や昇格で空いたり、新しくできるポストで60人程度ということか。

 

(知事)
いやいや、辞められる方がいますので、退職される方、基本的に管理職のポストは増やしませんから。

 

(読売新聞)
定年などで空いたところに入るということか。

 

(知事)
そうです。そう思っていただいたら。

 

(愛媛新聞)
今年も12月になったので、今年1年を振り返っていただきたい。また、来年こういうふうなことをしたいというようなことは。

 

(知事)
今年は就任して最初の年でしたので、個々にはお話ししたんですけれども、目標としては組織の全体像の把握、それから基本政策の浸透、それから個別政策の種まき、この三つが課題であるというふうに自分なりには思っていました。
もう一つは、公約の実現に向けてすぐできるものもあれば、中期かかるものもあれば、長期かかるものもあれば、あるいは実現がどうか分からない部分もある。そういうのも含めて、ともかく公約に順番にこだわっているというふうなこと、この辺りが課題だったと思います。その点については、自分なりには描いていたスケジュールにほぼ近い形にできたかなと思っておりますけれども、もちろんそれはこちらの側で受け止めていただけるという、職員の皆さんに受け止めていただいていたかどうかというのは、まだまだということもあります。例えば先ほどの行革のことにしてもですね、もう既に終わっているというような声が出てくるというのは、非常にまだまだなんだなということも感じます。それはもう自分の説明不足だとか、そういったことも反省しなければいけないというふうに思っています。
もう一つはやはりなんと言っても3.11という大変悲惨な震災が発生いたしましたので、まさにマニュアルが全くない被災地支援、それから安全対策、こういったものに取り組む1年でもありました。ただ、これについては、むしろ、組織でいろいろと考える機会が多くなりましたので、県庁の全体把握の意思疎通やそういったものには逆にプラスになった面もあると思っています。いずれにしましても、極めて短期間の1年にいろんな経験をさせていただきましたので、来年はこれをベースにですね、いよいよ離陸に入っていくというような年になればなというふうに思っています。

 

(愛媛新聞)
今年の仕事始め式で、「おごらない1年にしたい」という話があり、その趣旨が分からなかったが、そういうような年にしてきたということでよいか。

 

(知事)
やはり、市長も町長も知事も、ある意味では権力を持つ立場になりますので、本当にその姿勢というのを常に言い聞かせるというのが大事だと思います。これがすれてしまうとですね、イエスマンばかりが周りにはびこって、正しい情報が入らなくなり判断を誤る、場合によっては裸の王様になってしまうという失敗例というのは、政治家20何年やってきて何度か見てきたこともありますので、それを反面教師として、おごらないという姿勢を持ち続けることが大事ではないかなというふうに思っています。

 

(愛媛新聞)
社会保障と税の一体改革について、知事会の代表として、たびたび交渉に臨んでいるが、どういったやりとりがあるのか。

 

