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令和4年度6月知事定例記者会見(令和4年6月30日)の要旨について

ページID:0011118 更新日:2022年7月7日 印刷ページ表示

日時:令和4年6月30日(木曜日)

 11時16分~11時55分

場所:知事会議室

 

 

(南海放送(幹事社))

 それでは会見に移ります。本日は記者クラブから代表質問が3問あります。

 まず、西日本豪雨災害からの復興についてです。間もなく、西日本豪雨から4年を迎えますが、現在の復旧復興の状況であるとか、今後の見通し、そして中村知事の受け止めはいかがでしょうか。知事お願いします。

 

(知事)

 間もなく発災から4年という月日が経過します。まず何よりも、あらためて、犠牲になられた方々に対して、心からご冥福をお祈り申し上げさせていただくとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げさせていただきたいと思います。

 発災当初はあまりの被害の大きさに圧倒されました。手探りで進めてきた対応でありましたが、これはもうただごとではないということで、翌日に、上京させていただいて、当時の菅官房長官にお願いして、いろんな対応を依頼いたしました。その中で一番大きかったのが、愛媛県の被害規模でギリギリのラインだったと思うんですけども、激甚指定を受けれるかどうか、これによって大きく対応が変わってまいりますので、そこがポイントだったと思いますけども、しっかりと受け止めていただきまして、激甚指定、速やかに対応いただいたということで、安心して国のバックアップを受け止めて、進めることができたというふうに思います。心から感謝を申し上げたいと思います。

 その後、愛媛県政の最重要課題に、西日本豪雨災害の復興を位置付けました。そして分かりやすく進めていくために、人を守る、生活を守る、産業を守る、この三つが復旧できて初めて道筋ができるんだということで、3本柱に据えまして、また現地にサテライトオフィスを設置し、特に被災者の生活支援、それから、公共インフラの復旧、そして激甚指定を受けたことによって展開が広くできたグループ補助金の活用と、こうしたことによって商工業や農林水産業など、地域産業の一日も早い復興を目指して、国・市町などとも連携しながら、関係者一丸となって取り組んできたところでございます。

 この間、特に関係者、地域の皆さん、本当にもう絶望的な状況から諦めずに、絶え間ない努力を続けて歩んできていただいたと思います。それによって、例えばかんきつ園地では、原形復旧、改良復旧、再編復旧と被災規模に応じて、三つのパターンで後押しをして参りましたが、原形復旧と改良復旧では、工事箇所は313箇所に及んでおりますが、全ての箇所で着手しています。そして5月末時点で、そのうちの82%になる256箇所では、工事が完了をいたしました。残り18%という状況でございます。また、再編復旧の方も道筋がそれぞれついているところでございます。

 また、次に、県の管理道路の復旧工事なんですが、こちらは、全224箇所に上りましたが、全て完了をいたしました。また、市町支援のために、規模が大きかったんで、市道なんですが、大洲市さんから受託した肱川の大成橋、こちらの架替工事も完了いたしまして、先日25日に開通式が行われたところでございます。

 さらに、砂防設備の復旧工事は、箇所数で183箇所、全て完了をいたしました。河川護岸等の復旧工事は、全742箇所ございましたが、そのうちの738箇所で完了をいたしました。残るところは4箇所でございますが、こちらも8月末に完了予定で、順調に進んでいるところであります。

 そういう意味では中期的な復興の取り組みについては、進捗状況、順調であると認識をしております。ただ、まだまだ途上でございます。長期的な課題がございます。現在でも仮設住宅等に入居されている方は28名、随分減ったとはいえ、まだ28名いらっしゃいます。そのほか、これも本当に、激甚指定から始まって道が開けた肱川の堤防整備などの前倒しの整備、激特事業等。そして、またかんきつ園地の再編復旧整備、先ほど申し上げた。こうした長期的な取り組みや課題はまだ残されていると、しっかり受け止めております。

