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令和2年度5月知事定例記者会見(令和2年5月26日)の要旨について
日時:令和2年5月26日(火曜日)
11時18分~11時35分
場所:知事会議室
(テレビ愛媛(幹事社))
先週、南予地方で大雨洪水警報が出され、先の豪雨災害被災地の一部では避難準備情報も発令された。今後、出水期を迎える上で、避難所における新型コロナウイルスの感染防止対策は喫緊の課題であると考えられるが、これに対する県の取り組みと実際に避難所を開設する市町に対してどのような支援をするのか聞かせていただきたい。
(知事)
現在市町ともどもコロナ対応に一丸となって取り組んでおりますけれども、このような中でも、これから出水期を迎えますので、場合によっては災害がいつ起こるかもしれないと、自然というのは、容赦なく襲ってくるということも考えておかなければなりません。そういったときに、大規模な場合は避難所が設営されますが、誰が考えても3密になりやすいという場所であるということで、ここでの感染防止は県としても重要な課題であるというふうに認識をしています。
避難所の運営主体は市町になりますけれども、県も積極的に一緒になって考えていく必要があると思っていますので、5月1日金曜日に開催した県・市町合同新型コロナウイルス感染症対策本部会議を公開させていただいておりますが、ここにおいても、私の方から直接、全20の市町長さんに、「この天災に備えた避難所の感染防止対策、ぜひ考えていただきたい。」という要請をさせていただいたところでございます。
また、防災担当部局では、国の通知も踏まえまして、災害対応の専門家から助言をいただきながら、三つの密を防ぐための具体的な対策等を示した感染拡大防止のための避難所運営の留意点、これを取りまとめています。専門家のご意見をベースに取りまとめがなされました。可能な限り多くの避難所の開設や、体調不良者の専用スペースの確保など、市町に対し出水期に向けた検討、対応を要請しているところでございます。
さらに、県民の皆さんの避難行動や避難所での感染予防、(避難所に)入られた方の意識が重要になってまいります。分散避難の観点から、親戚や友人の家など、さまざまな避難先の検討を複数、事前に行っていただくこと。それから、感染を恐れて避難しないという選択はせずに、命を守るために必要な行動をとることを最優先に迅速な避難を行っていただくこと。それから、本当に基本的なことですが、避難の際にはマスクや消毒液、体温計等の衛生用品を可能な限り持参していただきたいということ。それから、咳や発熱等の症状がある場合は、直ちに運営者に連絡をしていただく、申告していただいてその場で指示を仰いでいただくこと。このあたりが極めて重要になってくると考えます。これらを県のホームページ、県政広報番組、広報誌などいろいろな広報媒体を活用して、市町と連携しながら啓発に努めていきたいと思います。
5月21日には市町の担当者とテレビ会議が開催されまして、各市町の避難所における感染予防対策の情報共有が行われました。今後、市町の要望も踏まえまして、災害時応援協定による物資の調達支援や、県有施設の避難所活用についても、積極的に対応していきたいというふうに思います。市町においては、衛生資機材の整備や避難所の拡充など、さまざまな対策にスピード感をもって取り組んでいるというふうに聞いておりますが、今後とも、いろいろな機会を捉えまして、その取り組みを積極的に支援し、出水期の避難所対応について万全を期してまいりたいと思います。以上です。
(テレビ愛媛)
これから出水期に入るということで、各市町の対応によるとは思うが、6月の補正(予算)とかで支援を考えているか。
(知事)
必要であればやりますけど、今はまだそこの作業はしていません。今はマニュアル作りと、それからそれを市町に要請することと、その進捗状況を見極める段階かなというふうに思っています。もちろん必要とあらば積極的に対応していきたいと思っています。
(南海放送)
各市町で資機材の調達が予算措置はしていても困難という課題があるようだが、県としては応援協定による物資調達のフォローがメインになるのか。その他の、例えば、県が備蓄している物を供給するとか、そういったのは考えているか。
(知事)
もちろん考えられますね。ただ、今の段階というのは、むしろ、西日本豪雨災害を経験していますから、経験のない地域、他県と比べたら、かなり市町の取り組みも進んできていると思います。
ただ、ここにコロナという新しい課題が浮上しましたので、先ほど申し上げたように避難所をできるだけ多くするとか、スペースをとるとか、あるいは、先ほどの入られる方への事前の必要事項の啓発であるとか、こちらをメインにして、その中で、資機材等々については、これは別にコロナであれ何であれ、ベースとして必要な物、あるいはコロナ対策をすることによって特別に必要となる物と、区分けできると思いますので、そこら辺はしっかり連携しながら、一緒になって考えていきたいと思っています。
(愛媛新聞)
自宅待機中の濃厚接触者の方がいらっしゃるかと思うが、この方々がもし避難しないといけないとなった場合、どのような対応を考えているか。
(知事)
濃厚接触者の方々が、災害時に避難所で他の避難者に感染させてしまう可能性から避難をためらったり、ためらうことにより被災してしまう事態というのが最悪のケースだと思います。
まずは、避難できる体制整備が重要となってきます。そのために、各避難所において、一般の避難者用のスペースと、ゾーンや動線、トイレ等を分ける、この工夫が絶対に必要になってまいります。それから、プライバシーに配慮した個室の専用スペースを確保する、こういうことも必要となってくるかもしれません。特に、濃厚接触者の心情に配慮すると、指定避難所の中から濃厚接触者等の専用避難所を選定する、あるいは新規の避難所指定や、今回、(感染者の)宿泊所施設を確保していますけれども、ホテル、旅館等の避難所としての活用、こういったことも考えられると思いますので、可能な限り一般の避難者とは別の避難所を確保することが重要ではないかなというふうに思います。これが難しい場合には、指定避難所内の専用スペースと、順番でいうとこういうことになるかなと思いますので、体制の準備は進めていきたいと思っています。