(知事)
まず、最初、3回の会議で必ず冒頭に申し上げたのは、例えば、社会保障と税が地方と合意した場合ですね、地方も国民に対して、税の理解を得ていただくよう説明をする責任を負う立場に立ちます。その観点からして、国会議員の今のありようというのは、なかなか国民を説得する状況にないということを3回続けて申し上げました。具体的には、いつも言っていますけれども、民主、自民両方ともが約束した議員定数の削減と国会議員の世襲制限、この二つはマニフェストに両党とも明記していますから、少なくともこの二つを実施しない限り、国民の負担を求めるようなことは理解が得られないというのを必ず会議の冒頭で発言させていただいています。今回、それが附則に明記されるようになるのかもしれませんけれども、多少はジャブが効いてきているのかなという気もしますが、まず、これが大前提です。
そこで社会保障と税なんですが、そもそも、最初の段階でこじれた原因はですね、社会保障に係る地方単独事業は無駄なものであるという財務省幹部の発言に端を発しています。そんなことはないんだと、社会保障というのは国と地方が一緒になって成り立っているサービスであり、その発想自体が間違っているというのが地方側の主張です。
具体的な数字を挙げますと、まず地方が積み上げたんですね。実際に国民の皆さんが必要としている、地方が単独で行っている社会保障については、事業費6兆2千億円あるという数字を出しました。一方、国の方は、いやいやそれは全部無駄なもので、せいぜい認められるのは妊産婦検診の4百億円だけだというところから始まっています。片や6兆2千億円、方や4百億円、ここからスタートなんです。次に国が言ってきたのは、今回の社会保障というのは、社会保障4分野に限る話だという主張をしてきました。これに対して地方はですね、4分野だけでは社会保障という範疇(はんちゅう)はくくれない。4分野以外に何があるかと言いますと、まず一番大きいのが障害者福祉、これを対象外にしているんですよ。それから貧困・格差対策、これも対象外だと。これが国の主張なんです。地方はそれも当然、社会保障でしょというようなことを言っています。仮に4分野にされてしまうと、この6兆2千億円が5兆1千億円になります。1兆円減るんですね。この1兆円というのは全然無駄な話ではなくて、障害者福祉と貧困・格差、雇用対策で地方が単独で行っている事業ですという主張をしています。
次にですね、第1回目の会合のときには、まず、地方はいかに無駄なことをやっているかという訳の分からないペーパーが未定稿で出てきたので、こんなペーパーが世の中に出たら地方は全部反目しますよということでかなり押し切って、その第1回会合のときは撤回をされました。そのペーパーは回収されまして未公表になりました。第2回会合のときに、冒頭、ほとんど変わらない資料がまた出てきたんです。それについては、前回これは危険だということで回収したというふうに言ったけれども、また同じようなものが出てくるとはいったいどういうことだというような話をしました。これについては、古川内閣府特命担当大臣が申し訳ないと、反省していますというような話はされました。要は、事務レベルで動いていることが明確になったわけです。
そんなことで、第2回目の会合のときは、個々具体的に主張の違いを浮き彫りにする議論をいたしました。例えば、国が無駄なものだと指定したのはこういうものなんですね。病院会計への一般会計の繰り入れ。実はこれはもう向こうが分かってなくてですね、一般会計の繰り入れというのは公営企業法でやるべきだというふうになっているんです。法律に基づいた行為なんですね。何のためにやっているかというと、へき地医療と救急医療。へき地医療と救急医療というのはアディショナルにかかりますから、これは一般会計から公営企業法に基づいて入れているんですよ。それは無駄な行為だという、こういう指摘だったんですよ。それは全然話になりませんよということですね。
それから、乳幼児医療ですね。これは全部無駄だというわけですね。違うんだと、これは、例えば今までも、お年寄りは治療費1割負担、乳幼児は2割負担ですね。そもそも国がお年寄り対策ばかりやって、少子化対策やこうした子供たちの対策を後回しにしていたので、地方は先取りしてやっていたんですね、ニーズに基づいて。まさに少子化対策なんです。それは全部認めないというふうなことで言ってきたので、それは違うでしょうということで押し返しています。
それから、国保。これは県はあまり関係ないんですけれども、国保については、市長のときにやっていましたので、国保の一般会計の区切りでは、低所得者対策でやっています。もし、これを認めない、ゼロにしろと言った場合は、資格証明書の発行に踏み切らざるを得なくなります。それでも駄目な場合は、国保の取り上げという行為につながっていきます。そうなったら、国民皆保険制度そのものがぶっ壊れるんですね。そういう危険性をはらんでいるということがなぜ分からないんだということを主張いたしました。7項目くらい今みたいな議論をしまして、ことごとく押し返したつもりです。これで第2回が終わっています。
第3回目の会合はそれにも関わらず、全く変わらない姿勢を厚労省の副大臣が示されました。それに対してこちらの方からは、この前までの2回の会議は一体何の意味があったのか、そういう主張をさせていただきました。そのときに新しいペーパーが出てきまして、総務省が試算した5兆1千億円、もうはなから6兆2千億ではなく、5兆1千億円の4分野限定できているんです。5兆1千億円を厚生労働省が精査したところ、3兆8千億円だというふうなペーパーが出てきます。これは一体何だと。算出根拠はと言ったら、何もないんです。そこで疑問を感じたので、これはひょっとしたら、4百億円という国が主張している数字に使われたもともとのベースデータなんじゃないんですかと申し上げました。要は、結局4百億円から一歩も変わってなくて、最初に3兆8千億円からいろいろ削っていくと、最後に4百億円になるというベースデータなんじゃないんですかということを言ったら、副大臣はもごもご言って、2兆6千億円くらいまではわれわれが認めるところだと、これは口頭でしか言っていません。また、そこで2兆6千億円という数字が出てきたんです。そこでさらにかみ付いて、ほら見たことかと、今ここでこういう議論をしていたら、いきなり3兆8千億円が今日出てきたけれども、いきなりまた2兆6千億円が出てきた。そこからまた精査したら4百億円になるんじゃないんですかと言い、イエスかノーかはっきり言ってくれって言ったら、もごもご言ってですね、結局何も言わずと。ですから、何にも変わってないというのが分科会での議論です。ただ、理屈の上では、まず負けてはいないと思うんですけれども、要は、後は政治判断、川端総務大臣などは非常に地方の側の議論をしていました。厚労副大臣と財務副大臣が完全に事務方の議論に乗っかっています。ただ、財務副大臣が少し変わったなと思うのは、地方の意見を聞いて、それはちょっと考えなければいけないという発言をポロッと言いましたので、また後は政府内での政治判断と親会での議論ということになっていくと思います。
もう一つだけ申し上げたのはですね、交付税、財務副大臣から交付税での扱いもあるんでという発言があったので、ちょっと待っていただきたいと。まさに三位一体改革がそれだったんですね。交付税で後でなんとかするからと言われて、うのみにして、そしてその上でですね、後で分母の交付税をバサッと切られましたから、追い込まれたのは地方、三位一体改革の結末でしたから、二度とだまされませんというような発言をしておきました。そのようなのが、大体、社会保障と税の改革についてのやりとりです。

