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令和5年度7月知事定例記者会見(令和5年7月19日)の要旨について
日時:令和5年7月19日(水曜日)
11時00分~11時01分(部長紹介)
11時34分~11時55分(定例会見)
場所:知事会議室
(南海放送(幹事社))
時間になりましたので始めます。まず記者発表に先立ちまして濱里新部長のご紹介があると聞いております。それでは知事お願いいたします。
(知事)
始めに、昨日7月18日付けで政策推進統括部長に就任した濱里部長を紹介します。濱里氏は、これまでの総務省および地方公共団体での豊富な経験を生かして、総務部および企画振興部に係る事務事業の調整、県政全般にわたる特に重要な政策の統括を担当するとともに、国とのパイプ役を担ってもらうこととしております。
それでは、濱里氏からあいさつをさせます。
(政策推進統括部長)
ただ今ご紹介いただきました政策推進統括部長の濱里でございます。記者クラブの皆様にはこれから県政の各種広報でいろいろお世話になる機会が多いと思いますので、よろしくお願いいたします。
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(南海放送(幹事社))
それでは会見に移ります。記者クラブからの代表質問は1問です。松山市中心部の県有地の今後の活用方針等について伺います。南町の県民文化会館前の県有地では先般、水族館構想が断念されたこともありまして、地元住民からは、今後について不安視するような声も聞かれています。つきましては、今後の方針をお聞かせいただけたらと思います。また、併せて再開発が進むJR松山駅周辺のまちづくりについてのお考えもお聞かせいただけたらと思います。
(知事)
県民文化会館の南側の県有地に関しましては、ご案内のとおり、広い土地を取得はしていたんですが、なかなか活用方法が見いだせない中で、数年前に松山市の商工会議所から、水族館の話が要望として上がってきました。その活用したいと。それについては、松山市と連携してまちづくりの中でどう位置付けるかという議論をし、その中で決めていくということでありましたけれども、5、6年答えがないままに、ずっと月日が経っていたんですが、先般、正式にそういった協議の中で、結論としては断念という報告が、今年に入っていただいたところでございます。それを受けて、今の状況は当時とも変わっていますし、この県有地の有効活用っていうのは、こういうのはスピードの勝負ですから、一刻も早く動き始めなければという思いに至っておりました。
特に今の愛媛県、特に県庁所在地の、例えば第一ホテルの撤退、あるいは宴会場の減少、特に道後(の一部の宿泊施設で)も宴会はもうやめたということでありますから、そうしたところを開催する場所もない。なかなか宿泊施設の規模の関係で国際会議も招致が難しい。いろんな状況が生まれています。そういう中で何がっていうのはこれからの議論ですけども、ちょうど県民文化会館がありますから、国際会議も含めて、何かいい活用の仕方というのがあればなというふうに思っていたところで、これはもう自分が決めることじゃないですから、先般の6月議会でこれまでの検討にこだわらず、民間事業者等との意見交換、また募集を通じまして、様々なアイデアや意見、民間活力の導入方法等を聴取したいというふうにお答えをさせていただいたところでございます。
そういう中で、準備が整いましたので、本日から8月18日まで、約1ヶ月間、県のホームページにおいて県民の皆さん、民間事業者の皆さんから、アイデア募集を行うことといたしました。お隣の香川県なんかは、サンポート高松地区などいろんな動きも出ております。そういう中で、本県の瀬戸内エリアでの中核拠点性の向上が一つの課題であると、これは認識をしております。今回のアイデア募集では本県の瀬戸内エリアでの中核拠点性の向上につながる「集客・交流施設」の整備を含むアイデア、あわせて県財政が厳しい中で県有地活用の推進には、官民連携した取り組みが欠かせないだろうと考えておりますことから、アイデアの実現に当たっての民間活力の活用方法について、いろんな意見を募集することとしております。また、経済団体など関係団体等との意見交換を実施して、活用アイデア等について意見を聴取することも計画しております。