(愛媛新聞)
それらの具体的な対応は市町の方でぜひ考えてほしいということか。
(知事)
そうですね。ホテルの状況、使えるかどうかという状況というのはわれわれよりむしろ市町の方が現場として情報は持っているので、まずそこでベースを考えていただくということにしたいと思っています。
(テレビ愛媛)
西日本豪雨から2年ということで、避難意識を醸成させるような施策もケアしていると思うが、なかなか避難しないような事例もあると思う。コロナの影響でますますこういう事例が広がりかねないと危惧されるが、そのあたりはどのように考えているか。
(知事)
いや、これは本当に難しいですね。例えば、避難訓練でもやり方によっては3密になるケースもありますよね。特に避難訓練を実際にやるとなると、前々から申し上げているように、全員の参加というのが理想ではありますけれど、それは現実的ではないと。さらに、それがまたコロナの影響で絞り込まざるを得ないのかなと。ということになると、限られた人数での実施はこれは必要だと思いますが、今まで以上に啓発活動に力点を置いて、マニュアル等の浸透等も含め、徹底する必要があるのかなというふうには感じています。
(南海放送)
昨日、全国で緊急事態宣言が解除された。それに伴って、その外出自粛の段階的緩和の目安というものが政府の方から示され、県をまたぐ移動だとか、観光について段階的に緩和していこうということだが、県としてはこの目安について合わせていくのか、そういったところ感覚はいかがか。
(知事)
あの、これはすごく難しい判断だと思うんですが、地域によって事情が全然異なりますよね。例えば、愛媛県であれば、解除うんぬん関係なく県の設定している警戒期は5月いっぱいまでぜひ続けさせていただきたいというふうな方針でやっていますし、昨日も、北海道は解除になったからといって変わりはないんだと、北海道方式の警戒感を継続してほしいと知事もコメントされました。関東においては、なんとかステップとか、いろいろな公表を東京都もされまして、でも隣の神奈川県は全く違う対応になっていると。だから、やっぱり地域の実情に応じて、国の出したものはベースとしながらも、知事が責任もって地域ごとに臨機応変に考えていかざるをえないんじゃないかなというふうには思っています。
(南海放送)
国の指針に合わせてというよりは、もう県独自で。
(知事)
一応、国の方針をベースとして。例えば、濃厚接触者の判定とかと同じことだと思いますが、ベースの指針というのはちゃんと受け止めつつも、そこから地域事情というのを勘案して独自で対応するというのは必要だと思っています。
(南海放送)
それに関連して、少し具体的な話になるが、道後温泉の開館について、いったん開けるとなったときに、やっぱり県外から観光客を呼び込む運用になるんじゃないかということで、県と協議した結果、再度閉館を継続するということになったと聞いている。今もかと聞かれると、現在、一応警戒期が31日まで、6月1日からは開館するのかなみたいな予想をされていると思うが、道後温泉の開館についてはどのように。
(知事)
基本的に、松山市からご相談があれば、協議に応じさせていただきたいと思いますけれども、この全国一律に出されている中身を見ると、どういうハンドリングをするかというのは、これはもう本当に市の判断になろうかと思います。例えば、旅行については、当面はそれぞれの県内にしてくださいとか、いろんな指針があるわけですよね。それをしっかり受け止めて運営をされる、そのためにはどうするのかということも議論されるでしょうし、あるいは(6月)18日まででしたかね、また次の段階に変わると、そこに向けて、もしそこをベースにするんであれば、(6月)18日まではこうします、18日以降はこうしますということを、まずは運営主体である松山市さんがベースの考え方を固める必要があると思います。その上で、協議という要請があれば、県の立場として「これはどうなのか。」とか、「これはそのとおりだね。」というふうなことをアドバイスしていくというかたちになると思います。
(NHK)
それに関連して、18日までは、東京とか、北海道とかというところは、なるべく行かないようにということになっているが、そうすると、18日までは、愛媛県もやっぱり東京から地方にはあまり行かないようにと、自粛を求めることになるのか。
(知事)
その可能性はありますね。特にこれは、今までも、この(感染拡大回避行動の)三つ目の、「県外への外出自粛」、これは全国一律の呼び掛け、国からの呼び掛けですから、それに応じてこういう文言になっていますので、先ほど申し上げましたように、ベースは国の指針を用いながら、あとは地域ごとの実情に応じた判断というふうに申し上げたので、その国のベースになっているところを取り入れて、呼び掛けるという可能性はあります。まだ、ここで決まっている(感染拡大回避行動)、今はもうこれをともかく継続してくださいということなので、今週中にはその方針を発表したいと思います。
(NHK)
そうすると、また仮の話になってしまうが、18日までもそうだとすると、例えば東京に行って戻ってきたら、2週間の自宅待機をお願いするということになるのか。
(知事)
そうですよね。ただ、もう一つはやっぱり東京の感染状況が今後どうなっていくのか、昨日も申し上げましたけれども、特に一気に解除された場合に、どれだけ人が外に出て行くのか、それによって感染状況が収束していくのか、あるいはまた右肩上がりになるのかというのは誰も分からないんですよね。ですから、そのあたりの情報キャッチというのも、すごく日々大事になってくると思っています。
(愛媛新聞)
先ほどの関連で、県としては感染縮小期にこういう要請を求めますよというのを発表されていたかと思うが、それは、国の方針が出たというところで、修正する可能性はあるということでもいいのか。
(知事)
そうですね。それはありますね。国の指針が初めて昨日示されましたので。それまでは指針がなかったので、自力で考えるしかなかったという状況でした。