 今後とも気を緩めることなく、復興の完遂に向けて、オール愛媛体制で全力で取り組むとともに、南予9市町の総意を受けて4月に開幕した「えひめ南予きずな博」、これをバネに南予地域の復興、そして、さらなる定住・交流人口の確保に向けて頑張っていきたいと思います。以上です。

 

(南海放送(幹事社))

 ただ今の答弁に関しまして、質問のある社はお願いします。

 

(愛媛新聞)

 すいません、愛媛新聞です。先ほどの最後の部分でですね、今後、長期的な課題というところがあるというお話をされていらっしゃったと思うんですけれども、園地復旧とか、復興の完遂に向けてどういう方針で進めていかれるのかというところと、国への要望等々もあると思うんですけれども、今後の展望を教えていただければと思います。

 

(知事)

 そうですね、特に最初に申し上げたかんきつの再編復旧については、まだまだ時間がかかります。もう全てやり替えになりますんで。ただこれ、対象地域は4地区ございますけれども、宇和島市の玉津地区は、もう既に工事着手済み。完了予定は令和7年度でございます。松山市の由良地区は、事業に着手済みで、令和4年度から工事に着手いたします。こちらも事業終了年度は、令和7年を目指しています。それから今治市の上浦地区、こちらはすでに工事に着手済みでございまして、こちらも令和7年度の事業終了を目指しています。最後に、一番協議で時間がかかった宇和島市の立間地区ですけれども、事業には着手し、測量設計を実施しておりますので、令和5年度から工事の着手を予定しています。こちらはちょっと1年遅れて、令和8年度の事業終了を目指して、今、関係者頑張ってくれていますので、そこをしっかりと計画どおりに終了できるように、全ての4地区で全力を尽くしていきたいと思います。

 二つ目が仮設住宅なんですけれども、当初から比べますともう97%の方々は、退去されました。あと、建設型に2戸、賃貸型に8戸の方が残っておられます。このうち建設型の方には2戸3人、そして賃貸型の2戸8人も今年7月までに退去予定、来月中に退去される予定でございます。となると、残りが賃貸型の6戸17人いらっしゃいます。公共事業、工事等の影響によって、供与期間を国に働き掛けて、令和5年7月まで延長させていただきましたので、本当にそこの完了、移る環境が整うまでしっかりとフォローをしていきたいというふうに思います。

 また、見守り、相談支援、生活再建支援、市町と関係機関と連携しながら、きめ細かい支援を行っていきたいというふうに思います。

 そして、大きな被害を出した肱川につきましては、これは本当に難しい川でありますけど、長年の課題であります。肱川というのは、大洲地域だけでなく、その他の南予の広いところに大きな恵みをもたらしてくれていますが、その一方で、時折、災害を通じて大きな被害をもたらしている。ここで生きていくために、生活されている方々にとっては、肱川の治水っていうのは悲願でございますんで、これをやれば完璧っていう、そういう方法がない一筋縄ではいかない河川なんで、複合的な対応、河床掘削や堤防整備や山鳥坂ダムや専門家の分析によって治水を高めていく、あらゆる事業を、できるだけ可能な限り早く完成させるべく、全力を尽くしていきたいと思います。以上です。

 

(南海放送(幹事社))

 他にいかがでしょうか。

 

(南海放送(幹事社))

 では、次に南予きずな博の盛り上がりについてです。南予きずな博の開始から約2カ月を迎え、開催期間の4分の1が経過しました。中村知事は、きずな博のPRのため、積極的に南予に出向かれてプログラム等を体験されたと思うのですけれども、その中でどのような所感を持たれましたでしょうか。

 また、地元の盛り上がりの状況でありますとか、観光客の様子などもお聞かせ願えたらと思います。

 

(知事)