 

(NHK)
明日、全国知事会が開催されるが、原発立地自治体の首長による会合の予定はあるか。

 

(知事)
いや、僕は明日、ちょっと本会しか出られないんで。ないですね、明日は。

 

(愛媛新聞)
国では、本四高速の出資金を求めているが、県としての考え方を教えてほしい。

 

(知事)
これは何の話ですかということであり、平成24年まで出資金というものを求められたいきさつがありますので、それを歯を食いしばって、拠出してきたのが今までの歴史だったと思います。ちなみに愛媛県は広島県と並んで、最も出資金が多い年間53億円、これまでの累積で、平成23年度までで754億円、最後の年は12億円に減りますけれども、766億円ということになります。平成24年までという限定でしたので、過去の経緯の中で決まったことなので、それは約束事ですからやってきました。ここへきて急にですね、2年間の延長をということで、それはもう話が違うということです。ちなみに、この出資金というのは、NEXCOの方では求められていません。本四だけの問題です。料金問題と絡められることがあるんですけども、それもまたおかしな話で、料金問題というのは自公政権のときに、政党のサービス合戦の中で起こってきた国のやりとりの中で始まった話であって、そのしわ寄せというものが出資金と連動するというのは理論的におかしいというふうに思います。この点に関しては、10府県市が足並みをそろえて、それはおかしいんじゃないかというふうなことを先般表明したところであります。

 

(愛媛新聞)
国では、マニフェストの後退が相次いでおり、八ッ場ダムも予算計上したということになっている。山鳥坂ダムもどうなるか分からないが、徐々に検証も進み動き出しているが、推進する立場としてはどうか。

 

(知事)
ともかく、僕は本当に、この前も四国地方整備局長が来られたときに申し上げたのは、検証というのは国の作業でやっているんですが、ともかく地域の推進という声を受け止めて、それはお伝えしますと、どんどん早く結果を出してくれということと、それから、補償については、もう本当に30年間待たされ続けた方々のことを本当に理解してほしいということを再度申し上げておきました。

 

(愛媛新聞)
今年の当初予算で盛り込んだ生活再建の県独自の手当について、継続する形でよいか。

 

(知事)
そうですね、はい。

 

(読売新聞)
本四高速に関し、明日、国土交通省と協議をするのではないかと思うが。

 

(知事)
僕がちょっと出られないんで、副知事が代理で。

 

(読売新聞)
新たな出資はできないということか。

 

(知事)
できないです。

 

(読売新聞)
拒否するということで。

 

(知事)
はい。

 

(NHK)
原発について、ストレステストの審査状況など、国が行っているものに関する情報はどうなっているか。

 