こうした幅広い自由な視点からいただいたアイデアやご意見等も参考にしながらこれまでの検討にこだわらず、行政として望ましい項目が何かといった観点や、また、ここは埋蔵文化財の調査も必要になってまいりますので、その対応を含めて活用方策の検討をもう本当にスピードの勝負というふうな意識を持ちながら、かつ丁寧に対応していきたいというふうに思っております。
また、JR松山駅周辺については、県都であり、国際観光都市である松山市にとって、僕はこれ思うんですけど、数十年から50年に一度のチャンス、松山市にとってそういう好機ではないかと思います。それらを実現するために、国と県と事業者で高架事業を行い、それを活用して松山市がまちづくりの土地区画整理事業を担うという役割分担を、当初から明確に定めながら進めてまいりました。今、ちょっと心配してるのは、高架事業は完成が見えてまいりましたけれども、まだまちづくりのビジョンというのが全体像が見えていないので、間に合うのか間に合わないのか、間に合わないとすればどの辺のタイミングになるのか。早く示すということが大事な時期を迎えてるんではないかなというふうに思ってます。その点、松山市にも要請を続けているところでございます。
市民、県民の皆さんのみならず、ビジネスマンや観光客などの来訪者が集って交流するエリアに変革をする必要があると考えます。このため、松山市がリーダーシップを発揮して、駅周辺のまちづくりビジョンを早期に示して、民間活力の誘導を強化することで、賑わいと活力を生み出すことが重要ではないかと認識しております。現段階ではビジョン全体像は見えておりませんので、今後の策定状況を注視しながら、本当にわくわくするような夢のある駅前開発のビジョンが出てくることを心から期待をしたいと思っています。以上です。
(南海放送(幹事社))
ただいまの答弁に関しまして、質問のある社はお願いします。
(愛媛新聞)
すみません、愛媛新聞です。お願いします。先ほどのお話の中でスピードの勝負ですというところで、南町の県有地の話なんですけれども、8月の半ば、18日までアイデア募集をして、その後の展開というのは、今のところどういうふうなスケジュール感でいらっしゃるのでしょうか。
(知事)
何とも言えないんですけど、何がアイデアとして出てくるかも分かりませんし、官民協力のかたちがどの程度手が挙がってくるかも分かりませんから、スケジュール感は何とも言えないですけど、要は与えられた条件の中でどれだけ早くやるかっていうことを常に意識しなければ、物事ってのは、どんどん遅れていくと思うんですね。だから、その中でここはある程度時間は掛かると思います。もちろん埋文調査もやらなきゃいけないですし、事業者の募集もやらなきゃいけないし、その前に今のアイデアの集約もやらなければなりませんから、それ相応の時間が掛かるとは思いますけど、その中でも最短を常に目指すということしか今の段階では言えませんね。
(テレビ愛媛)
すみません、それに関してなんですが、埋蔵文化財の調査等が入ると、3年なのか5年なのか実際に完成するまで、かなり時間がかかる可能性もあると思います。その間に、コロナのような変動要因も懸念材料としてあるかと思いますが、そのあたりについてはいかがでしょうか。
(知事)
そうですね、これはただいつまでも放置していくわけにもいきませんから、その都度都度の対応は当然やりますけれども、ただ長い目で見て何が必要なのかっていうのは、これらの意見集約の中で見えてくると思いますので、そこの中での方針が決まれば、多少の変動要因はあったとしても、長期的に見て必要という判断になると思いますから、その場合はしっかりと進めていくというふうな姿勢も大事だと思っています。
(あいテレビ)
あいテレビです。よろしくお願いします。県有地活用はスピード勝負というお言葉がありましたが、中村知事の思いとしては、少なくともいつまでに活用の方向性が決まれば良いと思われますか。
(知事)
何とも言えないですね。何が出てくるか、本当この時点では分からないので、そのアイデア次第で全然取り組み方も違うでしょうし、今の段階で、埋蔵文化財の調査がどれぐらいかかるかってのも全く分からないですから、ちょっとこの段階では、いつというのは、まだお示しできるような要素は揃っていないように思っています。
(愛媛新聞)
愛媛新聞社です。よろしくお願いします。JR松山駅の再開発の整備の件で、松山市が示すまちづくりビジョンの全体像というのは、大体いつぐらいまでに示してほしいと知事はお考えなんでしょうか。
