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令和4年度4月知事定例記者会見(令和4年4月14日)の要旨について
日時:令和4年4月14日(木曜日)
11時41分~11時59分
場所:知事会議室
(南海放送(幹事社))
それでは会見に移ります。まず、幹事社から代表質問させていただきます。ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻が続く中、県では愛媛在住ウクライナ人らへ向けた専用相談ダイヤルを用意するなど、対応を進められているかと思います。専用ダイヤル設置から1カ月が経ちました。現在の相談件数であるとか、代表的な内容、相談内容をお聞かせ願います。また表明されている避難民の受け入れの準備状況であるとか、募集中の救援金の状況なども教えていただければと思います。それでは知事お願いします。
(知事)
はい。ロシア軍によるウクライナへの侵攻から1カ月半が経過しておりますが、いまだ戦禍は収まっておりません。報道によりますと多くの民間人の方が犠牲になるなど、状況、厳しさを増してきております。そして400万人を超える方々が、国外に避難を余儀なくされているという状況が報道されるたびに、21世紀にこんなことが起こるのかという、本当に強い憤りを感じます。また逆に、映像を見て国際社会の連携による支援が本当に必要だということも痛感しております。
なかなかウクライナから日本遠いですし、また、四国もさらに中心部から遠いということもあるので、本県では政府が受け入れの方針を決めたときに、賛同の声を上げさせていただきました。同時に、本県には4名のウクライナ人の方がいらっしゃいますので、すぐに連絡を取って、もし何かあればと、知り合いの避難とかそういったことがあれば、というふうなことはコンタクトを取り続けております。今のところございません。
政府の方では、我が国に身寄りがおられる方の受け入れを表明して以降、県でも、国際交流センターの方に、これは記者会見で連絡させていただきましたが、外国人相談ワンストップセンターを設置しまして、避難民の受け入れに関する相談体制を整えております。
4月12日現在、県と各市町の窓口を含めまして、50件の相談等が寄せられております。
このうち、避難民の受け入れに関する相談は12件ございます。避難方法といった一般的な相談も中には含まれております。また、ウクライナに残留している家族や親戚の避難の模索、あるいは、近隣国等へ避難しているウクライナの知人を、場合によっては呼び寄せたいというご相談、こういったところも複数件ございますが、それぞれいろいろな事情がありますので、現時点で本県へ避難することを決定した方は今のところまだいらっしゃいません。
また、相談の半数以上は、住居の提供や就業などの支援の申し出でありまして、こういうことを提供したいんだとか、こういう支援をしたいんだという、逆にそういう支援の申し出が多いんですけれども、本当に心温まるお気持ちに感謝申し上げます。なお、今後の支援の申し出につきましては避難者のニーズをきめ細かに把握した上で、必要に応じて県民の皆さんに呼び掛けをさせていただきたいと思います。
一方、国では、人道的観点から、身寄りのない方の受け入れについても進めておりまして、航空機の座席の借り上げ等による一部入国も開始されました。本県も受け入れ表明は国に対して行っておりますが、具体的に国の方から打診はまだきておりません。
なお、県としては、身寄りのある方もない方であっても、愛媛県に避難される場合には、県が所有する住宅等の貸し出しや生活相談など、関係課による事務レベルの検討協議は進めておりまして、実際に避難者が来県される場合には、日本への渡航、住まいや暮らし、就労、就学、日本語学習などに関するニーズをきめ細かに、ケースバイケースですからお伺いをして、庁内関係部署と受け入れ市町で、速やかにケアチームを組んで、避難者に寄り添ったさまざまな支援をワンストップで対応する準備をしております。
また、県のウクライナ人道危機支援のための寄付金につきましては、4月13日の入金分で681件、金額で2,961万1,872円の救援金をお寄せいただきました。ご寄付を寄せていただいた方、すべての皆さんに感謝を申し上げます。
また、これらとは別に、実際にウクライナから本県に避難して来た方々の生活が、仮にそういったことが起こった場合に、それを支援するため、本日、4月14日から、ふるさと納税制度を活用して寄付を募ることといたしましたので、ご協力をお願い申し上げます。