(知事)
分からないです。

 

(NHK)
見通しというのも。

 

(知事)
巷間、言われているのは、1月から2月にかけて、ストレステストが完了し、その後がまた分からないんですよ。IAEAの問題、このことも全然分かりません。こちらとしては何ら姿勢は変わらないということです。

 

(読売新聞)
ストレステスト以外で、いわゆる新しい安全基準などの動きは見えてきているか。

 

(知事)
分からないです。

 

(愛媛新聞)
再稼動に向けた3条件のうち、国の姿勢、方針というのを掲げている。当初、明確な安全基準という知事の発言もあったが、現在ではどういった基準を求めているのか。安全性については国が責任持つというようなものなのか、知事の考えを確認したい。

 

(知事)
中身を聞かないとなんとも言えないですけど、要はストレステストというものも新しい基準なのかもしれないし、どういうふうに基準というものを設けたのかというのを確認しないといけないですね。それと、うちが独自で、県が四電に追求してきたものとの比較も必要でしょうし、そういったものを受けて、最終的には、じゃあこれで国が再稼動を要請してきた場合ですよ、大事なことは、こっちも検査、検証しますけれども、そこまで責任持てるんですよねと、ここまでやったということについて、その確認と、それでも何かあったときには全責任を負うという担保をもらわないと議論のしようがないということだと思います。

 

(読売新聞)
福井県のように福島の知見を反映した明確な新基準を作れというような内容とは違うということか。

 

(知事)
そうですね、これも言ってきたんですけど、要はどこまで今回出てくるか分かりませんけども、やっぱり原発共通の問題と個別の問題があると思うんですね。だからそこまでの方向性というのはまだ議論されているのか、やるのかどうかも見えてないんでなんとも言いようがないですね。

 

(読売新聞)
今述べている再稼動の基準というのは、明確な数値などを入れた基準を求めているのか。それとも、この方針で再稼動しますというような国の揺るがない方針的なものと捉えたらいいのか。

 

(知事)
両方見極める必要があると思います。

 

(愛媛新聞)
先週、野田総理が、福島の事故について冷温停止して事故が収束したという宣言をしたことについて、原発立地県の知事として、どう受け止めているか。

 

(知事)
つまびらかなデータは僕ら全然ないですから、正直言って、中身についてコメントしようがないです。ただ、現地の佐藤知事の発言を聞いていると、相当、現場とは乖離(かいり)があるんじゃないかというのが率直な感じですね。

 

(日本経済新聞)
当初予算に向けてであるが、2年ほど前から県で行っているEV関連の事業について、現時点での考え方はどうか。

 

(知事)
今のエネルギー情勢、環境問題、こういったことを考えると、方向性は正しいと思います。その中で、ただ、われわれは民間事業者ではないですから、おのずからサポートという形になると思うんですけども、そういった面では、今治の企業の渦潮電機さんはですね、先行的にいっていた会社の買収を実施したというのは、また一つの要素かなというふうに思っていますので、民間の動きというのを、全体像も把握しながらですね、可能性あるやということであればサポートするというふうな形になると思います。

 

(日本経済新聞)
今治タオルの商標問題について、地元としては、タオル組合や市長が中国に赴いて商標当局と会ったらどうかということも議論している。中国は、フェイスツーフェイスを重んじる民族だと思うが、知事の考えはどうか。

 

(知事)
個別ケースというのは難しいですけどね、ちょっと今の今治から離れて、例えば経済界なんかでですね、中国でもいいですし、台湾でもいいですし、例えば海外戦略を愛媛経済界として描くと、例えば今年度はどこどこの国にターゲットを絞ろうと、それでどこどこの国の、例えば産業が集積しているどこどこの市エリアにターゲットを絞ろうと、そこに経済ミッション団を送ろうと、それに行政も一緒になって乗り込もうというような考え方の動きが、これから出てくればいいのかなと。そういう中で、個別の問題というのも片付けられていきますし、そうしたダイナミックな愛媛経済ミッションみたいなね、対外戦略としての、そんな動きが経済界から出てくれば、また新しい可能性が生まれるんじゃないかなということを期待しています。

 

(日本経済新聞)
愚陀仏庵の再建について、年内にも県と松山市の協議会を開催し決定すると聞いていたが、今のところ、その予定が入っていない。最終的には、知事と市長が決断するしかないと思うがどうか。