(知事)
いや、これはもう松山市がまちづくりを担う当事者ですから、そこで決めるということになりますけども、ただ心配してるのはもう高架事業の完成が見えてきてますので、この段階でビジョンが見えてないってのは、ちょっと大丈夫なのかなっていう懸念はありますので、早くされた方がいいというふうに個人的には思います。
(愛媛朝日テレビ)
すいません、愛媛朝日テレビです。松山市の開発について、別の視点でお聞かせいただきたいんですけど、松山駅だけじゃなくて一番町の再開発も、L字の、銀天街のL字の再開発ですね。今、組合、準備組合の方が計画を示すと言いつつも、なかなか示されてないような状況が続いてますけれども、この辺りも早く、示すのが大事かなというふうに思っているんですが、松山駅だけじゃなくて、この辺りの再開発についてもどういうふうに捉えていますか。
(知事)
そうですね、いろいろとちょっと懸念しているのが、二番町、三番町を歩くと、やたら更地が多くなってきている現状があると思うんですね。だから、この状況をどう考えるか、建物があれば、中をいじればということもできるんですけど、更地になってしまうと、本当に一つ一つ建て直しになりますから、まちづくりを初めからやらなきゃいけないので、できるだけ早く手を打たれた方が良いように思います。ただ、ちょっともう一つ懸念するのは、どういうスケジュール感でやっているかが、僕も分からないんですけども、L字にしても、それから国際ホテルにしても、JR駅前にしても、結構大きなプロジェクトですから、それが同時に進められるということになると、財源的な問題が発生すると思うんですね。ですから、これを同時にできる、やっていくだけの財源の問題というのも大きな課題になってくるんじゃないかなと。これ、ちょっと私どもが直接ではないんですけども、大きなものを三つということになると、かなりの金額になる可能性があるので、それをずらさないで資金計画というのが、どういうふうになっていくのかなっていうのは、重要なポイントになるのかなというふうに思いますね。
(愛媛朝日テレビ)
そのあたりの再開発についてL字と一番町については、県も一定の資金を補助するかたちで進めてはきている。
(知事)
これ正直言って国際ホテルのところは、ああいうかたちでの県費補助っていうのは、普通はやらないものです。平成22年か23年に法律の改正があって、それまでは県費補助が採択要件になっていたんですけど、それはなくなっているので、ほとんどが市町の事業として行われるようになっています。ただ、場合によって、大きな案によって検討することはあるというふうな中身でございます。L字につきましては、われわれも今までの計画、こちらも資金計画がありますから、順次やっていく場合は、これだけのっていうのが約束していますから、それはしっかりとサポートしていきたいというふうに思っています。ただ、その一方で、これからわれわれも県民文化会館、南町の問題、県として取り組みを始めなければいけないので、また事情が変わってくるというような段階に入っています。
(愛媛朝日テレビ)
一番町と、やっぱりL字の再開発の必要性っていうのは、知事としてどういうふうに思っていますか。
(知事)
そうですね、あそこを放置しておくと、特に一番町の場合は幽霊屋敷化してしまうという状況になってしまいかねないので、一番の街の入口なので、早く方向性が出ればいいなというふうに思っています。L字はもう長年の課題で、いくのかなというふうに思った時期もあったんですが、なかなか前向いて進まないので。ただ、あそこは非常に中心商店街でも重要なポイントになりますので、早く、何か生まれれば良いなと期待はしています。
(テレビ愛媛)
そうしたL字等の再開発に関してなんですが、この資金不足だから公費で補助するというような考え方についてはいかがでしょうか。
(知事)
そうですね、資材の高騰等の特殊要因もあると思うので、理屈が合うかどうかだと思うんですけども、あくまでも、これ事業主体は県ではないので、聞いた上でどうするかっていうのは判断しますけれども、そのためにも、十分に組合と松山市の話し合いが重要ではないかなというふうに思いますね。
(南海放送(幹事社))
他によろしいでしょうか。それでは、代表質問以外で質問のある社はお願いします。
(愛媛新聞)