最後に、3月の臨時記者会見でも申し上げましたが、本県にはロシアやベラルーシの方々もおられます。これまで、こうした方々ともコンタクトをとってますが、これまでに直接そういった困難な相談は受けておりませんが、こうした方々への差別的な言動や排斥、誹謗中傷等は絶対に行わないように、くれぐれもよろしくお願い申し上げたいと思います。以上です。
(南海放送(幹事社))
ただ今の答弁に関して、質問のある社はお願いします。
(テレビ愛媛)
避難受け入れの相談が12件あったということですが、ただ、実際には受け入れに向けた調整だとかそういったことが進んでいる状況ではないということ。
(知事)
一部可能性はあると思っているのですが、場所とかいろいろな問題もありますし、実はあちらの方に知り合いがやっぱりいるのでというケースもあるようですし、それぞれ相談があったからといって、もう100パーセント愛媛というふうなことで相談されているわけではないケースも多々見られますので、実際に愛媛にということになれば、もう速やかに動ける準備は常に取り続けておきたいと思っています。
(八矢副知事)
相談はありますが、やはりウクライナを離れたくないという気持ちも当然お持ちですから、避難することが前提でということではなく、県に来た場合はどういった支援が受けられるのか、あるいはこういう縁者がいるんだけれどもというような、かなり抽象的な相談も多いです。
(愛媛新聞)
支援の関係から少し離れるんですけれども、ロシア軍の原発への武力攻撃があったと思うんですが、改めて知事の受け止めというのをお聞かせいただきたいのと日本への海外からの原発への武力攻撃に対して、国の方で警備強化を議論するというあたりだったりとか、全国知事会として緊急要望されたりとかしていると思うんですけれども、愛媛県として独自に警備機能を強化したり、国の方に要請をしたりするご予定などそのあたりお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
(知事)
これは全国知事会で先般要請する、愛媛県だけの問題ではありませんので、大きな国の国策ということも踏まえて、知事会で要請するのが一番良いのではないかというふうに思っています。それとまた地理的な条件もそれぞれ違いますので、例えば、日本海側と太平洋側でも空気が違うでしょうし、そういう意味では、意見を集約して、知事会でやるというのが一番良いだろうと思います。
今回の要請については、外交・防衛をつかさどる国に対して、ウクライナの原子力発電所への攻撃、あるいは北朝鮮のミサイル発射を踏まえまして、まず外交等を通じて抑止を図ること、そして万が一の事態に備えて、国民保護法に基づく対応をしっかりと取るということ、それから自衛隊による防衛に万全を期すことなどを、全国知事会として緊急に行ったものでございます。国には、早期に対応策をぜひ検討していただきまして、その方針、結果を国民、自治体に説明していただけたらというふうに思います。
原発への武力攻撃を想定した対応につきましては、国のこれは防衛政策に関わる事項になりますので、今、国会の方でも議論が行われている段階だと思います。できるだけ早く、その方針を固めて、説明をいただけたらというふうに思っています。
原子力発電所への武力攻撃については、何よりもこうした暴挙が行われないように、外交・安全保障上の努力、これがもう最大テーマでございますが、今申し上げたように、万一の場合には、国民保護法に基づいて策定している県の計画に沿って、情報の収集・伝達はもとより住民避難の誘導やそして救助活動、これは国と関係機関全てと連携しながら、事態が何かあった場合の検討と訓練というのは行っていかなければならないと思います。
また、伊方(発電所)ですけれども、特定重大事故等対処施設の設置が義務付けられておりまして、昨年の10月5日からその運用が開始されているところでございます。
あとこういう機会ですので、伊方発電所だけではありません。全国の日本国内の発電所の警備は、既に警察及び海上保安庁が24時間監視体制を敷いております。そしてその上で、政府が、さらなる警備体制の強化を図るための議論を今しているところであろうと思います。警備体制の強化と武力攻撃への備えは次元はまた異なってはきますけれども、こうした武力攻撃への備えについても、しっかりと議論を深めていただきたいというふうに思います。
(南海放送(幹事社))