 私もこれはもうあくまでもプライベートというふうなかたちを通じてプログラムに参加をさせていただいて体験をしてきております。これまで3回ばかり行かせていただきました。それぞれ地域の皆さんが自主企画イベントとして頑張っているそういう所を優先して行っているんですけれども、まだ途中でして、あと鬼北町と松野町および愛南町、3町、あと2回別々に行こうと思っています。

 可能ならばもう既に2回は宿泊もしてまいりましたので、宿泊ができる場合はできればしたいなというふうに思っています。何よりもですね、あれだけの被害を受けた、西日本豪雨災害から立ち上がった地域の皆さんの頑張りに本当に心から敬意を表したいと思います。

 プログラムもですね、アクティブなものから文化体験から今まで16件体験させていただきました。特に最近は技術の普及でE-BIKEも活用するコースも選定させていただいたんですが、本当にいろんな場所でE-BIKEのレンタルを充実させて、で実際走ってみると本当に性能が上がっているので、坂道もスイスイと上がって行ける。いわばE-BIKEを活用することによって、これまでにない観光プログラムも組めるようになってきてるんだなということも実感いたしました。あるいは川魚釣りであるとか、和紙の製造の体験であるとか、あと、伊方の織物の体験であるとか、そういった所や、あるいは青のりの養殖場の見学コースとかですね、地域地域で本当に独自の文化から生み出された体験プログラムが目白押しなんで、本当に南予の地域資源の奥深さをあらためて知った思いがします。

 これから夏休みに入ると本格シーズン到来で、特に南予の自然が生かせるシーカヤック、カヌー、クルージング、キャニオニングと、もう何でもありと、自然体験するなら南予というようなですね、そういったメニューが続々と始まってまいりますので、皆さんにもぜひ訪れていただきたいと思います。身近にこれだけの所があるということと、ぜひその魅力を体験していただきたいなというふうに思っています。

 きずな博は、4月24日の開幕以来、地域の応援、交流促進を図るためにイベントを実施してきましたが、各種イベントに今のところ5万1千人、南予博等で培われたいやし体験プログラム、住民主体のいやし体験プログラムにも1万人の参加がございます。WEB視聴を含む現時点での総参加者数は8万1千人となっておりまして、これからいよいよ夏休みに向かっていきますんで、おおむね順調にいってるんじゃないかなと思います。もちろんコロナ禍ですので、ピーク時と比べるとまだまだというところもありますけれども、愛媛県全体で言うと、コロナ前と比べると5割くらい減ってるんですが、南予は2、3割減というふうなところで止まっていますので、きずな博の効果がある程度出てきているのかなというふうにも思っています。

 特にこれからですね、シンボルイベント等も始まってまいりますので、情報発信が非常に県の役割としては重要でございますので、南予の持つ自然の魅力、地域資源を大いに発信していきたいというふうに思います。具体的には12月25日の閉幕まで、各種メディア、SNS等を最大限活用する情報発信。それから宿泊割引や高速道路周遊割引、それから公共交通機関デジタルフリーパス等に加えまして、先般の6月議会で予算化に同意いただきましたバス、タクシーを活用した観光周遊事業、これも始まってまいりますので、効果的に組み合わせて南予周遊促進に結び付けていきたいというふうに思いますので、報道機関の皆さんもぜひ、県民の皆さんあるいは県外の皆さんへのアピールをよろしくお願いいたします。

 以上です。

 

(南海放送(幹事社))

 ただ今の答弁に関しまして、質問のある社はお願いします。質問等よろしいでしょうか。

 

(南海放送(幹事社))

 では最後に本県の国際旅客定期便の再開の動きについてです。全国的に海外との航空便が再開される動きがあるのですけれども、松山空港と海外都市を結ぶ定期国際便の再開について、どのような状況になっているかお聞かせ願います。

 

(知事)