すみません、愛媛新聞です。よろしくお願いします。先週、知事、韓国エアプサン社の方に訪問されて、松山-釜山便、検討したいという言葉、社長からいただいたということなんですけど、字面だけ見ると検討というのは、感触がいまいち分かりかねまして、実際にお会いして、知事のやりとりで実現に向けた感触、手応えというのはいかがでしょうか。
(知事)
はい。まずですね、この件がどういういきさつかっていうのをちょっとお話しますとですね、愛媛のゴルフ場の立地条件に着目した方があちらにいらっしゃいました。確かに、国内向けにもよくPRしてたんですけども、空港から街中に20分ぐらいで入って来れる、これ全国でも最も中心部と近い空港としても、ポジションが一つあります。で、その街中から30分圏域で行けるゴルフ場が約10カ所存在してまして、1時間半まで時間を延ばしますと、15、16か所に増えます。これだけの環境が整っている場所ってのはそうはないと思います。そこに着目をして、これ釜山の方なんですけども、経済界の方なんですが、ゴルフのツアーをぜひ愛媛でと、今、韓国はゴルフが空前の人気でして、人口は日本の半分以下ぐらいだと思いますけども、ゴルフ人口は日本より多いんですよ。で、韓国国内のゴルフ場料金ってのは、えらい高騰してまして、政府が法律で上限を決めるぐらいの環境になっているそうなんですね。ですから、非常に海外でのゴルフのニーズが高い状況にあるそうなんですね。
そこで、釜山の方なんで、エアプサンとの話し合いでチャーター便を飛ばしたいっていう話が県庁に来ました。いろいろ調べた結果、非常に筋のいい話だったので、それを推し進めることにしまして、チャーター便が10便飛ぶことになっているんですが、中心はゴルフなんですね。既にこの時点で8割予約が埋まっているそうです。非常に順調な予約状況、1,000人以上ですから。1,700席のうち1,400席がもう売れているそうです。8割が売れていると。
それを受けて、釜山をいろいろ分析したんですけども、確かにソウルは1,000万人弱の人口で、周辺を含めたら東京並みの商圏になるんですが、釜山もかなりの商圏を抱えてまして、大体、釜山周辺で商圏人口800万人いると。ということは大阪府並みの商圏がそこにあるということがはっきりと見えてまいりました。となると、ある程度ソウルとはまた別のマーケットとして期待ができるというふうなこともあるので、その結果、せっかくチャーターでできた縁を定期的なゴルフだけにとどまることなく、観光あるいはビジネスにも結び付けるようなかたちになればということで、先般、エアプサンの本社に行ってまいりました。
あちらもですね、検討とは言いつつも、かなり前向きな検討だという感触でした。というのは、このゴルフツアーも順調な売れ行きですし、それから僕もプロモーションで旅行会社とかも行ってきまして、全体像、東予や南予のいろんな観光コンテンツの紹介したら、かなり食いつきが良かったんですね。いろんな旅行商品が考えられるなあというような反応でしたので、それらを受けて、エアプサンの方もぜひ検討したい。だから、検討しましょうじゃなくて、ぜひ検討したいというようなお話でしたので、好感触ではあったかなというふうに思います。
(南海放送)
すみません、南海放送です。経産省のトランスジェンダーの職員のトイレの使用制限につきまして、最高裁の判決が言い渡されました。同じ公的機関であります県庁でも同様の事例があった場合、県としてはどのように対応していかれるお考えでしょうか。
(知事)
この裁判を受けまして、県庁の中で何ができるかということを担当部長の方に検討を指示しておりますので、今どういうふうに施設を使うかっていうことについて検討しているということですから、ちょっと担当部長の方からお話させていただきたいと思います。
(総務部長)
性同一性障害の方には、基本的に男女共用のバリアフリートイレがございますので、そちらの使用を想定しております。本庁、地方局・支局の方に、それぞれ、本庁の方に5カ所、それから三つの地方局と八幡浜支局に2カ所、今治支局が1カ所というかたちでございますので、そちらをご利用いただきたいと思っております。
なお、この本館につきましては、男女共用のバリアフリートイレがございませんので、2階の東側のバリアフリートイレを男女共用にしたいと考えています。以上です。
議事録については、読みやすさや分かりやすさを考慮し、発言の趣旨等を損なわない程度に整理しております。