 

(知事)
ちょっとまた新しい動きがいっぱい出てきて、そういったものを見極める時間というものが必要になってきているので、できるだけ早く決めたいとは思っています。年内か年明けになるかどうかは分からないですけれども、そう遠くない時期には結論を出したいと思います。

 

(日本経済新聞)
当初予算には、そういうものを盛り込んで。

 

(知事)
そうですね、どうなるかは分かりませんから、今、全然、場所によって考え方が違ってきますので、今の段階ではなんとも言えないです。

 

(愛媛新聞)
橋下大阪市長は、今日から任期開始であるが、応援にも行かれた立場で期待するところがあれば教えてほしい。

 

(知事)
多分、おそらく、愛媛県の場合は、加戸知事がいろんな改革に着手していただいていたので、比較的スムーズに入っていけたのですけれども、大阪市の場合は、そうはいかないですね。自分が松山市長としてパラシュートで落下傘的にぼーんと市役所に降り立ったのと規模は違う、スケールも違いますけど、同じような状況からスタートせざるを得なくなると思うので、1年間は大変な試練が待っていると思います。しかし、非常に明確ですし、突破力、発信力は、これはもう僕なんか足元にも及びませんが、必ずや大阪市という伏魔殿を改革する実績を挙げられるというふうに期待をし、やり遂げるんじゃないかなというふうに思っています。

 

(愛媛新聞)
松山維新の会に続いた県議会の維新の会も政治団体にするということだが、期待するところや感想があれば。

 

(知事)
本当にそれぞれの議員さんが、やはり議会でも申し上げてきたんですけれど、地方分権も含めて、社会保障もそうなんですけれども、国と地方のやりとりを見てもですね、本当にこれは国と地方が直接激論を取り交わしていくことが、当然、今まで以上に増えていくと思うんですね。ですから、やはり世の中が変化しているということを受けて、地方政治家、これは首長も議員さんも含めて、本当に一人一人がどこに立ち位置を求めるべきなのかというのを考えるときが来ているのだろうというふうに思います。それはそれぞれですから、どういう立ち位置を選ぼうが自由です。そういう中で、新しい立ち位置を求めたということだと思うんですね。ですから、そういう行為については、大いに期待をさせていただきたいなと思っています。

 

(愛媛新聞)
来春、任期満了の特別職の人事について、現段階での考えがあれば教えてほしい。

 

(知事)
今の段階では特にありません。この正月にでも考えて、じっくりと。大体、今までも、今回ちょっと早いのか、松山市の場合は6月議会でしたから、今度は2月議会ということなので、それでも1カ月ぐらい前に決めるくらいな感じです。

 

(愛媛新聞)
こういった条件で考えたいとか、こういう人が望ましいとかはあるか。

 

(知事)
今の段階では特にないですね。ともかく前向きにやるということだけですね。

 

(日本経済新聞)
震災がれきの受け入れについて、東京都や大阪府をはじめ、他県でも議論が進められていると思うが、基本的な考え方はどうか。

 

(知事)
僕も最初から申し上げていたとおりですね。やはり、東北に積み上がっているがれきの量は尋常ならざるものがあります。それを、やはり、みんなで助け合っていく、支え合っていくという視点で条件さえクリアすれば、受け入れというのは人が選ぶ道だというふうに思います。ただ、その懸念というのは、やはり汚染ということになりますので、この問題については遠く離れていますから、まず、国が明確な方針を示し、そして、その安全性を確保するということが大前提になると思います。これについては、知事会でも申し上げているのですが、途中でその基準数値を変えたりですね、そういうことをするとですね、不信感が広まっていきますから、今、その整理を早くしてくれということをオールジャパンで、知事会として政府に申し入れているところであります。だから、おそらく、本当にはなから嫌だという方も当然いらっしゃると思うんですけれども、僕は大方の皆さんは、その安全性さえきちんと確保できたら、みんなでシェアしようという支え合いの気持ちというのはお持ちだというふうに思っています。中には、そうであっても一切駄目だと主張されている方もいらっしゃるとは思うんですけれども、僕は全員が全員そうであるとは思いたくもないし、そうではないと信じています。


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