 全国ニュースで見ますと、国の方針として、水際対策を緩和する、これは基本的な方向として打ち出されました。それに伴って、国際線の受け入れを順次拡大している最中でありますけども、ただ、正直言って、受け入れ再開の具体的なルール、あるいは今後のスケジュールは、全くわかりません。示されていません。ですから突如、パッとニュースが出てくるというふうなこと以外、どういうスケジュール感、ルールでやっているのかというのは、地方の立場としては全く分からない。こういう状況であります。

 だからこそ、先般、いろんな機会を通じて、知事会議であるとかそういうところで、ルールとスケジュールの明示を早く行っていただきたいと。受け入れる側にも準備が必要ですから、それが見えないと再開に向けた動きの日程が組めないんですね。非常にここは困っているところでございます。

 要望も続けていきたいと思いますが、一方で、再開されるようになった時に備えて、コロナ前に就航していた各航空会社とは、綿密に連絡は取り合っているところでございます。再開後を見据えたイン・アウト両面での機運醸成の取り組みを行っておりまして、各航空会社からは、各国の感染状況、松山空港の受け入れ態勢が整えば、これはもうすぐに、週何便とか、元のままかとか、それは別にして、運航再開させたいというご意向はいただいているところでございます。

 引き続き国に対して、国際線系で再開に向けたロードマップの早期提示を要望し続けたいと思います。実は再開しますと決まってもですね、非常に今までと違うのがですね、航空会社も、便数減らしたりしたことによって、人の配置や機材繰り、全く変わってきてしまっています。これに国際便が絡んでくると、税関等の受け入れ体制の構築も必要になってまいりますので、そんな簡単なことではないと思います。そのためにも早くロードマップが欲しいんです。それに向けて、必要なものを着々と準備していきたいというふうに思っておりますので、準備は怠りなく進めていきます。必要に応じて航空会社に私がトップセールスに行くことも考えておりまして、松山空港国際線の再開に全力を尽くしていきたいというふうに思います。

 ただ、焦ってトラブルを起こすよりは、少しどんと構えて入念な準備をした上で再開というふうなことを愛媛県としては考えていきたいというふうに思っています。

 

(南海放送(幹事社))

 ただ今の答弁に関しまして、質問のある社はお願いします。

 

(読売新聞)

 読売新聞です。今のお話の中で、既存のこれまで結んでいた航空会社ともやりとりしているということだったのですけれども、やはり、コロナ後にはまた機材も変わったりとか、便数変わったりというお話がありましたけど、これまで結んでいたところの他にもさらに見据えてっていうのは段階的に進めていかれるのでしょうか。それとも、まずは既存のっていうかたちになるのでしょうか。

 

(知事)

 チャンス、可能性、もちろんビジネスとして考えていかないと長続きしませんから、そういったところの可能性があるところは、既存のルートに縛られることなく、新たな開拓も当然行っていきたいと思っています。そのために、国際線ターミナルの増設工事が始まっているわけなので、長い目で見た対応というのも抜かりなくやっていきたいなというふうに思っています。

 

(南海放送(幹事社))

 他にいかがでしょうか。それでは代表質問以外で質問のある社はお願いします。

 

(読売新聞)

 読売新聞です。今、ニュースで、兵庫県の尼崎市の方で、USBが紛失したという問題があったと思うんですけれども、その際に、役所が委託した業者が無断で再委託をしていたということが問題になっています。それを受けて愛媛県でも業務委託で、再委託をする場合もあるかと思うんですけれども、基本的には、再委託は禁止されてると思うんですけれどもそれがきちんと再委託されていないかというチェックする仕組みがあるのかというのをお伺いしたいです。

 

(知事)

 今回ちょっと本当にニュースを見て、こんなことが行われていたのかと驚いた案件でございます。尼崎市における個人情報データを含むこのUSBメモリの紛失事故。これは、尼崎市の業務を受託したビプロジー社が、再委託した事業者によるものでありました。