それでは代表質問以外で質問がある社はお願いします。
(読売新聞)
前回の定例会見の際に、知事への出馬要請の話を伺ったんですが、そのあとに実際に出馬要請の際に、未来像を知事自身が描けるかどうかが重要になってくるということだったと思います。先日も南予を訪れられたりとかして、いろいろな方の話を聞く中で、未来図がどの程度描けてきてるのかなっていうのをちょっとお伺いしたくて、前回の感想でもいいんですけれども。
(知事)
公約というものが、ないがしろにされた場合に、政治不信というものが拡大していくということを常々考えてきました。だからこそ、しっかりとした公約を作り上げて、それを訴えることで、県民に審判を仰ぐと。有権者に審判を仰ぐということが基本だと思っています。なかなかこの国、日本全体が、選挙前の公約はよく取り上げられるんですけども、その公約が実現したか否か、どうなったのかというのは、チェックというのはあまりされていないんですよね。
だから、政治に携わる側もチェックされないのだったら、耳触りのいいことを言えばいいやと。およそ実現不可能な、夢物語のような公約を掲げやすい環境になってしまっていると。確かにその瞬間は、それいいね。例えば、税金をゼロにするとかですね。そういったことを言った方が、その瞬間の受けはいいのかもしれないけど、結局、裏付けが全くありませんから、もしそういった方が通った場合は、実現できないので、また政治不信につながると。この繰り返しが政治不信の根本にあると思いますので、やはり公約で、いろいろな情報を収集して、任期は4年だとすると、その4年間の中で、何をすべきなのかということを明確に固められない限り、どんな選挙でも、基本的には立候補する資格というのがないんじゃないかなっていうことを考えてきました。
先ほど申し上げましたように、今は、西日本豪雨災害からの復旧、復興が3期目の公約の一番大きな柱となって、その上で、防災、減災対策と少子高齢化に伴う人口減少対策にどう向き合うか。そして、地域経済の活性化をどう図っていくかという三本柱をベースにして枝分かれするような政策、公約を出させていただいて、実現に向けて走ってるところです。
ただこの間ですね、コロナという全く想定しなかった問題が発生したということ、それから、予想以上にIT技術の進化が進んでいるということ。そしてロシア、ウクライナ情勢に伴って、国際政治やそれに影響される経済活動が影響を受けるということ。SDGsという生き残りをかけた展開を世界全体でしなければならないということ。変動要因がすさまじい塊で出てきてます。4年前には想像もつかなかった変動要因だと思うんですけども、それを受けて先の4年間描くというのはそう簡単なことではないと思いますので、まだ今、日々日々、コロナに向き合っている最中ですから、公約というものが自分の中で描けるのかどうか、まだ問い詰めていない段階でございます。
(読売新聞)
少しずついろんな分野で描きつつあるということなんですか。その達しないと資格がないということなんですというお話で。
(知事)
公約、もちろん変動要因も今、申し上げたようにありますから、それによって数値目標がこういう理由で達成できなかったとかいうのは当然あると思います。100パーセント達成できるとは思っていませんから、公約っていうのはこの方向でやるという、大まかな。そこでできる限り数字を入れて、KPIじゃないですけども、示していくということはやりますけども、あまりにも数字に、例えば、昔はマニフェストっていうのが流行りました。僕はマニフェストはあまり賛同してなかったんです。というのはですね、あまりにも細かい細かい工程表を作って公約にしてしまった場合、何が起こるかというと、変動要因に臨機応変に対応できなくなってしまうんですね。
おそらく、組織にそれを下ろした時には、ともかくうちの部署はこの公約がこうなってるからこの数字さえ上げればいいという、そういったところに集中してしまいますから、機動力を失ってしまいます。ですから、大きな目標は掲げますけれども、あまり細かい、マニフェストと言われるような公約というのは私は出したことはございません。
ただ、大きなこういう流れ、変動要因がこういうにふうにあるんで、この分野ではこういうことを目標にしたいというのが公約ではないかなというふうに思ってます。
(南海放送(幹事社))
よろしいでしょうか。では、これで会見を終了させていただきます。ありがとうございました。
(知事)
はい、どうもありがとうございました。