 本県では今年度、ビプロジー社とデータ利活用支援事業、支援等業務の委託契約を締結しております。ただし、県民の個人情報を含むデータの取り扱いは、この会社とは行っておりません。業務の一部再委託先である協力会社も含め、すべて契約に基づいた手続きチェックをしています。問題がないことは確認をいたしました。このビプロジー社に対しては、愛媛県ではないんですけども、これ、それはもう、どこで起こるか分かりませんから、再発防止に向けて会社として、再発防止に向けて、管理体制および運用の見直しのほか、協力会社を含む教育指導の再徹底を行うように、愛媛県の担当部局から指導をさせていただきました。また、庁内および市町に対しても、セキュリティー対策の再徹底を周知したところでございます。以上です。

 

(読売新聞)

 分かりました。今、お話しいただいたのは、今回、尼崎市で再委託をしていた業者だと思うんですが、それ以外の業者に対して普段から、再委託していないかというチェック、抜き打ちなのか分からないですけど、そういうチェックをしていたりとか、それ以外の業者に対しても、今回のを受けて再調査とかそういうことをする予定とかあるんでしょうか。

 

(知事)

 個人情報の取扱いを含む委託事業の再委託については、県では原則禁止としております。

 書面により県が承諾した場合に限って、「こういう事情でここを」っていう承諾、問題ないと判断し、承諾した場合に限って認めることとしております。県に無断で、今回のようにですね再委託されることがないように、随時事業実施状況を確認するとともに、疑義が生じた際は、速やかに受託事業者に報告を求めるほか、必要に応じて、ケースバイケースで処理状況の調査等、これも実施しているところであります。で、内部の問題でありますから、管理職研修等においても、再委託の事前承認の徹底、もしする場合ですね、それはもう黙ってするのは絶対認められないよっていうふうな徹底を図っておりまして、発生防止に努めてきたところでございますが、今後ともしっかり行っていきたいと思います。

 

(読売新聞)

 特に、今回のを受けて緊急でやるということはないということでよろしいですか。

 

(知事)

 今回の事案を受けまして、6月27日付で、庁内に対し職員および委託事業者におけるUSB

 メモリー等外部記録機器の取り扱いに係るセキュリティ対策の徹底について、6月27日に注意喚起を実施しております。

 なお、紛失等の不適切な事案があれば直ちに報告を行う運用となっておりますので、これまで、そういった報告はございません。ただ、あの、今後、同じようなことが発生しないように、周知徹底は、引き続き、気を緩めることなく図っていきたいというふうに思っています。

 

(愛媛新聞)

 すいません。愛媛新聞です。ちょっと少し話が戻るんですけど、南予きずな博について、知事も体験するなどして、途中の参加数なども出ていますけども、あらためて西日本豪雨からの地域経済の回復とかですね、地域の活力回復といった意味ではどういったことを期待したいでしょうか。

 

(知事)

 まずですね、当面は西日本豪雨災害で傷ついた社会インフラ、生活基盤、こういったことをどう戻すかっていうことがテーマで進んできてるんですが、やはりあの南予にはそれ以上に人口減少、高齢化等々の問題、それから一次産業が中心という構造的な問題もありますので、その中で地域の発展を目指していくにはどうすべきかというのをまた南予バージョンとして考えていく必要性は痛切に感じております。

 そういう中で今回きずな博を通じて、コロナで意識が変わった。その中には働き方改革、意識改革、生活上のライフスタイルの改革、いろんな変動要因がありますので、それを考えると自然環境の豊かな所で住む、働くということを求める人たちが増えるのは間違いないと。あとは日本全国には同じような場所もあると思いますから地方には、その中で選んでいただける南予にするためにどうしたらいいのかという視点で南予の未来を考えていく必要があるというふうに思っています。

 それから一次産業はともかく基盤は国の事業もありますけども、県としてフォローすべきところをしっかり行って、そして何よりも弱いのは販路開拓だと思いますので、ここについては県の営業本部もしっかりとサポートしながら、売ってこそ事業は成り立ちますので、本来は民間のビジネスの世界なんですけども、行政でできることもあるということで立ち上げたのが営業本部ですから、ここをフル回転させて後押しを続けていきたいというふうに思っています。

 それからきずな博っていうのは、それを目的に行う訳ではなくて、次なるステップにいくためのきっかけづくりという位置付けで地域の皆さんにもそういう視点で考えてほしいということをずっと申し上げてきたんですが、そうなればいいなというふうなことを期待しています。

 

(愛媛新聞)

 ちょっと話変わるんですけども、急速に進む円安についてなんですけど、外国為替市場で24年ぶりの円安水準となる1ドル137円台を一時つけたりしましたけども、地域経済への影響とか対策について、今のところどのように考えていますでしょうか。

 

(知事)

 これ非常に難しい状況に、日本国、日本という国が立たされていると言わざるを得ないと思うんですね。金融緩和政策が日本国内でずっと続いてきた経緯があって、それは国債を増発して、また民間金融機関がそれを購入し、それを日銀が引き受けるという、こういうかたちで資金調達を繰り返して、国の国債発行残高を拡大してきた経緯があります。問題は、日本銀行がこれを大量に抱えているという構造的なところで、余力がある時はあまり表面化しないんですけれども、現実、今、正直言って皆さんもご存知のとおり、日銀にある各銀行の当座預金が国債購入してお金が流れて、その日銀の当座預金にものすごい勢いで貯まっていると。ということは、金利を上げると利払いが生じて、場合によっては、あっという間に日銀が債務超過に陥るというリスクを抱えてしまっているという問題が表面化しつつあります。

 各国が過熱する経済を抑えるために、アメリカは0.75%の金利を引き上げましたけども、軒並み金利を引き上げる政策をとり始めているんですが、日本はそれができないという、今言ったような構造上。ということは、突出して金利が低いという状況が続きますんで、この金利の格差が広がれば広がるほど、円安に振れる投資家の心理が働きますんで、どう食い止めるのかということが打ち出さなければいけないはずなんだけど、打ち出せないという、そのジレンマが今、あるのかなと。これを放置して本当に円安が140円、150円に進んでいくと、もちろん、輸出関連企業、国内に工場持ってる輸出関連企業は、バランスシート上の収益は上がっていくと思いますけども、一方で、輸入資材等々、輸入原料等々がすべて、軒並みどんどん上がっていきますので、これはもう中小企業へのダメージは計り知れないものになってくる。ましてや、資源価格の上昇もそれに加わっていますから、今でさえ、当初リッター25円の補助金で、ガソリン価格等を抑える国の方針だったのが、いつの間にか、もう41円まできていると。つい最近、愛媛県内が、ガソリン価格175円と報道ありましたけども、本当は175円じゃなくてプラス41円の、もうすでにこの段階で216円というレベルにきていると。税金をどんどん投入することによって抑えているだけでありますから、一体こんなこといつまで続けられるんだろうかという、すごい不安感を感じています。だからこそ、金利政策、経済政策も含めて、今ちょうど参議院選挙行われていますから、本当にどうするのかということを、国でしっかりと議論していただきたいなと切に願っています。

 

(読売新聞)

 すみません、読売新聞です。節電対策と渇水対策についてなんですが、短い梅雨が終わって、猛暑になっていて、電力不足と渇水対策の危機感、強まっていると思うんですが、知事の懸念であるとか、あらためて県民への呼び掛け、それから明日から7月になりますが、例えば、庁内とかでこうした対応を取る、市町に対して呼び掛けるというのがあればお教えください。

 

(知事)

 そうですね、節電対策についてはもう事業所が、それぞれ電力会社がすべてデータとか抱えていますので、われわれが日々日々の発電所の状況を知っているわけではないので、もう本当にその発表を受けて判断するしかないんですけども、なんとか四国電力管内は、夏の電力需要、四国だけを見るとカバーできそうなところなんですけども、余力があるわけでもないし、オールジャパンで考えると非常に厳しい、融通も必要だというような状況にまでなってきてしまっています。

 その一方で、値上げラッシュが始まっている状況でありますから、先ほどの資源、日本は資源がないですから、円安になれば、当然それはコストアップにつながるので、そこを考えると、生活の面でもやはり、それから電力需要をクリアするためにも節電というのは、日々日々、それぞれがお考えいただくというのは、電力会社も言い続けていますので、われわれも呼び掛けを続けていきたいというふうに思っています。

 一方で懸念すべきはやっぱり水の問題でして、昨日、会議を開かせていただきましたけれども、平成6年の渇水というのは本当に凄まじかったんですね。おそらく皆さんも経験されていない状況だと思いますが、1日5時間だったかな、水が出るのが。もう本当に1日5時間しか蛇口ひねっても水が出てこないんですよ。その中で生活しなければならない。例えば、散髪屋さんに行ったらもう洗髪できないわけですよね。何をしたかっていうとこんな大型のバケツに水を溜めて、それをひしゃくですくって、洗髪するとかですね。あるいは喫茶店行くと、お皿にすべてラップがのせてあって、その上にランチがのっている。なぜそんなことするかというと水で洗うことができないので、ラップごとごみ箱に捨ててお皿を使うと。道後温泉は、洗い場で風呂桶に何杯までにしてくれとか。そんなことで全国ニュースで、観光客は激減するとか。それから、これは松山市、当時、平成14年の時はですね、ちょうど私、市長で、あと1日で、翌日から時間断水という決断をしていた時だったんですけど、その手前で、子供さんには申し訳なかったんですけど、学校のプールはもう諦めてほしいと。もちろんコミセンのプールも閉めて、学校のプールも全部閉めて、それでぎりぎり乗り切ったっていう経験がございます。松山市の場合は、あの時にそのあと深井戸を掘ったりですね、あの時点でできることはやったつもりなのですが、そのあと、山鳥坂ダム、あるいは黒瀬ダム。数年前にもう利水は無くなったので、今、松山市がどうするのかというのは議論してるけど、そろそろ方向性が出て来ればいいなと思っていた時に今回の問題が浮上しています。

 おそらくそれだけ長い期間経ってしまっていますから、行政の中にも、実感・経験がない人が大半を占めているので、例えば今松山市の石手川ダム、65%ぐらいかな、貯水率が、本当に瞬く間に下がっていくんです。1%、2%、一日ずつ下がっていきます。「えっ、えっ」、毎日毎日朝起きては、ダムの水位と地下水の水位、松山市二つしか水源がないので、もうここが仮にどっちかが枯れたらもう万歳なんです。ですから苦慮した記憶がよみがえってきますけども。そういう意味で、今、愛媛の状況を見ますとあの当時と貯水量、この時点での貯水率と変わりません。雨が降らなかったら同じことが起こるということを申し上げたのは、そういう裏付けがあるからなのですけども、特に、四国中央市はもうすでに20%を切っているという状況。そして、石手川ダムと玉川が、大渇水の時と同じような7月1日時点の貯水量。空梅雨が発表されているということを考えると、本当に市民の皆さんにも、危機感を経験した世代が少なくなっているから、情報発信が必要なのですが、これは個々の節水対策というのは市町単位に行っていきますので、それで3市に対して呼び掛けをするようにと言ったのはそういうことであります。

 ともかく早めに、枯渇してからでは遅いので、早く手を打てば、それだけ延ばせますので、3市については、四国中央市の場合は1月からやっていますから、ちょっと別だと思いますけど、特に松山市と今治市については、本当に危機意識持って、対応をしていただきたいなと思っています。

 

(南海放送(幹事社))

 他にいかがでしょうか。それではこれで会見を終わります。


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